「ＳＤＧｓに逆行する神宮外苑再開発」シンポジウム ２０２３年８月５日 大橋智子プレゼンテーション

1. 大橋智子
2023年8月5日
明治神宮外苑再開の問題

2. 神宮外苑地区再開発計画の問題点
1. 創建の趣旨にあっているのか。
2. 不適切な都市計画の変更
3. ラグビー場と野球場の入れ替えの妥当性
4. 創建時からの庭園計画と樹木の軽視
5. 十分住民に周知されなかった情報

3. 神宮外苑地区再開発事業計画 現在との比較
現況 計画後
「神宮外苑の緑と空と」より引用

4. 神宮外苑現在の姿 NHK「日本印象派」画面
秩父宮ラグビー場
伊藤忠ビル
神宮野球場
明治神宮外苑
テニスクラブ
都営北青山1丁目
アパート
国立霞ヶ丘競技場
テニスコート
神宮第二野球場
軟式野球場
フットサル場
神宮外苑の球技場と紅葉
廃止される市民の施設
都立青山高校

5. 神宮外苑地区再開発計画図 2021年7月港区区議会資料より
再開発等促進区を定める地区計画変更
公園まちづくり制度による公園削除

6. 東京2020後の神宮外苑地区のまちづくり指針
東京都2018年11月作成
２ 指針の目的と位置付け
本指針は、地区計画に定める目標の実現に向けて、東京2020大会後に民
間が事業主体となって進めるまちづくりを都として適切に誘導するため、
まちづくりの目標や誘導方針、公園まちづくり制度の活用要件等を示すこ
とを目的として策定する。
また、民間がまちづくりの具体的な事業計画を作成する際の指針であると
ともに、民間から提案される公園まちづくり計画が優良な計画であるかを
都が審査•確認するための基準として位置付ける。
東京都の責任

7. 【東京都】
「まちづくりの指針」の策定
公園まちづくり計画の審査
再開発等促進区を定める地区計
画、都市計画公園区域の変更
【民間】
まちづくりの指針を踏まえ具体的
な事業計画を作成
公園まちづくり計画の提案
都市計画の企画提案書の提出
施設等の整備、運営・管理
公園まちづくり制度を活用したまちづくりのフロー
東京2020後の神宮外苑地区のまちづくり指針
東京都の果たす役割

8. 神宮外苑地区 都市計画公園3.4ha廃止
（2020年1月「公園まちづくり計画」に関する説明会資料）
普段市民に開放されていないラグビー場を「未供用区域」として公園から削除
その結果公園内に建築できない超高層のオフィスビル、ホテルが建築可能になった。
移動するラグビー場とどこが違うのか？
3.4ha廃止

9. 非都市計画事業としての神宮外苑再開発＝「個人施行」
再開発等促進区を定める地区計画変更
公園まちづくり制度による公園削除
17.5haという巨大再開発でありながら、都市計画決定を行わない再開発
都市計画縦覧・住民が意見を述べる機会がない。
情報が公開されない。きわめて閉鎖的な計画
地権者100％の同意による「個人施工」
埼玉大学名誉教授岩見良太郎氏の指摘による問題点

10. 神宮外苑地区 土地所有及び建物分布の状況
明治神宮
日本スポーツ振興センター（JSC) 伊藤忠商事
再開発の事業者
三井不動産
明治神宮
ＪＳＣ
伊藤忠商事
東京都環境影響評価書案に加筆
整備済み
整備済み

11. 権利変換後の土地所有の変化
不適切な土地の交換＝権利変換
事業者の提出している「再開発等促進区の企画提案書」（令和3年7月）を基に
埼玉大学名誉教授岩見良太郎氏作成
混交緑地帯体積172,000㎥
港区道
新宿区道

12. ラグビー場と野球場を入れ替えて新築する計画 なぜ？
事業者の説明
2019年住民説明会資料より
事業者の説明
ラグビーと野球の試合を休むことなく建て替えを行うため
実は超高層ビルを建てるため？

13. 建国記念文庫の森の樹木伐採
ラグビー場アプローチ並木伐採 テニスコートの移転で
大銀杏なども伐採
ふたつの球技場入れ替えで、犠牲になる樹木

14. 現在の神宮外苑
明治神宮外苑志より 昭和12年（1937）
３代目
重要文化財
「聖記念絵画館」
神宮野球場
現況 創建時
重要文化財附（つけたり）
「葬祭場址」
「丸池」「角池｝
創建時の建物は重要文化財「聖徳記念絵画館」以外「神宮野球場」のみとなった。

15. 度重なる改修を加え、大切に使ってきた神宮野球場
耐震改修も終わっている
創建時の増築アーケード（明治神宮外苑志掲載）

16. 創建時からある神宮野球場

17. 東京2020後の神宮外苑地区のまちづくり指針に示されたみどり
＜みどりとオープンスペースのイメージ＞
散策のできるまとまりある樹林地
歩行者空間の緑陰形成
正面に聖徳記念絵画館を臨む
保全すべき４列のいちょう並木
来訪者が憩える広場空間
街路樹と一体となった高木植栽による
豊かな並木の環境
新国立競技場に整備される立体公園イメージ
大成建設•梓設計•隈研吾建築都市設計事務所JV作成／JSC提供
注）パース等は完成予想イメージであり、実際のものとは異なる場合があります。植栽
は、完成後約１０年の姿を想定しております。
行政協議中のため、今後計画が変更となる場合があります。
建物の壁面や屋上等を利用した立体的な緑化 憩いの場として親しまれる芝生広場
来訪者が憩える広場空間
陳腐で深みのない
薄いみどり
意味不明な表現

18. 東京2020後の神宮外苑地区のまちづくり指針に示されたみどり
＜歩行者空間のイメージ＞
主要な歩行者空間（公開空地）をデッキ上にも配置し、歩車
分離型のネットワークを構築
スポーツ施設のゲート内デッキ
EV
重層的な歩行者ネットワークにより、来
訪者にとって安全で快適な歩行者空間を
形成
大規模スポーツ施設
にぎわい にぎわい
にぎわい にぎわい 広 場 にぎわい
スポーツ施設をつなぐデッキ下のにぎわい施設
と広場を一体的に整備
EV にぎわ
い
にぎわ
い
大規模スポーツ施設 にぎ
わい
地区内外の回遊性を促す誘引性の高い空間

20. 新国立競技場デッキ上下の立体都市公園
旧国立競技場四季の庭
すべて伐採
現在のデッキ上下植え込み

21. 騒音 野球場と都営アパートとの距離
190ｍ
都営北青山
1丁目アパート
都営北青山
1丁目アパート
現在 一番近い棟でも190ｍ
56db
62db
54db
62db
環境アセスの基準は55db
70db
70db

22. 神宮外苑の緑と空と