グローバル・ネットワークの成
立と
ネットワーク・マーケット
@maruyama097
丸山不二夫
グローバル・ネットワークの成
立
デバイスとインターネットの世界は、現在
も急速に拡大を続けている。ITUが2013
年7月に発表した、”ICT Facts and
Figures 2013”から、 その流れを確認
しよう。
http://www.itu.int/en/ITU-
D/Statistics/Pages/stat/default.aspx
携帯電話とインターネットの普及
2001-2013
携帯電話
インターネット
スマートフォンの登場 2007-2013
スマートフォン
携帯電話
インターネット
現状のまとめ
携帯とインターネットとスマート
フォン
 携帯の所有率は、2013年、世界平均で
96.2%に達し、台数で68億3500万台にな
る。
 インターネットを利用する個人の割合は、
2013年、世界平均で38.8%、人数にして
27億4900万人。
 モバイル・ブロードバンド(スマートフォ
ン)を利用してインターネットにアクセスす
る個人の割合は、2013年、世界平均で
29.5%、人数にして20億9600万人。
http://www.itu.int/en/ITU-D/Statistics/Pages/stat/default.aspx
現在、スマートフォンは、10年前の
携帯電話と同じ水準まで普及している
Next Billions と
Global Network - 10年後の世界
 10年後、世界の携帯電話は、スマートフォン
に置き換わっているだろう。今後の10年間で、
新たに40数億人がスマートフォンを持つ。そ
れが、Next Billions。
 それは、70億人がインターネットにつながる
ことを意味する。それが、Global
Network。
 この変化は、20世紀の最末期に始まり、現代
の社会と経済に大きな影響を与えてきたIT化
の一つの段階が終わり次の段階が始まるとい
う、世界史的な変化である。
1989年11月9日
ベルリンの壁崩壊
20世紀:テレビの時代
21世紀:モバイルとインターネットの時
代
2011年1月25日 エジプト
Next Billionsと
ネットワーク・マーケット
こうしたNext Billionsを巻き込んだグ
ローバル・ネットワークの成立は、コミュ
ニケーションと情報共有のスタイルを大き
く変えるだろう。同時に、それは経済にも
大きなインパクトをもたらす。それは、グ
ローバルなネットワーク・マーケットを生
み出す事になろう。
ネットワーク・メディアと
ネットワーク・マーケット
 ネットワーク・メディアは、インターネット
の登場以降、爆発的なスピードで、我々のコ
ミュニケーションと情報共有の主役に躍り上
がったのだが、ネットワーク・マーケットは、
いまだ発展途上にある。
 新しいネットワーク・マーケットが、どのよ
うな形で形成され、その「原理」(「市場が
主役である」ことを含めて)がどのようなも
のになるのか、まだよく見えている訳ではな
い。
現代の経済とIT
 こうした意味でのネットワーク・マーケット
が発展途上だという事は、ITが、生産・流
通・消費の各プロセスにかかわっていないと
いう事では全くない。
 生産の現場である工場でもエネルギー供給の
システムでもロジスティックでも、ITは、現
在の経済に深くかかわっている。
「ネットワーク・マーケット」?
経済のネットワーク化
 ここでいう「ネットワーク・マーケット」と
は、Amazonや楽天のようなECのことではな
い。生産—流通—消費といった、あらゆる場
面での経済のネットワーク化の進展によって
生み出される、グローバルな経済システムの
新しい段階をさす。
 それは、現在のECを含み、B2B,B2Cといっ
たエンタープライズシステムを含み、かつFA
等の生産現場でのIT利用をも包摂する、グ
ローバルな経済システムの主役としての「市
Internet of Things / M2M
 現在の IoT / m2m に対する関心の高まりは、
メディアとしてのネットワーク「以外」の
ネットワークの役割に対する期待の高まりの
現れだと考えることが出来る。
 それは、生産・流通・消費の中でのIT利用拡
大の現状の反映であると同時に、その未来へ
の飛躍を準備するものだ。
 マルレク2014第一回 5月20日開催
テーマ:「IoTを考える – エンタープライズ
とビッグデータと開発者」 at 富士通蒲田
技術と経済の変化をふりかえる
産業革命以降の近現代、技術の発展は、経
済に深い影響を与えてきた。
これから確実に進行するであろうグローバ
ルな規模での経済のネットワーク化は、
ネットワーク・メディアの発達とあいまっ
て、世界に大きな影響を与えて行くであろ
う。
James Watt
1736 - 1819
http://www.eureka.tu.chiba-u.ac.jp/forelectures/windmill/summary/05.html
1776年
200年前
http://www.h2.dion.ne.jp/~mogiseka/lecture/industrial_revolution.htm
200年前
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?
file_id=2012052902
1908年 T型フォード
Henry Ford
100年前
20世紀初めのニュー・メディア達
100年前
Cloud 現代
He who controls the graph,
controls the world.
Social 現代
Logistic 現代
Robot 現代
新しいネットワーク経済の模索
様々なトレンド
新しい経済の形の模索は続いている。その
中で、様々なトレンドが生まれてきている。
そのいくつかは、相反するベクトルを持っ
ているようにも見える。
網羅的でも体系的でもないが、ここでは、
そのいくつかを紹介する。
Consumerization of IT
ITのConsumer Item化
20世紀以来の自動車・PCと同じ
大量生産・大量消費の流れ
Google Wear
MAKERS―21世紀の産業革命が始まる
クリス・アンダーソン
ものづくり革命
パーソナル・ファブリケーションの夜明け
ニール・ガーシェンフェルド
ものづくりへの回帰
産業用ロボット
3Dプリンター
Gang of Four (Google, Apple, Amazon,
Facebook)の覇権とオープン・ソース
MS Build 2014で、オープンソースへの取り組みを
強調する、新CEO Satya Nadella
Mobile First
Cloud First
Apple App Store / Google Play
の成功
 Gang of Fourのうち、Amazonだけが、商品
流通の世界に大きな足場を築いていることは
注目すべきことである。
 同時に、ネットで配信可能なディジタル・コ
ンテンツの世界で、Apple App Store /
Google Play
が収めた成功も、特筆に値する。
 特に、これらのネットワーク・マーケットで
は、個人が個人として、グローバルなマー
ケットに、自分の生産物を流通させる可能性
に道を開いたことの意味は大きい。
ネットワーク上の決済手段の多様化
金融ネットワークのグローバル化と
High Frequent Tradingの登場
 経済のネットワークの分野で、規模において
も、技術の高度さにおいても、もっとも進ん
でいるのは、金融の世界のネットワークであ
る。
 それは、様々な問題を引き起
こしながら、抗しがたい力をも
って、現代の世界経済に決定
的な影響力を及ぼしている。
 2008年頃から登場した、ネッ
トワーク上の高速取引の手法
は、金融ネットワークの様相を
1997年アジア通貨危機
 2014年3月末に出版
された Michael
Lewisの”Flash Boys”
は、金融ネットワーク
でのHFTの問題を取り
上げたものである。
 アメリカでは、金融業
界だけでなく、一般の
メディアを巻き込んで
大きな話題になってい
る。
まとめ
 グローバル・ネットワークの成立:
現在進行中の変化は、20世紀の最末期に始
まり、現代の社会と経済に大きな影響を与
えてきたIT化の一つの段階が終わり次の段
階が始まるという、世界史的な変化である。
 ネットワーク・マーケット:
これから確実に進行するであろうグローバ
ルな規模での経済のネットワーク化は、
ネットワーク・メディアの発達とあいまっ
て、世界に大きな影響を与えて行くであろ
う。
P2Pの技術的可能性
@maruyama097
丸山不二夫
P2Pの技術的可能性
日本では、P2P技術自体を「悪」とみる風
潮が根強いように思う。たいていの技術と
同じように、技術自体は「中立的」で、使
い方が問題なはずなのだが。デバイスの能
力の飛躍的な向上は、P2P技術に新しい可
能性をもたらすと考えている。
ショーン・パーカー(Sean Parke
1979年12月3日 –
Napster 共同創始者
Spotifyに出資
金子 勇
1970年7月 - 2013年7月6日
Winny 開発者
現在のSNSは、最初期のP2Pである
Napsterのモデルと同一である
Server Centric P2P
巨大化したクラウドの内部では、
P2P技術が利用されている
サーバー・クライアント・モデルと
は、
異なるモデルへの注目
 大規模分散から大規模「自律」分散へ
 Google Spanner
 デバイスの能力の向上にともなう、サーバー
とクライアントの役割の見直し
 Thin Server Architectureへの注目
 Packaged Web Appsにおける、デバイスの役割
の変化
 BLE(BlueTooth Low Energy)での
Peer間接続
 M2Mの多様な接続モデル

グローバル・ネットワークの成立とネットワーク・マーケット