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認知症の人にやさしい
交通のあり方
〜イセハラ・ストーリーを考える〜
DFJI交通プロジェクト
前田亮一
平成29年2月28日 東海大学医学部付属病院 認知症研修会
テーマ
認知症の人にやさしい交通
先進事例の特徴
社会実験を行うためのポイント
日本での認知症国家戦略
 2015年1月に新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦
略)が策定され、「認知症高齢者等にやさしい地域づく
りに向けて」が明記
 2016年9月には(G7)保健相会合が行われ、認知症患者
の「生活環境の改善」を目指した対策に乗り出すとした
神戸宣言を採択。
認知症の人の外出に関する課題の整理
コミュニティケアの地域の新しい課題である
医療・福祉
行政
医療・福祉
行政
地域住民
交通事業者
本人・家族
企業
施設(完結)ケア コミュニティケア
認知症にやさしい交通の定義
「認知症になっても好きな時
に行きたい場所へ行くことが
できる」
効果判定
「生活環境の改善が図れてい
るか?」「本人が望む生活環
境か?」
認知症の人にやさしい交通の定義
問いと目標の共有
現状では、解決に向けた動きはまだ十分に進んでいない。
関心は高いのに進まないのはなぜか?
→きっとそこには特有の難しさがある。
目的
• 小さくはじめの一歩を踏み出す
 考える、共有する
• イセハラストーリーをシェアする
社会実験 地図 パズルのピース ストーリー
➕ ➕ =
制限される高齢者の外出状況の整理
考察:悪化する生活環境
活動制限という対処療法:環境が未整備であり生活がますます制限される。
免許返納メリットも解決には至らないものが多い。
当事者 制度・サービス
公共交通機関 ・不安や困難のため利用で
きない
・インフラ未整備で目的地
まで行けず
・徘徊対策(SOSネット
ワーク訓練等)
自動車 ・やむなく利用
・高齢者数増加による事故
件数増加
・事故件数の減少
・免許証の自主返納制度と
特典
結果 ・外出手段がなくなる
・心身機能低下
・介護サービス増加
・配送サービス需要
自主返納制度の特典の例(地域ごとに異なる)
引越し料金の割引、補聴器等の割引、美術館の入園料を割引、温泉施設の
割引、市営バスの乗車運賃半額、福祉タクシー券の配布、タクシーの乗車
運賃1割引
⑴コンセプト
現状に即した安全管理の名の下の対応
当事者の生活環境は改善しているだろうか?
共感や理解がない中での対策は環境を悪化させる。
その多くは社会と認知症当事者の信頼関係の希薄化
によるものではないか?
現状の日本の交通施策
現在の問題解決方法のデザインを
考えて行く必要がある。
その一つの提案として
ウォーム・デザイン
⑴コンセプト
厚労省による認知症高齢者数試算(平成22年)
出典:厚生労働省
重症度別の認知症高齢者数
MCI
約380万人
軽度
約160万人
中~重度
約280万人
A
B
C
D生
活
機
能
認知機能
(厚労省資料を基に改変)
特にサポートを必要としているのはMCIと軽度当事者
⑵セクター調査
公共交通機関を利用した外出状況の整理
(周囲は心配だが)
外出をよくしている
日常的に外出を
頻回に行っている
支援者の協力で
外出を行っている
不安が高く外出が
億劫になっている
A
B
C
D
外出をしている
外出をしていない
機
能
が
高
い
機
能
が
低
い
出典:DFJI⑵セクター調査
軽度認知症当事者の外出頻度
毎日の外出は9割の方が実施
1人で公共交通利用は2割
出典:DFJI⑵セクター調査
軽度認知症当事者の生活活動頻度
日常生活であまり行えていない活動 特徴
1位:旅行
2位:読書
2位:交通機関利用
4位:趣味
5位:外出
6位:買い物
7位:力仕事
7位:食事の用意
9位:食事の片づけ
10位:洗濯
11位:屋外歩行
12位:掃除や整頓
ほぼなし(0.6点)
半年に2回程度(1.4点)
月1回程度(1.4点)
月1回程度(1.5点)
月1回程度(1.7点)
月1〜3回程度(2.0点)
月1〜3回程度(2.3点)
週1回程度(2.3点)
週1回程度(2.4点)
月1〜2回程度(2.5点)
月1〜2回程度(2.7点)
週1回程度(2.7点)
・散歩にはほとんどの
方がでているが公共交
通機関利用者は少ない。
・約束を必要とする定
期的な外出が少ない。
・趣味や楽しみの機会
が少ない。
・散歩の意識はとても
高い。
Frenchay Activities Index を使用して分析する。
0〜3点の4段階にて評価する。3点に近いほど
高頻度に実施している。
対象者:認知機能HDSーR 15.12点(N=13)
出典:DFJI⑵セクター調査
時期別のサポート体制の一例
MCI
約380万人
軽度
約160万人
中~重度
約280万人
A
B
C
D生
活
機
能
認知機能
環境を整え、
一人で外出継続。
外出機会減少に注意。
相談窓口を紹介。
ヘルプを出せる
環境。早期に
パートナー等を
提案。
パートナーと共
に楽しい外出の
機会を作る。
出典:DFJI⑵セクター調査
なぜ社会実験が必要なのか?
合意形成
社会実験
開始
プログラム立案
関係セクターに対して、
どのように関わってもらうか?
配慮すべきポイントは?
どのように進めて行くか?
何を目指していくか?
⑵セクター調査
イギリスでの交通の取り組み例
バスで行き先を示すヘルプ
カード
鉄道警察による当事者ツアー
教会での休憩所 係員によるサポート
イギリスの認知症国家戦略における交通の取り組み
自治体(自主的)
Dementia Action Alliance(DAA)
アルツハイマー協会
Dementia Friendly Community(DFC)
政府
国家戦略「Living well with Dementia」
DAA
交通
企業
企業
企業
企業
企業
統制型・ネットワーク型・ローカル型
が一体的な取り組み
公共交通を利用したSOSネットワーク訓練
(京都市岩倉地区)
<行方不明者役の設定>
女性 58歳 若年性認知症
本人は認知症になっても閉じこもらず、
外出を続けたいという思いがあり、ヘル
プカード・ヘルプマークを活用し積極的
に外出を続けているという設定。
出所:岩倉包括支援センター(2016年)
<取り組みの概要>
 京都市交通局との初めての取り組み
 実施までおよそ半年間の準備。
 参加者総勢30名程:警察、京都市長
寿福祉課、交通局、区長、民生委員、
社協、包括、学生、住民、認知症本人
と家族の会など左京区の関係者
⑵セクター調査
SOSネットワーク訓練の内容
バス車内での声かけ訓練
左京区事業者連絡会
メーリングリストでの情報伝達訓練
乗客・京都市バス・警察署による
連携訓練
訓練終了& 反省会
出所:岩倉包括支援センター(2016年)⑵セクター調査
交通プロジェクトの行動指針
外出ツアー
(エスノグラフィー調査)
交通の指標
ワークショップ
認知症サポーター養成講座
認証制度化
⑶DFJI交通プロジェクト
 リーダーのA氏は最近まで電車に乗りよく友人と待ち合わせてお茶をしに行っ
ていたが、最近は交通利用に不安を感じ、外出をしなくなってしまった。
 定期入れにSuica、シルバーパス、家族の住所と連絡先を書いた紙が入れてあ
り、日頃より考えていたことが伺われた。多くの方が定期入れはバックの
チャック付きポケットに入れている。
 見覚えのある場所ではそれについてのエピソードを話されていた。
 同行の車椅子の方を見て駅員は「案内しましょうか」と声をかけてもらった。
「あんみつツアー:エスノグラフィー観察調査」
⑶DFJI交通プロジェクト
「認知症にやさしい交通の指標」の作成(平成28年9月4日 DFJS2016にて)
「認知症にやさしい交通をまずはイメージしてみる」
指標PJの河野さん(筑波大)とのコラボ
参加者:60名(企業、医療・福祉、大学・研究、メディアなど)
テーマ:自宅からバスにのって目的地まで安心して出かけられる。
ワーク1:まず困りごとの軸を発見する
ワーク2:次にその軸に対して、認知症にやさしい解決策を段階付
けて指標化をする
「認知症にやさしいバス」の5つの軸
運転手
バス停
車掌
バス内の表示
乗客間のコミュニティ
⑶DFJI交通プロジェクト
指標の一例
指標のアクションの特徴
関心
ゼロ
気づく
アクション
を始める
アクション
を広げる
交通会社以外の
人と共にアク
ションを広げる
⑶DFJI交通プロジェクト
1 2 3 4 5
バス停:
正しいバスにの
る
正しくわかりやすく路線
図・時刻表が書いてある
バス停、路線図の周辺の情
報がわかる
行き先を伝えれば、乗るべき
バスと何分後に来るかを教え
てくれる
行き先を伝えれば、乗るべ
きバスと何分後に来るかを
教えてくれる
コミュニケーションできる
バス停(目的地を案内、戻
り方を教える)
魅力あるバス停
づくり
バス停かどうかわからない
バス停の表示があり、看
板・ベンチ・屋根がある
案内表示が地図・文字・写真
である
バス停の看板がペッパー君
が会話をして教えてくれる
人が集うバス停(猫バス停
留所)
行き先がわかり
やすい
バスの行き先(終点・路
線)が書いてあるだけ
停留所が全て書いてある
(文字)
視覚的に地図と停留所が書い
てある(絵と文字)
タッチパネルと音声で教え
てくれる
多色の紙と同色のバス停、
乗るバスになる。運転手に
わたすと目的地でアナウン
スしてくれる
乗車:
行き先がわかり
やすいバス
バス停にある表示:自分で
見てもわからない
停留所表示を大きくする バス停のカラーもオレンジに
直通電話
タッチパネル
レシート出力機能
バスとバス停のカラー統一
大きい車体表示
ペッパー君
運転手 ・会話ない、配慮ない
・話しかければ教えてくれ
る
・運転手から声をかけてくれ
る
・知識を持って対応する
・他の乗客と一緒にサポー
トする
いきたい所がわ
からなくなって
も安心できる
・何も聞かない、声をかけ
ない
・不安そうな人がいること
に気づく
・困っている人に声をかける
「どうしましたか?」
・行きたいところを引き出
すことができ、そこを教え
てくれる
・困っている人の周囲の人
に連絡をとってつなげてく
れる
やさしい運転手
さん
・話しかけづらい ・聞かれたら答える ・話しかけてくれる ・顔見知りになる
・周りの人(客、タクシー、
サポートセンター)も助け
てくれる
声がかけやすい
バス
・安全第一
・認知症の人がいるかもし
れないと思っている
認知症にやさしいバスと言っ
てくれる
・受け手の立場になって話
してくれる
受けての立場になって話し
てくれる
安心して(気持
ちよく)帰れる
バス
帰れない誰も知らせてくれ
ない・終バス行ってしまう
帰りが不安な人は運転手に
聞いてくださいというポス
ターがある
バス停に聞くと(人が立って
いる)帰りの時間を教えてく
れる
至る所に帰りのバスの時間
をアナウンスしている
呼ぶとバスが来る
乗客同士のコ
ミュニケーショ
ン
邪魔者扱いされる 他の客が待ってくれる
乗っている人同士がお互い
を気遣いして、困っている
人をサポート
セッションで作成された指標(素案)
課題解決に向けた地域の理解を得るプロセス
社会実験
認知症の歴史・
コンテクスト
当事者
住民 行政
交通
事業者
その街の歴史・
コンテクスト
まちの機能の向上
QOL QOC
⑴コンセプト
コミュニティ論からみた認知症の課題の整理
サステイナブル・コミュニティ
環境
経済
社会
認知症にやさしいまち
図書館
教育
他
認知症にやさしい交通
鉄道 バス 車 他
⑴コンセプト
2つの質で環境を評価する
 QOLはQOCと密接に関係しており、地域レベルの質を高め
ることが、個別レベルの生活を満足させていく
 魅力ある地域には魅力ある人材が集まり、戦略的に実践をし
ている地域も多い
 定常型福祉社会におけるセーフティネット機能がその人を初
めから「コミュニティそのものにつないでいく」
QOL
個人の生活の質
QOC
地域コミュニ
ティの質
生活環境改善に向けた2つの問題意識。1点目は「対立関係の社会
調和」であり、社会の責任が曖昧になりステークホルダーの関係性
が対立している状況をどのように調和を図るか。2点目は「強みの
テコ入れ」であり、認知症の人が安心して過ごせることがどのよう
にまちの強みとして住民やセクターが理解し、より積極的な活動に
発展させるか地域の意味づけや定義づけが必要。
⑴コンセプト
交通事業者へのアンケート結果
3
9
3
5
具体的な指標や行動指針
認知症に関する勉強会
当事者と関わりあう機会(バスツアー…
地域や当事者を含めたワークショップ…
わからない
その他
0 2 4 6 8 10
2ー3:取り組みを行ううえでどのようなサ
ポートや活動の場が欲しいと思いますか?複
数回答
39%
61%
2ー1:勤務中に対応など困ったことはありま
したか?
毎日ある
毎週ある
月一回程度ある
年に数回程度ある
困ったことはない
事業者はほぼ困ったことがない状況の分析
・安全な業務遂行のため周囲へ配慮できない
・当事者は認知、心理面で助けを呼べない
→まずは困りごとに気付ける体制が重要
出典:DFJI⑵セクター調査
行政の現状
 後方支援の取り組み
• 企業などへの認証制度
• 認知症サポーター養成講座の推奨
 認知症×交通
• 認知症施策、交通施策は別で行なって
おり、各課横断の取り組みは少ない。
⑵セクター調査
統制型
ネットワーク型
ローカル型
• 方向性と資源の確保
• 新オレンジプラン
• Living well with Dementia
• 知識の創造と拡散
• DFC
• DFJI
• 知識の実践と蓄積
• 認知症キャラバンメイト
• 認知症フレンドシップクラブ
組織活動内容による類型化
⑵セクター調査
政策・地域外地域(内)システム
認知症に人にやさしい交通システム案
知識の創造と拡散
(アイデアの創造、認知症の理解、評価指標・
エビデンス、ネットワーキング)
イギリスアルツハイマー協会
日本認知症ワーキンググループ
DFJI
知識の実践と蓄積
(リーダーの育成、セクターのコミットメン
ト、当事者の声への共感、強い行政、共通価
値)
DAA(英)、地域包括支援センター
WHOエイジフレンドリーシティー
認知症サポートキャラバンメイト
国の後方支援
新オレンジプラン
地域包括ケアシス
テム
別の地域の
システム
知識、資源、人的資本の
フロー・相互作用
政策への
反映と制
度的後押
し
地域間の
密なコ
ミュニ
ケーショ
ン
社会実験に至るプロセスの分析(岩倉の事例より)
きっかけ SOSネットワーク訓練について検討
コンテキスト 京都では公共交通を利用する人が多い。
リーダーシップ
包括の松本氏の繋がりで交通事業者へ話を持ちかける。結
集するモチベーションは何か。
方法論
リアルタイムで実際の場面を再現。
その場でミーティングを実施。
学習と発展
同じ内容を色々な場所で。
研究機関、対話の場。
地域の特色やそこにいる人の顔が見えるようなストーリー性が重要。
リーダーの存在と必然的に参加者が集まる凝集性の工夫。
筆者作成
当事者が参加することの必要性
困り事を知るた
めに
• 必然性
• 人が集まる
行動をすすめるた
めに
• 本人との信頼関係
• 地域の結集力
結果を図るために
• 効果判定:本人の声
• エビデンス
⑵セクター調査
1) 正しい認知症の理解があること
2) 当事者の参加と声への返答があること
3) 情熱のあるリーダーの存在とリーダーを育てる土壌があ
ること
4) 行政の強いリーダーシップがあること
5) 取り組みを実施し、体験と知識をため、学習を進める環
境があること
6) わが町の必然性があること:セクターの参加の動機づけ
とコミットメント
認知症に優しい交通に必要な6つの要素
⑷まとめ
5つの提言
〜認知症の人にやさしい交通に向けて〜
1) 軽度認知症当事者の外出状況に関する実態調査の実施
2) 地域住民・セクターへの理解と対話機会の創出
3) 当事者の参加の促進
4) 行政の各課横断的な取り組みへの対応機能の強化
5) エビデンスやネットワーク支援の活動推進
⑷まとめ
困り事の
共有
解決アイデアの
共創
具体的活用の
検討
隠された本人の悩み 一人で抱えてしまう 参加がしにくい
困り事の
共有
本人の悩みが見えてこない。社会の信頼がないため、相談ができない。
>困り事を知れば関わる人が増えてくる
解決の
アイデア
一人で実行することは大変である。
>地域を越えたネットワークで知恵を寄せあう重要性
>当事者が最大のアイデア創出者であり、評価者となれる
具体的な
一歩
周りの人に説明できずにバードルを高く感じてしまう
>やさしい交通の指標MAPで取り組めそうな活動を選択する。
>一緒に動きながら考える。同じものを見ることが大切。
進まない解決への課題整理
今後の活動イメージ
アイデア共創型地域間ネットワーク団体として
DFJI
交通PJ
関係団体(エコ
モ財団等)
地域間ネット
ワーキング
他PJ(図書館、
DFC)
他の地域
活動体
・情報の共有
・仲間づくり
・アイデアの創造と共有
⑶DFJI交通プロジェクト
ストーリーの想像
仲間探し
主人公の発見
他地域との連携
イセハラ・モデル
これからの流れ
サポート

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2902 DFJI交通プロジェクト:東海大学レジメ

Editor's Notes

  1. ストーリーを考える (イメージを作る場合には、誰が行うかも併せて考える必要がある。実行する資源がないならまず確保が必要かもしれない。)
  2. 本人の顔が見えない。  >もし見えれば自分たちにできることも多くある。   カズコさんはお孫ちゃんに会わせてあげてください。 なぜストーリーを作るのか? 取り組みが少ない、街ごとに異なる、例えば車社会で免許がないなら生活はどうすべきか コミュニティケア、ここの場が重要、街ごとに決めていく 答えは街の中にある
  3. 1−2 自動車の後の小括に掲載する。
  4. 厚労省が発表した認知症高齢者数試算ですが、社会的なイメージとして、 認知症がひとくくりにされており、しかもネガティブに語られることに危険を感じています。 データの怖さ: 対象はMCIと自立度1の方。
  5. 先ほどの図をやや改変したものですが、認知症といってもABCDとあるように程度は人それぞれで、困りごとも違います。多くがDの段階の話が先走っている印象をもっています。
  6. Aのように支障なく利用できている方がいます。また一人では困難でDのように支援者の協力を得て外出をしている方がいます。 特に支援が必要な方はBとCの状態の方です。Bは不安により外出が億劫になっている潜在的利用者の方です。環境面。Cは特定の条件では外出できているが、徐々に困りごとが増えてきているかたです。 ひとりで公共交通機関を利用している方では、環境因子の要素が多いことと、長年の習慣を保ち続けている人が外出を行えている傾向がわかりました。 できるだけ早期より外出をする習慣作りが必要なのかもしれません。
  7. サポート体制としては問題が起きてからではなく、できるだけ早期に備えておく視点が重要である。 A,B段階の方は環境を整え、一人で外出ができる期間を少しでも長く継続することが大切である。外出機会減少や閉じこもりに周囲が注意し配慮できる体制作りも重要であろう。相談窓口の紹介も行なっていく。 C段階では外出の中で迷ったり課題が増えてくる。ヘルプを出しやすい、それに対して周囲が答えられるサービスが必要である。また、共に外出をしてくれるパートナーの紹介などを行う。パートナーに関する育成も行わなければいけない。 Dの段階では家族やパートナーと共に楽しい外出の機会を作ることが必要であろう。信頼関係を作ることや認知症に対して配慮することが重要である。 認知症当事者の外出を危険と決めつけず、状況に応じたサポート体制を考えていかなければならないだろう。
  8. 警察や交通事業者、住民、行政が一同に集まる場 時系列で理解し、現場となるバスで行われた 同じものを見ることで共通の体験が得られた その都度意見交換や振り返りがあり学習機会が多くある
  9. 最後にこれらの活動について まちの機能を高める 認知症のやさしい交通の指標を育てていきたいと考えています。 そのために ・交通事業者など多様な参加者 ・当事者の声を集めていくツール ・皆さんの中で実践している、してみたい方がいたら、声かけてください。
  10. 国と地域の問題:トップダウン、ボトムアップ。地域性をどのように考慮するか? 各セクターの背景はどうか? 共通目標を持ちうることはできるか?社会実験のプロセスを通して育む
  11. 人口オーナス社会 リージョナル・シュチュワードシップ
  12. プロトタイプ・ブレークスルー → リソースの確保・予算化 → 一般化:仕組みに落とす。(地域ごとに形態は異なる。)
  13. セクターごとのコミットメントについてどう組み込むか? エリアごとのイノベシステムについても考察しても良いか それぞれの活動の特徴を地域イノベーションシステム理論を利用して整理してみたい。松原は、地域的イノベーションシステムの主要な構造について、地域の社会経済的文化的設定を、①知識の適用・活用、②知識の創造・拡散といった2つのサブシステムに分けている。①の知識の適用・活用については、産業企業群を取り囲んで、顧客と契約業者との垂直的ネットワーキング、協力者と競争者との水平的ネットワーキングが示されている。これに対し、②知識の創造・拡散については、技術と労働力、それぞれを媒介とした組織、公的研究組織と教育組織が示されている。そして、①の知識の適用・活用のサブシステムと②知識の創造・拡散のサブシステムとの間には、 知識、 資源、 人的資本のフローおよび相互作用が太い双方向の矢印で示されている。 地域空間性に重視し、その地域の必然性に注力をしている。制度による促進は全ての地域で同じ結果にはならないだろう。それはその地域において必然性があるかどうかが重要となる。その意味で当事者の声がどの程度反映されているかどうか自体が地域を動かす動機づけになってくるものと思われる。 認知症にやさしい交通に向けての社会実験は初期段階ではほぼ全てが直接業務ではなく、付加的な取り組みとなる。体験の経験と蓄積による学習を制度的な後押しを受けながら、本来業務に組み込み効率化を図る必要があろう。可能な限り付加的な取り組みを減らし、地域セクターの負担を軽減させ、数多くの社会実験を行い、学習機会を作ることが重要であろう。その中で地域の関係性を深め、螺旋的な持続的発展を目指すべきであろう。その意味で実践コミュニティであるDFJIやイギリスアルツハイマー協会の役割は大きくなるものと思われる。
  14.  まちの機能を育てる上で社会実験を促進する必要がある。主たる理由は地域のセクターのビジョンの食い違いにある。その食い違いに気づき、学習を通してより良いまちの機能に近づくことができるものと考える。そこには地域のストーリーに沿ったプロセスが必要である。  今回の調査よりそのプロセスを5段階に設定をした。岩倉地域包括支援センターを例示し、各プロセスについて説明を行う。  まず「きっかけ」であるが、現状行なっていることから出発する。新規の取り組みでも良いが、既存の取り組みの要素として組み込むことも有用であろう。2番目の「コンテクスト」は必然性に関係する部分である。京都市ではバス利用率が高い地域であり、生活の中でバス利用が密着しており、より優先度の高い取り組みとなる。最も重要な「リーダー」の存在であるが、ビジョンを打ち立て、方向性を示し、ネットワークをもっていることが求められる。初期の段階で全て納得できる合意形成を得られることは難しい。リスクを受けたリーダーの存在が育つ土壌やネットワークを有した地域であるかは重要な点である。4点目の「方法論」であるが、より明確で具体性がある必要がある。岩倉の事例では、よりリアルなシミュレーションを意識しており、事後の振り返りではなく、その場で検討をすることでより大きな学びとネットワーク醸成の場となっている。5点目の「学習と発展」では、学びを得た参加者が次のステップを踏むためには時間が必要となろう。資源を増やしながら、輪を広げていく必要がある。セレンシビリティなどの要素も重要となろうが、持続的、継続的な取り組みが必要であり、ここでもリーダーの存在は不可欠である。