2014年度成果報告会で行った現象数理チームのプレゼンテーションです。

1. インターネット上の情報量を
モデル化する
現象数理チーム 須田 隆太朗
1

2. 目的
インターネット上の情報量の変化を
数理モデルによって表現し、将来を予測する。
2

3. 「インターネット上の情報量」
 インターネット
 ユーザー
 情報量
→ 1年間で制作・保存・複製（コピー）されたデータ
背景 3

4. - An IDC White Paper “ The Expanding Digital Universe” 2007
- EMC DIGITAL UNIVERSE STUDY WITH RESEARCH AND ANALYSIS BY IDC 2014
背景
 インターネット上の情報量は増加し続けている。
4
0
10000
20000
30000
40000
50000
統計
IDC予想
“2012年〜2020年にかけてインターネット上の
情報量は、２年間ごとに倍増していく。”IDC 予想

5. 仮説とアプローチ方法
情報の総量 B(t)
ユーザー数 U(t)比例定数 ×
人口 N(t) × インターネット普及率P(t)
＝
＝
5
B(t) = αU(t)
= α（N(t)*P(t)）

6. １．普及率を求める
普及率を分類する
-World Bank “World-Internet-penetration (1993~2013)”
2013年時点で
0% ≤ P < 20%
20% ≤ P < 40%
40% ≤ P < 60%
60% ≤ P < 80%
80% ≤ P < 100%
6
100%
80
60
40
20
0
レベル別普及率
1993 2014 1993 2014
日本： 86％
中国： 46％
インドネシア: 16％

7. １．普及率を求める
レベル別普及率
-World Bank “World-Internet-penetration (1993~2013)”
80% ≤ P < 100%
7
2013年1993年
100%
80
60
40
20
0

8. １．普及率を求める
地域別インターネット人口と普及率
-World Bank “World-Internet-penetration (1993~2013)”
8

9. 仮説とアプローチ方法
情報の総量 B(t)
ユーザー数 U(t)比例定数 ×
人口 N(t) × インターネット普及率P(t)
＝
＝
9
B(t) = αU(t)
= α（N(t)*P(t)）

10. ２．人口を求める
ロジスティック方程式
Nt = 時刻 t における人口
N0 ・・・ 初期値 t(0)
e ・・・ 自然対数の底（2.718…）
= 環境収容力
r = 定数
10
時刻(t)
人
口
(Nt)
デヴィッド・バージェス/モラグ・ホリー著 『微分方程式で数学モデルを作
未知数が２つ
→ ２元連立方程式で解くことができる
廣野 喜幸 東京大学講義用WWWサーバ 『ロジスティック式においてデータから環境収容力を求める方法』
N0

11. ２．人口を求める
地域ごとに世界の人口増加を予測する
- United Nation “World Population Prospects: The 2012 Revision”
0% ≤ P < 20% / 20% ≤ P < 40% / 40% ≤ P < 60% / 60% ≤ P < 80% / 80% ≤ P < 100%
→ それぞれの地域に対してロジスティックモデルを当てはめる
11
0 ~ 20
40 ~ 60
20 ~ 40
80 ~ 100
60 ~ 80

12. 仮説とアプローチ方法
情報の総量 B(t)
ユーザー数 U(t)比例定数 ×
人口 N(t) × インターネット普及率P(t)
＝
＝
12
B(t) = αU(t)
= α（N(t)*P(t)）

13. ３．ユーザー数を求める
（億人）
50
40
30
20
10
0
13

14. 今後の展望・課題 14
《展望》
 情報量の変化とユーザー数との間の関係性。
《課題》
 ユーザー数の予測をより高い精度で求める。

15. １．普及率を求める（予備スライド）
世界のインターネット人口と普及率
-World Bank “World-Internet-penetration (1993~2013)”
1990年〜2013年

16. １．普及率を求める（予備スライド）
世界のインターネット人口と普及率
-World Bank “World-Internet-penetration (1993~2013)”
ロジスティック・モデルは適応できない！？
人口は、Nと に比例する。

17. ２．人口を求める（予備スライド）
ロジスティック方程式の有用性
0
20
40
60
80
100
120
140
米国の人口
予測値
デヴィッド・バージェス/モラグ・ホリー著 『微分方程式で数学モデルを作ろう』

18. ２．人口を求める（予備スライド）
ロジスティック方程式の有用性
0
50
100
150
200
250
300
350 1820
1830
1840
1850
1860
1870
1880
1890
1900
1910
1920
1930
米国の人口
ロジスティックモデル予測値
マルサスモデル予測値
デヴィッド・バージェス/モラグ・ホリー著 『微分方程式で数学モデルを作ろう』

19. ２．人口を求める（予備スライド）
ロジスティック方程式
人口は、Nと に比例する。
一般解

20. ２．人口を求める（予備スライド）
ロジスティック方程式
←置換積分
←部分分数分解
（Aは積分定数）

21. ２．人口を求める（予備スライド）
ロジスティック方程式

22. ２．人口を求める（予備スライド）
自然対数の底 e とは
= 2.718・・・

23. ２．人口を求める（予備スライド）
ロジスティック方程式
Nt = 時刻 t における人口
= 環境収容力
r = 定数
デヴィッド・バージェス/モラグ・ホリー著 『微分方程式で数学モデルを
rが大きくなるほど 0 に近づく ＝ Nt →

24. ２．人口を求める（予備スライド）
上を の形に変形

25. ２．人口を求める（予備スライド）
世界の人口増加を予測する
0
10
20
30
40
50
60
70
80
1950
1957
1964
1971
1978
1985
1992
1999
2006
2013
2020
2027
2034
2041
2048
国連統計
国連統計
United Nation “World Population Prospects: The 2012 Revision”
1950 = t0 (t=0)
1980 = t1 (t=30)
2010 = t2 (t=60)

26. ２．人口を求める（予備スライド）
(定数)・ax - (定数)・bx + (定数) = 0
＝

27. ２．人口を求める（予備スライド）
rの近似方法
r

28. ２．人口を求める（予備スライド）
世界の人口増加を予測する（結果）
United Nation “World Population Prospects: The 2012 Revision”
≒ 117億人
赤 ： 統計
青 ： 予測値
- 2050年 = 111.8億人

29. ２．人口を求める（予備スライド）
世界の人口増加を予測する（結果）
- United Nation “World Population Prospects: The 2012 Revision”
- U.S. Census
赤 ： 統計
青 ： 予測値
- 2050年 = 111.8億人
緑 : 米国の政府機関予測
- 2050年 = 93.5億人

30. ２．人口を求める（予備スライド）
部分的に人口増加を予測する（結果）
- United Nation “World Population Prospects: The 2012 Revision”
青 ： 世界人口予測値
- 2050年 = 111.8億人
赤 : 地域別予測の和
- 2050年 = 107億人

31. ２．人口を求める（予備スライド）
部分的に人口増加を予測する
- United Nation “World Population Prospects: The 2012 Revision”
青 0% ≤ P < 20%
黄 40% ≤ P < 60%
緑 20% ≤ P < 40%
赤 80% ≤ P < 100%
橙 60% ≤ P < 80%
33
普及率 P

32. ３．結果の検証（予備スライド）
年 情報量（EB） ユーザー数（百万人） α （定数）
2006 161 115.75 1.4
2007 281 137.30 2.0
2008 487 156.21 3.1
2009 800 175.23 4.6
2010 1200 203.43 5.9
2011 1800 227.25 7.9
2012 2800 251.16 11.1
2013 4400 271.22 16.2
2014 6116 292.52 20.9
情報量 = 定数 × ユーザー数

33. 4．デジタルユニバースを求める（予備スライド
）