木村さんに最新のリーダーシップについて教えてもらいました！

1. リーダーシップ論 木村尚敬さん
10代・20代向け
最新の
(*)本企画は、スポーツ界の国内外で活躍を目指す10代・20代向けに、木村尚敬さんからリー
ダーシップ論について、7/30にオンラインで説明頂いた内容を記録・編集したものです。
木村さんが優しく教えてくれた
著者の
一般公開

2. 「リーダーが持つべき経営知識やスキル 」
「スポーツチームのリーダーと企業経営者の共通点は？ 」
「日本の組織で必要なリーダーシップとは？ 」
今の時代におけるリーダーの能力とは？」
様々な質問に答えてくれました!!

3. リーダーが持つべき経営知識やスキルについて知
りたいです。リーダーはビジョンを示すだけで、
スキルや運営は他の人に任せるといったことは可
能でしょうか。
マネジメントは「決まった方向に向かって進むよ
う、統率すること」、リーダーシップは「どこに
向かうかを決めること」が求められます。
リーダーは、いつでもフィールドに立って勝負が
できるようにあるべきで、ポジションがあがった
らその分知識も身につけてアップデートしていく
必要があります。

4. 今の時代におけるリーダーシップは具体的にどの
ような能力が求められますか。
言うよりも聞く姿勢を意識する必要があると思いま
す。主張するよりも相手に気付かせる、自分で答え
を言うのではなく、相手に気づかせる質問をできる
かが大切です。
Not the right answer but the right question.
という言葉がありますが、どのように答えるかでは
なく、気づかせることができるかが秘訣になってき
ます。

5. 日本の組織ではどのようなリーダーシップが必要に
なってきますか。
What?とWhy?とHow?の答えを自分の中で持って
いるかが重要になります。この３つについて説明で
き、聞いている人を納得させられるかが鍵です。ま
た、周りの人を巻き込むことが大切です。自分の考
える方向性と同じ思いを持っている人を巻き込んで、
味方を作るのが良いでしょう。想定していなかった
ことが起きた際に、味方の人と一緒に提案をしてい
くことで、組織を動かすチャンスを掴むことができ
ます。あとは改革のウィンドウが開く瞬間を待つ
ことです。

6. 留学で一番学んだのは、勉強で学んだことよりも異
文化の許容にありました。それぞれが自分の正義を
持っていますが、正義の反対は悪ではなく、もう
一つの正義があります。その正義を受け入れながら
自分の正義を主張していくことが大切なことではな
いでしょうか。自分と違うアイデンティティを受
け入れられることがグローバルでリーダーシップ
を発揮する際に役に立つと思います。
現在、フランスの大学院に留学中で様々な国の人
と仕事をする機会があります。多様な国籍を持つ
人々と働く上でリーダーシップを発揮していくた
めに、どのような能力が必要になってくるでしょ
うか。

7. 自分より一つ上の立場から物事を見ることで、組
織の関係をより良く理解することができるように
なります。将棋の駒目線ではなく、棋士目線でみ
ることで組織の最適解を見る力が養われてきます。
若い時から盤面を動かすことができる目線で行動
する癖をつけて、常に自分が物事をコントロール
しているという想像力を働かせましょう。
組織間のコミュニケーションをより良くし、組織
を動かしていこうと心がけていますが、その為に
気を付ける点はありますか。

8. スポーツにおいてライブコンテンツは魅力的な部
分だと思います。もし自分が起業するとしたららス
ポーツテックに大変興味があります。スポーツにお
いて圧倒的な改革を求めるのであれば、テクノロ
ジーから攻めるのが最適解だと思います。
投資領域として、スポーツ市場は魅力的ですか、
もしくはまだ時期尚早ですか。もし魅力的であれ
ばその理由と、そしてその具体的なセグメントに
ついて教えて頂きたいです。また、木村さんがス
ポーツ領域で起業するとしたら誰に何を提供しま
すか 。

9. 木村さんが海外の大学院に通われていたときに文
化の違いで苦労したことはありましたか。また、
アジア、女性、スポーツというマイノリティの立
場でリーダーシップを発揮する方法はありますか。
日本人は主張が弱いので、言わなくてはならない
ことは言い返すことがグローバルでは大切になっ
てきます。また、何かに所属したときにマイノリ
ティ・マジョリティは生まれますが、同じ組織で
共通の価値を生み出す立場を忘れなければ、リー
ダーシップはいつでも発揮できると思います。

10. 学生から就職をせずに起業をする場合（実務を経
ずに起業の場合）に、自分が足りていないスキル
を補って役割分担をしながら共同経営をしていく
と思うのですが、その際は一定のスキルを持って
いなくても起業に踏み出すことはできますか。
例えば、3人で共同創業するとして、最低限の法
律とお金の知識は必要になってきます。全員が少
なくとも簿記2級は取っておくべきでしょう。更
に事業の中身によって+αの知識が求められます。
150時間の勉強で簿記２級は合格すると言われて
いますので、ぜひ皆さんはこの機会にチャレンジ
しておくことをおすすめします。

11. 徐々に人数が増えていく組織で、どのように立ち
振る舞いをするのが良いか迷っています。リー
ダーシップを発揮する際には、組織全体の声を聞
いて目標を設定する方が良いか、リーダーが決め
た目標に沿って組織を動かす方が良いかを知りた
いです。
組織の人数にもよると思いますが、ある程度自分
の色を出す必要があります。一番まずいのは全員
の顔を伺って全員の最大公約数を目指すことです。
強いリーダーになるほど、エッジが立つので価値
観が合わない人が出てきます。皆の意見が合わな
い事も割り切れる様になってきますので、波風立
たない合意形成に走らない事です。

12. エンジニアとしてのキャリアを検討していました
が、経営者の選択肢の方が最短とも思います。今
後自分がリーダーとして活動する際に、必要なス
キルや知識が何なのかを把握しておきたいです。
勉強や研究は自分のビジョンを実現する上で遠回
りなのでしょうか 。
野球に例えるならエースで4番の中心選手か、監督
としてチームを率いて行くのか、の違いだと思い
ます。リーダーはビジョンを描いたり本質を理解
したりする必要があります。また、ビジネスの構
想力は不可欠になります。一方で、テクノロジー
の本質を理解せずにビジネスを回すことは不可能
でしょう。 現在は本質を学んでいると思うので、
構想力を高めていく方向を補いながらリーダー
シップを高めていくのが良いと思います。

13. 目的設定してその方向に全員を導くという点では
共通だと思います。一方で企業は利益を追求するこ
とが求められます。そこだけに注力するとおかしな
ことになってしまう為、その上段にある社会への価
値を導いていく必要があります 。企業はビジョン
ドリブンだけでは回せないのは事実ですが、あくま
で目的と手段（ 利益創出）をごちゃ混ぜにしない
事です。その上で目的達成に向け、どのような指標
で導いていくのかということを細かく決めなければ
いけません。
スポーツチームのリーダーと企業経営者の共通点
を知りたいです。スポーツでは日本一の明確な目
標があって、目標に向かって練習をしたり計画を立
てたりというプロセスを経験してきました。一方で
企業のように利益追求が求められる場合には、同様
のビジョンで動かすというイメージが湧きません。