About (Manufacturing Execution System)に関する説明です。入門編に該当します。

1. MESって何？
Ver.2.0
川合雅巳

2. 目次
• MESとその位置づけ
• ERPとMESの比較
• MES導入の問題点、課題、施策例

3. MESとその位置づけ
 製造実行システムのことで、製造工程の状態の把握や管理、作業者への指示や支援などを行う情報システム
 ERP、生産管理ERPとMESの領域
販売管理 会計管理 生産管理
購買管理
生産資源の配分と監視 作業のスケジューリング
作業手配・製造指示 仕様・文書管理
作業者管理
データ収集
プロセス管理
設備の保守・保全管理 製品の追跡と製品体系管理
実績分析
製品品質管理
計画層
実行層
制御層
ERP
PLC DCS
MES
生産管理パッケージは、他のERPと同様、
業務の計画層で使用される。
生産管理パッケージが計画層を担当する
のに対して、MESは実行層で使用される。
生産計画 工程管理 品質管理 原価管理
センサ

4. ERPとMESの比較
 ERPとMESの比較
比較するポイント ERP MES
管理目的 経営資源（人・モノ・カネ）の最適活用 製造現場（人、設備、モノ）の最適活用
管理方法
» 経営指標（KPI）による経営・業務一体の目標管理
» 経営目標に対する達成状況の把握と改善
製造現場におけるQCD活動の管理
情報の活用目的 経営指標に基づく経営判断 » 各管理層（生産管理、製造、品質など）
主な活用者
» 経営層
» 各管理層（販売、生産管理、購買・調達、生産管理、
経理・財務、人事など）
» 各管理層（製造、品質など）
システム導入の進め方 トップダウン
ボトムアップ（現場主体の場合）
トップダウン（グローバル展開の場合）
情報の管理粒度 年～日 日～秒
主要インタフェース
ERP⇒MES(所要量展開など）
PLM⇒ERP(製品構成管理など）
現場機器⇒MES(操業情報など）
MES⇒ERP(作業実績など）
主な管理機能
販売管理、生産計画、購買管理、在庫管理、製造原価
管理、財務会計、人事管理など
生産資源の配分と監視、スケジューリング、作業手配・製造指示、
仕様・文書管理、データ収集、作業者管理、製品品質管理、プロ
セス管理、設備の保守・保全管理、製品の追跡と製品体系管理、
実績分析

5. MES導入の問題点、課題、施策例
導入予定のMESと既存の生産管理
ERPの両方が、所要量展開 (*)や工
程展開の機能を持っており、どう分担
すべきか、迷っている。
ｓ所要量展開、スケジュールの目的を
考え、規範をつくる必要がある。
原価計算に直結する所要量展開はERPで 受け
持ち、ERPのデータを受けて、MES側で 作業指
示用の所要量展開、工程展開をする。
導入予定のMESにも、既存の生産管
理ERPにもスケジューラ機能が付いて
おり、どう分担すべきか、迷っている。
原価計算にかかわる所要量計算をMRPで行い、
各工程の所要量をMESのスケジューラに渡す。
製造部門の製品コードと販売会社側
の製品コードが異なり、また、生産管理
ERP、MESのスケジューラがそれぞれ独
自のマスタデータを持っていることで、相
互の連携に相当な負荷がかかっている。
マスタデータの同期を取るために必要
な業務ルールをつくる必要がある。
スケジューラでボトルネック工程にかかわる計画 を
行い、その所要量をMESに渡し、細かい作 業工
程別の計画をMESで立案する。
(*)
製番管理は“製造する単位（ロット）”ごとにオーダーナンバーを付ける、というもので、所要量展開、工程展開、作業展開といったすべての計画
に、この製番にひも付けたナンバーを振り、「いま、どの工程で、どの作業が行われているのか」を管理しやすくするもの。
問題点 課題 施策案
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