混迷する国際政治情勢。昨年から急速に高まりつつある北朝鮮危機のリスクを筆頭に、2018年、日本企業が念頭に置くべき政治経済のリスクをまとめました。ご高覧ください。

1. 日本企業の8大グローバル・リスク
2018年版
Version.1.0
2018年1月3日
（株）藤村総合研究所
2018/1/3 All rights reserved by Shinya Fujimura 1

2. 日本企業にとってのグローバル・リスク(2018年)
2018/1/3 All rights reserved by Shinya Fujimura 2
出所: 文献検索に基づき作成
Political
政治
Economic
経済
1. 北朝鮮危機 5. 世界経済秩序の転換
2. 米国のリーダーシップ溶解、新たな「冷
戦」勃発
6. 安全保障政策の影響増大
3. 習近平と「シャープ・パワー」
7.中国の不良債権問題噴出・不動産バブル
崩壊
4. 中東再編に伴うエネルギーリスク 8. 金融危機

3. 2018年の政治的リスク
2018/1/3 All rights reserved by Shinya Fujimura 3
出所: 文献検索に基づき作成
1. 北朝鮮危機
2. 米国のリーダー
シップ溶解、新た
な「冷戦」勃発
3. 習近平と「シャー
プ・パワー」
4. 中東再編に伴うエ
ネルギーリスク
• 2017年は徐々に緊張が高まった。経済
制裁の効果も徐々に表れ、何らかの動
きが発生する可能性
• 偶発的衝突や誤解・判断ミスに基づく開
戦のリスクは「想定内」
概要 日本企業への影響要因
• 日本領への直接・間接の攻撃（核、ミサ
イル、工作員によるテロ、電磁パルス攻
撃等）
• 米国の相対的な指導力低下
• 世界秩序の形成をリードしようという強固
な意志が希薄化し、他国の影響力増大
• 米国 vs. 中露の新たな「冷戦」勃発
• 米国の分析一辺倒の意思決定は危険
• 中国他、地域ごとに秩序・ルール形成の
シナリオを分析する必要が発生
• 「冷戦」の貿易へのマイナス効果を勘案
• 2018年は覇権国家への意思と行動が明確
に。台湾、北朝鮮、南シナ海に火種
• 外国への影響力＝シャープ・パワー拡大
• 習近平の暗殺・弱体化リスクは常に存在
• 北朝鮮、尖閣、台湾、南シナ海の緊張
• 慰安婦問題等をクローズアップされ、世
界各地での反日運動の可能性
• 中国国内の権力闘争による混乱
• ロシア＝トルコ＝イラン vs. サウジアラビ
ア＝イスラエルの対立軸組成。前者はカ
タールも取り込み、世界の天然ガス生産
の約半分を占める。米国の無関心もリス
ク要因
• 中東情勢への悪影響。最悪の事態とし
ての中東戦争も想定し、エネルギーリス
クへの対策を検討する必要あり

4. 2018年の経済的リスク
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出所: 文献検索に基づき作成
5. 世界経済秩序の
転換
6. 安全保障政策の
影響増大
7.中国の不良債権
問題噴出・不動産
バブル崩壊
8. 金融危機対応
• 自由貿易体制をリードしてきた米国の
ルール形成への意思喪失
• 強大な国内市場を背景に、一帯一路を
通じ中国が貿易ルールへの影響力拡大
概要 日本企業への影響要因
• 「ネット安全法」等が示唆するように、中国
が世界の競争ルールを規定する可能性
• 周辺国も自由民主主義でない「中国モデ
ル」に取り込まれる可能性
• 北朝鮮への制裁・経済封鎖等をめぐる
米韓日中露の対立が貿易政策にも影響
を与える可能性
• 例えば、米国による中国への「為替操作
国」認定等、制裁的措置の発動
• 安全保障政策上の食い違いから、貿易
戦争に発展する可能性
• 仮に米中貿易戦争に発展した場合、両
国の経済悪化が日本企業の業績へも飛
び火する可能性
• かねてから問題となっている中国国内
の問題がついに顕在化
• 中国版「失われた10年」への備え
• 金融機関の自己資本増強等、対応能力
は強化
• ただし政府の財政出動、金融政策での
影響力行使・有効性には疑問符
• リーマン・ショックと同様、世界同時不況
による収益減・雇用削減への備え