2010年10月のカウンセラー勉強会にて使用した、時短制度からメンタルヘルスについて考える資料。

1. 時短からみる
メンタルヘルス
2010.10.3 勉強会資料
浅賀 桃子 Momoko Asaka

2. 労働時間は減少傾向？
データ出典：厚生労働省『毎月勤労統計』より作成
注：事業規模５人以上、就業形態計、産業計の平均値

3. 労働時間の推移
 1985年当時の総実労働時間は2,110時間
 1985年のプラダ合意から時短の流れへ
 1988年の労基法改正で週40時間労働制
 2000年代からは1,850時間以下を維持
しかし、個別の状況をみると・・・

4. 正社員の労働時間は高止まり
データ出典：厚生労働省『毎月勤労統計』より作成
注：事業規模５人以上、一般労働者の平均値

5. 総労働時間が減ったワケ
 1997年の金融危機・不況の深刻化
 コストダウンの標的になった正社員採用
 派遣法改正に伴う規制緩和
 非正社員の人数増
非正社員が残業できない分の皺寄せが・・・

6. 所定労働時間を超えて働く理由
出典：連合総合生活研究所第14回勤労者短観「ワーク・ライフ・バランスに関する認識」

7. なぜ早く帰れないのか
 やむをえない事情
 仕事が多い
 突発的な仕事がある
 納期にゆとりがない
 自主的？残業／旧態以前とした風土
 先に帰りづらい
 残業手当を生活の当てにしている
 残業をしないと査定に影響がある
時短の是正には、仕事の生産性向上、会社側の
労務管理、風土など多様な視点からの取組が必要

8. 長時間労働のリスク
出典：過労死・自死相談センターHP

9. 長時間労働が精神的不調へ
 企業が従業員の健康で最も気を使っていたこ
とが変化してきている
生活習慣病⇒メンタルヘルス
 原因の多くは労働環境
仕事の量的負担や難易度の上昇
対人関係（孤立・支援の乏しさなど）

10. こころの内面と職場環境の関係
心理的要因
・契機
・仕事
（対人関係・量・質）
・家庭 など
こころの修飾要因
・性格 ・教育 ・習慣
職場のストレス
・孤立（支援の乏しさ）
・束縛（自由の制約）
ストレス反応
・身体面 ・痛み ・だるさ
・心理面 ・落ち込み
ストレス関連疾病
・うつ病
・心身症
・高血圧
・糖尿病 ほか
資料出所：神山昭男氏（有楽町桜クリニック院長）作成

11. メンタルヘルスケアと時短への取組
 労働環境のストレスは精神性疾患のきっかけ
 企業が早期発見するためには、労働時間の長さを目
安にすることが必要
 法律では、月100時間以上残業する社員への、産業医との
面談を義務付けている
 産業医と労務管理部署とが連携し、生活面・心理面・
作業面のケアをする
 個々の従業員の労働時間と体調・ストレスを把握し、
原因を解消すべく仕事の質・量を適正化することは、
時短に向かうために通らざるを得ない道