3. スクラム開発の歴史
u The New New Product Development Game
ü 1986年、野中郁次郎と⽵内弘⾼がHarvard
Business Reviewに掲載された論⽂
Ø 新製品開発のような不確実性の⾼いプロジェ
クトは、リレー形式(図中のType A)で⾏う
のでは変化に対応できない
Ø ラグビーのようにチーム内でパスを回し合い
ながら(図中のType C)、スピード感を持っ
て⾃律的に⾏動していく必要があると説いて
いる
u アジャイルソフトウェア開発スクラム
ü 野中⽒、⽵中⽒の論⽂に着想を得て、Ken
SchwaberとJeff Sutherlandが1995年に
OOPSLAカンファレンスでスクラムを発表
Ø Jeff Sutherlandはその後、2001年のアジャイ
ルソフトウェア開発宣⾔の場にも参加してい
る
Ø 2010年にScrum Guideの初版が制定され、ス
クラム開発の原則はこのScrum Guideに則って
いる
4. スクラム開発とは︖
u Scrum Guideで定義されたスクラム開発
ü 優先度の⾼い機能から順次開発・順次リリースする
ü 途中で必要な機能が変わった場合も柔軟に対応する
ü 開発チームが⾃律的に⾏動する
プロダクトオーナー スクラムマスター
開発チーム
スクラムチーム
今までの開発とは異なる
役割・⾏動が求められる
5. WF開発とスクラム開発の違い
u ウォーターフォール開発(WF開発)の場合
ü 最初に期間(開発総期間)を確定する
ü 最初にコスト(開発総コスト)を確定する
ü 最初に全機能を確定する
Ø お客様・開発会社間は請負契約を結ぶ
(成果物の納品によって、報酬を頂く)
u スクラム開発の場合
ü 最初に期間(エンジニアのアサイン期間)を確定する
ü 最初にコスト(エンジニア費⽤)を確定する
ü 最初に全機能を確定しない
Ø お客様・開発会社間は準委任契約を結ぶ
(エンジニアの稼働によって、報酬を頂く)
12. u ウォーターフォール開発の場合
ü ケーキの完成形を最初に確定する
ü ホールケーキとして最後にまとめて受け取る
ü 受け取ってみて、違うケーキが必要だったり、必要な量が変
わってしまっていた場合でも、渡しているケーキが最初に確
定した完成形の通りなら途中で変更できない
Ø どうしても変更したい場合は追加費⽤を頂く
u スクラム開発の場合
ü ケーキの完成形を最初に確定しない
Ø 完成形の確定はしないが、完成形の予想はしている
ü カットケーキとして順次⼩さく受け取る
ü 受け取ってみて、違うケーキが必要だったり、必要な量が変
わってしまった場合でも、途中で柔軟に対応する
ケーキの例のポイント
14. スクラム開発への疑問と回答
u 開発費⽤について
ü 「スクラム開発だから安くなる」ということは無い
ü 無駄なものを作らずに済んだことで、結果的に安く済む可能性
はある
ü 逆に、本当に作りたいものが途中でわかって、結果的に当初の
想定よりも⾼くつくこともある
u 契約形態について
ü スクラム開発を⾏う場合、頻繁な変更を容認するため、基本的
には準委任契約でないとできない
ü ⾦額と成果物が明確でないと依頼できないというお客様の場合
は、請負契約のWF開発でやりましょう…
u 結局のところスクラム開発のメリットは何か
ü 価格が安くなることは無い
ü 環境や要求の変化に柔軟に対応できる
ü 動くソフトウェアを⼩さく・早く届ける
Ø 早く使い始めることができる
Ø 早くフィードバックを得ることができる