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よか隊ネット事業概要
- 2. ■活動理念 ① 最も小さくされた人々に偏った支援を行う ⇒「最も小さくされた人々」とは「行政などの支援から漏れている人々」と定義しています。公平性の担保が求められ る行政型の支援ではなく、「必要とされている支援を必要なだけ偏った形」で行います。 ② できないことは、あやまる ⇒マンパワーや資金に限りがあるので「できない」というライン引きも行います。 ③ 震災前から実施されていた地元団体の活動を基本としつつ活動する ⇒東日本大震災の時に外部からの人やお金の瞬間的な流入により、一時回復したかに見えた地域力は、長く持続し ませんでした。地元団体の活動を基本とすることで、マンパワーや資金に拠らない各団体の力の底上げに繋がる支 援を行います。 1. 団体概要 こころをつなぐ『よか隊ネット』は、日ごろから困窮者支援や環境問題、地域での孤立者支 援、子ども支援、東日本大震災被災者支援などの活動をしてきた多様な団体で2016年4月 19日に結成されました。各団体がこれまで培ってきた専門性と地域とのつながりを活かし、 被災者支援を実施しています。 私たちの活動は、目の前にいる困った状況にある人に対して、「できること」をすることです。 したがって以下のような活動理念を掲げています。
- 4. 2. よか隊ネットが行う事業内容 （１）A型事業 被災された地元団体の活動を応援する事業です。 A型事業 A-1 団体間コーディネート A-5 助成金(終了) A-3 物資支援 A-4 車両支援 A-6 人的支援 A-2 団体向け相談支援 ●A型事業分類
- 8. A-3 物資支援 全国から集めた物資を加盟団体へ提供し、各団体の活動に役立てて頂いています。 A-4 車両支援 加盟団体へ車両貸し出し支援を行っています。炊き 出し活動や物資の配給に利用して頂いています。 A-5 助成金支援事業(終了) 全国から集めたカンパを資金源として、熊本の市民団体への助成金拠出を行っています。1回 の上限を10万円とし、申請書・報告書等で活動を管理、また助成を受けた団体には、A・B型事 業への一定程度の参加を求めることで「お金だけの関係性」になることを防ぎます。 A-6 人的支援 よか隊ネットに参加している個人ボランティアを加盟団体へ派遣・斡旋しています。
- 9. （２）B型事業 「よか隊ネット」が主体となって行う事業となり、加盟団体の協働で実施します。 B型事業 B-1 車中避難者への アンケート調査(終了) B-2 夜間巡回(終了) B-3 個別相談窓口支援 B-4 上小谷地区支援 B-5 益城町地域支え合いセンター(みなし仮設) ●B型事業分類
- 10. B-1 車中避難者へのアンケート調査(終了) 今回の震災の大きな特徴の一つである「車中避難者」の的確なニーズ把握、適切な支援 を行うためにアンケート調査を行いました。 調査結果はHP上で公開する他、熊本県と熊本市に提言書とともに提出しました。 第１クールアンケート調査概要 １．目的 ①熊本地震で車中避難を余儀なくされておられる方々（以下、車中避難者）の状況をお聞きし、 今回ならびに今後の震災被災者支援に役立てる。 ②震災支援や復興に関する行政への提言を考えるための基礎資料とする。 ③車中避難者の状況・意見を都市型災害の貴重な記録として残す。 ２．方法 （１）調査地：熊本市内、益城町、御船町 ※詳しくは「別紙資料」を参照 （２）調査期間：2016年4月26日～5月4日（9日間／第1期） （３）方法：調査票を用いた個別面接法（「出水南公園」「北区新地公園」分14票は留め置き） ３．対象者 （１）人数：車中避難者131名（車横でのテント生活者含む） （２）性別：女性69名（52.7%）、男性 61名（46.6%）、不明1名 （３）年齢：10代 1名（0.8%）、20代 12名（9.2%）、30代 19名（14.5%）、40代 33名（25.2%）50代 26名（19.8%）、60代 27名（20.6%）、70代 以上 12名（9.2%）、不明1名 （４）世帯全員が車中避難か：一緒に避難 66名（50.4％）、分かれて避難 38名（29.0％）、単身者 18名（13.7％）、その他・不明 9名 （6.9％） （５）自宅からの距離：町内 59名（45.0％）、1～3km以内 48名（36.6％）、4～5km以内 16名（12.2％）、6～10km以内 5名（3.8％）、不明 3名 （2.3％）
- 11. B-2 夜間巡回(終了) 車中避難者は、現在行政が実施している支援とつながっていないばかりか、仮設住宅入 居等、今後の施策につながらない可能性もあります。また、長期化している車中避難者が 個々に抱える課題は個人での対応が難しいケースも多く、適切な支援につないでいく必要 があります。 調査で訪れた車中避難者を定期的に巡回することで、「顔の見える関係」を構築し、今後の支 援に確実につながるように情報提供及びアウトリーチ型の相談事業を実施していくと同時に、 「もどし」も行える伴走型支援へと繋げていきます。 1. 場所 •調査で訪れたスポット(30ヶ所)182台分を再調査し、流動的な車中避難者の 状況を把握し巡回を行っていく。 2. 期間 •3週間稼動、1週間休みを1クールとし(合計1ヶ月)、3クールまで行う予定。 3. チーム編成 •ボランティア20名程度を募り、1チーム2～3人に編成する。 •固定リーダーを決め、リーダーは事務局に報告を行う。 4. 巡回方針 •一度で全て聞こうとするのではなく、徐々に顔なじみになることを目指す。 •連絡先は断られても良いので、一度聞いてみる。 •難しい場合は、「またここに来ますか？」など、わずかでも繋がりを作る工夫を行う。 •行政が提供する情報や熱中症予防なども呼びかけしながら、まず手土産を配る。 •緊急の支援が必要な方がいた場合には事務局に連絡。 5. 方法 •スポット毎に担当者を決め、定期巡回を行える様にする。 •インテークの段階では行政からの情報の提供やエコノミークラス症候群、熱中症予 防などの呼びかけなどで入っていく。
- 12. B-3 個別相談窓口支援 アンケート調査や夜間巡回で出会った方々への訪問型個別相談支援を行っています。 出口としては行政や加盟団体への「つなぎ」を行い、その「つなぎ」が適切でなかった場合 は「もどし」を行って、再び「つなぐ」という「伴走型支援」を目指していきます。 関係づくり →記憶の共有 話し合い アセスメント →プランの共同作成 つなぎ →試行錯誤 もどし →振り返り 相談者 ↓ ↑ 支援者 相 談 者 よ か 隊 福祉機関 医療機関 就労機関 教育機関 法律専門家 NPO・市民団体 地域コミュニ ティ 友人・自助グ ループなど つなぎ 伴走 よ か 隊 フィードバック もどし ●伴走プロセス ●出口支援プロセス
- 16. 4.具体的な取組(1) 2)ＳＶについて (一社）パーソナルサポートセンター(仙台市)より訪問型相談支援のスキーム導入を目的として、定期的に職員が来熊。 よか隊ネット相談員の訪問に同行し、ＯＪＴで指導。 1)個別訪問 ・初回訪問について 調査支援員の2人1組で訪問を行う。また、事前にアンケート送付などを行い、事前情報を出来る限り得た上で、訪 問先に優先順位を付け、効果的な実施を進める。 ・福祉分野(困窮者、高齢者、障がい者支援等)の経験者、有資格者を中心とした人員配置。 ・原則として相談支援員・調査支援員の2人1組で訪問を行う。 ・主任はプラン作成・ケース対応・書類作成を中心に行う。 初回訪問後のランク設定について 訪問後、訪問先をA～Eランクに選別。 ・緊急度Ａ・・・ 差し迫った危険、危機的状況があり、行政職員及び専門機関による緊急の介入、支援が必要な世帯。 ・緊急度Ｂ・・・ Aほど差し迫った状況はないが、困難な課題に直面しており、中心となる支援者がおらず孤立しているなど、行政職員を中心とした継続的な 支援が必要な世帯。 ・緊急度Ｃ・・・ おおむね生活が安定しており、直ちに支援の必要はないが、今後支援が必要となる可能性があり、見守りが必要な世帯。 ・緊急度Ｄ・・・当面支援の必要がないと考えられる世帯。 ・緊急度Ｅ・・・ 調査票が返送されなかったり、訪問しても不在であるため、生活状況が不明の世帯。 ⇒ランクに応じて優先順位をつけ、ケース対応を行っていくことで、効率的な支援を実現していく。
- 18. 版数 日付 内容 1.0 2016/12/24 初版作成 改版履歴