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電子出版と電子書籍の2015年
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本日は、
電子出版と電子書籍制作の2015年を
専門出版社目線を中心に振り返り、
さらにWeb制作者の皆さんと
電子出版の接点について考察します。
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馮 富久
ふぉん とみひさ
株式会社技術評論社
Twitter:@tomihisa
自己紹介
1975年横浜生まれ
1999年芝浦工業大学大学院修士課程修了
1999年株式会社技術評論社入社、今に至る。
『Software Design』『Web Site Expert』編集長、
gihyo.jp立ち上げ、現在はGihyo Digital Publishing責任者。
(社外では)
電子書籍を考える出版社の会代表(二代目)、
WebSig24/7モデレーター、TechLIONプロデューサーなどなど。
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まにフェス
2年ぶり2回目。
電子出版・電子書籍とコミュニティの話
出版社クロストーク!
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2010年
iPad登場
タブレットがみんなの手元に届いた!
これでいろいろなコンテンツが作れる!
電子書籍もブレイクだ!× 簡単に(思い描いた電子書籍は)
作れなかった……
たとえばこれ ↓
インタラクティブ!
リッチ!!
すげー!!!
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2010年
・一般社団法人 日本電子書籍出版社協会
・電子書籍を考える出版社の会
・電子出版・制作流通協議会
・ブックリスタ設立(SONY,凸版印刷,KDDI,朝日新聞社)
・honto(大日本印刷)
・BookWebPlus(紀伊國屋書店)
・BookGates(廣済堂)
・パブー、達人出版会 ほか
各種専用端末も
登場!!
それでも日本の出版業界の
意識は変わりました
各種電子書店のオープン、
団体設立,企業の参入
などなど
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2011年
HTML5の台頭
・Webと同様の情報構造・情報設計
・CSS3を利用したスタイル
・EPUB3によるパッケージ
・Web Open Font Format勧告
→各種プラットフォーマーがEPUB3への
対応(準拠)を表明し始める
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2011年
Gihyo Digital Publishing
スタート
(2011年8月29日)
オープン当初は,
EPUB(2点、オリジナル)と
PDF(5点、雑誌バックナンバー)
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2012年
日本の電子出版業界、
“真の”幕開け ブレイクスルーな
出来事が
いっぱい!!
・楽天Koboストアオープン(7月19日)
・Google Playブックスオープン(9月25日)
・Amazon Kindleストアオープン(11月8日)
・KADOKAWA BOOK☆WALKER、EPUB3対応(12月6日)
・BookLive!専用端末&リニューアル(12月10日)
・インプレス Next Publishing(1月10日)
(こちらは2013年)
・Apple iBookstoreオープン(3月6日)
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大きな風穴を開けた
楽天
サービス時の
ソフトウェアのクオリティは低かったが、
日本の企業として、
Amazonよりも、Googleよりも、
Appleよりも先にストアオープン
対出版社の動きは大きな功績を
残している(個人的見解)
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2013年
電子書籍が”売り物“として
認識されはじめた年
・各種調査結果で、電子書籍を読んだことがあると回答した人が増えている
56.8%(MMD研究所)、34.3%(インターネットコム&gooリサーチ)、
30%強(BookLive!)などなど
・キャンペーンを利用した電子書籍販売展開がスタート
・LINEマンガサービスインによる既存スマホユーザへのリーチ
・リアル書店との連動(honto、空飛ぶ本棚 sky storage serviceなど)
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2013年
これまでに比べて
概念的・周辺的なトピックや
複合的な話題が多くなってきた
→ビジネスとしての成熟
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2014年
・電子書籍のみの市場が1,000億円を超えた
・出版社がサイマル出版に取り組む(紙と電子の同時発売)
・読み放題サービス(電子雑誌関連)が増える
・マンガ無料サービス立ち上がり
出版ビジネスの中における
電子出版のステージが上がった。
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2015年
市場規模拡大
・電子出版市場が
1,800億円を超える見込み
↓
統計数値で見ると初めて
出版市場の10%を超える
2014年:
紙 :1兆6,100億円
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2015年の主なトピック
・『火花』が10万部突破(2015年12月で13万DL)
・NTTドコモ「dマガジン」、160誌、250万ユーザ突破
・コミック関連が2014年に続いて好調
『comico』(1,000万)、『マンガボックス』(900万)、『少年ジャンプ+』(450万)
『MangaOne』(150万)、『LINEマンガ』(1,000万)
・リアルと電子のセット
紙の書籍の購入者に電子版をプレゼント(あるいは割引販売)
BookLive×TSUTAYA:Airbook、honto:読割50
・電子書籍のセット販売
Kindleまとめ買いコーナー、hontoセット商品
・電子図書館の動き
・オーディオブック(Audible)の参入
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専門書出版社としての2015年は……
・サイマル出版の整備
・オリジナルコンテンツ展開
・POD?
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専門書籍の紙と電子(その1)
・最近は電子のほうが売れるタイトルも出てきた。
(ただし、新刊については時間を置いて判断)
・電子版を出すならサイマルがオススメ
(読み手の属性として電子購入希望者が多い)
・さらにリフロー型EPUBがベター
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専門書籍の紙と電子(その2)
・法人案件(問い合わせ)が増えている
(ライセンス条件の整備が必要)
・さらにサブスクリプションモデルが必要?
・決済手段の多様化(内部と商慣習の問題)
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読者動向について
・アンケートの数が減っている
(昨年は半期あるいは四半期に一度、
書店が積極的に行っていた)
・今年は全然行っていない(非公開?)
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2015年10月21日 楽天リサーチ株式会社 読書に関する調査
===========================
【調査概要】
調査エリア :全国
調査対象者 :20歳~69歳 男女
回収サンプル数:1,000サンプル
調査期間 :2015年10月2日から10月4日
調査実施機関 :楽天リサ-チ株式会社
===========================
利用率は
24.2%
(2014年は24.5%)
20~30代:平均34.0%
40~60代:平均17.7%
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電子書籍を読む端末
(直近 1 年間で、電子書籍を読んだことがあると回答した人 n=242)
スマートフォン(43.4%)
タブレット(25.2%)
ノートパソコン(12.4%)
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電子書籍を電車の中で読む端末
(性別/年代別)
スマホ:35%
タブレット:10%
スキマ時間を
狙えるコンテンツの
必要性。
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電子書籍を会社・学校で読む端末
(性別/年代別)
スマホ:20%
タブレット:8%
PC:7%
おそらく
専門書はPCの比率が
高い(予想)。
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専門書籍の紙と電子
~2016年に向けて
・ニッチ情報の電子書籍化
・そろそろ電子→紙の動きがあるかも
・デリバリーの変化
・個人的に書籍検索と販促の強化に
取り組みたい
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Web制作に関わると
電子書籍の
・読者
・執筆者
・制作者 ←電子出版ならでは
になれます。
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■EPUBとは?
・電子書籍標準規格の1つ
・IDPFがリードし、現在3.0が正式版
となっています
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■EPUBのファイル構造
XHTML形式の内容を、ZIPで圧縮し、
拡張子を.epubに変えたもの
つまり、中身はWebページに ≒ です
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<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<!DOCTYPE html>
<html
xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml"
xmlns:epub="http://www.idpf.org/2007/ops"
xml:lang="ja"
class=""
>
<head>
<meta charset="UTF-8"/>
<title>改訂新版jQuery本格入門</title>
<link rel="stylesheet" type="text/css" href="../style/style.css"/>
</head>
<body class="page" epub:type="bodymatter">
<section class="main">
<h1>Part1 マークアップ編</h1>
<h2 id="Index_id_4"><span class="num">1-1</span>
要素の階層構造を理解する</h2>
<p>jQueryは、HTML文書内の要素を変更したり、HTML文書に新たな要素を追加したりする処理を効率的に…
本文ファイルの中身(.xhtml)
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■EPUBの分類
コンテンツの性質から見ると、
リフローとFixed
という2つの分類に分けられます
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Fixedリフロー
ユーザ自身が文字サイズや
縦横を変えられる
デバイスにかかわらず、
レイアウトが固定されている
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EPUBを制作するために
覚えなければならないこと
・基本的にはXHTML、CSSの知識
・加えて「書籍」の構造の理解
・実機検査 ← これが一番大変
・メンテナンス(ソフト/ハード)
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現状、紙の書籍の電子化とは
↓
印刷向けに作ったデータを
デジタル向けに作ること
作り直すこと近い将来
変わっているかも
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紙の本の特徴
・著者 / 編集者 / デザイナーの意図を
読者に伝えやすい
・紙の書籍は読者に読み方を強いる
レイアウト固定
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紙→電子化の問題点
・レイアウト固定をどう扱うか?
(今の)解決策
情報構造を一致させる
≒見た目重視(だけ)ではない
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現時点では
InDesignで制作したデータ
またはPDFから
作り直している
↓
意味ないデザインは
なるべく使わない
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現時点で
グラフィックデザイナー
DTPオペレーター、編集者に求められること
・本(文章構造)を理解する
→編集力
・HTML(Web)の基礎知識
読み手ごとに
見え方が異なる
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企画~入稿、校了(このあとは印刷製本)
↓(発売まで約2週間)
サイマルで出版するには、
この2週間でEPUBデータを作成する
必要がある
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・紙→電子
本の特徴を再考する
(リフロー/Fixedの判断)
・制作~販売関係者
のコミュニケーション
電子出版業界の
課題
出版社内部の
課題
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・紙→電子
本の特徴を再考する
(リフロー/Fixedの判断)
・制作~販売関係者
のコミュニケーション
電子出版業界の
課題
出版社内部の
課題
いずれは紙・電子の
共通制作フローへ
移行したい
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次の5年に向けて
~良質な電子書籍の提供
・制作体制の強化
・販売戦略の向上
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(次回お呼びいただくことがあれば)
そのときは、
電子出版・電子書籍が
特別な扱いになっていない
時代を目指したいです。
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ご清聴、
誠にありがとうございました
Twitter :@tomihisa
メール :tomihisa@gihyo.co.jp
19:00~、3F(ここ)で
TechLIONやります!
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ご清聴、
誠にありがとうございました
Twitter :@tomihisa
メール :tomihisa@gihyo.co.jp