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会社がしんどいをなくす本【要約】
- 3. 稲作地域の⼈の気質 アメリカ バージニア⼤学 トーマス・タルヘルム博⼠の研究 中国の6か所の異なる地域出⾝の学⽣1162⼈を対象に、⽂化的な思考様式、絶対的な個⼈主義、忠誠⼼ 、縁故主義などについて調べるテストを⾏った。 https://www.afpbb.com/articles/-/3014493 稲作⽂化の地域は元来集団主義的傾向が強く、 常に個⼈より集団が優先される。 ⽶栽培の地域 稲作に関わる労働の厳しさと近 隣の⼈々と協⼒する必要性 集団的で全体主義的な傾向が強 くなる ⼩⻨栽培の地域 ⽶に⽐べて労働量が⼤幅に軽減 されるため、他の⼈々と協⼒す る必要性も稲作の⽐ではない ⾃⽴的・分析的に考える傾向が 強くなる
- 4. ⽇本⼈の気質 ⼤阪⼤学社会経済研究所 ⻄條教授らの実験 https://www.jstage.jst.go.jp/article/pcs/2009/52/2009_58/_pdf ⽇本⼈は欧⽶⼈に⽐べ、「⾃分が損をしてでも相⼿を貶めたい」と いういじわる⾏動（スパイト⾏動）が顕著に⾒られる。 ⾃分は我慢をしているのに、あの⼈は⾔いたいことを⾔って、許 せない 有給を連⽇取得する⼈がいる。それってどうなの︖ ⽇本は⾃分も皆もしんどい、同調圧⼒がとても強い社会である。
- 11. 若⼿のケース① 新卒で総務部に配属されたNさん 1. １ヶ⽉後くらいからしばしば頭痛で⽋勤や遅刻 2. 上司から注意するも、「頭痛は持病なんで」とあっけらかん 3. 産業医⾯談にて「病院には⾏っているの︖」「いえ、頭痛は持病 ですから。学⽣時代に親に⾔われて⼀度検査したことはあります が、異常がなかったのでそれ以来⾏っていません」 4. 「持病だからといっても、⽉に何度も休むと周りが困るんですよ。 あなたに任せている仕事がまわらなくなるし、他の⼈に割り振る ことになりますから、周囲の⼈の負担がふえますからね」ふーん と不思議そうな顔 勤怠管理が学校よりはるかに厳しいことを認識しておらず、遅刻、 ⽋勤を繰り返すケース(男性)
- 12. 若⼿のケース② 1. 本社勤務を２年 2. 隣県の営業所へ異動、店⻑以下１０⼈の⼩規模事業所 3. 半年後、ストレスチェックで⾼ストレスにて産業医⾯談 4. 「本社にいるときは仲の良い同期が何⼈もいて、気軽に話せて⾷ 事にも⾏って毎⽇楽しかったんです。 でも⽀店に異動してから、周りは年上ばかりで、親切に指導してく れるけど、世代が違うので話がまるで合わないんです。話しても全 然楽しくないし、仕事が終わったら家庭があるからさっさと帰って しまう。本社にいた頃はたのしかったなあ、と思うと仕事中に涙が 出てきてしまいます。最近は会社に⾏くのが憂鬱で仕⽅なくて、夜 もぐっすり眠れなくなってきました」 同世代がいない部署で、寂しい、孤独だ、という感情に⽀配されて メンタル不調を起こしたケース(⼥性)
- 13. 中堅のケース 1. IT企業でシステムエンジニアとして顧客、社内ともに評判がよい 2. 昇進して部下を持った 3. 半年後、体調不良で休みがちに。表情もくらく、誰とも話さなく なった。 4. 「最近体調不良で遅刻が増えているようですが、調⼦はどうです か︖」 5. 「実は夜の寝付きが悪くなって、ここ１〜２ヶ⽉は２〜３時間く らいしか寝ていません」 6. 部下２⼈のうち、⼀⼈が仕事が遅く、ミスをしがちだったため、 もうひとりに多く仕事を頼むと次第に⽂句を⾔うように。 7. ショックを受け、仕事を平等に割り振り、⾃分で必死にカバー。 8. そのうち、プロジェクトで致命的なミスが発⽣。不安で眠れなく なり、朝はひどい頭痛がするように。 昇進して部下を持ったらうつになったケース
- 14. 30代40代は隠れ疲労が溜まりやすい。以下の兆候があれば要注意。 仕事や、⼈間関係のことで普段より細かいことが気になりやすく なっている そのためつい夜遅くまで考え込んだり早めに⽬が覚めたり、熟睡 できる⽇が減っている 何となく体がだるいなどと、感じる⽇が増えている 仕事や家事などのルーチンワークに対してめんどくさいと感じて イライラしやすい。 病院に⾏くほどではないが、胃もたれ、便秘下痢、肩こり、頭痛、 ⽿鳴りなどが以前より増えている 休⽇に予定を⼊れるものの、いざ出かけるとなると何となくテン ションが下がってしまい出かけるのをためらう これらは疲労の蓄積によって起こる、⾃律神経の乱れの初期症状。 中堅世代の特徴
- 15. ベテランのケース 1. 若い時から成績は良く⼤型⽀店の⽀店⻑を勤めた。 2. 30代後半から⾼⾎圧を指摘されていた。 3. 健康診断を受けるたび治療するように⾔われていたが、もともと 病院嫌いで、薬も嫌い。治療を拒否。 4. 連⽇深夜に帰宅。⼟⽇もゴルフやイベントなどに精⼒的に参加。 40代を過ぎてから⾼⾎圧で、じわじわと170を超える状態に。 5. 念願叶って⽀店の成績が全国トップになり、そのお祝いのパー ティーの席でバタンと倒れて病院に搬送。 6. ⼀命は取りとめたものの右半⾝の⿇痺と失語症のために働くこと ができない体になってしまいそのまま退職。 証券会社の営業マン（４０代男性）
- 22. 睡眠不⾜による産業事故 睡眠不⾜は産業事故のリスクを約8倍も⾼めると⾔われている ウイリアム・C・デメント 著書 「⼈はなぜ⼈⽣の3分の1も眠るのか」 1989年 アラスカで巨⼤タンカーによる原油流出事故 原因は操縦⼠の睡眠不⾜で、航路を外れていることに気づかなかった 。前⽇の睡眠時間は5時間、その時点で18時間も寝ていなかった。 1986年 チャレンジャー号爆発事故（Nasa） 事故の前⽇、NASAはシャトルのロケットブースターを製作したモー トン・サイオコール社と電話会議。当⽇は悪天候で、爆発の恐れがあ ると忠告するも、マネージャは打ち上げを決⾏した結果、爆発し、７ 名が死亡。 会議に参加していたマネージャ2⼈はともに、23時間寝ておらず、前 ⽇も3時間しか眠っていなかった。当時のNASAでは⻑時間労働がよし とされる⾵⼟があったそう。 「うちの社員は仕事が⼤好きで、喜んで残業をしている」 「法律で残業時間が制限されると、かえって勤労意欲を下げてしまう」 という経営者の感覚はとても危険。
- 23. 睡眠のケア 寝る１〜２時間前にはスマホやパソコンを⾒ない ⼣⾷、団らん、⼊浴などをゆったり楽しむ ⼣⽅からはカフェインをさける ねる前の２〜３時間はお腹になにもいれない アルコールは適度に。寝る前の３時間はのまない 暗く静かで、適切な温度の部屋で寝る 医師のすすめる６つの睡眠のケア
- 25. 代表的なストレスのサイン（⼼） 漠然とした不安がある落ち着きがなくなりそわそわする 怒りっぽくなるイライラするキレやすくなる 興奮しやすくなる、涙が急に出てくるなど感情が不安定になる 他⼈に嫌悪感や恐怖感を覚え、電話に出たり⼈に会ったりするのが億劫になる 寝付きが悪くなり、夜中に何度も⽬覚めたり早朝に⽬覚めて眠れない。夢ばかり⾒て熟 睡できない 脅迫観念や⼼配癖が出てくる（鍵を閉めたかどうか⽬覚まし時計をかけたかどうかなど 不安になって何度も確かめてしまう。） 地震や事故など今まで気に留めなかった未来のリスクについて妙に⼼配でたまらなくな る 楽しさや嬉しさを感じにくくなり趣味や遊び、⾝の回りのことをするのも億劫になる 物事に集中できなくなり作業や仕事、勉強の能率が落ちる 周りの⼈が⾃分を⾮難しているように感じてしまう。何をやっても失敗するように思う など極度に⾃信がなくなる ⽢いものやタバコやコーヒー酒などが急に増えてしまって、⾃制できない
- 26. 代表的なストレスのサイン（体） 筋⾁の緊張が強くなり、肩こり、腰痛、頭痛がひどくなる 下痢や便秘、胃もたれ、胃痛、腹痛など消化器系の不調 疲労感、倦怠感が増す、⼀晩寝ても疲れが取れない 過剰な⾷欲、体重増加、もしくはその逆 ⾵邪をひきやすくなる。原因不明の微熱が続く ⾼⾎圧やアトピー、喘息などの持病が原因なく悪化 めまい、みみなりの出現 原因不明の同期や息苦しさがしばしば起こる
- 28. ストレスへの対処法② エネルギーが低下しているときは、⽣活上での変化を増やさず、 ⾃分のしたいことを優先させる • 新しい仕事を引き受ける • 習い事を始める • ダイエットや禁酒にチャレンジする ☓ • 普段は⾃分でする仕事も⼈に頼む • 期⽇を遅らせてもらうよう頼む ◯ それでもストレスサインが２週間以上続き、仕事や⽣活に⽀障がでるなら病院を受診。