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JSQC 第98回研究発表会
セクションテーマ:『マーケティング』


 ソーシャルメディアによる情報の
双方向性における情報拡散モデルの提案




             東京都市大学
             指田 大輔*
             横山 真一郎
             兼子   毅
発表の流れ

 研究背景 (p 3~5)

 先行研究 (p 6~7)

 研究目的 (p 8)

 研究手順 (p 9~22)

 今後の方針・課題 (p 23)

 参考文献・まとめ (p 24~25)

       Tokyo City University   Systems Information Engineering   2
研究背景~メディアとしてのユーザ~
ソーシャルメディア(以下SM)と呼ばれるサービスのユーザ数が世界規模で増加

 日本に焦点を当ててみると・・・
 モバイル端末の普及
 東日本大震災時におけるSMの活躍
 ユーザの多様性

    情報爆発             意思決定要因
                      の増加
                                      図1:日本におけるSMユーザ数推移(11-
                                               12)




     SM上では全ユーザが情報の送受信を行え、
  各ユーザがメディアとして一定の影響力を保持している
           Tokyo City University   Systems Information Engineering   3
研究背景~SMが企業に与えるインパクト~
SM利用者の増加に伴い、企業にとっても無視できないメディアと化してい
                 る
                    SM活用強化   SM満足度
     プロモーショ
      ン(70%)                                           GAP
  広報                  認知向上
 (72%)                (53%)                84%

                                                                     20%
    図2:企業のSM活用目的                            図3:企業の抱えるGAP




          マス“メディア”とは異なる点を認識し、
         ソーシャル“メディア”専用の仕掛けの必要性

           Tokyo City University   Systems Information Engineering         4
研究背景~SMマーケティングの仕掛け~
SMを活用したマーケティングは黎明期であり、様々な試みが成されている
      • クローズドなSMコミュニティを活用した“MROC”
Ex.   • SMのリスクに着眼した“ニューメディアリスク協会”の設
        立(2012)
      • 従来の消費者行動モデルと異なるSMに特化した“SIPS”の
        提唱
       企業と個人、個人と個人間での情報伝播を扱う
         “バイラルマーケティング”に注目

                                                                 認知
                                  拡散


                                                                 購買



          Tokyo City University        Systems Information Engineering   5
先行研究紹介~SNSの紐帯関係~
     石井(2011):『「強いつながり」と「弱いつながり」のSNS』

      • 各SNSの特徴をユーザ間の紐帯の強弱によって分類
特徴
      • 紐帯の強弱により、異なる効用をユーザに与える

      強いつながりのSNS                           弱いつながりのSNS




      重要な情報が受信                              意外な情報を受信


                                  着眼点
          SNSごとの紐帯を考慮しているが、
       SNS内での紐帯関係までは考慮されていない

          Tokyo City University         Systems Information Engineering   6
先行研究紹介~ネット上のクチコミの有用性~
      杉谷(2009):『インターネット上の口コミの有効性』

      • “クチコミ”をリアル・ネット空間の両空間で議論
 特徴
      • 情報を言語・非言語で分類

   言語情報(文字)                                   非言語情報(画像)
 “事実”を伝えるには重要                            “感情”を伝えるには重要
Ex.                                     Ex.
・商品の機能性                                ・商品のデザイン性
・日本製の商品です                              ・感性に訴える表現


ネット上でのクチコミ効果が高い                         リアルでのクチコミ効果が高い

                                 着眼点
言語・非言語情報によって与える影響の違いは示されているが、
     その後の情報拡散までは議論されていない

         Tokyo City University         Systems Information Engineering   7
研究目的
                  先行研究から得た仮説

    紐帯の強弱はSM上でのバイラルに有意な影響を与える

  言語・非言語情報はSM上でのバイラルに有意な影響を与える

                         研究目的
 ソーシャルメディアによる情報の双方向性における
       情報拡散モデルの提案

                        有用性・狙い
SMマーケティング戦略を立てる上での有効な知見となる指標作成を目指
す
                • バイラルに影響を与える要因の明確化
                • 自然発生的なバイラル構造の記述
                • 企業担当者への指標

       Tokyo City University   Systems Information Engineering   8
研究手順

重要語の定義

 主要SMの分類化(対応分析)

   研究範囲の絞り込み

    情報自体の持つ特徴

         ユーザが起こす行動

            行動の起因となる心的要因

                 予想アウトプット作成プロセス


         Tokyo City University   Systems Information Engineering   9
重要語の定義~SMとSNS~
       SM(ソーシャルメディア)
1.   コミュニケーションを主とするWebサービス
2.   基本的なサービスは無料
3.   自由・招待制で参加、自由な情報発信が可能
4.   個人間の繋がりを可視化できる関係図を保持

 SNS(ソーシャルネットワーキングサービ
             ス)
     上記の定義に該当しないSM全体を指す
                                                      図4:SNSとSMの区別




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            Tokyo City University   Systems Information Engineering   10
重要語の定義~バイラル~
                    バイラル(拡散)
       SMを経由して情報が伝わっていくことを指す
また、情報を受け取った人がその情報を紹介・推奨することで広まる現象

事例

『震災時のデマの拡散』                     『フリスクキャンペーン』


 政府対応にまで影響                          SM上での発言数20倍

        『ビンラディン死亡記事』

         ・1時間で1500万人がツイート
         ・440万人がいいね!を押す

        Tokyo City University   Systems Information Engineering   11
主要SMの利用目的調査~対応分析~
                                分析目的
    SM利用目的の比較により、各SMの位置付けの傾向把握

                          分析対象・手
各SM(Facebook,mixi,Twitter,Blog,mobage,GREE)ユーザへのWebアンケー
                                法
                                    ト


                       データ内容(全14項目)
 A. リアルでの友人・知人とのコミュニケーションのため
 B. リアルでの友人・知人の近況を知るため
 C. ネット上での知り合いとコミュニケーションのため
 D. ニュースを見るため
…




 M. 暇つぶしのため
 N. その他
            Tokyo City University       Systems Information Engineering   12
対応分析~結果~
                                           第2固有値までで累積寄与率95%



                   ・好きな企業やブランドの情報収集
         Type 3    ・自分の個人的な雑感を発信
                   ・芸能人や著名人の情報収集



                                                            ・暇つぶし
                                                            ・その他
                                    Type 2

                        ・リアルでのコミュニケーションや近況情報の収集
                        ・ネットでのコミュニケーションや近況情報の収集
Type 1
                       図5:SNSの利用目的

            Tokyo City University     Systems Information Engineering   13
対応分析~考察~
             Type 1 (Facebook & mixi)
 リアル・ネット空間での双方向なコミュニケーションタイプ
 (相互認証制で、初期から適当なエンゲージメントが担保)

             Type 2 (GREE & mobage)
                     暇つぶしタイプ

(バイラルと乖離しているので研究対象として焦点は当てない)

         Type 3 (Blog & Twitter)
有名人等の情報収集・発信などの単方向なコミュニケーションタイ
                   プ
(認証条件がなく匿名性が高く、自由なやり取りが行われる傾向)


       Tokyo City University   Systems Information Engineering   14
研究範囲の絞り込み
対応分析の結果より、Type1,3の“Facebook”と“Twitter”に焦点

     登録 / キャンペーン参加 / 商品購入
                                                  行動有             二次拡散

                                                    B
                   一次拡散
    元から信頼有              A
                                                 行動無

                                                     C



   設計可能                                設計困難


        Tokyo City University   Systems Information Engineering          15
情報自体の持つ特徴
           情報にも様々な種類があるため、
        それらを本研究では“情報の品質”と定義し整理


ソースの信頼性                 企業などの公式アカウント

インフルエンサ
                        親友、SM上での知人、有名人などの紐帯
(キュレータ)
                        (ただし、紐帯の強弱は設計困
                        難)
 情報の重要性                 商品、サービス、雑感
                        (流布する情報は設計可
                        能)
                     表1:企業発信の多次元情報

情報の種類            新商品               視覚的な判断を要する                   社内の雑感

                                                               多種多様
重要な発信内容   スペッ などの商品情報
             ク                        非言語情報
                                                             (
                                                             社史、口調など)


           Tokyo City University    Systems Information Engineering     16
情報受容者の行動調査
                           調査目的
バイラル情報が、情報受容者の“行動”に与える影響の分類化


                     手法・サンプル数
    対面インタビュー・Webアンケート・文献調査
    (インタビュー:10件 / Webアンケート:26件)



  有用な行動を抽出するために、SM感度の高い若年層と
SMをマーケティングに利用している企業ユーザから回答を取
              得


       Tokyo City University   Systems Information Engineering   17
調査結果
  本研究で焦点を当てたSM
    ・Facebook → 85%
    ・Twitter  → 77%
先行リサーチと同様高い数値だが、
  mixiは低い数値となった


   友達からシェアされたアプリを取得した       図6:使用中のSM(n=36)

   友達のコメントを見て、詳しく情報を調べた
   就職活動に関するセミナーを、Twitterで参加予約
   ANAページは観光地の写真が綺麗でシェアする
   飲食店情報を友人のページから得ている
   面白い写真を見て、シェアした           ユーザの行動として
   コンビニクーポンを活用した            “156行動”を抽出
             Tokyo City University   Systems Information Engineering   18
結果考察~行動の分類~
         調査結果で得た156種の行動の類型化を行い、
             大きく以下の2タイプに分類

バイラル型行動(計11種)
        ユーザがバイラル・情報提供を意図して起こす行動
  Ex.   いいね!を押す、RTを行う、シェアを行う、非言語情報の投稿


自己完結型行動(計8種)
        バイラルに無関係で、情報受容者が起こす行動
  Ex.   購買行動、イベント参加、サービス使用

        無意識化におけるバイラル行動
            表出する行動はバイラルに繋がる可能性


           Tokyo City University   Systems Information Engineering   19
結果考察~行動の階層構造~
分類結果から、行動はフラットでなく“階層構造”を保持していると仮定
           (企業の効果測定でも評価値を区別する傾向)




 5/156=3%が行動            リアル上で購
                                           自己完結型行動
                          買

23/156=15%が行動            シェア行動
                                       心的障壁の高いバイラル型行動

                     「いいね」を押す
                                              心的障壁の低いバイラル型行
                      図7:行動の階層構造                    動



 今後も調査を続行し、より詳細なパターン整理を行い階層構造を構築

               Tokyo City University   Systems Information Engineering   20
行動の起因となる心的要因
       同じ情報であっても全員が一律に受容するわけでなく、
      個々が感じる心的要因が閾値を超えると行動を起こすと仮定


          行動を促す心的要因の変数化が課題
Ex.
       共感し                       面白そう!
        た!
       シェア行動                     購買行動
                                                   抽象度の高い潜在的な変数
                                                    (量的判断が困難)

                                     共感

                                           キャラクタの有
         紐帯の強弱
                                              無
             Tokyo City University        Systems Information Engineering   21
予想アウトプット~構造方程式分析~
   バイラルのメカニズムをSEM分析を用いてモデル化
SM上での知人


リアルでの知人                                                        いいね!行動
               紐帯の強弱                     バイラル型
                                           行動
言語情報のみ
                                                                シェア行動
             言語・非言語
               情報                                     順番
非言語情報のみ
                                        自己完結型
                                                                    購買行動
                                          行動
トレンド情報       情報の重要性


  RT率

 モデルのリアルティ追求の為、階層的回帰分析の手法を導入予定
          Tokyo City University   Systems Information Engineering          22
今後の研究方針・課題
 ① 情報受容者の“行動”の階層構造の妥当性

 • 意味的な前後関係
 • 時間的な前後関係                   を考慮して研究を進める
 • 行動重要度の重み付け



 ② 行動に影響を与える心的要因の変数化


• バイラル型行動
                       に有意な影響を与える観測変数の明確化
• 自己完結型行動



     Tokyo City University   Systems Information Engineering   23
参考文献
A)   佐藤(2011):東日本大震災を契機にソーシャルメディアが拓いたコミュニケーション

     新地平

B)   川上(2010):21世紀のメディア環境と消費者行動の変化

C)   石井(2011):「強いつながり」と「弱いつながり」のSNS

D)   杉谷(2009):インターネット上の口コミの有効性

E)   山岸(2011):ノード属性を考慮した情報拡散影響度の推定

F)   Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.:ソーシャルメディア白書2012, 翔泳社

G)   株式会社電通:http://www.dentsu.co.jp/sips/index.html

H)   株式会社ニールセン:http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2011/08/mixi-twitter-fa-8f02.html

I)   株式会社宣伝会議:宣伝会議(2012年号No.837)

J)   アンケートツクール:http://enq-maker.com/

                     Tokyo City University      Systems Information Engineering     24

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ソーシャルメディアによる情報拡散モデル

  • 2. 発表の流れ  研究背景 (p 3~5)  先行研究 (p 6~7)  研究目的 (p 8)  研究手順 (p 9~22)  今後の方針・課題 (p 23)  参考文献・まとめ (p 24~25) Tokyo City University Systems Information Engineering 2
  • 3. 研究背景~メディアとしてのユーザ~ ソーシャルメディア(以下SM)と呼ばれるサービスのユーザ数が世界規模で増加 日本に焦点を当ててみると・・・  モバイル端末の普及  東日本大震災時におけるSMの活躍  ユーザの多様性 情報爆発 意思決定要因 の増加 図1:日本におけるSMユーザ数推移(11- 12) SM上では全ユーザが情報の送受信を行え、 各ユーザがメディアとして一定の影響力を保持している Tokyo City University Systems Information Engineering 3
  • 4. 研究背景~SMが企業に与えるインパクト~ SM利用者の増加に伴い、企業にとっても無視できないメディアと化してい る SM活用強化 SM満足度 プロモーショ ン(70%) GAP 広報 認知向上 (72%) (53%) 84% 20% 図2:企業のSM活用目的 図3:企業の抱えるGAP マス“メディア”とは異なる点を認識し、 ソーシャル“メディア”専用の仕掛けの必要性 Tokyo City University Systems Information Engineering 4
  • 5. 研究背景~SMマーケティングの仕掛け~ SMを活用したマーケティングは黎明期であり、様々な試みが成されている • クローズドなSMコミュニティを活用した“MROC” Ex. • SMのリスクに着眼した“ニューメディアリスク協会”の設 立(2012) • 従来の消費者行動モデルと異なるSMに特化した“SIPS”の 提唱 企業と個人、個人と個人間での情報伝播を扱う “バイラルマーケティング”に注目 認知 拡散 購買 Tokyo City University Systems Information Engineering 5
  • 6. 先行研究紹介~SNSの紐帯関係~ 石井(2011):『「強いつながり」と「弱いつながり」のSNS』 • 各SNSの特徴をユーザ間の紐帯の強弱によって分類 特徴 • 紐帯の強弱により、異なる効用をユーザに与える 強いつながりのSNS 弱いつながりのSNS 重要な情報が受信 意外な情報を受信 着眼点 SNSごとの紐帯を考慮しているが、 SNS内での紐帯関係までは考慮されていない Tokyo City University Systems Information Engineering 6
  • 7. 先行研究紹介~ネット上のクチコミの有用性~ 杉谷(2009):『インターネット上の口コミの有効性』 • “クチコミ”をリアル・ネット空間の両空間で議論 特徴 • 情報を言語・非言語で分類 言語情報(文字) 非言語情報(画像) “事実”を伝えるには重要 “感情”を伝えるには重要 Ex. Ex. ・商品の機能性 ・商品のデザイン性 ・日本製の商品です ・感性に訴える表現 ネット上でのクチコミ効果が高い リアルでのクチコミ効果が高い 着眼点 言語・非言語情報によって与える影響の違いは示されているが、 その後の情報拡散までは議論されていない Tokyo City University Systems Information Engineering 7
  • 8. 研究目的 先行研究から得た仮説 紐帯の強弱はSM上でのバイラルに有意な影響を与える 言語・非言語情報はSM上でのバイラルに有意な影響を与える 研究目的 ソーシャルメディアによる情報の双方向性における 情報拡散モデルの提案 有用性・狙い SMマーケティング戦略を立てる上での有効な知見となる指標作成を目指 す • バイラルに影響を与える要因の明確化 • 自然発生的なバイラル構造の記述 • 企業担当者への指標 Tokyo City University Systems Information Engineering 8
  • 9. 研究手順 重要語の定義 主要SMの分類化(対応分析) 研究範囲の絞り込み 情報自体の持つ特徴 ユーザが起こす行動 行動の起因となる心的要因 予想アウトプット作成プロセス Tokyo City University Systems Information Engineering 9
  • 10. 重要語の定義~SMとSNS~ SM(ソーシャルメディア) 1. コミュニケーションを主とするWebサービス 2. 基本的なサービスは無料 3. 自由・招待制で参加、自由な情報発信が可能 4. 個人間の繋がりを可視化できる関係図を保持 SNS(ソーシャルネットワーキングサービ ス) 上記の定義に該当しないSM全体を指す 図4:SNSとSMの区別 • ツイート • いいね! • リツイート • シェアする Tokyo City University Systems Information Engineering 10
  • 11. 重要語の定義~バイラル~ バイラル(拡散) SMを経由して情報が伝わっていくことを指す また、情報を受け取った人がその情報を紹介・推奨することで広まる現象 事例 『震災時のデマの拡散』 『フリスクキャンペーン』 政府対応にまで影響 SM上での発言数20倍 『ビンラディン死亡記事』 ・1時間で1500万人がツイート ・440万人がいいね!を押す Tokyo City University Systems Information Engineering 11
  • 12. 主要SMの利用目的調査~対応分析~ 分析目的 SM利用目的の比較により、各SMの位置付けの傾向把握 分析対象・手 各SM(Facebook,mixi,Twitter,Blog,mobage,GREE)ユーザへのWebアンケー 法 ト データ内容(全14項目) A. リアルでの友人・知人とのコミュニケーションのため B. リアルでの友人・知人の近況を知るため C. ネット上での知り合いとコミュニケーションのため D. ニュースを見るため … M. 暇つぶしのため N. その他 Tokyo City University Systems Information Engineering 12
  • 13. 対応分析~結果~ 第2固有値までで累積寄与率95% ・好きな企業やブランドの情報収集 Type 3 ・自分の個人的な雑感を発信 ・芸能人や著名人の情報収集 ・暇つぶし ・その他 Type 2 ・リアルでのコミュニケーションや近況情報の収集 ・ネットでのコミュニケーションや近況情報の収集 Type 1 図5:SNSの利用目的 Tokyo City University Systems Information Engineering 13
  • 14. 対応分析~考察~ Type 1 (Facebook & mixi) リアル・ネット空間での双方向なコミュニケーションタイプ (相互認証制で、初期から適当なエンゲージメントが担保) Type 2 (GREE & mobage) 暇つぶしタイプ (バイラルと乖離しているので研究対象として焦点は当てない) Type 3 (Blog & Twitter) 有名人等の情報収集・発信などの単方向なコミュニケーションタイ プ (認証条件がなく匿名性が高く、自由なやり取りが行われる傾向) Tokyo City University Systems Information Engineering 14
  • 15. 研究範囲の絞り込み 対応分析の結果より、Type1,3の“Facebook”と“Twitter”に焦点 登録 / キャンペーン参加 / 商品購入 行動有 二次拡散 B 一次拡散 元から信頼有 A 行動無 C 設計可能 設計困難 Tokyo City University Systems Information Engineering 15
  • 16. 情報自体の持つ特徴 情報にも様々な種類があるため、 それらを本研究では“情報の品質”と定義し整理 ソースの信頼性 企業などの公式アカウント インフルエンサ 親友、SM上での知人、有名人などの紐帯 (キュレータ) (ただし、紐帯の強弱は設計困 難) 情報の重要性 商品、サービス、雑感 (流布する情報は設計可 能) 表1:企業発信の多次元情報 情報の種類 新商品 視覚的な判断を要する 社内の雑感 多種多様 重要な発信内容 スペッ などの商品情報 ク 非言語情報 ( 社史、口調など) Tokyo City University Systems Information Engineering 16
  • 17. 情報受容者の行動調査 調査目的 バイラル情報が、情報受容者の“行動”に与える影響の分類化 手法・サンプル数 対面インタビュー・Webアンケート・文献調査 (インタビュー:10件 / Webアンケート:26件) 有用な行動を抽出するために、SM感度の高い若年層と SMをマーケティングに利用している企業ユーザから回答を取 得 Tokyo City University Systems Information Engineering 17
  • 18. 調査結果 本研究で焦点を当てたSM ・Facebook → 85% ・Twitter → 77% 先行リサーチと同様高い数値だが、 mixiは低い数値となった  友達からシェアされたアプリを取得した 図6:使用中のSM(n=36)  友達のコメントを見て、詳しく情報を調べた  就職活動に関するセミナーを、Twitterで参加予約  ANAページは観光地の写真が綺麗でシェアする  飲食店情報を友人のページから得ている  面白い写真を見て、シェアした ユーザの行動として  コンビニクーポンを活用した “156行動”を抽出 Tokyo City University Systems Information Engineering 18
  • 19. 結果考察~行動の分類~ 調査結果で得た156種の行動の類型化を行い、 大きく以下の2タイプに分類 バイラル型行動(計11種) ユーザがバイラル・情報提供を意図して起こす行動 Ex. いいね!を押す、RTを行う、シェアを行う、非言語情報の投稿 自己完結型行動(計8種) バイラルに無関係で、情報受容者が起こす行動 Ex. 購買行動、イベント参加、サービス使用 無意識化におけるバイラル行動 表出する行動はバイラルに繋がる可能性 Tokyo City University Systems Information Engineering 19
  • 20. 結果考察~行動の階層構造~ 分類結果から、行動はフラットでなく“階層構造”を保持していると仮定 (企業の効果測定でも評価値を区別する傾向) 5/156=3%が行動 リアル上で購 自己完結型行動 買 23/156=15%が行動 シェア行動 心的障壁の高いバイラル型行動 「いいね」を押す 心的障壁の低いバイラル型行 図7:行動の階層構造 動 今後も調査を続行し、より詳細なパターン整理を行い階層構造を構築 Tokyo City University Systems Information Engineering 20
  • 21. 行動の起因となる心的要因 同じ情報であっても全員が一律に受容するわけでなく、 個々が感じる心的要因が閾値を超えると行動を起こすと仮定 行動を促す心的要因の変数化が課題 Ex. 共感し 面白そう! た! シェア行動 購買行動 抽象度の高い潜在的な変数 (量的判断が困難) 共感 キャラクタの有 紐帯の強弱 無 Tokyo City University Systems Information Engineering 21
  • 22. 予想アウトプット~構造方程式分析~ バイラルのメカニズムをSEM分析を用いてモデル化 SM上での知人 リアルでの知人 いいね!行動 紐帯の強弱 バイラル型 行動 言語情報のみ シェア行動 言語・非言語 情報 順番 非言語情報のみ 自己完結型 購買行動 行動 トレンド情報 情報の重要性 RT率 モデルのリアルティ追求の為、階層的回帰分析の手法を導入予定 Tokyo City University Systems Information Engineering 22
  • 23. 今後の研究方針・課題 ① 情報受容者の“行動”の階層構造の妥当性 • 意味的な前後関係 • 時間的な前後関係 を考慮して研究を進める • 行動重要度の重み付け ② 行動に影響を与える心的要因の変数化 • バイラル型行動 に有意な影響を与える観測変数の明確化 • 自己完結型行動 Tokyo City University Systems Information Engineering 23
  • 24. 参考文献 A) 佐藤(2011):東日本大震災を契機にソーシャルメディアが拓いたコミュニケーション 新地平 B) 川上(2010):21世紀のメディア環境と消費者行動の変化 C) 石井(2011):「強いつながり」と「弱いつながり」のSNS D) 杉谷(2009):インターネット上の口コミの有効性 E) 山岸(2011):ノード属性を考慮した情報拡散影響度の推定 F) Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.:ソーシャルメディア白書2012, 翔泳社 G) 株式会社電通:http://www.dentsu.co.jp/sips/index.html H) 株式会社ニールセン:http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2011/08/mixi-twitter-fa-8f02.html I) 株式会社宣伝会議:宣伝会議(2012年号No.837) J) アンケートツクール:http://enq-maker.com/ Tokyo City University Systems Information Engineering 24