SalesforceISVベンダーが知っておくべきSummer Release '20のトップ10機能

SalesforceISVベンダーが知っておく
べきSummer Release '20の10機能
Created By: Kagawa Hoang
Created Date: 2020/07/06

ここ数ヶ月は、コロナウィルスのせいであらゆるビジネスに影響を深く与えまし
た。以前は、Salesforce の新しいリリースのロールアウトが非常に待ち望まれて
いました。しかし、世界の状況を鑑みて、この新しいリリースのロールアウトに
は、より控えめなアプローチを取りました。

Salesforce は、事業継続性を何よりも優先して、Summer ‘20 リリースの GA（公開）
を 6 月 12 日、7 月 10 日、7 月 17 日、18 日から始まる本番環境への時差的なロール
アウトに延期しました。リリースが延期されたにもかかわらず、ISVベンダーは
Summer '20の最新機能をSandbox Preview orgsで学習したり、試したりすることで、
先手を打つことができます。
※ Summer ‘20 リリースの GA時期については、こちら
「 https://help.salesforce.com/articleView?id=000352938&type=1&mode=1 」
のナレッジ記事をご覧ください。
いつものように、furuCRMとしては AppExchange パートナーの皆様のために、
Salesforce Summer '20 で活用すべき最新機能の準備と学習を支援しています。詳細に
ついては、引き続きお読みください。

1. FLSの新しい機能”With Security Enforced”句を使用して
スマートなSOQLクエリを書く
SOQL クエリがオブジェクトセキュリティレベルと項目セキュリティレベルの定義に
準拠していることを確認するために、複雑なトライキャッチ文を構築する面倒な方法
はもうありません。新しいWITH SECURITY_ENFORCED句により、現在ログインしてい
るユーザーがアクセスできるレコードと項目のみを表示するスマートなSOQL SELECT
クエリを作成できるようになりました。
AppExchange セキュリティレビューに合格するためには、この機能を使用するアプリ
は、API バージョン 48.0 以降でコーディングする必要があります。
※”With Security Enforced”句について詳しく以下のリンクにて参照ください。
https://releasenotes.docs.salesforce.com/en-us/spring20/release-
notes/rn_apex_WithSecurityEnforced_GA.htm

2. ユーザー権限に基づいてLightning Webコンポーネントの動作をカスタマ
イズする
開発者は、現在ログインしているユーザーのプロファイルに基づいて、Aura および
Lightning Web Components の動作をカスタマイズできるようになりました。
パッケージネームスペース内で定義された標準のUser Permissionまたはカスタム権限
モジュールへの静的参照をインポートすることで、画面項目が表示されるかどうかを
ハンドル、JavaScriptコントローラの論理的な動作を制御するためにブーリン文を使
用することができます。
例：
import hasPermission from '@salesforce/customPermission/PermissionName’;
import hasPermission from'@salesforce/customPermission/namespace__PermissionName’;
※詳しく以下のリンクにて参照ください。
https://releasenotes.docs.salesforce.com/en-us/summer20/release-
notes/rn_lwc_access_permissions.htm

3. LightningメッセージサービスでSalesforceの様々なUIを横断してやり取り
する
Visualforceページ、Auraコンポネート、Lightningウェブコンポネート間でDOM間の
シームレスなコミュニケーションを可能にするために設計されたSalesforce Lightning
Message Serviceが生まれました。
LMSは、Lightning Experience全体のどこからでもPub/SubするためのシンプルなAPIを
提供します。
フロントエンドサービスであるLightning Message Channelを使用することで、ポップアウトした
ユーティリティバーのアイテム画面やVisualforce iFrame画面など、Lightningページ上の任意の
場所に存在するコンポーネントに、 Pub/Sub開発モデルを介してメッセージを送信することがで
きます。
すべてのインタラクションは、同じLightning Experienceアプリケーションインスタンスから発
信しなければならないことを覚えておいてください。
https://releasenotes.docs.salesforce.com/en-us/winter20/release-
notes/rn_lc_message_channel.htm

4. フロービルダーで新しいフロー開始要素を利用可能
レコードの変更、プラットフォームイベント発火、スケジュールされたフローの作成プロセスが
ストリームラインされました。フロービルダーの開始要素がより明確に表示されるようになり、
これまで以上に管理者が簡単に最初のフローの構築を開始できるようになりました。
さらに、Salesforce orgs のフローテンプレートは、テンプレートタブからアクセスできるよう
になり、ISVパートナーが管理パッケージに含めるフローは、より目立つように表示されるよう
になりました。
この機能強化により、ワークフロー、プロセス、フローの間で同じような機能が複製され、ISV
ベンダーが新しいフロー技術を採用する理由がより明確になりました。
管理者は、埋め込まれたテキストやLightningコンポーネントを使って画面上で動作する強力なフ
ローを構築することができ、また、裏処理で様々な方法でトリガーされるフローを構築すること
ができます。
notes/rn_forcecom_flow_fbuilder_new_flow_window_start.htm

5. 今後の第二世代パッケージとプッシュ通知仕組みアップグレード(ベータ
版)
第一世代の管理パッケージから新しい第二世代のパッケージングへの移行に使用される移行ツー
ルを覗いてみませんか？※詳しく以下のリンクにて参照ください。
パートナーコミュニティの管理パッケージChatter Group に参加して、開発者プレビューへの参
加方法の詳細を確認しましょう!
「https://partners.salesforce.com/_ui/core/chatter/groups/GroupProfilePage?g=0F93A000000
HXAqSAO」
移行をスムーズに行うために、PackagePushRequest SOAP API オブジェクトが拡張され、
Unlocked および第二世代の管理パッケージへのプッシュアップグレードが可能になりました。
ISVベンダーは、パッケージのアップグレードを受ける組織、パッケージをどのバージョンに
アップグレードするか、そしていつアップグレードするかを選択することができます。
この機能は、ISV が顧客に負担をかけずにパッケージのホットフィックスやアップグレードを
プッシュできるので便利です。
しかし、2GPがGAにあるとはいえ、プッシュアップグレード機能はまだベータ版であることを覚
えておいてください。
notes/rn_sfdx_packaging_push_upgrade_2GP.htm

6. 第一世代の管理パッケージからLightningコンポーネントを削除
Salesforce Summer '20の新機能として、リリース後も管理パッケージから廃止されたLightningコ
ンポーネントや不要なLightningコンポーネントを削除できる機能が追加されました。
まず、パッケージ内のレガシーなLightningコンポーネントへのコードライン参照を削除し、変更
されたコードクラスを顧客にプッシュします。
次に、パッケージ管理に移動して、パッケージ内に含まれるAuraまたはLightning Webコンポー
ネントの横にある「削除アクション」をクリックして、コンポーネントの削除を続行し、2つ目
のパッケージのアップグレードをプッシュします。
第二段階のパッケージアップグレードをインストールした後も、そのコンポーネントは現在のサ
ブスクライバの組織内に残っていますが、サブスクライバの組織の管理者が手動でその組織から
コンポーネントを削除するまでは、そのコンポーネントは残っていることに注意してください。
notes/rn_lc_delete_from_package.htm

7. モバイルプッシュ通知によるプラットフォームイベントを見かけ
Lightningプラットフォームモバイルの開発者は、サブスクライバ組織内でビジネスイベントが発
生した際に、Salesforceモバイルのプッシュ通知を利用して、ユーザーのモバイルデバイスにプ
ラットフォームイベント通知を送信することができるようになりました。
カスタム通知をパッケージ化するには、セットアップに進み、クイック検索ボックスにパッケー
ジと入力し、パッケージ管理を選択して、接続されているアプリと関連するApexトリガーをマ
ネージドパッケージにバンドルします。
Salesforceモバイルアプリ、フィールドサービス Lightningモバイルアプリ、Einstein Analyticsモ
バイルアプリ、およびMobile Publisherで作成したモバイルアプリから送信するPush通知の時間
単位の制限数が増加しました。
また、ISVベンダーは、Salesforceが提供するモバイルアプリ以外で通知を送信するために、
Apple/Googleに登録してプッシュ通知キーを取得する必要があります。
notes/rn_mobile_newfeat_notification_builder_platform.htm
notes/rn_mobile_push_limits.htm

8. アプリ内ガイダンスビルダーと多段階のウォークスルー
顧客ユーザーのために直感的なプロンプトとウォークスルーを構築することは、これまでになく
簡単になりました。
新しいアプリ内ガイダンスビルダーは、おなじみのLightningアプリビルダーのようにを使用して
アプリのガイダンスプロンプトを作成します。この新しいツールでは、アプリケーションの採用
を促進するために、新規顧客や既存顧客を誘導するためのフローティングプロンプトやドッキ
ングプロンプトをこれまで以上に簡単に作成することができます。
notes/rn_customhelp_builder.htm

9. Facebookメッセンジャーとの連携により、よりスマートで多言語対応の
Einsteinボット
サービスクラウドと産業分野のISVベンダーは、事前に構築されたテンプレートを使用して簡素
化されたボット作成プロセスを提供することで、Einstein Bot統合の価値を高めるまでの時間を
短縮することができます。
Salesforce Summer '20のBotsの改善により、サブスクライバが新しいFacebookメッセンジャーと
の連携を介して新規顧客をサポートし、接続できるようになり、中国語と日本語が追加されたこ
とで8つの言語に対応できるようになり、販路が拡大しました。
ボットにもスキルベースのルーティングが導入され、タスクを完了するために必要なスキルを
持った最適なエージェントと顧客をマッチングするプロセスを合理化しています。
スキルについて、語学力や資格、商品知識など、ビジネスに重要な属性を定義することができま
す。
ISVベンダーは、ボットに使用されるEinstein Intentsのみのパッケージに加えて、Einsteinボット
コンソールを介して完全に構成されたボットをパッケージ化して開発することができます。
notes/rn_einstein_bots_multi_language.htm?edition=&impact=
notes/rn_einstein_bots_skills_based_routing.htm

10. ローカルでライトニングウェブコンポネート開発(ベータ版)
ベータ版として提供されているローカルでウェブ開発サーバーでLightningウェブコンポーネント
の開発を高速化する
Salesforce CLIプラグインを設定することで、開発者はローカルパソコン上にLightningウェブコ
ンポーネント対応のサーバを作成することができ、コンポーネントを組織に公開することなく、
ライブの変更を確認することで、迅速かつ効率的にLightningウェブコンポーネントを作成できる
ようになります。
https://developer.salesforce.com/docs/component-
library/documentation/en/lwc/lwc.get_started_local_dev

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