自分の学びのために，現存する会社についてケーススタディを行っています。 今回は，スポーツ用品のヒマラヤを題材にします。

1. ヒマラヤ～会社概要
会 社 名 株式会社ヒマラヤ
設 立 1991年
資 本 金 2,544,409,891円（平成28年8月31日時点）
代 表 取 締 役 代表取締役会長 CEO 小森 裕作
代表取締役社長COO 後藤 達也
本 社 所 在 地 〒500-8630 岐阜県岐阜市江添1丁目1番1号
従 業 員 数 899人（平成28年8月31日時点）
年 間 売 上 高 720億5千6百万円 （2016年8月期）
経 営 理 念 わが社はスポーツを通じて余暇の充実及び青少年の健全育成をめざし
誠意と情熱と創意をもってスポーツ文化の反映と発展を図り
お客様第一主義により広く社会に貢献することを基本理念とする
事 業 スポーツ用品の販売
出典：同社HP

2. 売上も伸びておらず，財務安全性も低い。アルペンとゼビオに引き離されている。
財務分析～売上，財務安全性～
出典：各社HP
伸びる競合2社に対し，
自社は原則
競合2社に劣り，十分な
レベルとは言えない
競合2社に比べて低く，
一般的にも低いレベル

3. 利益率の低下は3社ともに顕著。自社はマイナス成長に移行してきている。
財務分析～収益性，成長率～
出典：各社HP
総じて急激低下している 総じて急激低下している 成長を維持する競合2社に対
し，自社はマイナス成長へ

4. 競合2社に対し，資本を効率的に使用して稼いでおり，滞留債権も少ない
出典：各社HP
財務分析～活性度～
競合2社よりも資本を効
率的に使っている
競合2社よりも滞留債権
は少なく，回転率は高い
3社に大差はない

5. 社員が最も若いが人数が少なく，労働生産性もパッとしない
財務分析～人～
3社の中で最も人が少ない
出典：各社HP
3社の中で最も社員が若い ゼビオに対しては生産性で
大きく引けを取る

6. 事業分析～セグメントごとの売上割合～
ヒマラヤは「一般スポーツ」寄り，アルペンは「ゴルフ」寄り，ゼビオはその中間
の売上割合を持つ
一般スポーツが約8割 ゴルフ割合が3社で最多 ヒマラヤとアルペンの中間
のバランス
出典：各社HP

7. 出典：http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/bunseki/pdf/h26/h4a1502j1.pdf
市場分析～スポーツ行動の傾向～
シニア特に60歳代のスポーツクラブ使用料が最多であって，市場も増加傾向
他スポーツ施設と異なり，
フィットネスクラブは増加傾向
50～70歳代，特に60歳代の
スポーツクラブ使用料が最多

8. 出典：http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/bunseki/pdf/h26/h4a1502j1.pdf
市場分析～シニア層のスポーツ行動～
高齢者の体力・運動能力の向上とともに，健康・スポーツ活動への参加率・数
が増加してきている
高齢者の「健康・スポーツ」に関するグループ活動への
参加率が増加しており，絶対数も相対的に大きい
高齢者の体力・運動能力が
向上し続けている

9. 出典：http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/bunseki/pdf/h26/h4a1502j1.pdf
市場分析～地域とスポーツクラブの状況～
大都市圏のスポーツクラブ数，利用者数が多い傾向がある。

10. 出典：https://www.yano.co.jp/press/pdf/1539.pdf
市場分析～スポーツ用品国内市場規模と内訳～
スポーツ用品の国内市場は増加しており，汎用性の高い「スポーツシューズ」
「アウトドア」「アスレチックウェア」，単価の高い「ゴルフ（用品）」がシェア上位に
スポーツ用品の国内市場は増加
し続けている
スポーツシューズ，ゴルフ，アウトドア，アスレチック
の順に市場割合が大きい（2016年予測）

11. まとめ～課題と方向性～
市場
競合
自社
・シニア特に60歳代のスポーツ支出が最多，増加
・スポーツ用品の国内市場は増加傾向
・大都市圏にスポーツクラブと利用者が集中
・ゼビオ及びアルペンは自社より規模で圧勝
・ゼビオの従業員生産性が突出して高い
・アルペンはゴルフ用品に強み，ゼビオはバランス
・財務的な活性度は高い
・気象リスクの高いウィンター用品比率を抑え，一
般スポーツ用品比率を高くしている
・売上の伸びが減速している
1. 大都市圏を中心に売場
増加を図り，市場の伸
びに追従する
2. シニア層向けのスポー
ツグループ活動の主催
することでシニア層を取
り込む
3. 市場シェアの高い用品
に注力するとともにシニ
アラインを設ける
4. ハイパフォーマンス人財
の確保に向けた人財採
用及び育成を行う
方向性