II. Defining a Consumer Privacy Bill of Rights
                   の定義
                   (p.9-14)

       By 折田明子(慶應義塾大学)
           ako@sfc.keio.ac.jp
経緯
• 1970年代:FIPPs(Fair Information Practice
  Principles)
  – 個別のプライバシー法でカバー
  – 国が収集するPersonal Dataが対象
  – 企業のPersonal Data収集・蓄積・分析は除外されてき
    た


• 個人に関するデータの処理
  – 分散し、蔓延するようになった
  – 静的データから動的・多様なデータへ
  – 消費者が自分からPersonal Dataを交換するようになっ
    た
     • SNSや個人ブログ
  – Personal Dataの二次利用による便益とプライバシー
FIPPsからの発展2点
1. 消費者の権利を確立する
 – 企業のPersonal Dataの扱いに対して何を期待すべきか
   を告知する
 – ネットワーク化する社会に関与する以上
 – 消費者には自分のプライバシーを守る責任がある
2. コンテクストの重要性を強調する
 – サービス提供に必要なPersonal Data
 – 利用者には、子どもや青少年が含まれる
消費者は次の権利を持つ
•   個人によるコントロール:Individual Control
•   透明性:Transparency
•   コンテクスト尊重:Respect for Context
•   セキュリティ:Security
•   アクセスと正確性:Access and Accuracy
•   対象を絞った集約:Focused Collection
•   説明責任 : Accountability
権利章典の適用範囲
• Personal Dataの商業利用
  – 特定個人にリンク可能なデータの集約を含む
  (特定のコンピュータやデバイスにリンク可能な集約
  も)
     例:スマートフォンや家庭のコンピュータに識別子
  をつけてユーザプロフィールを作った場合→Personal
  Data
• 営利企業による:
  – 収集 (collect)
  – 利用 (use)
  – 公開 (disclose)
Individual Control
• 消費者は、企業がどのPersonal Dataを取得し、どのように使
  われるかをコントロールする権利を持つConsumers have a
  right to exercise control over what personal data companies
  collect from them and how they use it.
• 企業は、消費者が下記について適切なコントロールができる
  手段を提供しなければならない。
   – 他人と共有されるPersonal dataに対して
   – 企業がどのようにPersonal Dataを収集し、使用し、そして公開する
     かに対して
• 企業は、簡単でわかりやすい方法で、収集・利用・公開する
  情報のスケール、スコープ、センシティビティを知らせなけ
  ればならない
• 企業は、消費者がPersonal Dataの収集・利用・公開について
  意味のある判断ができるように、明確で簡単な選択肢を提供
  しなければならない
• 企業は、まず承諾を取り付ける時点で、消費者が承諾を撤回
  したり制限できたりする手段を提供しなければならない。
2つの側面
1. データ収集にあたって、企業は選択肢を提示し
    なければならない
 2. 消費者の責任
1.データ収集の選択肢
• データ共有、収集、利用、公開
• 規模、範囲、センシティビティ
 – 例:インターネット利用履歴(検索・広告、SNS)
  • 広範囲、大規模、センシティブ情報を含む
• 逆に、個人にリンク可能な情報を持っていないと選
  択肢が限られる
• 消費者に直面する企業は、消費者の選択肢を、消費
  者から見てシンプルで、永続的で、スケーラブルな
  機構によって認識しなければならない
• サードパーティー
 – 情報提供に関して問い合わせ
 – ターゲティング広告
 – ユニークな識別子があればデータから広範囲の個人利用が
   読み取れる
1.データ収集の選択肢(cont.)
• サードパーティー
 – 情報提供に関して問い合わせ
 – ターゲティング広告
  • ユニークな識別子があればデータから広範囲の個人利用が読
    み取れる
 – 個人がコントロールできる選択肢を検討すべき
  • 例:統計処理のみなら問題なし(再構成しない)
 – 技術による解決
  • どのデータを、いつ収集するか
  • “Do Not Track” 自主規制により消費者が表示の有無を選択で
    きる
1.データ収集の選択肢(cont.)
• サードパーティ
 – 消費者と直接やりとりしなくなった
 – 例:種々の情報源からPersonal Dataを集約するデータ
   ブローカー
 – 消費者はこのようなサードパーティの存在さえ知ら
   ない
• 言論の自由・出版の自由
 – 文書の収集と利用は(個人にとっての)透明性と両
   立すべき
• データブローカーは、消費者が効果的にコント
  ロールする手段を模索しなくてはならない
 – 実現できる手段を考えるべき
2. 消費者の責任
• SNSなど、個人の判断によってプライバシー設定
  を選び、他人と Personal Dataを共有する
• 消費者が自分の判断を評価し、それに対して責
  任を持たなければならない
 – それは企業と同じ!
• 消費者のPersonal Dataへのプライバシーへの関心
  は、企業との関係を超えて持続する
• 企業がコントロールするPersonal Dataについての
  同意を撤回する権利を保証する
• 同意したものはいつでも撤回できる
2. 消費者の責任 (cont.)
• 同意したものはいつでも撤回できる
• 実質的な撤回の限界
 1. 個人と結びつけられるデータに限られる
 2. 企業が管理できるデータに限られる
 3. 権利章典以前に収集したPersonal Dataは撤回の対象
    外

米国消費者プライバシー権利章典輪読資料

  • 1.
    II. Defining aConsumer Privacy Bill of Rights の定義 (p.9-14) By 折田明子(慶應義塾大学) ako@sfc.keio.ac.jp
  • 2.
    経緯 • 1970年代:FIPPs(Fair InformationPractice Principles) – 個別のプライバシー法でカバー – 国が収集するPersonal Dataが対象 – 企業のPersonal Data収集・蓄積・分析は除外されてき た • 個人に関するデータの処理 – 分散し、蔓延するようになった – 静的データから動的・多様なデータへ – 消費者が自分からPersonal Dataを交換するようになっ た • SNSや個人ブログ – Personal Dataの二次利用による便益とプライバシー
  • 3.
    FIPPsからの発展2点 1. 消費者の権利を確立する –企業のPersonal Dataの扱いに対して何を期待すべきか を告知する – ネットワーク化する社会に関与する以上 – 消費者には自分のプライバシーを守る責任がある 2. コンテクストの重要性を強調する – サービス提供に必要なPersonal Data – 利用者には、子どもや青少年が含まれる
  • 4.
    消費者は次の権利を持つ • 個人によるコントロール:Individual Control • 透明性:Transparency • コンテクスト尊重:Respect for Context • セキュリティ:Security • アクセスと正確性:Access and Accuracy • 対象を絞った集約:Focused Collection • 説明責任 : Accountability
  • 5.
    権利章典の適用範囲 • Personal Dataの商業利用 – 特定個人にリンク可能なデータの集約を含む (特定のコンピュータやデバイスにリンク可能な集約 も) 例:スマートフォンや家庭のコンピュータに識別子 をつけてユーザプロフィールを作った場合→Personal Data • 営利企業による: – 収集 (collect) – 利用 (use) – 公開 (disclose)
  • 6.
    Individual Control • 消費者は、企業がどのPersonalDataを取得し、どのように使 われるかをコントロールする権利を持つConsumers have a right to exercise control over what personal data companies collect from them and how they use it. • 企業は、消費者が下記について適切なコントロールができる 手段を提供しなければならない。 – 他人と共有されるPersonal dataに対して – 企業がどのようにPersonal Dataを収集し、使用し、そして公開する かに対して • 企業は、簡単でわかりやすい方法で、収集・利用・公開する 情報のスケール、スコープ、センシティビティを知らせなけ ればならない • 企業は、消費者がPersonal Dataの収集・利用・公開について 意味のある判断ができるように、明確で簡単な選択肢を提供 しなければならない • 企業は、まず承諾を取り付ける時点で、消費者が承諾を撤回 したり制限できたりする手段を提供しなければならない。
  • 7.
  • 8.
    1.データ収集の選択肢 • データ共有、収集、利用、公開 • 規模、範囲、センシティビティ – 例:インターネット利用履歴(検索・広告、SNS) • 広範囲、大規模、センシティブ情報を含む • 逆に、個人にリンク可能な情報を持っていないと選 択肢が限られる • 消費者に直面する企業は、消費者の選択肢を、消費 者から見てシンプルで、永続的で、スケーラブルな 機構によって認識しなければならない • サードパーティー – 情報提供に関して問い合わせ – ターゲティング広告 – ユニークな識別子があればデータから広範囲の個人利用が 読み取れる
  • 9.
    1.データ収集の選択肢(cont.) • サードパーティー –情報提供に関して問い合わせ – ターゲティング広告 • ユニークな識別子があればデータから広範囲の個人利用が読 み取れる – 個人がコントロールできる選択肢を検討すべき • 例:統計処理のみなら問題なし(再構成しない) – 技術による解決 • どのデータを、いつ収集するか • “Do Not Track” 自主規制により消費者が表示の有無を選択で きる
  • 10.
    1.データ収集の選択肢(cont.) • サードパーティ –消費者と直接やりとりしなくなった – 例:種々の情報源からPersonal Dataを集約するデータ ブローカー – 消費者はこのようなサードパーティの存在さえ知ら ない • 言論の自由・出版の自由 – 文書の収集と利用は(個人にとっての)透明性と両 立すべき • データブローカーは、消費者が効果的にコント ロールする手段を模索しなくてはならない – 実現できる手段を考えるべき
  • 11.
    2. 消費者の責任 • SNSなど、個人の判断によってプライバシー設定 を選び、他人と Personal Dataを共有する • 消費者が自分の判断を評価し、それに対して責 任を持たなければならない – それは企業と同じ! • 消費者のPersonal Dataへのプライバシーへの関心 は、企業との関係を超えて持続する • 企業がコントロールするPersonal Dataについての 同意を撤回する権利を保証する • 同意したものはいつでも撤回できる
  • 12.
    2. 消費者の責任 (cont.) •同意したものはいつでも撤回できる • 実質的な撤回の限界 1. 個人と結びつけられるデータに限られる 2. 企業が管理できるデータに限られる 3. 権利章典以前に収集したPersonal Dataは撤回の対象 外