外国人研修生研修論文2016

1. 中
国
か
ら
伝
来
し
た
も
の
の
日
本
で
の
発
展
北
京
外
国
語
大
学
盧
雨
聡

2. 中国と日本は、同じ東アジアの国として、
経済、文化、社会などいろいろな面において、
交流が盛んに行われ、関係が深まっています。
その深い関係は一朝一夕にしてできたもので
はなく、千年以上にわたって築き上げてきま
した。

3. 「楽浪海中有倭人 分為百余国
以歳時来献見云」
「漢書・地理志」
楽浪海中に「倭人」あり、 分
かれて百余国をなし、 歳時をもっ
て来たりて献見すと云う
弥生時代

4. 「建武中元二年 倭奴國奉貢朝賀 使人自稱
大夫 倭國之極南界也 光武賜以印綬」
「後漢書・東夷伝」
「倭人在帶方東南大海之中 依山島爲國邑
舊百餘國 漢時有朝見者 今使譯所通三十國」
「三国志・魏志倭人伝」
弥生時代

5. 飛鳥時代
日本から遣隋使・遣唐使が中国に
渡り、当時の大国であった隋・唐の
文化や制度などを日本に伝えました。

6. 中国から伝来した
もの
和同開珎
平城京 長安
開元通宝

7. 中国から伝来した
もの
食品：お茶、豆腐など
日常品・道具：箸、鏡、紙、陶磁器など
年中行事：奇数の重なる月日→節句など
文化：漢字、儒学、仏教など

8. 箸

9. 中国の史書「魏志倭人伝」には、3世紀ごろ、
日本人の生活ぶりに関する記述がありました。
「倭地温暖 冬夏食生菜」「食飲用籩豆
手食」
（倭の地は温暖で、冬でも夏でも生野菜を
食べる。飲食には高杯を用いて、手で食べ
る。）
箸
では、箸が日本で食器として使われるよう
になったのはいつでしょうか。

10. 初めて箸食制度を取ったのは聖徳太子だと
いわれています。中国に渡った遣隋使が箸を
使って食事するのを聖徳太子に報告しました。
そして、中国からの使節団を招待するとき、日
本では手掴みで食事をしていることが知られた
ら、日本は野蛮な国だと思われるかもしれませ
んので、聖徳太子がきゅうきょ朝廷内に箸を
使って食事するよう命令したそうです。
箸

11. 箸

12. 箸
• 長い
• 縦に置く
• 長い必要はない
• 先端が尖ってい
る

13. 箸
共通するマナー
• 迷い箸：料理が決まらず手をあちこち動かすこと
• 刺し箸：料理を突き刺して食べること
• 箸をごはんの上に刺したてること
日本では、亡くなった人の枕のそばに置く一膳飯
は箸をごはんの上に刺したてています。そして中国
では、そのようなごはんは亡くなった人へお線香を
たくように見えますので、日本と同じ縁起悪いこと

14. 漢字

15. 漢字の伝来
応神天皇15年（284年）、「論
語」と「千字文」の伝来

16. 漢字の読み
方 漢字 行
訓読み
日本語の発音を漢字に
当てはめた読み方
行
く
音読み
中国語の発音を真似た読み
方
呉音 漢音 唐音
ｷｮｳ ｷﾞｮｳ
行列
ｺｳ
銀行
ｱﾝ
行灯

17. 呉音 漢音 唐音
５～６世紀 ７～８世紀 鎌倉時代以降
音読み

18. 漢字の書き
方 略し方によって
違う
中国古代の漢
字
中国簡体字
日本の漢字
樂國
国
国
乐
楽
冰 画
氷 画

19. 漢字が同じでも、中国語と日本語の
意味はまったく違うこともあります。
• 床
• 湯
• 手紙
• 娘
床 ベッド
汤 スープ
手纸 トイレットペーパー
娘 お母さん
漢字の意味

20. 漢字の逆輸
入 漢字や漢語自身は中国から日本に伝わった
ものですが、近代では日本の和製漢語が中国
に逆輸入する場合もあります。近代、日本は
明治維新を通じて古い制度を破り、欧米の新
しい技術や思想、制度などを取り入れました。
新しい概念やものがたくさん出てきて、先人
たちが見事にそれを日本語の言い方に訳した
のです。

21. • 科学
様々な学問（分科の学）
science
様々な学問の集まり
科学
漢字の逆輸
入

22. 前文で述べたように、日本と中国の交流は千
年以上にわたり続いてきました。長い歴史の中で、
日本が中国の文化を学ぶこともありますし、中国
が日本から新しい技術を輸入することもあります。
本当にいい付き合いはどちらかが圧倒的な立場に
あるのではなく、対等な関係を保つことが重要だ
と思います。これからも日本と中国は連携してお
互いに学びあい、ともに発展していくことを願っ
ています。