ものづくりサークル講習用資料 RaspberryPi HATの設計を通してPCB設計技術習得を意図したものです．

1. プリント基板設計
RaspberryPi HAT基板設計実習
静岡大学 工学部 機械工学科
渡辺祥平

2. 2
1. はじめに
 KiCAD
→回路CADソフト
 LTspice
→回路解析ソフト
 国際ブランドのクレカやプリカ
→VISAがおすすめ
準備
取扱事項
 KiCADの操作方法
 設計のルール
 基板発注について

3. 3
2. KiCAD概要
1. 設計要件の定義
→基板寸法，許容電流，電源仕様など
2. 回路の設計・解析
→伝達関数モデル解析，SPICEシミュレーションなど
3. 回路図の作成
→KiCAD::回路図エディタ
4. PCB基板設計
→KiCAD::PCBエディター
5. 発注
→PCBway, Elecrow, JLPCB, FusionPCB, etc.
6. 実装・性能評価
 イチケン氏のB級アンプ製作動画が大変参考になる
開発の流れ

4. 4
2. KiCAD概要
KiCADの基本UI
 プロジェクト作って回路図書いて基板引く
回路図で使う
基板設計で使う

5. 5
2. KiCAD概要
今回の課題
 ラズパイ用インターフェース拡張ボードの開発
→A/D変換器，MUX/DEMUXによる機能拡張
ピンヘッダ for RasPi
ADC,
MUX
ユニバーサル
スルーホール
基板の概念設計
ADコンバータIC MUX/DEMUXに
使用するIC

6. 6
3. KiCAD::回路図エディター
回路設計
 MUX/DEMUXの設計
→UARTをGPIOで相手を切り替えて2個と通信可能に
 TXピン：信号出力先をスイッチ→DEMUX
 RXピン：信号受信元をスイッチ→MUX
2入力MUX/DEMUXによる信号経路切替

7. 7
3. KiCAD ::回路図エディター
回路図作成準備
 パーツのシンボルをつくる
→KiCAD::シンボルエディター
作成するシンボル
 A/DコンバータIC (MCP3204, SOP14)
 3ステートバッファIC (TC7W126FU, SSOP8-P0.65)
 シュミットトリガインバータ IC (TC7S14F, SSOP5-P0.95)
MCP3204シンボル TC7W126FUシンボル TC7S14Fシンボル

8. 8
3. KiCAD ::回路図エディター
シンボルの作成1
 はじめにMyPartsライブラリを作成
→ライブラリディレクトリは分かりやすい所に保存
 Myライブラリ中にシンボル(回路基板)を作成
シンボルの作成
3. 名前
1. 自作シンボルライブラリ
2. 新規シンボルの作成

9. 9
3. KiCAD ::回路図エディター
シンボルの作成2
 MCP3204の例
 ICのピンの仕様はデータシート参照のこと
 ピン設定は 編集::ピンテーブル が楽
データシートより抜粋 MCP3204シンボルの作成例

10. 10
3. KiCAD ::回路図エディター
回路図の作成
 電源にはPWR_FLAGをつける
 パーツ定数を忘れず記入
 一段落書いたら 検査::エレクトリカルルールチェック
KiCAD::回路図エディタ上部メニュー
KiCAD::回路図エディタツールバー(90度回転)
選択パーツの回転・反転
図面プロパティ
図面の出力 自動アノテーション
回路チェック(ERC)
パーツとフットプリント
の紐付け
テキスト・図形の挿入 ラベル挿入 結線 導線 電源 パーツ 基本のモード

11. 11
3. KiCAD ::回路図エディター
電源フラグ設定

12. 12
3. KiCAD ::回路図エディター
フットプリント設定
 間違えると実装できなくなる
 チップR, C →1608M
 ピン→2.54mmピッチ
 SSOP5-P0.95→TSOP5-P0.95とハンダ面同じ
 代表的なICパッケージ規格はいくつか覚えるべし
 規格寸法とフットプリント寸法の整合は必ず確認

13. 13
4. KiCAD::回路図エディター
フットプリントの割り当て

14. 14
4. KiCAD::PCBエディター
PCBエディター
回路図エディターから
インポート
回路設計チェック
表面導線
裏面導線
表面シルク
裏面シルク
表面はんだ面
裏面はんだ面
基板外形線
パーツの追加配置
通常配線
ビア穴
寸法測定
選択レイヤーに
図形・文字
表示方法設定

15. 15
4. KiCAD::PCBエディター
基板設計
 RaspberryPi用基板サイズ
 大電流線路なし→導線は細くても可
基板設計の参考品

16. 16
4. KiCAD::PCBエディター
基板作成例
 56x65の基板サイズで設計
3Dビュー表面
PCBエディター

17. 17
4. KiCAD::PCBエディター
イラスト・ロゴの追加
 基板を引いたら仕様書を書くこと
 仕様書をアップしてURLをQRにして貼ると良い
仕様書アクセス用QRの作成
 仕様書を公開する
→Notion, pdfをgoogleドライブにup, etc.
 URLをQRコードに変換，QR画像ダウンロード
 KiCAD::イメージコンバーター でフットプリントに
 KiCAD::PCBエディター でフットプリント設置

18. 18
4. KiCAD::PCBエディター
QRコードのシルク
仕様書QRコード
(公開Notionノート)
3Dビュー裏面

19. 19
4. KiCAD::PCBエディター
プリント基板設計のノウハウまとめ
 線幅は1mm/Aくらいを意識
→10A以上の線路は極短距離，ジャンパ線にするなど工夫
 ビア1つ300mAまで
→例えば1Aなら3,4箇所密集してビアを打つ
 直角配線はNG
→角部でインピーダンス特性悪化，ノイズの原因に
 最後にGNDベタ塗り
→GNDベタがシールドとなる
 インダクタ裏にGND，配線の配置はNG
→磁束が鎖交してノイズの原因に
 GNDベタ塗り部分に等間隔ビア
→GNDのインピーダンス特性改善
 はんだ面にビアはNG
→ビア穴にはんだが流れてしまう
 シルクに情報を載せる

20. 20
4. KiCAD::PCBエディター
ガーバーデータの生成
 PCBエディター::製造ファイル出力 を選択
 各メーカーのフォーマットに合わせる

21. 21
4. KiCAD::PCBエディター
ドリルファイルの生成

22. 22
5. PCB発注
ファイル名変更
 PCBwayのルール：(基板名).(対応拡張子) で統一
 ガーバーデータのファイル名を以下に変更
• (name)-F_Cu.gtl→(name).GTL
• (name)-B_Cu.gbl→(name).GBL
• (name)-F_Mask.gts→(name).GTS
• (name)-B_Mask.gbs→(name).GBS
• (name)-F_Silkscreen.gto→(name).GTO
• (name)-B_Silkscreen.gbo→(name).GBO
• (name)-Edge_Cuts.gm1→(name).GML
• (name).drl→(name).TXT

23. 23
5. PCB発注
おまけ フォーマット変換スクリプト
Pythonスクリプトで拡張子変更・名前統一して保存
https://github.com/Marble-GP/GarbarExtConverter

24. 24
5. PCB発注
ガーバーデータの確認
 KiCAD::ガーバービュアーで全部開く
 問題なければ基板寸法を控え，zipにまとめる

25. 25
5. PCB発注
PCBwayでの発注
 中国メーカでは1枚約$1.0が相場
 10枚注文すると10枚以上来る(製造上の都合？)
 むしろ送料のほうが高かったりする
 製造～到着におおよそ2,3weekかかる
 細かいオプションつけるとコスト増
→いじるのはレジストカラーだけにしておく
製造上の注意事項
 穴は0.3mm以上
→これ未満はコスト大
 最小配線幅は0.026mm(6/6mil)まで