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昨今何かと話題になっている「altmetrics」の起こりを理解するため、背景事情となる出来事を年表にまとめました。
インパクトの大きかった国際的事象と日本での出来事を中心とします。
メトリックス関連の動き
電子出版関連の動き
研究評価関連の動き
文献検索システム関連の動き(2000年Web of Science公開以降、引用データベースに融合)


 年     月    メトリックス                                                出来事                                                メモ(β)
1665                        世界初の学術雑誌が刊行される(英Philsophical Transactions/仏Journal de Scavans)。
1927                        Gross & Grossが引用文献分析をもとに有力な化学誌のランキング発表。
1955   10                   Eugene GarfieldがScience Citation Indexを提唱。Institute for Scientific Informationを設立。
                            科学技術庁の下に日本科学技術情報センター(JICST)設立。増大する科学技術情報を収集,分類し,
1957
                            必要に応じて迅速かつ適確に提供することを目的とする。
1963                        ISIがScience Citation Index初版を公開。データは1961年のもの。
1965   7                    書誌情報による研究評価という概念をPriceが提唱。
                            Stanford Linear Accelerator Center(SLAC)が物理学分野の引用データベースStanford Physics Information
1969
                            Retrieval System (SPIRES)を開発・公開。
                            United States National Library of Medicine (NLM)が医学関係書誌データーベース
1971
                            Medline公開。

1975        Impact Factor   Journal Citation Reportリリース開始。これに伴ってImpact Factorの算出が可能となった。

1976   10                   JICSTがオンライン情報検索システムJOIS-I開発・公開。

                            American Psychological Associationが1967年から継続的に発行していた抄録データ集「PsycINFO」の
1978                        一部を電子媒体でのみ公開する方針を決定。以来、長くバックログに悩まされたが、1995年まで
                            に1万件を収録。

1986                        イギリスで、Research Assessment Exercise実施。
                            LANL preprint archive(xxx.lanl.govga)公開。Paul Ginspargが、物理学分野のプレプリン
1991   8                    ト文献を保存しておくための電子アーカイブとしてLos Alamos National
                            Laboratory(LANL)で開発。1999年にarXiv.orgに改称。
                            北里大学が、論文掲載誌のインパクトファクターをもとに業績ポイントを計算し、研究予算配分                                           ↓被引用数に基づいた研
1993
                            の基礎資料する。                                                                              究評価の流れ
Shigeaki Yamazakiが'Research activities in life sciences in Japan' を発表。1989年に日本人著者
1994   2               が発表したLife science分野の論文を計量的に調査、各機関を一人当たりの論文生産数に
                       基づいてランキング付けした。

                       名古屋大学理学部が、各研究者に1980年以降の総引用回数が10回以上の論文についてリストの提
1994
                       出を求める。
1995                   アメリカでHighwire社設立。電子ジャーナル出版のためのプラットフォームを提供開始。                                        ↓オンライン出版の流れ
                       Andrew W. MellonがJSTOR設立。
1995
                       1997年から、学術文献のデジタルライブラリーとしてのサービス提供を開始。
                       Medlineデータベースをソースとする無料データベースPubMed公開。PubMedは米National Institutes
1996   1               of Healthの一部であるUnited States National Library of Medicineが維持・管
                       理。
                       Larry Page(Googleの創設者の一人)PageRankアルゴリズムを開発。
1996   3    PageRank
                       よくリンクを貼られているものを重要であるという原則を定義。
1996                   出版プラットフォームAtypon稼働。
                       Academic Pressが商業的電子ジャーナルプラットフォームThe International Digital Electronic Access
1997
                       Library (IDEAL)立ち上げ。

                       Lee Giles、Kurt Bollacker 、Steve Lawrenceが研究成果・論文のための検索エンジン及び
1997
                       デジタルライブラリとしてCiteSeerが開発・公開。2008年にCiteSeerXに置き換えらえる。

                       インパクトファクターの考案者E. Garfieldが、インパクトファクターの誤用について
1996   6
                       問題視するレターを出版。
                                                                                                           ↓論文の電子利用の本格
1998   12              Elservier社がScienceDirectを公開。
                                                                                                           化にむけた流れ
                       アメリカ研究図書館(ARL)が、Scholarly Publishing and Academic Resources Coalition(SPARC) を      ↓オープンアクセスの流
1998
                       立ち上げる。                                                                              れ
                                                                                                           ↓インパクトファクター
1999   10              Georg FranckがImpact Factorを批判するエッセイをScienceで発表。
                                                                                                           の誤用の議論
2000   4               日本で、「医中誌Web」「医中誌パーソナルWeb」サービス開始。
2000   10              Reed Elsevier が Harcourt General を買収、Academic PressのIDEAL販売を開始。
Citation Indexのウェブ版としてWeb of Scienceの販売が開始。
2000
                          以降、書誌文献データベース(検索システム)と引用文献データベースがほぼ同義になる。

2000                      DOI 登録機関として出版社のサポートを行う非営利団体CrossRefが立ち上げられる。
                          創設者Paul GinspargがCornell Universityに籍を移すのとともに、arXiv.orgのホスティン
2001   7
                          グサーバーがCornell Universityに変更。
                          Budapest Open Access Initiative (BOAI) によってブダペスト宣言提唱。
2001   12                 オープンアクセス(OA)の定義を述べ、それを実現する手段として研究者によるセルフアーカイ
                          ビングとOAジャーナルという2つの戦略を推奨。
2001                      EBSCOがMetaPressを立ち上げ、出版プラットフォームを提供開始。
                          Faculty of 1000 がF1000 Primeサービス開始。
2002        F1000 Prime                                                                                         ↓Post peer-reviewの流れ
                          メンバーの研究者が生物医学系の論文を推薦するというシステム。
                          政策科学研究所が「文部科学省における科学技術政策の総合評価のあり方に関する調査報告書」
2003   3
                          発表。
2003   4                  Bethesda Statement on Open Access Publishing (ベセスダ宣言)。
                          Berlin Declaration on Open Access to Knowledge in the Sciences and Humanities(自然・人文
2003   10                 科学における知識へのオープンアクセスに関するベルリン宣言)をドイツ・マックスプランク教
                          会が採択。

                          上海交通大学がAcademic Ranking of World Universities (通称:Shanghai Ranking)発表。
2003
                          ISIのデータを利用して、世界の大学のランキングを出すという世界初の試み。

                          日本の国公私立大学全てに対する認証評価を義務付け
2004   4
                          (大学機関別認証評価においては研究成果についてはほとんど対象としない)。

                                                                                                                ↓インパクトファクター
                          S. HarnadとT.Brody が、オープンアクセス環境でのダウンロード数と被引用数との相
2004   6                                                                                                        に代わる指標確立のた
                          関を指摘。
                                                                                                                めの流れ
2004   9                  Thomas V PernegerがBMJ論文をもとにアクセス数をもとにした論文評価を提唱。
2004   11                 Google Scholarベータ版公開。
2004   12                 Nature社がソーシャルブックマークシステム「Connotea」を開発。
2005   4                  国立情報学研究所(NII)論文情報ナビゲータCiNii(サイニィ)のサービス提供開始。
Jorge E. Hirschがh-index考案。
2005   9    h-index
                           論文数と被引用数とに基づいて、科学者・研究チーム・機関の生産性と科学的貢献度を測る。
                           科学技術・学術審議会が『文部科学省における研究及び開発に関する評価指針(改定案)』を提
2005   9                   出。研究評価にあたって、客観的な評価のために数量的な評価を参考資料として活用するとし、
                           ただし安易な使用は悪影響を及ぼすと指摘。
2005   11                  Elsevier社がSCOPUSの販売を開始。開発は2004年。
2006   1    g-index        Leo Eggheがg-index考案。出版記録に基づいて科学的な生産性を計量化。
                           J. Bollen、 M. A. Rodriguez、 H. Van de SompelがPageRankアルゴリズムを応用したジャー
2006   1
                           ナルランキングを発表。
2006   2                   科学技術振興機構が書誌検索システムJDreamIIを開発・公開。
                                                                                                 ↓論文ダウンロード数計
2006   3    アクセス数          COUNTER projectが最初のCode of Practiceをリリース。
                                                                                                 測の標準化
2006   4                   Windows社が学術文献の検索エンジンLive Search Academicを公開。2008年5月にサービス終了。
2006   7                   Twitterサービス開始
            Publish or
2006   10                  Google Scholarをもとに引用関係を分析するソフトウェア。Anne-Wil Harzingが開発。
            Perish (PoP)
2006   12                  PLoS ONE創刊。
2006                       Live Search Academic公開を受けて、Google Scholar が引用回数の表示を開始。
2007   3                   BMJがIFの是非を議論する特集「Finding your way around Impact Factor」を出版。
                           EBSCOが、American Economic Associationの経済学の書誌抄録サービスECONLITを全文付
2007   3
                           きでデジタル公開。
                           Carl BergstromがEogemfactorを考案。                                        ↓ソーシャルメディアを
2007   5    Eigenfactor
                           雑誌間の引用に重みづけを行うものでeigenfactor.orgが計算、無料公開。                             用いた研究評価の流れ
2007   8                   Google Scholarが出版社との合意のもと、出版論文の公開を開始。
                           国立大学法人評価委員会が国立大学法人評価を義務づけ。2007年までの暫定評価と2009年段階で
2008   4
                           の確定評価で部局ごとの研究業績の現況を評価した。
                           Taraborelli, Dがソーシャルブックマーキングを使った指標の可能性を示唆('Soft peer review: social
2008   5
                           software and distributed scientific evaluation' )。
2008   7                   Journal of Medical Internet Researchが出版論文に関するTwitterデータの記録・表示を開始。
2008   8                   Mendeleyが無料の文献管理ツールとしてサービス開始(設立は2007)。
2008   9                   Academia.eduサービス開始。研究者間で自著論文を共有するためのソーシャルサービス。
            SCImago
                           SCImagoがSCImago Journal & Country Rankを公開。
2008        Journal &
                           SCOPUSデータを基にGoogle PageRankの方式を用いて計算。
            Country Rank
2009   1                   JCRで、immediacy index, cited-half life, Eigenfactorなどのインパクトファクターとの併記開始。
            Article Level
2009   3    Metrics/ Article PLoSが自社出版論文に対して提供開始。
            Usage
2009   3                     Thomson Reuters社が研究評価分析ツール「InCite」開発、販売開始。
                                                                                                    ↓ソーシャルメディアな
                                                                                                    ど、新しいオンライン
                                                                                                    コミュニケーションツ
2009   3    e-index        h-indexを補完するため、Chun-Ting Zhangが考案。
                                                                                                    ールを視野にいれた、
                                                                                                    研究評価のための模索
                                                                                                    の流れ
                           ORCID(Open Researcher and Contributor ID)プロジェクト立ち上げ。
2009   12
                           世界中の研究者に対して一意な識別子を与えることを目指す。
                           Elsevier社がSciVal Spotlight/SciVal Fundingの販売を開始。
2009
                           Scopusのデータをもとに共引用分析を行なって機関の研究戦略策定を支援。
                           Cornell Universityが、arXive.org維持のためのビジネス援助として、世界の利用量トップ
2010   2
                           20機関に資金援助を呼びかけ。
                           altmetrics.orgで'altmetrics: a manifesto' 発表。
2010   10 Altmetrics       オンラインコミュニケーションツールを視野にいれ、インパクトファクターを補完する代替的か
                           つ新しい指標としてAltmetricsを提唱 。
                           Total-impactのプロジェクトが始動。
2011   10                  Facebook、Twitterなどのソーシャルメディアを含む数々のデータソースをもとに、論文が言及(ダ
                           ウンロード・引用・ブログ)された回数を表示するウェブアプリの開発。
Andrea MichalekとMike Buschmanが、Plum Analyticsを設立。
2011        研究グループ・論文コレクション単位で、ダウンロード数・ブックマーク数・ブログやWikipedia
            、ソーシャルメディアでの言及数・引用数をもとにartifactsという指標を提示。
2012   5    Peter BinfieldがPLoS ONE退職。会員制オープンアクセス誌Peer Jを立ち上げる。
            Total-impactがImpactStoryに改名。Sloan Foundationなどが資金援助。
2012   9
            無料のウェブアプリとしてのサービスを本格的に開始。
            Thomson Reuters社が、自社のResercherIDシステムをもとにするORCID Registryを自社製品
2012   10
            で表示するようにすることを発表。

            IoP(英国物理学会出版局)が保有タイトルのうち36誌Article Level Metricsを適用。
2012   10
            (ダウンロード数・Video Abstract閲覧回数・被引用数・ソーシャルブックマーク数)

            Nature社が系列ジャーナル20誌で、2011年以降に出版されたOpen Access論文に対して
2012   10   Article Level Metricsを適用。(ダウンロード数・被引用数・ソーシャルメディア上での
            メンション数など)。

            PLOS Oneとaltmetrics.orgが共同で、Altmetricsに関する議論を行うためのフォーラムとし
2012   11
            て“Altmetrics Collection”のページを公開。
            トムソン・ロイター社が、同社の研究評価ツール“InCites”を科学文献に関する分析ツールの主たる
2012   11
            ものとして位置づけていくという今後の計画について発表。
            オンラインのみのOA誌、eLife 正式に創刊。
2012   12   創刊時から、論文ごとにMetricsというタブを設け、自社プラットフォーム/PMCでのダウンロード
            数、Twitter/Facebookの言及数を自動更新表示。

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altmetricsの議論に至るまでの経緯(1665-2012)

  • 1. 昨今何かと話題になっている「altmetrics」の起こりを理解するため、背景事情となる出来事を年表にまとめました。 インパクトの大きかった国際的事象と日本での出来事を中心とします。 メトリックス関連の動き 電子出版関連の動き 研究評価関連の動き 文献検索システム関連の動き(2000年Web of Science公開以降、引用データベースに融合) 年 月 メトリックス 出来事 メモ(β) 1665 世界初の学術雑誌が刊行される(英Philsophical Transactions/仏Journal de Scavans)。 1927 Gross & Grossが引用文献分析をもとに有力な化学誌のランキング発表。 1955 10 Eugene GarfieldがScience Citation Indexを提唱。Institute for Scientific Informationを設立。 科学技術庁の下に日本科学技術情報センター(JICST)設立。増大する科学技術情報を収集,分類し, 1957 必要に応じて迅速かつ適確に提供することを目的とする。 1963 ISIがScience Citation Index初版を公開。データは1961年のもの。 1965 7 書誌情報による研究評価という概念をPriceが提唱。 Stanford Linear Accelerator Center(SLAC)が物理学分野の引用データベースStanford Physics Information 1969 Retrieval System (SPIRES)を開発・公開。 United States National Library of Medicine (NLM)が医学関係書誌データーベース 1971 Medline公開。 1975 Impact Factor Journal Citation Reportリリース開始。これに伴ってImpact Factorの算出が可能となった。 1976 10 JICSTがオンライン情報検索システムJOIS-I開発・公開。 American Psychological Associationが1967年から継続的に発行していた抄録データ集「PsycINFO」の 1978 一部を電子媒体でのみ公開する方針を決定。以来、長くバックログに悩まされたが、1995年まで に1万件を収録。 1986 イギリスで、Research Assessment Exercise実施。 LANL preprint archive(xxx.lanl.govga)公開。Paul Ginspargが、物理学分野のプレプリン 1991 8 ト文献を保存しておくための電子アーカイブとしてLos Alamos National Laboratory(LANL)で開発。1999年にarXiv.orgに改称。 北里大学が、論文掲載誌のインパクトファクターをもとに業績ポイントを計算し、研究予算配分 ↓被引用数に基づいた研 1993 の基礎資料する。 究評価の流れ
  • 2. Shigeaki Yamazakiが'Research activities in life sciences in Japan' を発表。1989年に日本人著者 1994 2 が発表したLife science分野の論文を計量的に調査、各機関を一人当たりの論文生産数に 基づいてランキング付けした。 名古屋大学理学部が、各研究者に1980年以降の総引用回数が10回以上の論文についてリストの提 1994 出を求める。 1995 アメリカでHighwire社設立。電子ジャーナル出版のためのプラットフォームを提供開始。 ↓オンライン出版の流れ Andrew W. MellonがJSTOR設立。 1995 1997年から、学術文献のデジタルライブラリーとしてのサービス提供を開始。 Medlineデータベースをソースとする無料データベースPubMed公開。PubMedは米National Institutes 1996 1 of Healthの一部であるUnited States National Library of Medicineが維持・管 理。 Larry Page(Googleの創設者の一人)PageRankアルゴリズムを開発。 1996 3 PageRank よくリンクを貼られているものを重要であるという原則を定義。 1996 出版プラットフォームAtypon稼働。 Academic Pressが商業的電子ジャーナルプラットフォームThe International Digital Electronic Access 1997 Library (IDEAL)立ち上げ。 Lee Giles、Kurt Bollacker 、Steve Lawrenceが研究成果・論文のための検索エンジン及び 1997 デジタルライブラリとしてCiteSeerが開発・公開。2008年にCiteSeerXに置き換えらえる。 インパクトファクターの考案者E. Garfieldが、インパクトファクターの誤用について 1996 6 問題視するレターを出版。 ↓論文の電子利用の本格 1998 12 Elservier社がScienceDirectを公開。 化にむけた流れ アメリカ研究図書館(ARL)が、Scholarly Publishing and Academic Resources Coalition(SPARC) を ↓オープンアクセスの流 1998 立ち上げる。 れ ↓インパクトファクター 1999 10 Georg FranckがImpact Factorを批判するエッセイをScienceで発表。 の誤用の議論 2000 4 日本で、「医中誌Web」「医中誌パーソナルWeb」サービス開始。 2000 10 Reed Elsevier が Harcourt General を買収、Academic PressのIDEAL販売を開始。
  • 3. Citation Indexのウェブ版としてWeb of Scienceの販売が開始。 2000 以降、書誌文献データベース(検索システム)と引用文献データベースがほぼ同義になる。 2000 DOI 登録機関として出版社のサポートを行う非営利団体CrossRefが立ち上げられる。 創設者Paul GinspargがCornell Universityに籍を移すのとともに、arXiv.orgのホスティン 2001 7 グサーバーがCornell Universityに変更。 Budapest Open Access Initiative (BOAI) によってブダペスト宣言提唱。 2001 12 オープンアクセス(OA)の定義を述べ、それを実現する手段として研究者によるセルフアーカイ ビングとOAジャーナルという2つの戦略を推奨。 2001 EBSCOがMetaPressを立ち上げ、出版プラットフォームを提供開始。 Faculty of 1000 がF1000 Primeサービス開始。 2002 F1000 Prime ↓Post peer-reviewの流れ メンバーの研究者が生物医学系の論文を推薦するというシステム。 政策科学研究所が「文部科学省における科学技術政策の総合評価のあり方に関する調査報告書」 2003 3 発表。 2003 4 Bethesda Statement on Open Access Publishing (ベセスダ宣言)。 Berlin Declaration on Open Access to Knowledge in the Sciences and Humanities(自然・人文 2003 10 科学における知識へのオープンアクセスに関するベルリン宣言)をドイツ・マックスプランク教 会が採択。 上海交通大学がAcademic Ranking of World Universities (通称:Shanghai Ranking)発表。 2003 ISIのデータを利用して、世界の大学のランキングを出すという世界初の試み。 日本の国公私立大学全てに対する認証評価を義務付け 2004 4 (大学機関別認証評価においては研究成果についてはほとんど対象としない)。 ↓インパクトファクター S. HarnadとT.Brody が、オープンアクセス環境でのダウンロード数と被引用数との相 2004 6 に代わる指標確立のた 関を指摘。 めの流れ 2004 9 Thomas V PernegerがBMJ論文をもとにアクセス数をもとにした論文評価を提唱。 2004 11 Google Scholarベータ版公開。 2004 12 Nature社がソーシャルブックマークシステム「Connotea」を開発。 2005 4 国立情報学研究所(NII)論文情報ナビゲータCiNii(サイニィ)のサービス提供開始。
  • 4. Jorge E. Hirschがh-index考案。 2005 9 h-index 論文数と被引用数とに基づいて、科学者・研究チーム・機関の生産性と科学的貢献度を測る。 科学技術・学術審議会が『文部科学省における研究及び開発に関する評価指針(改定案)』を提 2005 9 出。研究評価にあたって、客観的な評価のために数量的な評価を参考資料として活用するとし、 ただし安易な使用は悪影響を及ぼすと指摘。 2005 11 Elsevier社がSCOPUSの販売を開始。開発は2004年。 2006 1 g-index Leo Eggheがg-index考案。出版記録に基づいて科学的な生産性を計量化。 J. Bollen、 M. A. Rodriguez、 H. Van de SompelがPageRankアルゴリズムを応用したジャー 2006 1 ナルランキングを発表。 2006 2 科学技術振興機構が書誌検索システムJDreamIIを開発・公開。 ↓論文ダウンロード数計 2006 3 アクセス数 COUNTER projectが最初のCode of Practiceをリリース。 測の標準化 2006 4 Windows社が学術文献の検索エンジンLive Search Academicを公開。2008年5月にサービス終了。 2006 7 Twitterサービス開始 Publish or 2006 10 Google Scholarをもとに引用関係を分析するソフトウェア。Anne-Wil Harzingが開発。 Perish (PoP) 2006 12 PLoS ONE創刊。 2006 Live Search Academic公開を受けて、Google Scholar が引用回数の表示を開始。 2007 3 BMJがIFの是非を議論する特集「Finding your way around Impact Factor」を出版。 EBSCOが、American Economic Associationの経済学の書誌抄録サービスECONLITを全文付 2007 3 きでデジタル公開。 Carl BergstromがEogemfactorを考案。 ↓ソーシャルメディアを 2007 5 Eigenfactor 雑誌間の引用に重みづけを行うものでeigenfactor.orgが計算、無料公開。 用いた研究評価の流れ 2007 8 Google Scholarが出版社との合意のもと、出版論文の公開を開始。 国立大学法人評価委員会が国立大学法人評価を義務づけ。2007年までの暫定評価と2009年段階で 2008 4 の確定評価で部局ごとの研究業績の現況を評価した。 Taraborelli, Dがソーシャルブックマーキングを使った指標の可能性を示唆('Soft peer review: social 2008 5 software and distributed scientific evaluation' )。 2008 7 Journal of Medical Internet Researchが出版論文に関するTwitterデータの記録・表示を開始。 2008 8 Mendeleyが無料の文献管理ツールとしてサービス開始(設立は2007)。
  • 5. 2008 9 Academia.eduサービス開始。研究者間で自著論文を共有するためのソーシャルサービス。 SCImago SCImagoがSCImago Journal & Country Rankを公開。 2008 Journal & SCOPUSデータを基にGoogle PageRankの方式を用いて計算。 Country Rank 2009 1 JCRで、immediacy index, cited-half life, Eigenfactorなどのインパクトファクターとの併記開始。 Article Level 2009 3 Metrics/ Article PLoSが自社出版論文に対して提供開始。 Usage 2009 3 Thomson Reuters社が研究評価分析ツール「InCite」開発、販売開始。 ↓ソーシャルメディアな ど、新しいオンライン コミュニケーションツ 2009 3 e-index h-indexを補完するため、Chun-Ting Zhangが考案。 ールを視野にいれた、 研究評価のための模索 の流れ ORCID(Open Researcher and Contributor ID)プロジェクト立ち上げ。 2009 12 世界中の研究者に対して一意な識別子を与えることを目指す。 Elsevier社がSciVal Spotlight/SciVal Fundingの販売を開始。 2009 Scopusのデータをもとに共引用分析を行なって機関の研究戦略策定を支援。 Cornell Universityが、arXive.org維持のためのビジネス援助として、世界の利用量トップ 2010 2 20機関に資金援助を呼びかけ。 altmetrics.orgで'altmetrics: a manifesto' 発表。 2010 10 Altmetrics オンラインコミュニケーションツールを視野にいれ、インパクトファクターを補完する代替的か つ新しい指標としてAltmetricsを提唱 。 Total-impactのプロジェクトが始動。 2011 10 Facebook、Twitterなどのソーシャルメディアを含む数々のデータソースをもとに、論文が言及(ダ ウンロード・引用・ブログ)された回数を表示するウェブアプリの開発。
  • 6. Andrea MichalekとMike Buschmanが、Plum Analyticsを設立。 2011 研究グループ・論文コレクション単位で、ダウンロード数・ブックマーク数・ブログやWikipedia 、ソーシャルメディアでの言及数・引用数をもとにartifactsという指標を提示。 2012 5 Peter BinfieldがPLoS ONE退職。会員制オープンアクセス誌Peer Jを立ち上げる。 Total-impactがImpactStoryに改名。Sloan Foundationなどが資金援助。 2012 9 無料のウェブアプリとしてのサービスを本格的に開始。 Thomson Reuters社が、自社のResercherIDシステムをもとにするORCID Registryを自社製品 2012 10 で表示するようにすることを発表。 IoP(英国物理学会出版局)が保有タイトルのうち36誌Article Level Metricsを適用。 2012 10 (ダウンロード数・Video Abstract閲覧回数・被引用数・ソーシャルブックマーク数) Nature社が系列ジャーナル20誌で、2011年以降に出版されたOpen Access論文に対して 2012 10 Article Level Metricsを適用。(ダウンロード数・被引用数・ソーシャルメディア上での メンション数など)。 PLOS Oneとaltmetrics.orgが共同で、Altmetricsに関する議論を行うためのフォーラムとし 2012 11 て“Altmetrics Collection”のページを公開。 トムソン・ロイター社が、同社の研究評価ツール“InCites”を科学文献に関する分析ツールの主たる 2012 11 ものとして位置づけていくという今後の計画について発表。 オンラインのみのOA誌、eLife 正式に創刊。 2012 12 創刊時から、論文ごとにMetricsというタブを設け、自社プラットフォーム/PMCでのダウンロード 数、Twitter/Facebookの言及数を自動更新表示。