コミュニケーション・メディア史⑤ 『何が彼女をそうさせたか』
『何が彼女をそうさせたか』 1930 年,鈴木重吉監督 左翼的内容を持つ「傾向映画」 2 月 6 日公開で,当時としては異例の「 5 週間続映」の大ヒット 「 薄幸の美少女 が憂き世に翻弄され,不幸のどん底に落ちていく」 キネマ旬報 1 位など高い評価
現代と 1930 年代 不景気・雇用不安 昭和金融恐慌 (1927 年 ) の“取り付け騒ぎ”に端を発し,世界恐慌が続き,長期にわたる不況 格差の拡大 農村の疲弊。「大学は出たけれど」の就職難 二大政党制の矛盾拡大 ( 立憲 ) 政友会と民政党の“泥試合” 政治的テロの頻発
左翼運動の台頭 コミンテルン ( 共産主義の国際組織 ) の影響で,日本でも「無産主義政党」が生まれ,労働組合による争議が日常化する 「無産者大衆」の組織化は進まず,知識層・中間層の反体制運動の面も 治安維持法 (1925 年 ) で弾圧も
リポート これから上映する 『何が彼女をそうさせたか』 (78 分 ) を観て, 感想文 (400 字程度 ) を書きなさい 締切 : 12 月 19 日 ( 金 )23:59 提出: [email_address] プリントアウトで提出したい場合は,個人研究室の扉のポストへ
注意 ソビエトでの公開分のフィルムが発見されたもので,結末など 37 %が失われており,脚本などを基に,字幕構成で欠落部分を補完している 上映時も活動弁士がつかず ( 大衆煽動とみなされるため ) ,音楽が演奏された。その雰囲気を再現するため,音楽が付加されている

Commedia2008 05