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2015 年 9 月 3 日
生島高裕
株式会社 数理先端技術研究所
Mathematical Science Advanced Technology Laboratory CO., LTD.
人工知能からの新しい産業社会環境の動向
(New Ecosystem of Industrial Society from AI View Point)
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アジェンダ
1. 情報科学の歴史と現状
2. 人工知能の歴史と現状
3. 新しい産業社会環境の動向
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1.情報科学の歴史と現状
1-1. アルゴリズム  (6)
1-2. データ構造  (3)
1-3. 言語理論  (2)
1-4. プログラミング言語と方法論  (12)
1-5. コンピュータアーキテクチャ  (3)
1-6. 並列分散処理
1-7. オープン&データ
1-8. データ解析
1-9. ムーアの法則  (2)
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1-1. アルゴリズム  (1)
 チャーチ=チューリングのテーゼ   1943 年
  「『計算可能なもの』を計算する手続き」をアルゴリズムと呼ぶ。
  「計算できる関数」という直観的な概念を、
   「帰納的関数と呼ばれる数論的関数」のクラス
          1932 年〜 1934 年(エルブラン、ゲーデル)
   「チューリング・マシンで実行できるプログラム」のクラス
          1935 年〜 1936 年(ポスト、チューリング)
   「ラムダ記法で定義できる関数」のクラス
          1933 年〜 1935 年(チャーチ、クリーネ)
  と同一視
 計算量理論(計算複雑性理論)
  アルゴリズムへの入力データを増やしたとき、時間計算量と空間計算量がどのよ
うに変化するかを研究する学問
  時間階層定理、領域階層定理:ある難しい問題があったとき、それよりさらに難
しい問題が必ず存在するという事実
   主な複雑性クラス: P 、 NP 、 PSPACE 、
EXPTIME 、 NEXPTIME 、 EXPSPACE
   量子計算関連クラス: BPP 、 BQP
   NP 完全問題は超難関な未解決問題
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1-1. アルゴリズム  (2)
 設計パラダイム
  人間社会の組織論などを背景にした、基本的なアルゴリズムパラダイム
  分割統治法、動的計画法、貪欲法、線型計画法、、
  例えば、分割統治法は、再帰的に同じ種類の小さい問題に還元していき、最終的
に容易に解ける程度の大きさにする。
 探索アルゴリズム
  解くべき問題を状態と状態変化で表現し、初期状態から最終状態への状態変化の
並び(解)を求める、そしてその解の評価を行う。
  リスト探索、文字列探索、木探索・グラフ探索(幅優先探索、深さ優先探索)
  オセロ、チェス、将棋、囲碁などのゲームアルゴリズムの基礎、
  第1次 AI ブームの中心テーマ
 数値計算アルゴリズム
  物理系のシミュレーションアルゴリズム、構造、流体、分子、素粒子、宇宙など
で使われる微分方程式をコンピュータ上で計算する手法
  直接解法と反復解法、離散化、丸め誤差、打ち切り誤差、離散化誤差、モデリン
グ誤差、
  数値的安定性と良条件性 任意精度演算、数式処理( mathematica: ウルフラム )
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1-1. アルゴリズム  (3)
 オセロ、チェス、将棋、囲碁の場合の数とプログラム vs 人
 オセロ  10 の 60 乗
   1980 年 : オセロプログラムが世界チャンピオンとの六番勝負で 1 勝を挙げた
   1997 年 : Logistello は世界チャンピオン村上健との六番勝負で全勝
 チェス  10 の 120 乗
   1996 年 : ディープ・ブルーがカスパロフと対戦し、カスパロフの 3 勝 1 敗 2 引分
 将棋  10 の 220 乗
     2012 年 : プロ棋士とコンピュータ将棋ソフトの棋戦スタート 電王戦
     2014 年 : 第三回大会では、 1 勝 4 敗でプロ棋士がコンピュータ将棋に敗れ
、
         2 年連続で人間側の負け意
 囲碁  10 の 360 乗  2050 年ごろ勝つことができるか?
     2014 年 : 現在、 AI 将棋の思考エンジン「 YSS 」の開発者によれば、
        プログラムの棋力はアマチュア県代表レベル
         98 %のアマチュアはもう勝てず、プロとは 4 子の手合
        (将棋の飛香落ちに相当)で、コンピュータ将棋に比べると
         10 年遅れている感じとのこと
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1-1. アルゴリズム  (4)
 最適化問題
  特定の集合上で定義された実数値関数または整数値関数についてその値が最小
(もしくは最大)となる状態を解析する問題
  線型計画、非線型計画が有名で、連続最適化問題と組合せ最適化問題に分かれる
。
  組合せ最適化問題では巡回セールスマン問題が有名、近年では充足可能性問題
(SAT: Satisfiablity Testing Problem) が盛んに研究されている。
 グラフ理論
  数学のグラフ理論を基に、ネットワーク理論としてアルゴリズムを考える立場
  ベイジアンネットワーク( Junction Tree アルゴリズム)ジューディア・パー
ル: 1985 年に命名、統計物理の平均場近似とも関係がある。
  適用分野
   低密度パリティ検査符号の復号、遺伝子調節ネットワークモデリング、遺伝子
の発見および疾患の診断など
  ペトリネットなど設計レベルでの実用的なグラフィカルモデルもある。
 計算幾何学
  幾何学的な計算問題に計算量理論を導入して、計算量的解析、効率の良いアルゴ
リズムを開発を行う学問
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1-1. アルゴリズム  (5)
 統計学
  データから、数値上の性質や規則性あるいは不規則性を見いだす手法
  ピアソンの記述統計学、フィッシャーの推計統計学が伝統、 1950 年代に提唱さ
れたベイズ統計学が先端的応用分野で広く使われるようになった。
  多変量解析はデータ解析の基礎としてよく使われる。
  先端的には、天気予報の精度向上などで使われる「データ同化」という数値シュ
ミレーションと、ベイジアンモデリングを利用して実際のデータを組み合わせて
精度を上げる手法が広まっている。
 機械学習
  データから特徴的パターン、すなわち有用なルール、知識表現、判断基準などを
抽出しアルゴリズムを学習する。
  そしてそのアルゴリズムで新たなデータについて予測を行う手法
  データマイニングは未知の特徴的パターンを見つけることであるが、これを一般
化して学習した特長量を使って予測することに定式化したのが機械学習。
  ニューラルネット、決定木、相関ルール、 GP 、 ILP 、 SVM 、クラスタリング、
ベイジアンネットワーク、強化学習、表現学習、独立成分分析など
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1-1. アルゴリズム  (6)
 暗号理論
  平文の暗号化、復号扱う理論、秘密鍵方式から公開鍵方式に進み、セキュリティ
機能を実現するに使われる。
   RSA 暗号、楕円曲線暗号、量子暗号、ゼロ知識証明、マルチパーティプロトコル
 量子コンピュータ
  超並列計算を量子力学の原理で行い、古典計算に対し指数関数的に高速なコン
ピュータ
  量子通信、量子暗号、量子計算の順番で実現が試みられている。
  ショアのアルゴリズム: 1994 年
    RSA 暗号の安全性は実用的な量子コンピュータが実現されれば崩れることを示
した。
  実用化で話題になったものは、 D-Wave の量子焼きなまし法、日立製作所が室温
動作可能な新型半導体コンピュータ
 情報幾何
  甘利俊一先生が創始した、機械学習のアルゴリズムを幾何学的説明する手法 
ニューラルネット、クラスタリング、 SVM 、 Boosting 、次元圧縮などの説明が
有名
 構文解析
  文章、コンピュータ言語などの形式言語の解析に使用されるアルゴリズム
  コンパイラの設計、実装で必須の手法
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1-2. データ構造  (1)
 基本的なデータ構造
  配列、スタック、キュー、連想配列、ハッシュ、リスト、木、ネットワーク
 知識表現
  意味ネットワーク(キリアン , 1966)
   知識表現でノードが概念、リンクが関係を表す人間の直観にマッチする表現
  フレーム( Frame )( Minsky, 1975 )
   知識表現で、主に宣言的知識を表現するための表現、
   フレームを「概念」、スロット名を「属性」、属性値を「値」とみなす表現
   人の典型的行動パターンをフレームと呼び、その単位で格納された知識を、
   人は行動するときに使用する。
   KL-One (1980 年代 )
   フレームの詳細化
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1-2. データ構造  (2)
   Dublin Core (1995 )
   メタデータの標準
   Web 表現
    SGML 、 HTML 、 XML
  セマンティック Web 系
    RDF 、 RDF Schema 、トピックマップ、 DAML 、 OWL
   遺伝子オントロジー (GO) 、
   ライフサイエンス統合データベースセンター
   ( Database Center for Life Science : DBCLS )
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1-2. データ構造  (3)
Semantic web Layer cake
  Ontology Mapping 、 Ontology Mapping 、 Ontology Alignment
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1-3. 言語理論  (1)
 ソシュールの言語理論  1906
  通時言語学 / 共時言語学、ラング / パロール、シニフィアン / シニフィエ
  記号(シーニュ)=語彙(シニフィアン)+語彙の概念(シニフィエ)
 構造主義
  数学:ブルバキが、代数的構造、順序的構造、位相的構造の 3 つを母構造と呼び
、公理学を導入することにより数学の形式化を進めた。 1930 年代から
  人類学:レヴィ=ストロース
  ポスト構造主義:ミシェル・フーコー、ジャック・デリダ、ジル・ドゥルーズ
  ポストモダン:チャールズ・ジェンクス
 生成文法 文法の構造、 1957
チョムスキー階層 文法 言語 オートマトン
- 0タイプ 無制限文法 帰納的可算 チューリングマシン
- 1タイプ 文脈依存 文脈依存 線形拘束
- 2タイプ 文脈自由 文脈自由 プッシュダウン
- 3タイプ 正規 正規 有限
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1-3. 言語理論  (2)
 モンタギュー文法( 1960 年代から 1970 年代の初頭):リチャード・モンタ
ギュー
  形式論理学、特にラムダ計算と集合論にもとづき、内包論理とタイプ理論も利用
  モンタギューの量化の扱いはプログラミング意味論の継続の概念と関連
 主辞駆動句構造文法( 1985 年):  Carl Pollard と Ivan Sag  
     ( Head-driven phrase structure grammar, HPSG )
  非派生的生成文法理論
   HPSG の文法には原則や構文規則だけでなく、ソシュールの意味での記号も含
められている。
  語彙の概念は十分構造化されて、エントリには型があり、それらの型は階層を形
成している。
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1-4. プログラミング言語と方法論  (1)
 配線
 パッチパネルでスイッチ群やケーブルの配線を変更することでプログラムを ENIAC に設定
 機械語
  コンピュータの CPU で直接実行される一連の命令、命令部、アドレス部、データ部からなる
。
 アセンブリ言語
  すべての命令が単純なオペコードと引数(オペランド)だけで構成、
  プログラムの流れ制御は goto 文、機械語と 1 対 1 の関係
  アセンブラによって機械語に翻訳される。
  プログラム内蔵方式のコンピュータ EDSAC (1949) にはアセンブラが存在した
 ★ マクロ(モジュール化の概念)
 よく使う処理を、命令列と変数や定数の定義記述、名前をつけニーモニックとして使用する。
 ★ 手続き型言語、関数型言語、論理型言語
  初期の高級言語
    FORTRAN(1954) :ジョン・バッカス 手続き型言語
    COBOL(1959) :手続き型言語
    LISP(1958) :ジョン・マッカーシー 関数型言語 ラムダ計算
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1-4. プログラミング言語と方法論  (2)
 ★ 構造化プログラミング
 インデント: 1960 年  D. V. Schorre
 go to 文に隠れた for 文の指摘: 1963 年  Peter Naur
 アルゴリズムからの go to 文除去: 1964 年  George Forsythe
 go to 文なしプログラミングの実験: 1965 年 ダイクストラ  1966 年  Peter
Landin
 構造化プログラミング: 1969 年 ダイクストラ
     NATO 主催のソフトウェア工学会議でソフトウェア危機が共通認識
    となったとき、ダイクストラは時が来たと考え提出した。
    ①段階的な抽象化:段階的詳細化
      この考えがトップダウン、ボトムアップの方法論に発展した
    ②抽象データとその操作の抽象文の共同詳細化:
      構造体というデータ構造に発展
 構造化文 (structured statement) : ヴィルト
   プログラムは、順次・反復・分岐の3つで記述できる。
  
  世界の貧困層では教育を受けられないことから、分岐文、「もし何々なら」と
いう会話ができない。
  『狼にそだてられた子』問題
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1-4. プログラミング言語と方法論  (3)
 C(1972) :デニス・リッチー 手続き型言語、関数型言語
  モジュール化、分割コンパイル、構造体、ポインタ演算
 Prolog(1972) :アラン・カルメラウアー、フィリップ・ルーセル 論理型言語
  プログラムは一階述語論理に基づいてデータ間の関係を示す命題として記述
  導出、単一化、非決定性、双方向性、リレーショナルデータベース、自動定理証明の研究
  四色定理
    1976 年:ケネス・アッペルとヴォルフガング・ハーケンは、ヘーシュの
    「放電」手法でコンピュータを使って証明、約 2000 個の不可避集合
    1996 年:ニール・ロバートソン  633 個の不可避集合
    2004 年:ジョルジュ・ゴンティエが定理証明系 Coq を用いて、よりシンプルな証明  
    Coq :フランスの証明支援システム 型付きラムダ計算の一種
     Calculus of Constructions という高階型システムに基づく
    正しい証明は正しく型がつくラムダ式であるというカリー=ハワード同型対応を
    利用している。
    「プログラム=証明」・「型=命題」
  第五世代コンピュータ  1982 年~ 1992 年 国家プロジェクト
   目標「述語論理による推論を高速実行する並列推論マシンとそのオペレーティング
      システムを構築する」
   3つの問題: 縦割り構造、基礎研究に対する過大な経済効果期待、人材育成
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1-4. プログラミング言語と方法論  (4)
 ★ オブジェクト指向プログラミング
  -カプセル化(振る舞いの隠蔽とデータ隠蔽)
  -インヘリタンス(継承): クラスベースの言語
  -ポリモフィズム(多態性、多相性): 型付きの言語
  -ダイナミックバインディング(動的束縛): 動的型付言語
  クラスはラッセルの集合論における「集合の集まり」を意識する。
  型理論:  1903 年 ラッセル
   数理論理学の一分野であり、「型」の階層を構築し、型に数学的実体を割り当てる
   プログラミング言語の理論における型システムのベース
   内包論理、様相論理、時相論理、可能世界論
 Smalltalk(1972) :アラン・ケイ オブジェクト指向プログラミング
  大域変数は Smalltalk 変数のみ
  特徴的なクラス階層: Class 、 Class class 、 Metaclass 、 Metaclass class
 Java(1990) :ジェームズ・ゴスリン、ビル・ジョイ 手続き型言語、オブジェクト指向プロ
グラミング言語
   Java 仮想マシン、フトウェアの開発と保守の複雑さを低減し、開発効率と保守性を意識
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1-4. プログラミング言語と方法論  (5)
 エージェント指向
  <自律したソフトウエアプログラム>
 永続性
    常に起動された状態で、行動を起こす時期を自身で判断
 自律性
    実行すべきタスクの選択、優先順位付け、目標に向けた行動、意思決定
 社会性
    他のコンポーネントとコミュニケーションする機能を持ち、
     1 つのタスクを共同で処理できる
 反応性
  環境を把握し、その変化に適切に反応 
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1-4. プログラミング言語と方法論  (6)
 エージェント指向
  <いくつかのエージェント>
 知的エージェント
   学習や推論ができる
 マルチエージェントシステム
   究極は、多様性を持つエージェントの集合が形成され、目的を持ったシステム
(世界)を形成する 
 モバイルエージェント
   ネットワーク上でコンピュータ間を移動できる
   Telescript
     1990 年にジェネラル・マジック社(アップル・コンピュ-タ社が設立)が
    提唱したプログラミング言語
  人狼知能コンテスト開催 IN CEDEC2015
     http://www.aiwolf.org/aiwolf-cedec2015/
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1-4. プログラミング言語と方法論  (7)
 Haskell(1990) :ハスケル・カリーの名を使用 純粋関数型プログラミング言語
  手続き型プログラミング言語では記述が複雑になるような処理が
  しばしば簡潔になる。
  高階関数や静的多相型付け、定義可能な演算子、ターンマッチングやカリー化、
  ガード
  遅延評価、代数的データ型
  モナド:参照透過性(圏論から)を壊すことなく副作用のある操作を実現する
 スクリプト言語
   perl 、 ruby 、 python
 プログラム言語シェアのランキング
   Interactive: The Top Programming Languages 2015  
http://spectrum.ieee.org/static/interactive-the-top-programming-languages-2015
   TIOBE Index for August 2015  
http://www.tiobe.com/index.php/content/paperinfo/tpci/index.html
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1-4. プログラミング言語と方法論  (8)
 ★ ソフトウエア開発方法論
 ウォーターフォール・モデル (1968)
 要求定義=>基本設計=>開発=>
 単体テスト=>結合テスト=>運用テスト=>運用
 プロトタイピング (1970 年代初期 )
 将来完成する予定のソフトウェアの不完全なモデル(プロトタイプ)を作成す
ること
 スパイラルモデル (1988)
 トップダウン設計とボトムアップ設計の長所を生かしたモデル、
 設計とプロトタイピングを繰り返す開発手法
 ペアプログラミング   2 人のプログラマ共同でソフトウェア開発を行う手
法
 ラピッドプロトタイピング
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1-4. プログラミング言語と方法論  (9)
 エクストリーム・プログラミング  XP(1999)
  XP は比較的少人数の開発にむいており、 5 つの価値と 19 のプラクティス(実
践)が定義されている。
  5 つの価値
  コミュニケーション、シンプル、フィードバック、勇気、尊重
  19 のプラクティス
  共同のプラクティス 4
    ( 反復、共通の用語、開けた作業空間、回顧 )
  開発のプラクティス 6
    ( テスト駆動開発、ペアプログラミング、リファクタリング、
    ソースコードの共同所有、継続的インテグレーション、 YAGNI)
  管理者のプラクティス 5
    ( 責任の受け入れ、援護、四半期毎の見直し、ミラー、
    最適なペースの仕事 )  
  顧客のプラクティス 4
    ( ストーリーの作成、リリース計画、受け入れテスト、短期リリース )
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1-4. プログラミング言語と方法論  (10)
 アジャイルソフトウェア開発 (2001)
 開発対象を多数の小さな機能に分割し、 1 つの反復で 1 機能を開発する。
 反復サイクルを継続して機能を追加開発する。
 計画、要求定義、設計、実装、テスト、文書化の工程を、 1 つの反復内で行う
。
 UML ( Unified Modeling Language )
 ソフトウェア工学におけるオブジェクトモデリングのために標準化した仕様記
述言語
 ユースケース図、アクティビティ図、クラス図などからなる
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1-4. プログラミング言語と方法論  (11)
 ★ ビジネス系システムサービス
 ERP ( Enterprise Resource Planning :企業資源計画)
    企業全体を経営資源の有効活用の観点から統合的に管理し、
    経営の効率化を図るための手法・概念
 IaaS ( Infrastructure as a Service )
    仮想マシンやネットワークなどのインフラをインターネット経由の
    サービスとして提供
 PaaS ( Platform as a Service )
    プラットフォームシステムを、インターネット経由の
    サービスとして提供
 SaaS ( Software as a Service )
    アプリケーションをインターネット経由のサービスとして提供
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1-4. プログラミング言語と方法論  (12)
 ★ ビジネス系システムサービス
 ビジネスインテリジェンス  BI
    企業などの組織のデータを、収集・蓄積・分析・報告することで、
    経営上などの意思決定に役立てる手法や技術
 意思決定支援システム( Decision support system;DSS )
    企業や組織の意思決定を支援するシステム、
    以下の三つのコンポーネントからなる
     ①知識ベース
     ②モデル(意思決定のコンテキストとユーザー基準)
     ③ユーザインタフェース
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1-5. コンピュータアーキテクチャ  (1)
コンピュータアーキテクチャはハードウエアとソフトウエアのトレードオフを
デザインすること
この場合のソフトウエアはコンパイラと OS を意味する。
 ハードウエア
 プロセッサアーキテクチャ
  プロセッサをソフトウェア側から見たときのインタフェース定義と
  キャッシュサイズ設計などのマイクロアーキテクチャからなる
 システムアーキテクチャ
  インターコネクト ( バスやクロスバースイッチ )
  メモリコントローラやメモリ階層
   CPU オフロード機構
  マルチプロセッシング
  コンピュータ連携 (NUMA アーキテクチャなど )
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1-5. コンピュータアーキテクチャ  (2)
 ソフトウエア
 コンパイラ
  プログラムを、機械語に変換するプログラム
  字句解析、構文解析、意味解析からなる。
  コンパイラ最適化
   実行ファイルを効率化し、実行時間やメモリ使用量などを最小化するようコンパイラ
の出力を
   調整する処理
   一部のコード最適化問題は NP 完全問
 RISC 、 CISC 論争  1990 年代
    CISC ( Complex Instruction Set Computer )
    一つの命令で複数の処理を行う、可変長命令
    RISC ( Reduced Instruction Set Computer )
    命令の種類を減らし、回路を単純化して演算速度の向上を図る
   ハードは単純作業を好む。ソフトは複雑性を享受できる。
   従って現在はソフトウェアの設計は CISC 的だがハードウェアの設計は RISC 的
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1-5. コンピュータアーキテクチャ  (3)
 オペレーティングシステム (OS)
  主な目的はハードウェアの抽象化、リソースの管理、スループット向上の 3 つ
   OS の機能の発展は、人間の行動、組織技術を反映している。
  代表的なものは仮想記憶、キャッシュ、マルチタスクなどがある。
 モデル検査
 ハードウェアやソフトウェアの設計から導出されたモデルが形式仕様を
 満足するかどうか検証する。
 時相論理の論理式の形式で記述することが多く、その関係で SATsolver
 (充足可能性)がよく使われる。
 モデル検査ツールは SPIN 、 FDR 、 SMV などがある。
 最近はモデル検査による UML ⽀⽀ ⽀ ⽀ ⽀設計検証 援ツール などの開発も盛ん
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1-6. 並列分散処理
 コンピュータ・クラスター  1990 年代
  複数のコンピュータを結合し、クラスター化したもの、並列計算によく使われた
 グリッド・コンピューティング  2000 年代
  電力送電網(パワーグリッド)に由来して命名され、
 「情報資源」の「ユーティリティ化」を目指し、
 インターネットをインフラとして実現されるもの
 クラウドコンピューティング
  コンピュータネットワークをベースとしたコンピュータ資源の利用形態
   Amazon 、マイクロソフト、 Google などが大規模に展開
 脳神経系
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1-7. オープン&データ
 オープン
 オープンマインド
 オープンデータ
 オープンソース
 オープンプロブレム
 オープンガバナンス
 オープンイノベーション
 オープンサイエンス
 データ
 データマイニング
 データサイエンス
 データジャーナリズム
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1-8. データ解析
 解析するデータの複雑性(経済、政治、社会学)が問題
  解釈する人間の遺伝子と環境・環境(先天性と後天性)で仮説、解釈、気づきが違う。
  同じ社会現象マッシュアップを見ても、リベラル、コンサバで解釈が違う。
  従って仮説もことなる。
  物理学で、世界観の違いで作る理論が異なるのと同じ
 データ解析 PDC サイクル
  問題設定
  データクレンジング(欠損値、異常値)
   データ変換の過程ログ
  データ設計(特徴量)
  アルゴリズム選定
   時間計算量、領域計算量、精度、意味がわかる表現ができるか
  プログラム開発、実行
  結果解析
   仮説検証が不十分な場合、新たなデータを追加する最初の問題設定にもどる
 健全な評価
  データ解析 PDC サイクルの見える化が必要
  重要なのは仮説より、仮説を生み出す過程表現
  データ、解析、気づき、解釈、仮説の流れの見える化表現のよさを評価する時代
  データサイエンスが重視すべき仮説より、仮説を生み出す過程表現
  そのことが結果の信頼性を上げる唯一の手段
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1-9. ムーアの法則  (1)
 微細加工技術
   International Technology Roadmap for Semiconductors    ITRS 2012
   MPU High-Performance Physical Gate Length (GLph) (nm)
MPU H ig h - Pe rfo rm a n c e Ph ys ic a l Ga te (n m / ye a r)
0
1 0
20
30
1 1 1 2 1 3 1 4 1 5 1 6 1 7 1 8 1 9 20 21 22 23 24 25 26
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1-9. ムーアの法則  (2)
 スーパーコンピュータ性能の進歩
   1996 年:  CP-PACS       0.614 TFLOPS  格子 QCD 計算
   2002 年: 地球シミュレータ  35.86 TFLOPS  気象関連
   2012 年: 京    11,280 TFLOPS  様々な分野
 シンギュラリティの日
  「 2045 年には人工知能が、人間の知能を超えるという予測」 レイ・カーツワイル
 あと 10 年で、 6 リットルに 73 億人の脳が収まる
   PEZY( ペジー ) Computing 齊藤元章が描く「プレ・シンギュラリティ」の衝撃
    http://wired.jp/2015/08/25/motoaki-saito/
  学生時代から日米で 10 社もの会社を立ち上げてきた異色のシリアルアントレプレナー
  「ニューロ・シナプティック・チップ」
  (脳の能力を模倣するよう設計されたチップ)の開発
  慶應義塾大学の黒田(忠広)教授の磁界結合に注目、
  磁界結合でコネクションを実現
 チューリングテストをパスする人工知能出現の時期
  カーツワイル  2029 年
  山川宏  2020 年代の前半
  ジェフ・ホーキンス  2020 年
  齊藤元章   2020 年- 2025 年
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2.人工知能の歴史と現状
2-1. 日本での AI ブーム
2-2. 第 1 次 AI ブーム  1950-1960
2-3. 第 2 次 AI ブーム  1980-1990
2-4. 第 3 次 AI ブーム  2010-   (2)
2-5. 人類の夢とリスク
2-6. 学問の分類 情報科学はどこへ?
2-7. 個人の3評価クライテリア
2-8. 人工生命、複雑系
2-9. 生命
2-10. 脳と意識、感性、創造  (3)
2-11. 発想系
36
2-1. 日本での AI ブーム
 AI ブームの発端
 去年の 4 月ぐらいから、ホーキング博士の AI に対する警句、
 ビルゲイツ氏の雇用問題など社会構造の変化についてのニュースが、
 技術系 Web 情報サイトで紹介されたことによる。
 エコノミスト
  7 月ごろには、テレビモーニングサテライトでも取り上げられ、
 エコノミストも、中期、長期的意味で、 AI の影響を検討している。
 【プロの眼】コンピュータ化で雇用は・・・
 オックスフォードの、雇用の未来についての分析
  THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO
COMPUTERISATION?
   Carl Benedikt Frey and Michael A. Osborne September 17, 2013
 シンギュラリティに関する本
 レイ・カーツワイル ポスト・ヒューマン誕生  2007
 デービット・ドイッチェ 「無限の始まり」  2013
 ニック・ボストローム  Superintelligence: Paths, Dangers, Strategies   2014
37
2-2. 第 1 次 AI ブーム  1950-1960
情報科学者が中心に研究が進んだ時代
 脳は神経細胞の電気ネットワーク
 ノーバート・ウィーナーのサイバネティックス
 クロード・シャノンの情報理論
 アラン・チューリングの計算理論
 チューリングテスト  1950
 ノイマン
  数学基礎論、ゲーム理論、モンテカルロ法、量子力学の数学的基礎、経済成長理論
  ノイマン型コンピュータ、セル・オートマトン
 記号的推論と Logic Theorist 1955 アレン・ニューウェルとハーバート・サイモン
  このプログラムはラッセルとホワイトヘッドの「プリンキピア・マテマティカ」の最初の方
にある 52 の定理のうち 38 の定理を証明してみせ、そのうち一部は新たな洗練された証明方
法を見出した。
 ダートマス会議  1956
  マービン・ミンスキーとジョン・マッカーシー、クロード・シャノン、サニエル・ロチェス
ターが準備し組織した。 会議の提案書には「学習のあらゆる面または知能の他のあらゆる
機能は正確に説明できるので、機械でそれをシミュレートすることができる」と書かれてい
た。
38
2-3. 第 2 次 AI ブーム  1980-1990
医学系、大企業での応用が始まった。
 エキスパートシステム
 第五世代コンピューティング
 コネクショニズムと記号主義
39
2-4. 第 3 次 AI ブーム  2010-   (1)
携帯電話、 Web サービスには広く機械学習などの AI 技術が使われてるようになった
。
このことは、全エンドユーザが AI の利用者であることを意味する。
従って、もはや、「シンギュラリティの日」までそれ以降ずっと続くことになった。
 AI ベンチャーの一覧
  最近の世界中の AI ベンチャーをまとめた図
   The Current State of Machine Intelligence
 新ネットワーク思考
 予測脳
 Semantic Web
 強化学習
 機械学習
 ワトソン
40
2-4. 第 3 次 AI ブーム  2010-   (2)
 DNN
  シンボルグラウンディング、フレーム問題
  言語ネットワークから新しい特徴量を抽出できるか?
  数学的シンボルを使って概念をまとめる。
 進化計算
  好奇心、知識欲=>学習、整理
   DNN による特徴量抽出=>疑問、課題創出
  未解決問題として特徴量抽出=>概念ネットワークの変更と評価
 全脳アーキテクチャ -whole brain architecture-
  人工知能、神経科学、認知科学の領域を横断し、全脳アーキテクチャの実装を目
指すグループ
 SIG 汎用人工知能
   AGI: artificial general intelligence および「技術的特異点」について広く情報交換
とディスカッションを行うためのグループ
41
2-5. 人類の夢とリスク
3つの人類の夢
 宇宙、心、生命
  これらが超知能に引き継がれる日
  生命はほぼ理解?
この夢を持つ人は少数派?
国、組織レベルはこの部分に手を抜けない。
なぜなら消滅する恐れがあるから。
今後、人類の活動中心は国=>組織=>個人になる。(仮説)
SF は未来社会の仕様書?
 ロボット  1920 年
 メトロポリス  1927 年
 ロボット三原則  1950 年
銀河鉄道 999 現実化プロジェクト & 空想学会「銀河鉄道 999 学」
 銀河鉄道 999 のストーリーからのモチーフを現実化するプロジェクト
 様々なジャンルの人が集まる。
42
2-6. 学問の分類 情報科学はどこへ?
 自然科学
 数学(形式科学とすることもある)
 計算機科学(形式科学とすることもある)
 理学
 物理学
 化学
 生物学
 社会科学
 経済系
 統治系
 一般系
 社会学
 数学・情報科学とは
  人の持つ数学的能力、情報科学的能力はどこから来るのか、限界は?
  脳の解明で理解できる?
  物理とはその能力を使って、外界の理論を発見し、説明すること
  これらのことから、形式科学に分類されるようになった。
   Wiki による「計算機科学の分類」参考
43
2-7. 個人の3評価クライテリア
 マズローの欲求 5 段階説
   生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、尊厳欲求(承認欲求)、自己実現欲求
 ロジャースのイノベーター理論 5 分類
   イノベーター(革新者)、アーリーアダプター(初期採用者)、
   アーリーマジョリティ(初期追随者)、レイトマジョリティ(後期追随者)
、
   ラガード(遅延者)
 シャインのキャリア・アンカー 8 分類
   管理能力、技術的・機能的能力、安全性、創造性、自律と独立、
   奉仕・社会献身、純粋な挑戦、ワーク・ライフバランス
44
2-8. 人工生命、複雑系
 人工生命
  人間によって設計、作製された生命  1987 年
  ラングトンがロスアラモス国立研究所で開催した
  通称、「 Artificial Life I 」国際会議がスタート
 λ パラメータ ラングトン
  セル・オートマトンの複雑性と計算可能性の無次元の尺度 
 カオスの縁  1990 年 ラングトン
   λ がある微小な範囲にあるときにセル・オートマトンがチューリングマシンと匹敵する
計算能力を発揮すること 
 Tierra
  遺伝子の突然変異をシミュレートしたソフト 
 メタヒューリスティックの進化系アルゴリズム
  群知能、蟻コロニー最適化、進化計算、進化的アート
 複雑系
  相互に関連する複数の要因が複合して全体としてある性質を発生させる系、全体の挙動はこ
この要因や部分からは明らかでないもの。 
 創発
  局所的な複数の相互作用が複雑に組織化 
 ミクロ・マクロ・ループ
  全体が部分に影響を及ぼし、また部分が全体に影響を及ぼすループのこと
  例としては、経済現象における国家、企業、個人の行動
45
2-9. 生命
生命進化のシステムバイオロジー 田中博  2015 年
 分子ネットワークの種類
 遺伝子発現調節ネットワーク
 シグナル伝達系ネットワーク
 代謝ネットワーク
 進化システム生物学
 システム生物学
 複雑系生物学
 生命系「システム」概念の3つのレベル
 レベル1 普遍的形式
 レベル2 大域機能構造
 レベル3 個別機能システム
生命発生のリアルシミュレーションはいつ?
46
2-10. 脳と意識、感性、創造  (1)
一日の生活 意識とは
 起床
  自己再認識、過去の確認、課題を確認
  無意識での情報の再確認、整理(アイデア、解など)
 食事
  決められたものを食べ、変化が欲しければ少し考える。飽きた場合変化を求める。
 仕事
  課題の再認識、意識的作業なら機械的に行う。調査の作業なら調べ、読む。
  考える状態なら、類推、演繹、帰納、アブダクション、抽象化、一般化を行って、文章、プ
ログラム、数式を作成する。解けない場合は課題とする。解決した場合は次の課題を考える
。
 作業途中
  時々タイマー割り込みでスケジュール確認をする。
 対話
  相手の言明を意味ネットとして理解する。そして自分の解釈に対応つけて、相手に確認する。
もし、違っていればもう一度聞く。これを繰り返して相手を認識したネットワークを作る。
動物ともほぼ同じ対応。
 運動
  予定した運動の実行、過去の状態との比較、身体能力アップ度の評価
 移動
  同じコースなら予測脳的動き、知らない場所なら探索モード、必ず深さを考慮し無駄な計算
はしない。
47
2-10. 脳と意識、感性、創造  (2)
一日の生活 意識とはカーネルモード、無意識はユーザモード?!
  スケジューラが、リソース状況を見ながら、ユーザジョブ、デバイスの状
態監視を行い、システムコールで対話する。
 起床
  カーネルモードの状態確認、ユーザモードジョブの状態確認、実行順番のスケジュー
リング
 食事
  食事ジョブの実行、変化割込があれば、食事スケジューラ起動、評価ジョブ OK の場合変更
 仕事
  仕事ジョブの実行、 意識的作業ならジョブ内タスク実行、調査タスクなど、
  熟考作業なら、類推、演繹、帰納、アブダクション、抽象化、一般化タスクを並列計算、一
定時間で割込が入り、ジョブ評価、 OK 、 NG 、ペンディング状態になる。次のジョブ起動、
N ペンディング状態ではバックグラウンドで考察ジョブが実行される。
 作業途中
  時々タイマー割り込みでスケジュール確認をする。必要なら状態遷移
 対話
  視覚、聴覚デバイスからの割込に応じて、解釈ジョブ、応答ジョブの実行。結果を感覚デバ
イスに出力。これを繰り返して必要な記憶は知識ベースに格納
 運動
  運動ジョブ、評価ジョブ、計画ジョブ実行
48
2-10. 脳と意識、感性、創造  (3)
 感性
  五感からの入力は、 DNN で高次の概念が獲得できる。
  対話に関しては、概念だけのやりとりで実現可能である。
  動物はお互い五感での概念を使って対話している。ボディーラングエッジ、におい、など。
  人は言語と概念を対応付けて対話を形成する。
  言語と概念の対応は意識において言語化できていることから、創造性に影響している
と思われる。
   IoT が進むと、センサー系からの低次の情報から DNN を用いて、高度な概念への変換するこ
とができる。まだ、言語と対応付けると知識ベース化できる。
  センサーのカテゴリー分だけ感性が生じることになる。
 創造
  ユーザ空間、すなわち無意識の世界での、進化計算(突然変異、交差)を行って新しい概念
が創発されるものと思われる。
  創発された概念は、まだ名前付けされていない。そこで言語化するステップが必要となる。
  自然言語ではこの語彙は多義性を持つが、数学的表現はシンボル的で意味がユニークである
ことが重要である。
  最終的に、評価が重要で、人間の場合、生成された概念を個人の持つ世界観、審美眼で評価
している。これは遺伝子と経験・学習で形成されると思われる。
49
2-11. 発想系
 「無意識的思考機械」 ポアンカレの「科学と方法」
  「日毎日毎、机に向かって一、二時間をすごし、澤山の組み合わせを試みて、、」(意識的
未解決)
  「或る夜、例になく牛乳を入れずに珈琲を飮んで、睡眠することができなかった。幾多の考
えが群がりおこって、互に衝突しあい、、」(興奮状態からの解決)
  「乗合馬車に乗った。その踏段に足を觸れたその瞬間、、」(構想の思いつき)
  「すべての要素は手中にある。たゞこれを集めて秩序よく並べればよいのであった。」(意
識的解決)
 ‘セレンディピティ 偶然の幸運  action’‘awareness’‘acceptance’ のサイクル
 マインドフルネス 自分の身体や気持ちの状態に気づくために行う行為 瞑想
 デフォルト・モード・ネットワーク (DMN)  無意識の思考
 グリット  Grit  物事に対する情熱、継続的に粘り強く努力することによって、
物事を楽しみながら行うこと
  優秀な「無意識的思考機械」を作るには、グリット的性格を獲得し、セレ
ンディピティを取り入れ、デフォルト・モード・ネットワークの能力を高め
、自分にあったマインドフルネスを実行する。
50
3.新しい産業社会環境の動向
3-1. シンギュラリティの日までの想定シナリオ
3-2. 貨幣経済による制御
3-3. 貨幣経済によらない制御
3-4. 新しい産業社会環境の構築  (2)
3-5. 電子政府化
3-6. 技術革新のスコアリング
3-7. 起業スピードとコミュニケーション
3-8. イノベーションにつながるアイデアの想起
3-9. リーン・スタートアップ エリック・リー
ス
3-10. シンギュラリティからのスタートアップ方
法 (2)
51
3-1. シンギュラリティの日までの想定シナリオ
 技術的失業
  新しい技術の導入より雇用が奪われ失業者が増加すること
 バックキャスティング的テーマ
 2025 年ごろまで
    技術の加速度的進歩はあるが、まだ貧困層が存在する。
     AI 化、ロボット化で技術革新で業種、職種の再編が起こる。
 2035 年ごろまで
    加速度的進歩で雇用の選択がおこり、 10 %の人の生産で全てまかなう時代。
    国、政府が新たな富の分配制度を作る。
    貧困層の消滅。
 2045 年ごろまで
    生産がほぼ自動化され、人類は働かなくてよい時代
    貨幣経済が残る世界(スターウォーズ的)、
    消滅するかは(スタートレック的) ??
 三つの遅れる可能性チェックポイント
 ハードの指数関数的進歩の鈍化
 ソフトの性能向上が指数関数的進歩を助けることができるか
 人がどこまでAI技術にたよるようになるか?脳の可塑性適応のスピード
52
3-2. 貨幣経済による制御
 シンギュラリティへのハードランディング or ソフトランディングシナリオ
  井上智洋 / マクロ経済学
   http://synodos.jp/economy/11503/2
 ハードランディングシナリオ
  長期的には、肉体労働も創造的労働も、ロボットやコンピュータに奪われていくが、減り続
ける雇用の争奪戦に人々が勝ち残ることを目指す「バトル・ロワイアル」状況
  すなわち、モノ・サービスを得るためにより創造的労働に移行する方法
 ソフトランディングシナリオ
  ベーシックインカムを与えることによって、働かなくても消費できる、すなわちモノ・サー
ビスを得ることができる政策
 ベーシックインカム( BI )
(1) 「社会保障制度としての側面」:生活に最低限必要な所得を国民全員に保障する制度
  「固定 BI 」:税金を財源とした生活保障のために一定額給付されるベーシックインカム
(2) 「国民配当としての側面」:マネーの量を増やし続ける政策
  「貨幣発行益の国民配当」中央銀行が発行するマネーを直接、家計(消費者)に行き届かせ
、 消費需要を増やす政策
  「変動 BI 」:貨幣発行益を財源とした景気安定化のための国民配当
53
3-3. 貨幣経済によらない制御
 貨幣評価
   AI 化で世の中が豊かになると、モノ、サービスの貨幣評価はますます難しくなる
。
  需要と供給のミスマッチ、供給がありすぎて、価格がつかない。
   AI 化で複雑なサービスの場合評価計算にコストが生じる。
 空家問題と生活困難者
  田舎では、空き家は売れなく、貸せない状態
  生活困難者は、賃貸料が負担
 貨幣使用ケース
  政府は空き家を強制的に買い上げ、そして生活困難者に配布
  空き家所有者には、維持コストを請求
 物々交換ケース
  空き家所有者と生活困難者で直接交渉できる仕掛けを作る
  お金に換算するコストを低減
  空き家の査定などは、場所、住居の状態、トレンドなど評価が非常に難しい
54
3-4. 新しい産業社会環境の構築  (1)
 経済指標詳細化の徹底
  日本は経済大国のわりに、経済指標がいい加減という話を聞く。この測定に人件費をかけて
いない?
  経済指標作成関係者を増やすことは、創造的な仕事を増やし、経済波及効果が大きいと思う
。
  またビッグデータアプローチが浸透し、評価についての市民の意識が高まる。
   IoT 化で自動的にミクロ経済のモニタリングとマクロ経済指標計算を行う。
 参加型オープンデータ促進と住民意思決定支援
  広く、エンドユーザ、住民に理解促進を行う。
  そのための手段、広報は、 ICT が必要不可欠、 ICT リテラシーが低水準なため、リテラシー
教育も同時に実行する。
  国<=>自治体(都道府県、市区町村)<=>高中小校区<=>自治会
   #もちろんこれ以外の組織ネットワーク存在する。
  の連携を密にして、自治会(数百人規模)でのアイデアソン、ハッカソンを行う。
  そこでの内容は、街づくり的なテーマから幸福、経済、政治活性化、原子力、バイオ、 AI な
どの脅威問題も広く考える。
  そして、テーマに必要なツールなどを ITC で示しながら、その使い方もいっしょに説明する
。
  この動きに必要なファシリテータは、意識を持った有識者からスタートする。
  コンテストなどは、そのイベントの中でテーマとして上げる、自治会単位で参加の盛り上げ
が起こり、関係者で継続的なアイデアソン、ハッカソンが自律的に行えるようになる。
55
3-4. 新しい産業社会環境の構築  (2)
 中高学校でのオープンデータを使った政策提言アイデアソン
  経済、政治、社会関連のオープンデータを使って、
  中学、高校へ、研究者、政治家、官僚の人たちが出向き、
  マニフェストに関するアイデアソンを行い、
  中高生の人たちに政策提言指導
 教育の効果
  戦前の教育、イスラム国の教育のように 3 年で考え方は変わる。
  北欧系は民主教育することで知的な国民を育てている。
56
3-5. 電子政府化
 行政:徹底した国民サービスの最適化
  システム化が進行、行政サービスの最適化の実行が進む。
  立法に基づき、効率化を進めることが目的となるので、
  様々な、マクロ指標、ミクロ指標が、モニタリングできるようになれば、
  その目的において実行手段はプランニング可能となる。
  GDPプラス、GDPナウのように詳細化、リアルタイム化が促進される。
 司法:ルールに基づく正しい判決
  法律体系の全有史以来人類の法律を DB 化し、現状の社会情勢をかんがみ、
  判決を決定すればよいので、徐々に人を超える司法システムが構築される。
  もちろん、最初は裁判官の補助、人の心の機微まで考える AI システムに最終的移
行する。分解能は人の心を人以上に理解できること。
 立法:民意を汲み取り、法案作成し、効用をシミュレートし、国民判断
  国民の現状と夢を分析して、適切な法案を作り、その法案をシミュレーションし
、
  実現可能性について吟味し、段階的に詳細な法律の策定を行う。
  一番計算時間が必要となる。
  立法=>行政=>司法の PDC サイクルが形成される。
57
3-6. 技術革新のスコアリング
米国ラボ・コンソーシアム
 以下の 5 つのカテゴリーに 1-5 ( 低から高 ) のスコアをつける
  特定された商業用アプリケーション
  技術の開発状況
  所有権の状況
  特許の状況
  市場やパートナーに対するアクセスの容易さ
NASA の SBIR 提案書
 すべて標準化されたクライテリアをつかってスクリーニングされる
  科学的および技術的メリット
  技術開発者の経験、能力・資格、施設
  提案された実施計画の有効性
  商業的なメリットと実現可能性
スクリーニングとスコアリングは、ビジネスと技術の両サイドの人材チーム
で実施
 クライテリアは以下の 4 つのカテゴリーに 1-5 ( 低から高 ) でランクされる
  企業/発明者の商業化の経験
  商業化の対象となる潜在的な市場
58
3-7. 起業スピードとコミュニケーション
コミュニケーションとは進化計算における立案と評価を独立にし、
それを繋げる役割としてここでは定義する。
立案と評価をメッセージで伝達するとその伝達スピードが速いものが勝つ。
 物理の世界
19 世紀ぐらいまでは、理論と実験は一人が行っていた。スピードアップで役割分担が起こった
。
理論物理と実験物理
 理論の世界(数学、物理)では競争が激しくなり、一人の天才よりは、
 複数の天才チームの方が早く発見できるという流れになった。
 ・統合失調症タイプの天才
   脳に複数の立場を形成できてそこで議論する。統合失調症タイプは人と話せない。
 ・双極性障害タイプの天才
   人との対話を重視する。そこでコミュニケーションをとり議論する。
   双極性障害タイプは躁期に人と話、うつ期にこもる。
 量子力学、相対論以降ではこの傾向が顕著になった。
 起業の世界
 一昔前は、技術と財務、技術と営業のペアで創業する場合が多い。(本田、ソニー、、)
 アメリカのITでは、やはり二人組 (マイクロソフト、アップル、グーグル、、)
 今後は、ソフトを使った一人起業化の時代?
  情報収集、アイデアだし、最後の企画だけを人が行い。
  その後の、資金繰り、人手配はシステムに任せる時代になる。
59
3-8. イノベーションにつながるアイデアの想起
 Dual Insight ( ニーズ・シーズ )
 セレンディピティ
 人との対話
 思考実験
 オズボーンのチェックリスト(発想のヒント)
 ブレインストーミング
 ヤング「アイディアのつくり方」
 TRIZ: 発明的問題解決の理論
 ビジネスモデル・キャンバス
     9 つのブロックを一枚の紙で配置し、すばやく、わかりやすく
    ビジネスモデル作成する方法
     顧客セグメント、価値提案、チャネル、
     顧客との関係、収益の流れ、リソース、
     重要な活動、パートナー、コスト構造
60
3-9. リーン・スタートアップ エリック・リース
 戦略は仮説に基づいている
 分析のやり過ぎはよくないが、やらなければまた失敗する。
 実用最小限の製品
 錬金術から科学へ
 実験は製品である
 一見つまらない経理で世界が変わる理由
 革新会計の機能-学びの中間目標 3 種
 IMVUにおける革新会計
 最適化 vs 学習
 虚栄の評価基準-警告をひと言
 行動につながる評価基準 vs 虚栄の評価基準
 エコシステム形成が最も重要
61
3-10. シンギュラリティからのスタートアップ方法
(1)
 業種による創立者パターン
 MBA系:組織論、財務、営業の知識がある。
 ソーシャル系:社会構造のニーズに敏感で、知識がある。
 ICT・技術系:最先端の科学・技術に詳しい。
 クラークの産業分類
 第一次産業
    - 農業、林業、水産業、鉱業
     MBA系がまず起業化に有利、次第に、ICT・技術系が出てくる
     可能性あり。最近は AI 農業が盛ん。
 第二次産業
    - 製造業、建設業、工業生産、加工業
     MBA系&技術系、次第に、ICT・技術系が出てくる可能性あり。
     ロボットによる自動生産がまず想定される分野
    - 電気・ガス・水道業
     MBA系&技術系、次第に、ICT・技術系、ソーシャル系が
     出てくる可能性あり。
     スマートXXから複合サービスの時代へ
62
3-10. シンギュラリティからのスタートアップ方法
(2)
 第三次産業
    - 情報通信業
     ICT・技術系が有利、日本の場合まだMBA系余地は十分ある。
     しかし最終的にはICT・技術系
     なぜなら、技術進化が加速するため、できた技術に
     即起業化の時代になる。
    - 金融業
     体質が古い場所はMBA系、バックエンドの性能が重視されるため
     最終的にはICT・技術系
    - 運輸業、小売業、サービス業
     MBA系&技術系、次第に、ICT・技術系、ソーシャル系が
     出てくる可能性あり。
魔の川 ( アイデア ) 、死の谷 ( 実用化 ) 、ダーウィンの海 ( 市場 )
63
最後に
 サイバー絆研究所では「参加型ヘルスケア研究会」を発足し
ます。
 LOD チャレンジ 2015 が開始されます。
   オープンデータで を にするシンポジウム参加型 日本 元気
    2015/09/26 ( 土 ) 13:00 - 18:00
   申込サイト
    http://peatix.com/event/113007
64
ご清聴ありがとうございました。

20150903 jasis2015 生島

  • 1.
    1 2015 年 9月 3 日 生島高裕 株式会社 数理先端技術研究所 Mathematical Science Advanced Technology Laboratory CO., LTD. 人工知能からの新しい産業社会環境の動向 (New Ecosystem of Industrial Society from AI View Point)
  • 2.
  • 3.
    3 1.情報科学の歴史と現状 1-1. アルゴリズム  (6) 1-2.データ構造  (3) 1-3. 言語理論  (2) 1-4. プログラミング言語と方法論  (12) 1-5. コンピュータアーキテクチャ  (3) 1-6. 並列分散処理 1-7. オープン&データ 1-8. データ解析 1-9. ムーアの法則  (2)
  • 4.
    4 1-1. アルゴリズム  (1) チャーチ=チューリングのテーゼ   1943 年   「『計算可能なもの』を計算する手続き」をアルゴリズムと呼ぶ。   「計算できる関数」という直観的な概念を、    「帰納的関数と呼ばれる数論的関数」のクラス           1932 年〜 1934 年(エルブラン、ゲーデル)    「チューリング・マシンで実行できるプログラム」のクラス           1935 年〜 1936 年(ポスト、チューリング)    「ラムダ記法で定義できる関数」のクラス           1933 年〜 1935 年(チャーチ、クリーネ)   と同一視  計算量理論(計算複雑性理論)   アルゴリズムへの入力データを増やしたとき、時間計算量と空間計算量がどのよ うに変化するかを研究する学問   時間階層定理、領域階層定理:ある難しい問題があったとき、それよりさらに難 しい問題が必ず存在するという事実    主な複雑性クラス: P 、 NP 、 PSPACE 、 EXPTIME 、 NEXPTIME 、 EXPSPACE    量子計算関連クラス: BPP 、 BQP    NP 完全問題は超難関な未解決問題
  • 5.
    5 1-1. アルゴリズム  (2) 設計パラダイム   人間社会の組織論などを背景にした、基本的なアルゴリズムパラダイム   分割統治法、動的計画法、貪欲法、線型計画法、、   例えば、分割統治法は、再帰的に同じ種類の小さい問題に還元していき、最終的 に容易に解ける程度の大きさにする。  探索アルゴリズム   解くべき問題を状態と状態変化で表現し、初期状態から最終状態への状態変化の 並び(解)を求める、そしてその解の評価を行う。   リスト探索、文字列探索、木探索・グラフ探索(幅優先探索、深さ優先探索)   オセロ、チェス、将棋、囲碁などのゲームアルゴリズムの基礎、   第1次 AI ブームの中心テーマ  数値計算アルゴリズム   物理系のシミュレーションアルゴリズム、構造、流体、分子、素粒子、宇宙など で使われる微分方程式をコンピュータ上で計算する手法   直接解法と反復解法、離散化、丸め誤差、打ち切り誤差、離散化誤差、モデリン グ誤差、   数値的安定性と良条件性 任意精度演算、数式処理( mathematica: ウルフラム )
  • 6.
    6 1-1. アルゴリズム  (3) オセロ、チェス、将棋、囲碁の場合の数とプログラム vs 人  オセロ  10 の 60 乗    1980 年 : オセロプログラムが世界チャンピオンとの六番勝負で 1 勝を挙げた    1997 年 : Logistello は世界チャンピオン村上健との六番勝負で全勝  チェス  10 の 120 乗    1996 年 : ディープ・ブルーがカスパロフと対戦し、カスパロフの 3 勝 1 敗 2 引分  将棋  10 の 220 乗      2012 年 : プロ棋士とコンピュータ将棋ソフトの棋戦スタート 電王戦      2014 年 : 第三回大会では、 1 勝 4 敗でプロ棋士がコンピュータ将棋に敗れ 、          2 年連続で人間側の負け意  囲碁  10 の 360 乗  2050 年ごろ勝つことができるか?      2014 年 : 現在、 AI 将棋の思考エンジン「 YSS 」の開発者によれば、         プログラムの棋力はアマチュア県代表レベル          98 %のアマチュアはもう勝てず、プロとは 4 子の手合         (将棋の飛香落ちに相当)で、コンピュータ将棋に比べると          10 年遅れている感じとのこと
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    7 1-1. アルゴリズム  (4) 最適化問題   特定の集合上で定義された実数値関数または整数値関数についてその値が最小 (もしくは最大)となる状態を解析する問題   線型計画、非線型計画が有名で、連続最適化問題と組合せ最適化問題に分かれる 。   組合せ最適化問題では巡回セールスマン問題が有名、近年では充足可能性問題 (SAT: Satisfiablity Testing Problem) が盛んに研究されている。  グラフ理論   数学のグラフ理論を基に、ネットワーク理論としてアルゴリズムを考える立場   ベイジアンネットワーク( Junction Tree アルゴリズム)ジューディア・パー ル: 1985 年に命名、統計物理の平均場近似とも関係がある。   適用分野    低密度パリティ検査符号の復号、遺伝子調節ネットワークモデリング、遺伝子 の発見および疾患の診断など   ペトリネットなど設計レベルでの実用的なグラフィカルモデルもある。  計算幾何学   幾何学的な計算問題に計算量理論を導入して、計算量的解析、効率の良いアルゴ リズムを開発を行う学問
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    8 1-1. アルゴリズム  (5) 統計学   データから、数値上の性質や規則性あるいは不規則性を見いだす手法   ピアソンの記述統計学、フィッシャーの推計統計学が伝統、 1950 年代に提唱さ れたベイズ統計学が先端的応用分野で広く使われるようになった。   多変量解析はデータ解析の基礎としてよく使われる。   先端的には、天気予報の精度向上などで使われる「データ同化」という数値シュ ミレーションと、ベイジアンモデリングを利用して実際のデータを組み合わせて 精度を上げる手法が広まっている。  機械学習   データから特徴的パターン、すなわち有用なルール、知識表現、判断基準などを 抽出しアルゴリズムを学習する。   そしてそのアルゴリズムで新たなデータについて予測を行う手法   データマイニングは未知の特徴的パターンを見つけることであるが、これを一般 化して学習した特長量を使って予測することに定式化したのが機械学習。   ニューラルネット、決定木、相関ルール、 GP 、 ILP 、 SVM 、クラスタリング、 ベイジアンネットワーク、強化学習、表現学習、独立成分分析など
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    9 1-1. アルゴリズム  (6) 暗号理論   平文の暗号化、復号扱う理論、秘密鍵方式から公開鍵方式に進み、セキュリティ 機能を実現するに使われる。    RSA 暗号、楕円曲線暗号、量子暗号、ゼロ知識証明、マルチパーティプロトコル  量子コンピュータ   超並列計算を量子力学の原理で行い、古典計算に対し指数関数的に高速なコン ピュータ   量子通信、量子暗号、量子計算の順番で実現が試みられている。   ショアのアルゴリズム: 1994 年     RSA 暗号の安全性は実用的な量子コンピュータが実現されれば崩れることを示 した。   実用化で話題になったものは、 D-Wave の量子焼きなまし法、日立製作所が室温 動作可能な新型半導体コンピュータ  情報幾何   甘利俊一先生が創始した、機械学習のアルゴリズムを幾何学的説明する手法  ニューラルネット、クラスタリング、 SVM 、 Boosting 、次元圧縮などの説明が 有名  構文解析   文章、コンピュータ言語などの形式言語の解析に使用されるアルゴリズム   コンパイラの設計、実装で必須の手法
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    10 1-2. データ構造  (1) 基本的なデータ構造   配列、スタック、キュー、連想配列、ハッシュ、リスト、木、ネットワーク  知識表現   意味ネットワーク(キリアン , 1966)    知識表現でノードが概念、リンクが関係を表す人間の直観にマッチする表現   フレーム( Frame )( Minsky, 1975 )    知識表現で、主に宣言的知識を表現するための表現、    フレームを「概念」、スロット名を「属性」、属性値を「値」とみなす表現    人の典型的行動パターンをフレームと呼び、その単位で格納された知識を、    人は行動するときに使用する。    KL-One (1980 年代 )    フレームの詳細化
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    11 1-2. データ構造  (2)   Dublin Core (1995 )    メタデータの標準    Web 表現     SGML 、 HTML 、 XML   セマンティック Web 系     RDF 、 RDF Schema 、トピックマップ、 DAML 、 OWL    遺伝子オントロジー (GO) 、    ライフサイエンス統合データベースセンター    ( Database Center for Life Science : DBCLS )
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    12 1-2. データ構造  (3) Semanticweb Layer cake   Ontology Mapping 、 Ontology Mapping 、 Ontology Alignment
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    13 1-3. 言語理論  (1) ソシュールの言語理論  1906   通時言語学 / 共時言語学、ラング / パロール、シニフィアン / シニフィエ   記号(シーニュ)=語彙(シニフィアン)+語彙の概念(シニフィエ)  構造主義   数学:ブルバキが、代数的構造、順序的構造、位相的構造の 3 つを母構造と呼び 、公理学を導入することにより数学の形式化を進めた。 1930 年代から   人類学:レヴィ=ストロース   ポスト構造主義:ミシェル・フーコー、ジャック・デリダ、ジル・ドゥルーズ   ポストモダン:チャールズ・ジェンクス  生成文法 文法の構造、 1957 チョムスキー階層 文法 言語 オートマトン - 0タイプ 無制限文法 帰納的可算 チューリングマシン - 1タイプ 文脈依存 文脈依存 線形拘束 - 2タイプ 文脈自由 文脈自由 プッシュダウン - 3タイプ 正規 正規 有限
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    14 1-3. 言語理論  (2) モンタギュー文法( 1960 年代から 1970 年代の初頭):リチャード・モンタ ギュー   形式論理学、特にラムダ計算と集合論にもとづき、内包論理とタイプ理論も利用   モンタギューの量化の扱いはプログラミング意味論の継続の概念と関連  主辞駆動句構造文法( 1985 年):  Carl Pollard と Ivan Sag        ( Head-driven phrase structure grammar, HPSG )   非派生的生成文法理論    HPSG の文法には原則や構文規則だけでなく、ソシュールの意味での記号も含 められている。   語彙の概念は十分構造化されて、エントリには型があり、それらの型は階層を形 成している。
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    15 1-4. プログラミング言語と方法論  (1) 配線  パッチパネルでスイッチ群やケーブルの配線を変更することでプログラムを ENIAC に設定  機械語   コンピュータの CPU で直接実行される一連の命令、命令部、アドレス部、データ部からなる 。  アセンブリ言語   すべての命令が単純なオペコードと引数(オペランド)だけで構成、   プログラムの流れ制御は goto 文、機械語と 1 対 1 の関係   アセンブラによって機械語に翻訳される。   プログラム内蔵方式のコンピュータ EDSAC (1949) にはアセンブラが存在した  ★ マクロ(モジュール化の概念)  よく使う処理を、命令列と変数や定数の定義記述、名前をつけニーモニックとして使用する。  ★ 手続き型言語、関数型言語、論理型言語   初期の高級言語     FORTRAN(1954) :ジョン・バッカス 手続き型言語     COBOL(1959) :手続き型言語     LISP(1958) :ジョン・マッカーシー 関数型言語 ラムダ計算
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    16 1-4. プログラミング言語と方法論  (2) ★ 構造化プログラミング  インデント: 1960 年  D. V. Schorre  go to 文に隠れた for 文の指摘: 1963 年  Peter Naur  アルゴリズムからの go to 文除去: 1964 年  George Forsythe  go to 文なしプログラミングの実験: 1965 年 ダイクストラ  1966 年  Peter Landin  構造化プログラミング: 1969 年 ダイクストラ      NATO 主催のソフトウェア工学会議でソフトウェア危機が共通認識     となったとき、ダイクストラは時が来たと考え提出した。     ①段階的な抽象化:段階的詳細化       この考えがトップダウン、ボトムアップの方法論に発展した     ②抽象データとその操作の抽象文の共同詳細化:       構造体というデータ構造に発展  構造化文 (structured statement) : ヴィルト    プログラムは、順次・反復・分岐の3つで記述できる。      世界の貧困層では教育を受けられないことから、分岐文、「もし何々なら」と いう会話ができない。   『狼にそだてられた子』問題
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    17 1-4. プログラミング言語と方法論  (3) C(1972) :デニス・リッチー 手続き型言語、関数型言語   モジュール化、分割コンパイル、構造体、ポインタ演算  Prolog(1972) :アラン・カルメラウアー、フィリップ・ルーセル 論理型言語   プログラムは一階述語論理に基づいてデータ間の関係を示す命題として記述   導出、単一化、非決定性、双方向性、リレーショナルデータベース、自動定理証明の研究   四色定理     1976 年:ケネス・アッペルとヴォルフガング・ハーケンは、ヘーシュの     「放電」手法でコンピュータを使って証明、約 2000 個の不可避集合     1996 年:ニール・ロバートソン  633 個の不可避集合     2004 年:ジョルジュ・ゴンティエが定理証明系 Coq を用いて、よりシンプルな証明       Coq :フランスの証明支援システム 型付きラムダ計算の一種      Calculus of Constructions という高階型システムに基づく     正しい証明は正しく型がつくラムダ式であるというカリー=ハワード同型対応を     利用している。     「プログラム=証明」・「型=命題」   第五世代コンピュータ  1982 年~ 1992 年 国家プロジェクト    目標「述語論理による推論を高速実行する並列推論マシンとそのオペレーティング       システムを構築する」    3つの問題: 縦割り構造、基礎研究に対する過大な経済効果期待、人材育成
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    18 1-4. プログラミング言語と方法論  (4) ★ オブジェクト指向プログラミング   -カプセル化(振る舞いの隠蔽とデータ隠蔽)   -インヘリタンス(継承): クラスベースの言語   -ポリモフィズム(多態性、多相性): 型付きの言語   -ダイナミックバインディング(動的束縛): 動的型付言語   クラスはラッセルの集合論における「集合の集まり」を意識する。   型理論:  1903 年 ラッセル    数理論理学の一分野であり、「型」の階層を構築し、型に数学的実体を割り当てる    プログラミング言語の理論における型システムのベース    内包論理、様相論理、時相論理、可能世界論  Smalltalk(1972) :アラン・ケイ オブジェクト指向プログラミング   大域変数は Smalltalk 変数のみ   特徴的なクラス階層: Class 、 Class class 、 Metaclass 、 Metaclass class  Java(1990) :ジェームズ・ゴスリン、ビル・ジョイ 手続き型言語、オブジェクト指向プロ グラミング言語    Java 仮想マシン、フトウェアの開発と保守の複雑さを低減し、開発効率と保守性を意識
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    19 1-4. プログラミング言語と方法論  (5) エージェント指向   <自律したソフトウエアプログラム>  永続性     常に起動された状態で、行動を起こす時期を自身で判断  自律性     実行すべきタスクの選択、優先順位付け、目標に向けた行動、意思決定  社会性     他のコンポーネントとコミュニケーションする機能を持ち、      1 つのタスクを共同で処理できる  反応性   環境を把握し、その変化に適切に反応 
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    20 1-4. プログラミング言語と方法論  (6) エージェント指向   <いくつかのエージェント>  知的エージェント    学習や推論ができる  マルチエージェントシステム    究極は、多様性を持つエージェントの集合が形成され、目的を持ったシステム (世界)を形成する   モバイルエージェント    ネットワーク上でコンピュータ間を移動できる    Telescript      1990 年にジェネラル・マジック社(アップル・コンピュ-タ社が設立)が     提唱したプログラミング言語   人狼知能コンテスト開催 IN CEDEC2015      http://www.aiwolf.org/aiwolf-cedec2015/
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    21 1-4. プログラミング言語と方法論  (7) Haskell(1990) :ハスケル・カリーの名を使用 純粋関数型プログラミング言語   手続き型プログラミング言語では記述が複雑になるような処理が   しばしば簡潔になる。   高階関数や静的多相型付け、定義可能な演算子、ターンマッチングやカリー化、   ガード   遅延評価、代数的データ型   モナド:参照透過性(圏論から)を壊すことなく副作用のある操作を実現する  スクリプト言語    perl 、 ruby 、 python  プログラム言語シェアのランキング    Interactive: The Top Programming Languages 2015   http://spectrum.ieee.org/static/interactive-the-top-programming-languages-2015    TIOBE Index for August 2015   http://www.tiobe.com/index.php/content/paperinfo/tpci/index.html
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    22 1-4. プログラミング言語と方法論  (8) ★ ソフトウエア開発方法論  ウォーターフォール・モデル (1968)  要求定義=>基本設計=>開発=>  単体テスト=>結合テスト=>運用テスト=>運用  プロトタイピング (1970 年代初期 )  将来完成する予定のソフトウェアの不完全なモデル(プロトタイプ)を作成す ること  スパイラルモデル (1988)  トップダウン設計とボトムアップ設計の長所を生かしたモデル、  設計とプロトタイピングを繰り返す開発手法  ペアプログラミング   2 人のプログラマ共同でソフトウェア開発を行う手 法  ラピッドプロトタイピング
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    23 1-4. プログラミング言語と方法論  (9) エクストリーム・プログラミング  XP(1999)   XP は比較的少人数の開発にむいており、 5 つの価値と 19 のプラクティス(実 践)が定義されている。   5 つの価値   コミュニケーション、シンプル、フィードバック、勇気、尊重   19 のプラクティス   共同のプラクティス 4     ( 反復、共通の用語、開けた作業空間、回顧 )   開発のプラクティス 6     ( テスト駆動開発、ペアプログラミング、リファクタリング、     ソースコードの共同所有、継続的インテグレーション、 YAGNI)   管理者のプラクティス 5     ( 責任の受け入れ、援護、四半期毎の見直し、ミラー、     最適なペースの仕事 )     顧客のプラクティス 4     ( ストーリーの作成、リリース計画、受け入れテスト、短期リリース )
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    24 1-4. プログラミング言語と方法論  (10) アジャイルソフトウェア開発 (2001)  開発対象を多数の小さな機能に分割し、 1 つの反復で 1 機能を開発する。  反復サイクルを継続して機能を追加開発する。  計画、要求定義、設計、実装、テスト、文書化の工程を、 1 つの反復内で行う 。  UML ( Unified Modeling Language )  ソフトウェア工学におけるオブジェクトモデリングのために標準化した仕様記 述言語  ユースケース図、アクティビティ図、クラス図などからなる
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    25 1-4. プログラミング言語と方法論  (11) ★ ビジネス系システムサービス  ERP ( Enterprise Resource Planning :企業資源計画)     企業全体を経営資源の有効活用の観点から統合的に管理し、     経営の効率化を図るための手法・概念  IaaS ( Infrastructure as a Service )     仮想マシンやネットワークなどのインフラをインターネット経由の     サービスとして提供  PaaS ( Platform as a Service )     プラットフォームシステムを、インターネット経由の     サービスとして提供  SaaS ( Software as a Service )     アプリケーションをインターネット経由のサービスとして提供
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    26 1-4. プログラミング言語と方法論  (12) ★ ビジネス系システムサービス  ビジネスインテリジェンス  BI     企業などの組織のデータを、収集・蓄積・分析・報告することで、     経営上などの意思決定に役立てる手法や技術  意思決定支援システム( Decision support system;DSS )     企業や組織の意思決定を支援するシステム、     以下の三つのコンポーネントからなる      ①知識ベース      ②モデル(意思決定のコンテキストとユーザー基準)      ③ユーザインタフェース
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    27 1-5. コンピュータアーキテクチャ  (1) コンピュータアーキテクチャはハードウエアとソフトウエアのトレードオフを デザインすること この場合のソフトウエアはコンパイラとOS を意味する。  ハードウエア  プロセッサアーキテクチャ   プロセッサをソフトウェア側から見たときのインタフェース定義と   キャッシュサイズ設計などのマイクロアーキテクチャからなる  システムアーキテクチャ   インターコネクト ( バスやクロスバースイッチ )   メモリコントローラやメモリ階層    CPU オフロード機構   マルチプロセッシング   コンピュータ連携 (NUMA アーキテクチャなど )
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    28 1-5. コンピュータアーキテクチャ  (2) ソフトウエア  コンパイラ   プログラムを、機械語に変換するプログラム   字句解析、構文解析、意味解析からなる。   コンパイラ最適化    実行ファイルを効率化し、実行時間やメモリ使用量などを最小化するようコンパイラ の出力を    調整する処理    一部のコード最適化問題は NP 完全問  RISC 、 CISC 論争  1990 年代     CISC ( Complex Instruction Set Computer )     一つの命令で複数の処理を行う、可変長命令     RISC ( Reduced Instruction Set Computer )     命令の種類を減らし、回路を単純化して演算速度の向上を図る    ハードは単純作業を好む。ソフトは複雑性を享受できる。    従って現在はソフトウェアの設計は CISC 的だがハードウェアの設計は RISC 的
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    29 1-5. コンピュータアーキテクチャ  (3) オペレーティングシステム (OS)   主な目的はハードウェアの抽象化、リソースの管理、スループット向上の 3 つ    OS の機能の発展は、人間の行動、組織技術を反映している。   代表的なものは仮想記憶、キャッシュ、マルチタスクなどがある。  モデル検査  ハードウェアやソフトウェアの設計から導出されたモデルが形式仕様を  満足するかどうか検証する。  時相論理の論理式の形式で記述することが多く、その関係で SATsolver  (充足可能性)がよく使われる。  モデル検査ツールは SPIN 、 FDR 、 SMV などがある。  最近はモデル検査による UML ⽀⽀ ⽀ ⽀ ⽀設計検証 援ツール などの開発も盛ん
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    30 1-6. 並列分散処理  コンピュータ・クラスター 1990 年代   複数のコンピュータを結合し、クラスター化したもの、並列計算によく使われた  グリッド・コンピューティング  2000 年代   電力送電網(パワーグリッド)に由来して命名され、  「情報資源」の「ユーティリティ化」を目指し、  インターネットをインフラとして実現されるもの  クラウドコンピューティング   コンピュータネットワークをベースとしたコンピュータ資源の利用形態    Amazon 、マイクロソフト、 Google などが大規模に展開  脳神経系
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    31 1-7. オープン&データ  オープン オープンマインド  オープンデータ  オープンソース  オープンプロブレム  オープンガバナンス  オープンイノベーション  オープンサイエンス  データ  データマイニング  データサイエンス  データジャーナリズム
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    32 1-8. データ解析  解析するデータの複雑性(経済、政治、社会学)が問題   解釈する人間の遺伝子と環境・環境(先天性と後天性)で仮説、解釈、気づきが違う。   同じ社会現象マッシュアップを見ても、リベラル、コンサバで解釈が違う。   従って仮説もことなる。   物理学で、世界観の違いで作る理論が異なるのと同じ データ解析 PDC サイクル   問題設定   データクレンジング(欠損値、異常値)    データ変換の過程ログ   データ設計(特徴量)   アルゴリズム選定    時間計算量、領域計算量、精度、意味がわかる表現ができるか   プログラム開発、実行   結果解析    仮説検証が不十分な場合、新たなデータを追加する最初の問題設定にもどる  健全な評価   データ解析 PDC サイクルの見える化が必要   重要なのは仮説より、仮説を生み出す過程表現   データ、解析、気づき、解釈、仮説の流れの見える化表現のよさを評価する時代   データサイエンスが重視すべき仮説より、仮説を生み出す過程表現   そのことが結果の信頼性を上げる唯一の手段
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    33 1-9. ムーアの法則  (1) 微細加工技術    International Technology Roadmap for Semiconductors    ITRS 2012    MPU High-Performance Physical Gate Length (GLph) (nm) MPU H ig h - Pe rfo rm a n c e Ph ys ic a l Ga te (n m / ye a r) 0 1 0 20 30 1 1 1 2 1 3 1 4 1 5 1 6 1 7 1 8 1 9 20 21 22 23 24 25 26
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    34 1-9. ムーアの法則  (2) スーパーコンピュータ性能の進歩    1996 年:  CP-PACS       0.614 TFLOPS  格子 QCD 計算    2002 年: 地球シミュレータ  35.86 TFLOPS  気象関連    2012 年: 京    11,280 TFLOPS  様々な分野  シンギュラリティの日   「 2045 年には人工知能が、人間の知能を超えるという予測」 レイ・カーツワイル  あと 10 年で、 6 リットルに 73 億人の脳が収まる    PEZY( ペジー ) Computing 齊藤元章が描く「プレ・シンギュラリティ」の衝撃     http://wired.jp/2015/08/25/motoaki-saito/   学生時代から日米で 10 社もの会社を立ち上げてきた異色のシリアルアントレプレナー   「ニューロ・シナプティック・チップ」   (脳の能力を模倣するよう設計されたチップ)の開発   慶應義塾大学の黒田(忠広)教授の磁界結合に注目、   磁界結合でコネクションを実現  チューリングテストをパスする人工知能出現の時期   カーツワイル  2029 年   山川宏  2020 年代の前半   ジェフ・ホーキンス  2020 年   齊藤元章   2020 年- 2025 年
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    35 2.人工知能の歴史と現状 2-1. 日本での AIブーム 2-2. 第 1 次 AI ブーム  1950-1960 2-3. 第 2 次 AI ブーム  1980-1990 2-4. 第 3 次 AI ブーム  2010-   (2) 2-5. 人類の夢とリスク 2-6. 学問の分類 情報科学はどこへ? 2-7. 個人の3評価クライテリア 2-8. 人工生命、複雑系 2-9. 生命 2-10. 脳と意識、感性、創造  (3) 2-11. 発想系
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    36 2-1. 日本での AIブーム  AI ブームの発端  去年の 4 月ぐらいから、ホーキング博士の AI に対する警句、  ビルゲイツ氏の雇用問題など社会構造の変化についてのニュースが、  技術系 Web 情報サイトで紹介されたことによる。  エコノミスト   7 月ごろには、テレビモーニングサテライトでも取り上げられ、  エコノミストも、中期、長期的意味で、 AI の影響を検討している。  【プロの眼】コンピュータ化で雇用は・・・  オックスフォードの、雇用の未来についての分析   THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?    Carl Benedikt Frey and Michael A. Osborne September 17, 2013  シンギュラリティに関する本  レイ・カーツワイル ポスト・ヒューマン誕生  2007  デービット・ドイッチェ 「無限の始まり」  2013  ニック・ボストローム  Superintelligence: Paths, Dangers, Strategies   2014
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    37 2-2. 第 1次 AI ブーム  1950-1960 情報科学者が中心に研究が進んだ時代  脳は神経細胞の電気ネットワーク  ノーバート・ウィーナーのサイバネティックス  クロード・シャノンの情報理論  アラン・チューリングの計算理論  チューリングテスト  1950  ノイマン   数学基礎論、ゲーム理論、モンテカルロ法、量子力学の数学的基礎、経済成長理論   ノイマン型コンピュータ、セル・オートマトン  記号的推論と Logic Theorist 1955 アレン・ニューウェルとハーバート・サイモン   このプログラムはラッセルとホワイトヘッドの「プリンキピア・マテマティカ」の最初の方 にある 52 の定理のうち 38 の定理を証明してみせ、そのうち一部は新たな洗練された証明方 法を見出した。  ダートマス会議  1956   マービン・ミンスキーとジョン・マッカーシー、クロード・シャノン、サニエル・ロチェス ターが準備し組織した。 会議の提案書には「学習のあらゆる面または知能の他のあらゆる 機能は正確に説明できるので、機械でそれをシミュレートすることができる」と書かれてい た。
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    38 2-3. 第 2次 AI ブーム  1980-1990 医学系、大企業での応用が始まった。  エキスパートシステム  第五世代コンピューティング  コネクショニズムと記号主義
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    39 2-4. 第 3次 AI ブーム  2010-   (1) 携帯電話、 Web サービスには広く機械学習などの AI 技術が使われてるようになった 。 このことは、全エンドユーザが AI の利用者であることを意味する。 従って、もはや、「シンギュラリティの日」までそれ以降ずっと続くことになった。  AI ベンチャーの一覧   最近の世界中の AI ベンチャーをまとめた図    The Current State of Machine Intelligence  新ネットワーク思考  予測脳  Semantic Web  強化学習  機械学習  ワトソン
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    40 2-4. 第 3次 AI ブーム  2010-   (2)  DNN   シンボルグラウンディング、フレーム問題   言語ネットワークから新しい特徴量を抽出できるか?   数学的シンボルを使って概念をまとめる。  進化計算   好奇心、知識欲=>学習、整理    DNN による特徴量抽出=>疑問、課題創出   未解決問題として特徴量抽出=>概念ネットワークの変更と評価  全脳アーキテクチャ -whole brain architecture-   人工知能、神経科学、認知科学の領域を横断し、全脳アーキテクチャの実装を目 指すグループ  SIG 汎用人工知能    AGI: artificial general intelligence および「技術的特異点」について広く情報交換 とディスカッションを行うためのグループ
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    41 2-5. 人類の夢とリスク 3つの人類の夢  宇宙、心、生命   これらが超知能に引き継がれる日   生命はほぼ理解? この夢を持つ人は少数派? 国、組織レベルはこの部分に手を抜けない。 なぜなら消滅する恐れがあるから。 今後、人類の活動中心は国=>組織=>個人になる。(仮説) SF は未来社会の仕様書?  ロボット 1920 年  メトロポリス  1927 年  ロボット三原則  1950 年 銀河鉄道 999 現実化プロジェクト & 空想学会「銀河鉄道 999 学」  銀河鉄道 999 のストーリーからのモチーフを現実化するプロジェクト  様々なジャンルの人が集まる。
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    42 2-6. 学問の分類 情報科学はどこへ?  自然科学 数学(形式科学とすることもある)  計算機科学(形式科学とすることもある)  理学  物理学  化学  生物学  社会科学  経済系  統治系  一般系  社会学  数学・情報科学とは   人の持つ数学的能力、情報科学的能力はどこから来るのか、限界は?   脳の解明で理解できる?   物理とはその能力を使って、外界の理論を発見し、説明すること   これらのことから、形式科学に分類されるようになった。    Wiki による「計算機科学の分類」参考
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    43 2-7. 個人の3評価クライテリア  マズローの欲求5 段階説    生理的欲求、安全欲求、社会的欲求、尊厳欲求(承認欲求)、自己実現欲求  ロジャースのイノベーター理論 5 分類    イノベーター(革新者)、アーリーアダプター(初期採用者)、    アーリーマジョリティ(初期追随者)、レイトマジョリティ(後期追随者) 、    ラガード(遅延者)  シャインのキャリア・アンカー 8 分類    管理能力、技術的・機能的能力、安全性、創造性、自律と独立、    奉仕・社会献身、純粋な挑戦、ワーク・ライフバランス
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    44 2-8. 人工生命、複雑系  人工生命   人間によって設計、作製された生命 1987 年   ラングトンがロスアラモス国立研究所で開催した   通称、「 Artificial Life I 」国際会議がスタート  λ パラメータ ラングトン   セル・オートマトンの複雑性と計算可能性の無次元の尺度   カオスの縁  1990 年 ラングトン    λ がある微小な範囲にあるときにセル・オートマトンがチューリングマシンと匹敵する 計算能力を発揮すること   Tierra   遺伝子の突然変異をシミュレートしたソフト   メタヒューリスティックの進化系アルゴリズム   群知能、蟻コロニー最適化、進化計算、進化的アート  複雑系   相互に関連する複数の要因が複合して全体としてある性質を発生させる系、全体の挙動はこ この要因や部分からは明らかでないもの。   創発   局所的な複数の相互作用が複雑に組織化   ミクロ・マクロ・ループ   全体が部分に影響を及ぼし、また部分が全体に影響を及ぼすループのこと   例としては、経済現象における国家、企業、個人の行動
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    45 2-9. 生命 生命進化のシステムバイオロジー 田中博  2015年  分子ネットワークの種類  遺伝子発現調節ネットワーク  シグナル伝達系ネットワーク  代謝ネットワーク  進化システム生物学  システム生物学  複雑系生物学  生命系「システム」概念の3つのレベル  レベル1 普遍的形式  レベル2 大域機能構造  レベル3 個別機能システム 生命発生のリアルシミュレーションはいつ?
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    46 2-10. 脳と意識、感性、創造  (1) 一日の生活 意識とは 起床   自己再認識、過去の確認、課題を確認   無意識での情報の再確認、整理(アイデア、解など)  食事   決められたものを食べ、変化が欲しければ少し考える。飽きた場合変化を求める。  仕事   課題の再認識、意識的作業なら機械的に行う。調査の作業なら調べ、読む。   考える状態なら、類推、演繹、帰納、アブダクション、抽象化、一般化を行って、文章、プ ログラム、数式を作成する。解けない場合は課題とする。解決した場合は次の課題を考える 。  作業途中   時々タイマー割り込みでスケジュール確認をする。  対話   相手の言明を意味ネットとして理解する。そして自分の解釈に対応つけて、相手に確認する。 もし、違っていればもう一度聞く。これを繰り返して相手を認識したネットワークを作る。 動物ともほぼ同じ対応。  運動   予定した運動の実行、過去の状態との比較、身体能力アップ度の評価  移動   同じコースなら予測脳的動き、知らない場所なら探索モード、必ず深さを考慮し無駄な計算 はしない。
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    47 2-10. 脳と意識、感性、創造  (2) 一日の生活 意識とはカーネルモード、無意識はユーザモード?!   スケジューラが、リソース状況を見ながら、ユーザジョブ、デバイスの状 態監視を行い、システムコールで対話する。 起床   カーネルモードの状態確認、ユーザモードジョブの状態確認、実行順番のスケジュー リング  食事   食事ジョブの実行、変化割込があれば、食事スケジューラ起動、評価ジョブ OK の場合変更  仕事   仕事ジョブの実行、 意識的作業ならジョブ内タスク実行、調査タスクなど、   熟考作業なら、類推、演繹、帰納、アブダクション、抽象化、一般化タスクを並列計算、一 定時間で割込が入り、ジョブ評価、 OK 、 NG 、ペンディング状態になる。次のジョブ起動、 N ペンディング状態ではバックグラウンドで考察ジョブが実行される。  作業途中   時々タイマー割り込みでスケジュール確認をする。必要なら状態遷移  対話   視覚、聴覚デバイスからの割込に応じて、解釈ジョブ、応答ジョブの実行。結果を感覚デバ イスに出力。これを繰り返して必要な記憶は知識ベースに格納  運動   運動ジョブ、評価ジョブ、計画ジョブ実行
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    48 2-10. 脳と意識、感性、創造  (3) 感性   五感からの入力は、 DNN で高次の概念が獲得できる。   対話に関しては、概念だけのやりとりで実現可能である。   動物はお互い五感での概念を使って対話している。ボディーラングエッジ、におい、など。   人は言語と概念を対応付けて対話を形成する。   言語と概念の対応は意識において言語化できていることから、創造性に影響している と思われる。    IoT が進むと、センサー系からの低次の情報から DNN を用いて、高度な概念への変換するこ とができる。まだ、言語と対応付けると知識ベース化できる。   センサーのカテゴリー分だけ感性が生じることになる。  創造   ユーザ空間、すなわち無意識の世界での、進化計算(突然変異、交差)を行って新しい概念 が創発されるものと思われる。   創発された概念は、まだ名前付けされていない。そこで言語化するステップが必要となる。   自然言語ではこの語彙は多義性を持つが、数学的表現はシンボル的で意味がユニークである ことが重要である。   最終的に、評価が重要で、人間の場合、生成された概念を個人の持つ世界観、審美眼で評価 している。これは遺伝子と経験・学習で形成されると思われる。
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    49 2-11. 発想系  「無意識的思考機械」 ポアンカレの「科学と方法」   「日毎日毎、机に向かって一、二時間をすごし、澤山の組み合わせを試みて、、」(意識的 未解決)   「或る夜、例になく牛乳を入れずに珈琲を飮んで、睡眠することができなかった。幾多の考 えが群がりおこって、互に衝突しあい、、」(興奮状態からの解決)   「乗合馬車に乗った。その踏段に足を觸れたその瞬間、、」(構想の思いつき)   「すべての要素は手中にある。たゞこれを集めて秩序よく並べればよいのであった。」(意 識的解決) ‘セレンディピティ 偶然の幸運  action’‘awareness’‘acceptance’ のサイクル  マインドフルネス 自分の身体や気持ちの状態に気づくために行う行為 瞑想  デフォルト・モード・ネットワーク (DMN)  無意識の思考  グリット  Grit  物事に対する情熱、継続的に粘り強く努力することによって、 物事を楽しみながら行うこと   優秀な「無意識的思考機械」を作るには、グリット的性格を獲得し、セレ ンディピティを取り入れ、デフォルト・モード・ネットワークの能力を高め 、自分にあったマインドフルネスを実行する。
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    50 3.新しい産業社会環境の動向 3-1. シンギュラリティの日までの想定シナリオ 3-2. 貨幣経済による制御 3-3.貨幣経済によらない制御 3-4. 新しい産業社会環境の構築  (2) 3-5. 電子政府化 3-6. 技術革新のスコアリング 3-7. 起業スピードとコミュニケーション 3-8. イノベーションにつながるアイデアの想起 3-9. リーン・スタートアップ エリック・リー ス 3-10. シンギュラリティからのスタートアップ方 法 (2)
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    51 3-1. シンギュラリティの日までの想定シナリオ  技術的失業   新しい技術の導入より雇用が奪われ失業者が増加すること バックキャスティング的テーマ  2025 年ごろまで     技術の加速度的進歩はあるが、まだ貧困層が存在する。      AI 化、ロボット化で技術革新で業種、職種の再編が起こる。  2035 年ごろまで     加速度的進歩で雇用の選択がおこり、 10 %の人の生産で全てまかなう時代。     国、政府が新たな富の分配制度を作る。     貧困層の消滅。  2045 年ごろまで     生産がほぼ自動化され、人類は働かなくてよい時代     貨幣経済が残る世界(スターウォーズ的)、     消滅するかは(スタートレック的) ??  三つの遅れる可能性チェックポイント  ハードの指数関数的進歩の鈍化  ソフトの性能向上が指数関数的進歩を助けることができるか  人がどこまでAI技術にたよるようになるか?脳の可塑性適応のスピード
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    52 3-2. 貨幣経済による制御  シンギュラリティへのハードランディングor ソフトランディングシナリオ   井上智洋 / マクロ経済学    http://synodos.jp/economy/11503/2  ハードランディングシナリオ   長期的には、肉体労働も創造的労働も、ロボットやコンピュータに奪われていくが、減り続 ける雇用の争奪戦に人々が勝ち残ることを目指す「バトル・ロワイアル」状況   すなわち、モノ・サービスを得るためにより創造的労働に移行する方法  ソフトランディングシナリオ   ベーシックインカムを与えることによって、働かなくても消費できる、すなわちモノ・サー ビスを得ることができる政策  ベーシックインカム( BI ) (1) 「社会保障制度としての側面」:生活に最低限必要な所得を国民全員に保障する制度   「固定 BI 」:税金を財源とした生活保障のために一定額給付されるベーシックインカム (2) 「国民配当としての側面」:マネーの量を増やし続ける政策   「貨幣発行益の国民配当」中央銀行が発行するマネーを直接、家計(消費者)に行き届かせ 、 消費需要を増やす政策   「変動 BI 」:貨幣発行益を財源とした景気安定化のための国民配当
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    53 3-3. 貨幣経済によらない制御  貨幣評価   AI 化で世の中が豊かになると、モノ、サービスの貨幣評価はますます難しくなる 。   需要と供給のミスマッチ、供給がありすぎて、価格がつかない。    AI 化で複雑なサービスの場合評価計算にコストが生じる。  空家問題と生活困難者   田舎では、空き家は売れなく、貸せない状態   生活困難者は、賃貸料が負担  貨幣使用ケース   政府は空き家を強制的に買い上げ、そして生活困難者に配布   空き家所有者には、維持コストを請求  物々交換ケース   空き家所有者と生活困難者で直接交渉できる仕掛けを作る   お金に換算するコストを低減   空き家の査定などは、場所、住居の状態、トレンドなど評価が非常に難しい
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    54 3-4. 新しい産業社会環境の構築  (1) 経済指標詳細化の徹底   日本は経済大国のわりに、経済指標がいい加減という話を聞く。この測定に人件費をかけて いない?   経済指標作成関係者を増やすことは、創造的な仕事を増やし、経済波及効果が大きいと思う 。   またビッグデータアプローチが浸透し、評価についての市民の意識が高まる。    IoT 化で自動的にミクロ経済のモニタリングとマクロ経済指標計算を行う。  参加型オープンデータ促進と住民意思決定支援   広く、エンドユーザ、住民に理解促進を行う。   そのための手段、広報は、 ICT が必要不可欠、 ICT リテラシーが低水準なため、リテラシー 教育も同時に実行する。   国<=>自治体(都道府県、市区町村)<=>高中小校区<=>自治会    #もちろんこれ以外の組織ネットワーク存在する。   の連携を密にして、自治会(数百人規模)でのアイデアソン、ハッカソンを行う。   そこでの内容は、街づくり的なテーマから幸福、経済、政治活性化、原子力、バイオ、 AI な どの脅威問題も広く考える。   そして、テーマに必要なツールなどを ITC で示しながら、その使い方もいっしょに説明する 。   この動きに必要なファシリテータは、意識を持った有識者からスタートする。   コンテストなどは、そのイベントの中でテーマとして上げる、自治会単位で参加の盛り上げ が起こり、関係者で継続的なアイデアソン、ハッカソンが自律的に行えるようになる。
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    55 3-4. 新しい産業社会環境の構築  (2) 中高学校でのオープンデータを使った政策提言アイデアソン   経済、政治、社会関連のオープンデータを使って、   中学、高校へ、研究者、政治家、官僚の人たちが出向き、   マニフェストに関するアイデアソンを行い、   中高生の人たちに政策提言指導  教育の効果   戦前の教育、イスラム国の教育のように 3 年で考え方は変わる。   北欧系は民主教育することで知的な国民を育てている。
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    56 3-5. 電子政府化  行政:徹底した国民サービスの最適化   システム化が進行、行政サービスの最適化の実行が進む。   立法に基づき、効率化を進めることが目的となるので、   様々な、マクロ指標、ミクロ指標が、モニタリングできるようになれば、   その目的において実行手段はプランニング可能となる。   GDPプラス、GDPナウのように詳細化、リアルタイム化が促進される。 司法:ルールに基づく正しい判決   法律体系の全有史以来人類の法律を DB 化し、現状の社会情勢をかんがみ、   判決を決定すればよいので、徐々に人を超える司法システムが構築される。   もちろん、最初は裁判官の補助、人の心の機微まで考える AI システムに最終的移 行する。分解能は人の心を人以上に理解できること。  立法:民意を汲み取り、法案作成し、効用をシミュレートし、国民判断   国民の現状と夢を分析して、適切な法案を作り、その法案をシミュレーションし 、   実現可能性について吟味し、段階的に詳細な法律の策定を行う。   一番計算時間が必要となる。   立法=>行政=>司法の PDC サイクルが形成される。
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    57 3-6. 技術革新のスコアリング 米国ラボ・コンソーシアム  以下の 5つのカテゴリーに 1-5 ( 低から高 ) のスコアをつける   特定された商業用アプリケーション   技術の開発状況   所有権の状況   特許の状況   市場やパートナーに対するアクセスの容易さ NASA の SBIR 提案書  すべて標準化されたクライテリアをつかってスクリーニングされる   科学的および技術的メリット   技術開発者の経験、能力・資格、施設   提案された実施計画の有効性   商業的なメリットと実現可能性 スクリーニングとスコアリングは、ビジネスと技術の両サイドの人材チーム で実施  クライテリアは以下の 4 つのカテゴリーに 1-5 ( 低から高 ) でランクされる   企業/発明者の商業化の経験   商業化の対象となる潜在的な市場
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    58 3-7. 起業スピードとコミュニケーション コミュニケーションとは進化計算における立案と評価を独立にし、 それを繋げる役割としてここでは定義する。 立案と評価をメッセージで伝達するとその伝達スピードが速いものが勝つ。  物理の世界 19世紀ぐらいまでは、理論と実験は一人が行っていた。スピードアップで役割分担が起こった 。 理論物理と実験物理  理論の世界(数学、物理)では競争が激しくなり、一人の天才よりは、  複数の天才チームの方が早く発見できるという流れになった。  ・統合失調症タイプの天才    脳に複数の立場を形成できてそこで議論する。統合失調症タイプは人と話せない。  ・双極性障害タイプの天才    人との対話を重視する。そこでコミュニケーションをとり議論する。    双極性障害タイプは躁期に人と話、うつ期にこもる。  量子力学、相対論以降ではこの傾向が顕著になった。  起業の世界  一昔前は、技術と財務、技術と営業のペアで創業する場合が多い。(本田、ソニー、、)  アメリカのITでは、やはり二人組 (マイクロソフト、アップル、グーグル、、)  今後は、ソフトを使った一人起業化の時代?   情報収集、アイデアだし、最後の企画だけを人が行い。   その後の、資金繰り、人手配はシステムに任せる時代になる。
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    59 3-8. イノベーションにつながるアイデアの想起  DualInsight ( ニーズ・シーズ )  セレンディピティ  人との対話  思考実験  オズボーンのチェックリスト(発想のヒント)  ブレインストーミング  ヤング「アイディアのつくり方」  TRIZ: 発明的問題解決の理論  ビジネスモデル・キャンバス      9 つのブロックを一枚の紙で配置し、すばやく、わかりやすく     ビジネスモデル作成する方法      顧客セグメント、価値提案、チャネル、      顧客との関係、収益の流れ、リソース、      重要な活動、パートナー、コスト構造
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    60 3-9. リーン・スタートアップ エリック・リース  戦略は仮説に基づいている 分析のやり過ぎはよくないが、やらなければまた失敗する。  実用最小限の製品  錬金術から科学へ  実験は製品である  一見つまらない経理で世界が変わる理由  革新会計の機能-学びの中間目標 3 種  IMVUにおける革新会計  最適化 vs 学習  虚栄の評価基準-警告をひと言  行動につながる評価基準 vs 虚栄の評価基準  エコシステム形成が最も重要
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    61 3-10. シンギュラリティからのスタートアップ方法 (1)  業種による創立者パターン  MBA系:組織論、財務、営業の知識がある。  ソーシャル系:社会構造のニーズに敏感で、知識がある。  ICT・技術系:最先端の科学・技術に詳しい。 クラークの産業分類  第一次産業     - 農業、林業、水産業、鉱業      MBA系がまず起業化に有利、次第に、ICT・技術系が出てくる      可能性あり。最近は AI 農業が盛ん。  第二次産業     - 製造業、建設業、工業生産、加工業      MBA系&技術系、次第に、ICT・技術系が出てくる可能性あり。      ロボットによる自動生産がまず想定される分野     - 電気・ガス・水道業      MBA系&技術系、次第に、ICT・技術系、ソーシャル系が      出てくる可能性あり。      スマートXXから複合サービスの時代へ
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    62 3-10. シンギュラリティからのスタートアップ方法 (2)  第三次産業    - 情報通信業      ICT・技術系が有利、日本の場合まだMBA系余地は十分ある。      しかし最終的にはICT・技術系      なぜなら、技術進化が加速するため、できた技術に      即起業化の時代になる。     - 金融業      体質が古い場所はMBA系、バックエンドの性能が重視されるため      最終的にはICT・技術系     - 運輸業、小売業、サービス業      MBA系&技術系、次第に、ICT・技術系、ソーシャル系が      出てくる可能性あり。 魔の川 ( アイデア ) 、死の谷 ( 実用化 ) 、ダーウィンの海 ( 市場 )
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    63 最後に  サイバー絆研究所では「参加型ヘルスケア研究会」を発足し ます。  LODチャレンジ 2015 が開始されます。    オープンデータで を にするシンポジウム参加型 日本 元気     2015/09/26 ( 土 ) 13:00 - 18:00    申込サイト     http://peatix.com/event/113007
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