中小企業のM&Aについて_かえで会計アドバイザリー

中小企業のM&Aについて

かえで会計アドバイザリー株式会社

Kaede Group. All rights reserved.

http://kaede-accounting.com

1

テーマ

n  M&Aの売買価格は、どう決まる？
n  M&Aの手法によって、
売り手／買い手の損得も変化する
n  どんな会社が、M&Aの対象として適しているか？



2

M&A件数の推移
件数

日本企業同士
のM&A


日本企業による
外国企業のM&A

外国企業による
日本企業のM&A


3

M&A市場
• 

M&A市場：　売り案件 20％　⇔　買い案件 80％

• 

良い案件があれば、すぐに売れる。

• 

買い手の誰もが手を出さない、どうしようもない売り案件が多い
売り案件の内訳

：

：

M&A不可
案件,
30%

M&A成立
案件,
40%

再生可能
案件,
30%



4

M&A実務手続きの流れ
トップ面談、企業訪問
ノンネームで、

買い手

個別相談

企業概要などの

商談申込
受諾

情報一式を作成

条件交渉

意向表明書の提出

売り手

個別相談

企業情報の検討

商談

申込
基本合意書の締結

：

：

デューデリジェンス＜買収監査＞

（財務、法務、ビジネス、人事）

最終条件の交渉

最終契約書の締結

クロージング

（引渡と代金決済）



5

M&Aの形態
株式譲渡
事業譲渡
M&A

経営権の移
転あり

会社の株式を売却

会社の中の特定の
資産と負債のみを売却

合併
株式交換・移転

 

会社分割
業務提携
提携

経営権の移
転なし

合弁会社
資本提携



6

株式譲渡 vs 事業譲渡（3000万円での売却を想定）
１．株式譲渡のケース

＜売手オーナー＞

＜買手企業＞
山田産業の株式の100％を売却

山田社長に3000万円を支払い
2．事業譲渡のケース

＜売手企業＞

＜買手企業＞

＜売手オーナー＞

山田産業の全事業を売却
（事業設備1000万円＋従業員）
山田産業に3000万円を支払

事業譲渡後も
100％所有は継続



7

株式譲渡 vs 事業譲渡（3000万円での売却を想定）
　

買手企業

株式譲渡 

事業譲渡 

売手企業

売手企業のオーナー

買手企業は、子会社株式として3000万円を資産計上する
株主が変更となるだけなので、売り手企
。株式取得コスト3000万円は、一切、費用処理はできない。
業の決算書に影響はなし。

＜法律上の留意点＞
• 売手企業の法的リスクの全てが買手に自動引継ぎされる。 
（法的リスクの例：訴訟リスク、過去の脱税リスク、簿外負債
リスクなど）

買手企業の決算書には、事業設備1000万円及び営業
権（のれん）2000万円が資産計上される。営業権は、その
後、5年間で定額費用償却できるため、700万円（2000万円
×約35％）の節税効果がある。

＜法律上の留意点＞
• 売手企業の法的リスクは引き継がない。
• ただし、売り手企業が有する対外的契約（建物の賃借権や
顧客との販売契約など）が自動引継ぎされないため、契約
の名義書換えなどが必要となる。


もともと1000万円の資本金で設立した
会社を3000万円で売却したと仮定した
場合、株式売却益は2000万円となる。

この2000万円に対して20％の所得税
（400万円）が課税される。よって、オ
ーナーの手許には2600万円（＝3000
万円－400万円）が残る。

事業売却益2000万円（＝売却代金3000万売り手企業のオーナーの個人の財布
円－事業設備1000万円）が、売手企業のにはお金は入ってこない。
利益となる。

もし、売手企業に税務上の繰越欠損金が
2000万円以上あれば、繰越欠損金と事業
売却益が相殺され、法人税の課税はゼロ。

税務上の繰越欠損金がなければ、事業売
却益に対して約35％の法人税（700万円
）が課される。


8

買収価格の算定方法
買収価格の算定方式

純資産方式

：

類似会社比較方式
：

ディスカウント
・キャッシュ・
フロー法

（DCF法）


買収価格の計算方法

被買収会社の純資産額（＝資産時価マ
イナス負債）

（被買収会社の利益） ×（事業内容や規
模が類似する上場企業の株価÷利益（PE
R倍率））

被買収会社が生み出す将来のキャッシュ
・フローを適切な割引率で現在価値に還
元して事業価値を算出。これに、非事業
用の余剰資産を加算し、有利子負債を
控除する。

メリット／デメリット
・設備や資産が大きな会社の時
価評価に適している

・計算手法は客観的だが、事業
の将来成長が織り込まれない。

類似企業の選定が恣意的になり
がち。

類似企業が見当たらない場合に
は、当該方法は採用できない。

被買収会社の将来のキャッシュ・フ
ローの見積りは主観的。割引率の
算定が複雑。


9

類似会社比較方式
私塾のPER（株価収益率）
コード

市場

2179
4645
4668
4678
4705
4714
4718
4720
4735
4745
6053
9696
9730
9733
9760
9769
9778
9795

JASDAQ
JASDAQ
東証1部
東証1部
JASDAQ
東証1部
東証2部
JASDAQ
大証2部
東証1部
東証2部
JASDAQ
JASDAQ
JASDAQ
東証1部
JASDAQ
JASDAQ
東証2部

企業名
(株)成学社
(株)市進ホールディングス
(株)明光ネットワークジャパン
(株)秀英予備校
(株)クリップコーポレーション
(株)リソー教育
(株)早稲田アカデミー
(株)城南進学研究社
(株)京進
(株)東京個別指導学院
栄光ホールディングス（株）
(株)ウィザス
(株)ワオ・コーポレーション
(株)ナガセ
(株)進学会
(株)学究社
(株)昴
(株)ステップ

PER
（
＝株価時価総額÷
当期純利利益）

平均値の算定

7
赤字
11
17
6
16
8
4
赤字
63
37
19
8
11
14
22
31
9

平均値（
13社）


7
除外
11
17
6
16
8
4
除外
除外
除外
19
8
11
14
22
除外
9

（
極端な数値や赤字企業は除外）

（
（
（

（

12


10

中小企業の買収価格算定方法

株価評価＝「時価純資産」＋「実質営業利益の2～3年分（のれん代）」

（例題）以下のケースでは、株価評価は1,500～2,000万円になる。
＜貸借対照表＞

＜損益計算書＞
負債の部

：

売上高　　　　　　　

資産の部

買掛金　　　　1,000万円

売上原価　　　　

未払残業代　　500万円

15,000万円

粗利益　　　　　　　　

：

現預金　　　　　 500万円

未払退職金

売掛金（時価） 1,000万円

銀行借入金　2,000万円

在庫（時価）　　1,000万円

　合計　　　 4,000万円

土地（時価）　 2,000万円

　　合計

4,500万円

500万円

△8,000万円

7,000万円

人件費　　　　　　　　

4,000万円

賃料　　　　　　　　　　

1,500

交通費　　　　　　　　

　500

電気代　　　　　　　　　

純資産の部

（差引計算）500万円

200

その他経費

300

販売費一般管理費合計 6,500

営業利益　　　　　　　　


500万円


11

中小企業のM&Aのポイント
＜売手にとってのポイント＞
n 

利益が出ているうちに、相手探し。売却直前に利益を出す方が高値で売れやすい。相手探しには、少な
くとも6ヶ月∼1年はかかる。心の準備を始めてから、売却完了までは3年程度かかる。

n 

売手は、手遅れにならないように早めの相談（意思決定）

n  株式は、自分の手元に集中させ、分散させない。
（買い手は、100％買収を要望するため）
n  業界再編、業務資本提携が花盛りの業界と、そうでない業界がある。
n  大口顧客に依存していたり、会社内の誰か特定の人に営業や技術が過度に依存している企業は、買手企業
も二の足を踏む
n 

粉飾決算はやめる。後で発覚するとM&A商談が破談に。また訴えられることも。



12

会社概要

Kaede Accounting Advisory Inc.

"


"

お問い合わせ　　

"

所在地　　〒100-0014

Ø 

メール　　　　info@kaede-accounting.com

Ø 

電話　　　　　03-6205-7992

"

IFRS関連の出版

Ø 

欧州先行企業に学ぶIFRSの実務（税務経理協会）

Ø 

IFRS初度適用の実務（中央経済社）

Ø 

IFRSがわかる講座（みずほ総合研究所）

東京都千代田区永田町2-13-10　プルデンシャルタワー4階
"

代表者　　岡村　憲一郎（公認会計士、米国公認会計士）　　　　　　　
　
　日本公認会計士協会 IFRS研究班（副班長）

"

資本金　　50百万円

"

URL http://www.kaede-accounting.com　

"

グループ会社

Ø 

かえで税理士法人

Ø 

かえで国際会計株式会社

Ø 

　かえで会計アドバイザリー株式会社　

Ø 

　かえでキャピタルマネジメント株式会社

Ø 

かえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社



13

かえでグループ　事業概要


米国基準／IFRS、海外進出支援、海外
子会社管理、経理アウトソースなど

税務申告、給与計算、株価算定、組織再
編など

デリバティブや小口債権の時価評価業務、
SPC管理業務など

M&Aの仲介業務など



14

中小企業のM&Aについて_かえで会計アドバイザリー

Recommended

Recommended

More Related Content

Viewers also liked

Viewers also liked (17)

Similar to 中小企業のM&Aについて_かえで会計アドバイザリー

Similar to 中小企業のM&Aについて_かえで会計アドバイザリー (12)

More from kaede-accounting

More from kaede-accounting (7)

中小企業のM&Aについて_かえで会計アドバイザリー