障害者は「福祉から納税へ」?
障害者が納税者となり、
生活保護を必要としなくなるためには
何が必要でしょうか?




            2012.12.04 三輪 佳子
     (みわ よしこ・フリーランスライター)
「福祉から納税へ」
2002年ごろから日本でも散見されるようになったスローガン。
起源はケネディ大統領演説。
「チャレンジド(障害者)を納税者に」

・竹中ナミ氏
 障害者への職業訓練・就労支援などを
 精力的に展開。
http://www.prop.or.jp/news/clip/2006/20060400_01.html


2007年2月「福祉から雇用へ」
(厚生労働省「成⻑力底上げ5カ年計画)

       決して悪いことではありません。
       自分自身は、仕事が大好きで、(フェアな自由主義)競争大好き。
障害者の就労 (*^_^*) には何が必要?
0.生存の保障+一定レベルの生活
 例:住・食・衣の確保。
 ヘルパー派遣を受けられ、身支度と家事だけで消耗したりしない。
1.教育
 少なくとも高校レベルの後期中等教育。

 通学手段の保障、学校生活で必要な介助の確保。
2.適性・能力に応じた職業選択
 障害によって進路の選択肢が狭められないこと。

3.就労継続・キャリア構築が可能な環境
 就労ができ、さらに障害者差別で潰されずに仕事を続けられる。
何もかも不足 (;_;) しています
0.生存の保障+一定レベルの生活
 「献身的で裕福な家族に恵まれる」などの幸運が頼り。
 そういう幸運がなければ、結局は生活保護が唯一の手段。
1.教育
 厚生労働省のガイドヘルパー制度は通学に利用できない。

 (「通年かつ⻑期にわたる外出」は、義務教育でもダメ)
 台東区(2008年−)などの自治体で、
 独自に高校までの通学支援が行われている。
2.適性・能力に応じた職業選択 ほとんど×
3.就労継続・キャリア構築が可能な環境 ほとんど×
数字で見てみましょう



今日はグラフをたくさん持って来ました
数字で見る障害者問題(1) 人数




厚生労働白書 平成24年版による
ここで 障害者=障害者手帳の交付を受けた人(難病などでハンディを持つ人を含まない)
諸外国の障害者比率:スウェーデン:20% イギリス 18% アメリカ 10%
 (http://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/18879202.pdf)
数字で見る障害者問題(2) 収入
障害者の収入の中央値は 100万円未満
(障害基礎年金 2級+平均的な作業所の工賃 に該当)




http://www.kyosaren.or.jp/research/2012/20120427chiikiseikatujittai_dai1ji.pdf
数字で見る障害者問題(3) 生活保護率
障害者の生活保護率は健常者の 5倍




http://www.kyosaren.or.jp/research/2012/20120427chiikiseikatujittai_dai1ji.pdf
数字で見る障害者問題(4)障害学生数




障害者の
教育機会の少なさは明らか。
http://www.jasso.go.jp/tokubetsu_shien/chosa1101.html
数字で見る障害者問題(5) 障害者雇用




低学歴になりやすい障害者に
よりシビアな競争が
強いられている可能性。
生活保護利用者の約10%が障害者




教育を与えず、就労の機会も充分に与えないことの当然の帰結。
なのに、「福祉から納税(雇用)へ?」
http://www.ipss.go.jp/s-info/j/seiho/seiho.asp
今、障害者に必要なのは
「納税(雇用)のための福祉」


「福祉から納税へ」「福祉から雇用へ」は時期尚早
「納税(雇用)のための福祉」を

福祉=最低生活保障+育児支援+教育機会保障
         +生活支援+社会参加の機会
         +適切な補装具+適切な医療
         +就労支援+雇用機会

  (しつこいようですが、全部が不足しています)
生活保護制度は障害者の命綱 
基準引き下げには「No!」
障害者(児)たちは、

親に対する育児支援がない中、一般に劣悪な環境で育ち、

義務教育を受ける機会も保障されず(就学できても、通学できるとは限りません)

後期中等教育(高校)・高等教育(大学~)は、さらに手の届かない夢で、

作業所では、お小遣いを稼ぐのが精一杯。

就労しようとすれば、健常者以上の競争にさらされます。

このことのどこが、障害者たちの「自己責任」でしょうか。

制度の不備により、あらゆる機会から遠ざけられて経済的自立のできない人に、

健康で文化的な最低限の生活を保障することは、

公共の役割ではないのですか?




障害者(児)の教育・就労の機会が健常者同等になるまでは、
少なくとも現在のレベルの生活保護が必要です。

障害者は「福祉から納税へ」?