日本列島の旧石器時代遺跡
―データベースから見た分布と立地―
野口 淳(東京大学総合研究博物館)
パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 -
文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
JPRA-DB+SRTM1+GlobalMap2.0
SlideShare公開版
2017/3/4 於・静岡大学
はじめに
パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 -
文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
本スライドは2017年3月4日に静岡大学で開催された「パレオアジア文
化史学-アジア新人文化形成プロセスの総合的研究-」文部科学省科研費
新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度(http://paleoasia.jp/)
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」で発表したも
のです。
当日の発表内容に加除訂正を加えています。
本スライドは基本的にCC BY4.0国際で公開しておりますが、異なる
ライセンスの下に提供されている画像についてはその限りではありま
せん。
A.Noguchi
ソース
パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 -
文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
「日本列島の旧石器時代遺跡」日本旧石器学会
(http://palaeolithic.jp/ data/index.htm)
カシミール3Dスーパー地形セット
(http://www.kashmir3d.com/online/superdem/)
国土地理院数値標高モデル5mメッシュ
(http://fgd.gsi.go.jp/download/demsel.php)
スペースシャトルレーダー地形データ(SRTM-1)
(http://www2.jpl.nasa.gov/srtm/)
20万分の1日本シームレス地質図(産業総合研究所地質調査総合センター)
(https://gbank.gsj.jp/seamless/index.html)
パレオアジア文化史学 (http://paleoasia.jp/)
A.Noguchi
データベースから人類史へのアプローチ
パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 -
文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
質的研究⇔量的研究
従来型の考古学研究では、特徴的または代表的とされる事例を取り上げ、比較
検討し、積み上げていくようなアプローチをとってきた。
本発表では日本列島で蓄積されてきた多数のデータにもとづき全体像を数量的
に俯瞰するアプローチをとる。
個別事例に焦点を当てたアプローチに比べ大枠で粗く見えるかもしれないが、
同等の詳細な事例・データが不足する他地域などとの比較には有効である。
A.Noguchi
『日本列島の旧石器時代遺跡』データベース
(JPRA-DB)
パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 -
文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
2016年10月より学会ウェブサイト上で公開中
http://palaeolithic.jp/ data/index.htm A.Noguchi
『日本列島の旧石器時代遺跡』データベース(JPRA-DB)
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文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
遺跡分布:JPRA-DB
背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく
カシミール3Dスーパー地形で作成
全遺跡
A.Noguchi
パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 -
文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
遺跡分布:JPRA-DB
背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく
カシミール3Dスーパー地形で作成
『日本列島の旧石器時代遺跡』データベース(JPRA-DB)
全遺跡 全遺跡
A.Noguchi
パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 -
文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
遺跡分布:JPRA-DB
背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく
カシミール3Dスーパー地形で作成
『日本列島の旧石器時代遺跡』データベース(JPRA-DB)
全遺跡
全遺跡
A.Noguchi
16,300件のデータから見る日本列島の
後期旧石器時代遺跡
パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 -
文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
3つの時間示標
前半期
40,000年前
20,000年前
15,000年前
30,000年前
後半期
終末期
ナイフ形石器
(前半期~後半期:4~1.8万年前)
細石器
(後半期~終末期:2~1.4万年前)
有茎尖頭器
(終末期:1.4~1.2万年前)現状で時間軸上の解像度は
十分とは言えないが...
A.Noguchi
日本列島の後期旧石器時代遺跡
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文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
遺跡分布:JPRA-DB
背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく
カシミール3Dスーパー地形で作成
遺跡分布:JPRA-DB
背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく
カシミール3Dスーパー地形で作成
全遺跡
16,300件
ナイフ形石器
6,273件
A.Noguchi
日本列島の後期旧石器時代遺跡
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文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
遺跡分布:JPRA-DB
背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく
カシミール3Dスーパー地形で作成
遺跡分布:JPRA-DB
背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく
カシミール3Dスーパー地形で作成
細石器
1,790件
有茎尖頭器
1,501件
A.Noguchi
0.遺跡分布の基本形態
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文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
ランダムではなく
まとまりを有する
(最近隣距離示数<1)
=クラスター状分布
(略号凡例)
Kn :ナイフ形石器
MB :細石器
TPo:有茎尖頭器
A.Noguchi
日本列島の後期旧石器時代遺跡
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文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
それでは後期旧石器時代を通じて
遺跡立地・分布に変化はあるのか?
A.Noguchi
1.緯度別の分布
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文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
遺跡分布:JPRA-DB
背景地図:国土地理院5mメッシュにもと
づくカシミール3Dスーパー地形で作成
35°N
40°N
45°N
小野・五十嵐1991『北海道の自然史』
南北に長く伸びる日本列島は亜熱
帯から亜寒帯までの幅広い気候区
分帯に所属している
遺跡の位置情報における緯度は気
候区分帯の代理示標となる
日本列島全体での緯度別の遺跡分
布の動向は、気候への適応を反映
していると考えられる
A.Noguchi
1.緯度別の分布
パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 -
文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
遺跡分布:JPRA-DB
背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく
カシミール3Dスーパー地形で作成
35°N
40°N
45°N
ナイフ形石器 細石器 有茎尖頭器
サンプル数 6,273 1,789 1,501
平均 35.21214 35 12 43.71 35.97205 35 58 19.38 35.88482 35 53 5.37
標準偏差 1.400766 3.645884 2.056493
中央値 35.61028 35 36 37.00 35.50361 35 30 13.00 35.49806 35 29 53.00
最頻値 35.69944 35 41 58.00 43.87278 43 52 22.00 43.87278 43 52 22.00
旭川 43 45 54.60札幌 43 3 56.93仙台 38 16 6.33
新潟 37 54 58.98前橋 36 23 22.92東京 35 41 22.96
名古屋 35 10 53.93大阪 34 41 38.20松江 35 28 5.82
高知 33 33 35.24福岡 33 35 26.07鹿児島 31 35 48.37
・35°~36°Nにピーク=関東平野
・細石器、有茎尖頭器は44°付近に
もう一つのピーク=白滝・道東
A.Noguchi
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A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
遺跡分布:JPRA-DB
背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく
カシミール3Dスーパー地形で作成
遺跡分布:JPRA-DB
背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく
カシミール3Dスーパー地形で作成
細石器
1,790件
有茎尖頭器
1,501件
1.緯度別の分布
ナイフ形石器 細石器 有茎尖頭器
サンプル数 6,273 1,789 1,501
平均 35.21214 35 12 43.71 35.97205 35 58 19.38 35.88482 35 53 5.37
標準偏差 1.400766 3.645884 2.056493
中央値 35.61028 35 36 37.00 35.50361 35 30 13.00 35.49806 35 29 53.00
最頻値 35.69944 35 41 58.00 43.87278 43 52 22.00 43.87278 43 52 22.00
A.Noguchi
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A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
1.緯度別の分布
小野・五十嵐1991『北海道の自然史』
緯度 遺跡数 割合
30 0 0.00%
32 101 1.61%
34 961 15.32%
36 4216 67.21%
38 837 13.34%
40 123 1.96%
42 24 0.38%
11 0.18%
合計 6273
緯度 遺跡数 割合
30 0 0.00%
32 87 4.86%
34 516 28.84%
36 704 39.35%
38 160 8.94%
40 37 2.07%
42 7 0.39%
278 15.54%
合計 1789
緯度 遺跡数 割合
30 0 0.00%
32 4 0.27%
34 26 1.73%
36 1148 76.48%
38 222 14.79%
40 14 0.93%
42 4 0.27%
83 5.53%
合計 1501
データの調整が必要だが…
・緯度ごとの面積
・立地可能な土地条件の範囲…による正規化など
細石器・有茎尖頭器の42°以北のピークは
中心的な分布範囲と生態環境条件が異なる
ナイフ形石器 細石器 有茎尖頭器
A.Noguchi
2.標高別の分布
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A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
山がちな日本列島では、低地・平野と
山地では異なる生態環境が広がる
遺跡の位置情報における標高は異なる
地形ごとの生態環境の代理示標となる
日本列島全体での標高別の遺跡分布の
動向は、垂直方向の生態環境の変位へ
の適応を反映していると考えられる
①
②
③
①高山草原(北アルプス笠ヶ岳)標高2,700m付近
Mount Kasa Shakushidaira 2001-7-28.jpg (CC0 1.0)
②落葉広葉樹林(白神山地) 標高800m付近
白神山地の紅葉.jpg (Public Domain)
③河畔林・湿原(釧路湿原) 標高10m付近
Kushiro Shitsugen.jpg (CC BY-SA3.0非移植)
※出典Wikimedia Commons
2.標高別の分布
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文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
遺跡分布:JPRA-DB
背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく
カシミール3Dスーパー地形で作成
35°N
40°N
45°N
ナイフ形石器 細石器 有茎尖頭器
サンプル数 6,210 1,751 1,471
平均 118.80 151.91 141.83
標準偏差 212.05 216.42 185.76
中央値 50.00 79.00 68.00
最頻値 40.00 40.00 40.00
最大値 1,690.00 1,530.00 1,500.00
・40m付近に最頻値=もっとも遺跡
数が多い関東平野台地部の最頻値
・細石器、有茎尖頭器はやや高い側
にも多く分布する
A.Noguchi
2.標高別の分布
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A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
246
740
929
648
582
648
984
620
351
239 162 61
0
200
400
600
800
1000
1200
10 20 30 40 50 70 110 190 350 670 1310 >1310
Kn
56
142 149 155
119
180
308
287
149 152
37 17
0
50
100
150
200
250
300
350
10 20 30 40 50 70 110 190 350 670 1310 >1310
MB
52
111
166
149
126
157
209 201
116
146
37 1
0
50
100
150
200
250
10 20 30 40 50 70 110 190 350 670 1310 >1310
TPo
細石器・有茎尖頭器は、
・100m~の台地・丘陵地が多い
・350m~の丘陵・低山にもやや多い
・600m~の中・高山地域は少ない
☞従来の研究(鈴木1983など)とも整合的
3.緯度-標高別の分布
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A.Noguchi
気候植生帯は緯度-標高により遷
移する
同一の緯度では標高高:寒冷的
⇔低:温暖的要素
高緯度では標高のより低いとこ
ろでも寒冷的要素が現れる
遺跡位置情報における緯度-標
高の相関は総合的な気候植生・
生態環境への適応行動を反映す
る
太田ほか2010『日本の地形』
3.緯度-標高別の分布
パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 -
文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
1800
30 32 34 36 38 40 42 44
Kn
ナイフ形石器
中部高地黒曜石原産地関連
A.Noguchi
希薄
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
1800
30 32 34 36 38 40 42 44
MB
3.緯度-標高別の分布
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文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
細石器
中部高地黒曜石原産地関連
A.Noguchi
北海道の分布集中
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
30 32 34 36 38 40 42 44
TPo
3.緯度-標高別の分布
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有茎尖頭器
中部高地黒曜石原産地関連
A.Noguchi
北海道の分布集中
3.緯度-標高別の分布
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A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
0
500
1000
1500
2000
30 32 34 36 38 40 42 44
Kn
0
500
1000
1500
2000
30 32 34 36 38 40 42 44
MB
ナイフ形石器
細石器
0
500
1000
1500
2000
30 32 34 36 38 40 42 44
TPo
有茎尖頭器
・中部~東北の遺跡分布は最寒冷期
の推定植生限界と対応する?
・中部高地の黒曜石原産地帯では森
林限界・周氷河限界を越えて活動
する=特定資源開発のため
☞後期旧石器時代初頭から
・細石器、有茎尖頭器の北海道の分
布も白滝の黒曜石原産地帯と関連
するがそれ以外の範囲の低標高~
中・高標高地にも分布する
A.Noguchi
4.地形条件別の分布
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A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
・JPRA-DBの外部情報が必要
⇒GSJ20万分の1シームレス地質
図を使用(全国版・基本)
20万分の1日本シームレス地質図
産業総合研究所地質調査総合センター
https://gbank.gsj.jp/seamless/
A.Noguchi
緯度・標高以外の地理的条件を検討
表層地質情報から地形の形成時期
(地質年代)と形成過程(堆積岩/火山
岩)を識別
4.地形条件別の分布
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A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
・200弱のカテゴリを4時期区分にコ
ンパイルして遺跡立地地点の表層地
質・時期を収集
新第3紀(Neogene)以前=山地
更新世前期(Q1)=丘陵
更新世中期(Q2)=丘陵・台地
更新世後期(Q3)以降=台地・低地
※更新世前期以降の火山岩類は山地に含めた
20万分の1日本シームレス地質図
産業総合研究所地質調査総合センター
https://gbank.gsj.jp/seamless/
A.Noguchi
4.地形条件別の分布
パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 -
文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
・標高別のデータから推定された
ナイフ形石器⇔細石器・有茎尖頭器の差異は地形条件では認められない
A.Noguchi
4.地形条件別の分布
パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 -
文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
 標高の高い範囲の遺跡分布のひろがり=丘陵・山間の河岸段丘への
立地(要検証)
 一般に海面低下期(=寒冷期)の下刻→河床の安定・離水・段丘形
成は下流から上流側へ順次進む☞最寒冷期(LGM)後の地形発達史
と遺跡分布の対応か
 LGM期の不安定な斜面プロセスで古い遺跡・文化層が消失している
可能性も考慮☞細石器・有茎尖頭器の遺跡分布の変化は見かけ上だ
けの可能性(要検証)
・標高別のデータから推定された
ナイフ形石器⇔細石器・有茎尖頭器の差異は地形条件では認められない
A.Noguchi
4.地形条件別の分布
パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 -
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A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
☞異なるデータセットで検証(土地条件図、地形区分図)
☞分布の重複・隣接率を検証する(地域性はあるか?)
☞適応行動論的評価にはキャッチメントの分析・比較も必要
=遺跡立地条件は変わらなくても遺跡をとりまく環境
は異なる(一定範囲に含まれる地形環境の検討)
・標高別のデータから推定された
ナイフ形石器⇔細石器・有茎尖頭器の差異は地形条件では認められない
A.Noguchi
5.まとめ
パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 -
文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
日本列島後期旧石器時代の遺跡分布動態を汎列島規模で検討
緯度・標高を生態環境の代理示標とし遺跡分布の動態を検討
☞環境条件への適応行動とその変化として理解
・北海道の細石器・有茎尖頭器は本州以南とは異なる環境
⇔ナイフ形石器とは異なる分布への広がり
時期による標高別分布の変化
・細石器・有茎尖頭器の時期の生活範囲の変化?
☞地形地質条件は変化なし⇔地形発達史との関連?
/生活範囲(生業形態等)の変化?
A.Noguchi
5.まとめ
パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 -
文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
1800
30 32 34 36 38 40 42 44
Kn Ax
※北海道の石斧について
は時期が異なるため割愛
後期旧石器時代初頭~前半の石斧(n=427)の緯度-標高分布
をナイフ形石器と重ねてみる ☞おおむね一致
☞後期旧石器時代開始期から遺跡立地は共通していた
←諏訪市ジャコッパラNo.12遺跡、長和町広原遺跡群など
A.Noguchi
6.展望
パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 -
文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度
A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」
A.Noguchi
日本列島における後期旧石器時代開始期≒新人到来・定着
期以降の遺跡立地・分布動態の把握
☞東アジア全体、さらに汎アジア規模での対比
=新人の拡散・定着過程の適応行動や文化変化を
定量的に検討する基準の一つとして
☞新人の異なる/新たな環境への適応能力の基準として
データベースの拡充と連携で見えてくるもの!!

日本列島の旧石器時代遺跡-データベースから見た分布と立地-(SlideShare公開版)

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    日本列島の旧石器時代遺跡 ―データベースから見た分布と立地― 野口 淳(東京大学総合研究博物館) パレオアジア文化史学 -アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 - 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 JPRA-DB+SRTM1+GlobalMap2.0 SlideShare公開版 2017/3/4 於・静岡大学
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    はじめに パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 本スライドは2017年3月4日に静岡大学で開催された「パレオアジア文 化史学-アジア新人文化形成プロセスの総合的研究-」文部科学省科研費 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度(http://paleoasia.jp/) A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」で発表したも のです。 当日の発表内容に加除訂正を加えています。 本スライドは基本的にCC BY4.0国際で公開しておりますが、異なる ライセンスの下に提供されている画像についてはその限りではありま せん。 A.Noguchi
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    ソース パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 「日本列島の旧石器時代遺跡」日本旧石器学会 (http://palaeolithic.jp/ data/index.htm) カシミール3Dスーパー地形セット (http://www.kashmir3d.com/online/superdem/) 国土地理院数値標高モデル5mメッシュ (http://fgd.gsi.go.jp/download/demsel.php) スペースシャトルレーダー地形データ(SRTM-1) (http://www2.jpl.nasa.gov/srtm/) 20万分の1日本シームレス地質図(産業総合研究所地質調査総合センター) (https://gbank.gsj.jp/seamless/index.html) パレオアジア文化史学 (http://paleoasia.jp/) A.Noguchi
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    データベースから人類史へのアプローチ パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 質的研究⇔量的研究 従来型の考古学研究では、特徴的または代表的とされる事例を取り上げ、比較 検討し、積み上げていくようなアプローチをとってきた。 本発表では日本列島で蓄積されてきた多数のデータにもとづき全体像を数量的 に俯瞰するアプローチをとる。 個別事例に焦点を当てたアプローチに比べ大枠で粗く見えるかもしれないが、 同等の詳細な事例・データが不足する他地域などとの比較には有効である。 A.Noguchi
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    『日本列島の旧石器時代遺跡』データベース (JPRA-DB) パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 2016年10月より学会ウェブサイト上で公開中 http://palaeolithic.jp/ data/index.htm A.Noguchi
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    『日本列島の旧石器時代遺跡』データベース(JPRA-DB) パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 遺跡分布:JPRA-DB 背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく カシミール3Dスーパー地形で作成 全遺跡 A.Noguchi
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    パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 遺跡分布:JPRA-DB 背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく カシミール3Dスーパー地形で作成 『日本列島の旧石器時代遺跡』データベース(JPRA-DB) 全遺跡 全遺跡 A.Noguchi
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    パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 遺跡分布:JPRA-DB 背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく カシミール3Dスーパー地形で作成 『日本列島の旧石器時代遺跡』データベース(JPRA-DB) 全遺跡 全遺跡 A.Noguchi
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    16,300件のデータから見る日本列島の 後期旧石器時代遺跡 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 3つの時間示標 前半期 40,000年前 20,000年前 15,000年前 30,000年前 後半期 終末期 ナイフ形石器 (前半期~後半期:4~1.8万年前) 細石器 (後半期~終末期:2~1.4万年前) 有茎尖頭器 (終末期:1.4~1.2万年前)現状で時間軸上の解像度は 十分とは言えないが... A.Noguchi
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    日本列島の後期旧石器時代遺跡 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 遺跡分布:JPRA-DB 背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく カシミール3Dスーパー地形で作成 遺跡分布:JPRA-DB 背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく カシミール3Dスーパー地形で作成 全遺跡 16,300件 ナイフ形石器 6,273件 A.Noguchi
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    日本列島の後期旧石器時代遺跡 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 遺跡分布:JPRA-DB 背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく カシミール3Dスーパー地形で作成 遺跡分布:JPRA-DB 背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく カシミール3Dスーパー地形で作成 細石器 1,790件 有茎尖頭器 1,501件 A.Noguchi
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    0.遺跡分布の基本形態 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 ランダムではなく まとまりを有する (最近隣距離示数<1) =クラスター状分布 (略号凡例) Kn :ナイフ形石器 MB :細石器 TPo:有茎尖頭器 A.Noguchi
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    日本列島の後期旧石器時代遺跡 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 それでは後期旧石器時代を通じて 遺跡立地・分布に変化はあるのか? A.Noguchi
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    1.緯度別の分布 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 遺跡分布:JPRA-DB 背景地図:国土地理院5mメッシュにもと づくカシミール3Dスーパー地形で作成 35°N 40°N 45°N 小野・五十嵐1991『北海道の自然史』 南北に長く伸びる日本列島は亜熱 帯から亜寒帯までの幅広い気候区 分帯に所属している 遺跡の位置情報における緯度は気 候区分帯の代理示標となる 日本列島全体での緯度別の遺跡分 布の動向は、気候への適応を反映 していると考えられる A.Noguchi
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    1.緯度別の分布 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 遺跡分布:JPRA-DB 背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく カシミール3Dスーパー地形で作成 35°N 40°N 45°N ナイフ形石器 細石器 有茎尖頭器 サンプル数 6,273 1,789 1,501 平均 35.21214 35 12 43.71 35.97205 35 58 19.38 35.88482 35 53 5.37 標準偏差 1.400766 3.645884 2.056493 中央値 35.61028 35 36 37.00 35.50361 35 30 13.00 35.49806 35 29 53.00 最頻値 35.69944 35 41 58.00 43.87278 43 52 22.00 43.87278 43 52 22.00 旭川 43 45 54.60札幌 43 3 56.93仙台 38 16 6.33 新潟 37 54 58.98前橋 36 23 22.92東京 35 41 22.96 名古屋 35 10 53.93大阪 34 41 38.20松江 35 28 5.82 高知 33 33 35.24福岡 33 35 26.07鹿児島 31 35 48.37 ・35°~36°Nにピーク=関東平野 ・細石器、有茎尖頭器は44°付近に もう一つのピーク=白滝・道東 A.Noguchi
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    パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 遺跡分布:JPRA-DB 背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく カシミール3Dスーパー地形で作成 遺跡分布:JPRA-DB 背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく カシミール3Dスーパー地形で作成 細石器 1,790件 有茎尖頭器 1,501件 1.緯度別の分布 ナイフ形石器 細石器 有茎尖頭器 サンプル数 6,273 1,789 1,501 平均 35.21214 35 12 43.71 35.97205 35 58 19.38 35.88482 35 53 5.37 標準偏差 1.400766 3.645884 2.056493 中央値 35.61028 35 36 37.00 35.50361 35 30 13.00 35.49806 35 29 53.00 最頻値 35.69944 35 41 58.00 43.87278 43 52 22.00 43.87278 43 52 22.00 A.Noguchi
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    パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 1.緯度別の分布 小野・五十嵐1991『北海道の自然史』 緯度 遺跡数 割合 30 0 0.00% 32 101 1.61% 34 961 15.32% 36 4216 67.21% 38 837 13.34% 40 123 1.96% 42 24 0.38% 11 0.18% 合計 6273 緯度 遺跡数 割合 30 0 0.00% 32 87 4.86% 34 516 28.84% 36 704 39.35% 38 160 8.94% 40 37 2.07% 42 7 0.39% 278 15.54% 合計 1789 緯度 遺跡数 割合 30 0 0.00% 32 4 0.27% 34 26 1.73% 36 1148 76.48% 38 222 14.79% 40 14 0.93% 42 4 0.27% 83 5.53% 合計 1501 データの調整が必要だが… ・緯度ごとの面積 ・立地可能な土地条件の範囲…による正規化など 細石器・有茎尖頭器の42°以北のピークは 中心的な分布範囲と生態環境条件が異なる ナイフ形石器 細石器 有茎尖頭器 A.Noguchi
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    2.標高別の分布 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 山がちな日本列島では、低地・平野と 山地では異なる生態環境が広がる 遺跡の位置情報における標高は異なる 地形ごとの生態環境の代理示標となる 日本列島全体での標高別の遺跡分布の 動向は、垂直方向の生態環境の変位へ の適応を反映していると考えられる ① ② ③ ①高山草原(北アルプス笠ヶ岳)標高2,700m付近 Mount Kasa Shakushidaira 2001-7-28.jpg (CC0 1.0) ②落葉広葉樹林(白神山地) 標高800m付近 白神山地の紅葉.jpg (Public Domain) ③河畔林・湿原(釧路湿原) 標高10m付近 Kushiro Shitsugen.jpg (CC BY-SA3.0非移植) ※出典Wikimedia Commons
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    2.標高別の分布 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 遺跡分布:JPRA-DB 背景地図:国土地理院5mメッシュにもとづく カシミール3Dスーパー地形で作成 35°N 40°N 45°N ナイフ形石器 細石器 有茎尖頭器 サンプル数 6,210 1,751 1,471 平均 118.80 151.91 141.83 標準偏差 212.05 216.42 185.76 中央値 50.00 79.00 68.00 最頻値 40.00 40.00 40.00 最大値 1,690.00 1,530.00 1,500.00 ・40m付近に最頻値=もっとも遺跡 数が多い関東平野台地部の最頻値 ・細石器、有茎尖頭器はやや高い側 にも多く分布する A.Noguchi
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    2.標高別の分布 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 246 740 929 648 582 648 984 620 351 239 162 61 0 200 400 600 800 1000 1200 10 20 30 40 50 70 110 190 350 670 1310 >1310 Kn 56 142 149 155 119 180 308 287 149 152 37 17 0 50 100 150 200 250 300 350 10 20 30 40 50 70 110 190 350 670 1310 >1310 MB 52 111 166 149 126 157 209 201 116 146 37 1 0 50 100 150 200 250 10 20 30 40 50 70 110 190 350 670 1310 >1310 TPo 細石器・有茎尖頭器は、 ・100m~の台地・丘陵地が多い ・350m~の丘陵・低山にもやや多い ・600m~の中・高山地域は少ない ☞従来の研究(鈴木1983など)とも整合的
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    3.緯度-標高別の分布 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 A.Noguchi 気候植生帯は緯度-標高により遷 移する 同一の緯度では標高高:寒冷的 ⇔低:温暖的要素 高緯度では標高のより低いとこ ろでも寒冷的要素が現れる 遺跡位置情報における緯度-標 高の相関は総合的な気候植生・ 生態環境への適応行動を反映す る 太田ほか2010『日本の地形』
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    3.緯度-標高別の分布 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 30 32 34 36 38 40 42 44 Kn ナイフ形石器 中部高地黒曜石原産地関連 A.Noguchi 希薄
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    0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 30 32 3436 38 40 42 44 MB 3.緯度-標高別の分布 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 - 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 細石器 中部高地黒曜石原産地関連 A.Noguchi 北海道の分布集中
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    0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 30 32 3436 38 40 42 44 TPo 3.緯度-標高別の分布 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究 - 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 有茎尖頭器 中部高地黒曜石原産地関連 A.Noguchi 北海道の分布集中
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    3.緯度-標高別の分布 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 0 500 1000 1500 2000 30 32 34 36 38 40 42 44 Kn 0 500 1000 1500 2000 30 32 34 36 38 40 42 44 MB ナイフ形石器 細石器 0 500 1000 1500 2000 30 32 34 36 38 40 42 44 TPo 有茎尖頭器 ・中部~東北の遺跡分布は最寒冷期 の推定植生限界と対応する? ・中部高地の黒曜石原産地帯では森 林限界・周氷河限界を越えて活動 する=特定資源開発のため ☞後期旧石器時代初頭から ・細石器、有茎尖頭器の北海道の分 布も白滝の黒曜石原産地帯と関連 するがそれ以外の範囲の低標高~ 中・高標高地にも分布する A.Noguchi
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    4.地形条件別の分布 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 ・JPRA-DBの外部情報が必要 ⇒GSJ20万分の1シームレス地質 図を使用(全国版・基本) 20万分の1日本シームレス地質図 産業総合研究所地質調査総合センター https://gbank.gsj.jp/seamless/ A.Noguchi 緯度・標高以外の地理的条件を検討 表層地質情報から地形の形成時期 (地質年代)と形成過程(堆積岩/火山 岩)を識別
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    4.地形条件別の分布 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 ・200弱のカテゴリを4時期区分にコ ンパイルして遺跡立地地点の表層地 質・時期を収集 新第3紀(Neogene)以前=山地 更新世前期(Q1)=丘陵 更新世中期(Q2)=丘陵・台地 更新世後期(Q3)以降=台地・低地 ※更新世前期以降の火山岩類は山地に含めた 20万分の1日本シームレス地質図 産業総合研究所地質調査総合センター https://gbank.gsj.jp/seamless/ A.Noguchi
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    4.地形条件別の分布 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 ・標高別のデータから推定された ナイフ形石器⇔細石器・有茎尖頭器の差異は地形条件では認められない A.Noguchi
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    4.地形条件別の分布 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」  標高の高い範囲の遺跡分布のひろがり=丘陵・山間の河岸段丘への 立地(要検証)  一般に海面低下期(=寒冷期)の下刻→河床の安定・離水・段丘形 成は下流から上流側へ順次進む☞最寒冷期(LGM)後の地形発達史 と遺跡分布の対応か  LGM期の不安定な斜面プロセスで古い遺跡・文化層が消失している 可能性も考慮☞細石器・有茎尖頭器の遺跡分布の変化は見かけ上だ けの可能性(要検証) ・標高別のデータから推定された ナイフ形石器⇔細石器・有茎尖頭器の差異は地形条件では認められない A.Noguchi
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    4.地形条件別の分布 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 ☞異なるデータセットで検証(土地条件図、地形区分図) ☞分布の重複・隣接率を検証する(地域性はあるか?) ☞適応行動論的評価にはキャッチメントの分析・比較も必要 =遺跡立地条件は変わらなくても遺跡をとりまく環境 は異なる(一定範囲に含まれる地形環境の検討) ・標高別のデータから推定された ナイフ形石器⇔細石器・有茎尖頭器の差異は地形条件では認められない A.Noguchi
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    5.まとめ パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 日本列島後期旧石器時代の遺跡分布動態を汎列島規模で検討 緯度・標高を生態環境の代理示標とし遺跡分布の動態を検討 ☞環境条件への適応行動とその変化として理解 ・北海道の細石器・有茎尖頭器は本州以南とは異なる環境 ⇔ナイフ形石器とは異なる分布への広がり 時期による標高別分布の変化 ・細石器・有茎尖頭器の時期の生活範囲の変化? ☞地形地質条件は変化なし⇔地形発達史との関連? /生活範囲(生業形態等)の変化? A.Noguchi
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    5.まとめ パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 0 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 1800 30 32 34 36 38 40 42 44 Kn Ax ※北海道の石斧について は時期が異なるため割愛 後期旧石器時代初頭~前半の石斧(n=427)の緯度-標高分布 をナイフ形石器と重ねてみる ☞おおむね一致 ☞後期旧石器時代開始期から遺跡立地は共通していた ←諏訪市ジャコッパラNo.12遺跡、長和町広原遺跡群など A.Noguchi
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    6.展望 パレオアジア文化史学 - アジア新人文化形成プロセスの総合的研究- 文部科学省 科学研究費補助金 新学術領域研究(研究領域提案型)平成28~32年度 A01班研究集会「日本列島における新人文化の形成過程」 A.Noguchi 日本列島における後期旧石器時代開始期≒新人到来・定着 期以降の遺跡立地・分布動態の把握 ☞東アジア全体、さらに汎アジア規模での対比 =新人の拡散・定着過程の適応行動や文化変化を 定量的に検討する基準の一つとして ☞新人の異なる/新たな環境への適応能力の基準として データベースの拡充と連携で見えてくるもの!!