1. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
コロナウイルス影響下における
交通事業者の現状と取り組み事例紹介
20200424
早稲⽥⼤学スマート社会技術融合研究機構 客員准教授
株式会社早稲⽥⼤学アカデミックソリューション 主幹研究員
井原 雄⼈
くらしの⾜をなくさない︕緊急オンラインフォーラム -新型
コロナウイルスによる交通崩壊を⽌めろ-
2. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 sli.doの使い方(https://www.sli.do/)
♯savetrans
アクセスの仕⽅ 書き込みの仕⽅
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(加藤先⽣へ︓****)
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3. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 何かできないかと思っていたら 3
とある⾃治体の交通担当者からの連絡(4/3)
⾼速バス・貸切バスが⼤幅減少しているのは話は聞こえてきているけれど、地
域内の公共交通の現状の話はほとんど出ていない。
⾃治体が⽀援をしたくても、どんなことをすれば良いのかが分からない。
4. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 すぐに意見は集まりました 4
事業者から意⾒を集めてみました(4/4-5)
5. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 要望書(下書き)を作ってみました 5
新型コロナウイルス対応における交通事業者⽀援の要望書(4/6)
https://drive.google.com/open?id=19R47ljlwweriRjzl5m5pSYaEL8OMBnSxlDlZ_Zi09Eg
地域の事情に合わせ改変
できる下書きとして利用
現場の状況が分かってくればく
るほど、頭ひねって書かなけれ
ばいけいない要望書とか提⾔と
かやってる暇はない︕
事業者からの発信になると、ど
うしても「⾦をくれ」という話
に聞こえてしまう
6. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 要望をまとめていて気が付いた3つの視点 6
2.必要な運行の合意形成
医療・インフラ・⾷料品店などに必要不可⽋な移動
⾼齢者・障がい者などの移送
1.現場の安全確保
変化し続ける状況下での運⾏の継続
乗客の安全に加えて、運転⼿も安⼼できる環境づくり
【バス】⾕島賢(イーグルバス株式会社)、⾼⽥晋(熊本都市バス株式会社)
【鉄道】鉄道の現状の紹介/加藤報告
【タクシー】⾼橋学(全国⾃動⾞交通労働組合連合会)、篠原俊正(株式会社ハートフルタクシー)
【福祉】清⽔弘⼦(かながわ福祉移動サービスネットワーク)
3.経営維持のための資金手当て
運⾏補助だけでなく、キャッシュフローを踏まえた⽀援
感染防⽌や周知・広報など新たにかかるコストの負担
7. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
タクシー事業の現状
20200424
早稲⽥⼤学スマート社会技術融合研究機構 客員准教授
株式会社早稲⽥⼤学アカデミックソリューション 主幹研究員
井原 雄⼈
くらしの⾜をなくさない︕緊急オンラインフォーラム -新型
コロナウイルスによる交通崩壊を⽌めろ-
8. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 タクシー事業の営業収入減少率・3月 8
東京
-27.4%
秋⽥
-38.4%
3割減、仕方ないと思っていました
11. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 タクシーによる買い物代行等の導入事例 11
釜⽯市
仙台中央タクシー
報徳タクシー(いわき)
12. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 他地域からのご意見 12
⼩規模事業者では、これがきっかけとなり廃業をする事業者が出ている。このままで、
終息後にはタクシー会社がないという地域が発⽣する可能性がある。
既に感染の可能性のある医療・介護事業者の移動や軽症者のホテルへの⺠間救急⾞と
しての利⽤などは、⾵評もありあえて社名を出せないが、運転⼿も志願制で踏ん張っ
ている。
⾼齢者の通院・買物などの配⾞は⼀定量あるが、⼤きな需要であった夜間の飲み屋か
らの配⾞がほぼ無くなった。
スクールバスの委託も休校にともない管理費分だけの売上になり、このままでは共倒
れで休業せざる得なくなる。
こんな状況なのにとにかく⽂書主義︕オンライン⼿続きなど柔軟な対応が絶対必要。
利⽤者減で国県補助⾦が減額となると、市の負担額の負担だけでは⽀えられない。
残った需要だけでは⽀えられない
必要な交通を担っているはずなのに
13. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 タクシー事業の現状整理 13
50%以上の減収・1/3が休業
焼け野原になってしまうのではなく
すでに焼け始めている
観光需要の減少はGW、夏まで確実に続く
元々疲弊していた⼩規模事業者は廃業も
14. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 タクシー事業の現状整理 14
⾼齢者の多い⽣活路線の減少は少ない
必要不可欠な移動は変わっていない
焼け野原になったらこれが失われる
デマンドタクシーが最後の命綱
買い物代⾏などの⽣活密着サービス開始
15. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 ハートフルタクシーの取り組み 15
篠原俊正 株式会社ハートフルタクシー取締役副社⻑
愛鶴タクシー(神奈川県秦野市)において⼀般タクシーの他に介護タクシーやコミュ
ニティバスなど地域に密着したサービスを展開。そのノウハウを⽣かして2006年に
地域貢献と上質な接客に特化したハートフルタクシー(同県海⽼名市)を設⽴。常に
タクシーの可能性を追求し、タクシーの特性を⽣かした地域貢献に努めている。
2011年より関東運輸局地域公共交通マイスター拝命、現在に⾄る。
影響が出始めてからの売上・利⽤者の推移。他事業者との違い。
事業を維持するために、「今」求められる⽀援、「これから」求めら
れる⽀援。
影響前に戻るだけでなく、新しいタクシー事業の在り⽅
お聞きすること
16. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 最大の危機はタクシー改革の大チャンス 16
タクシーのドアtoドア、⾯的移動、個別輸送(対応)等の優れた特性
① 外に出かけることのできない⾼齢者の買い物代⾏(御⽤聞きタクシー)
② ⾼齢者、障碍者のためのスーパーや病院内での同⾏サービス
③ タクシーの救援事業として物流事業者や⾃治体とタイアップして、⽇常物資の宅
配をタクシーで代⾏
④ バスなどの⼤量輸送と⽐較し感染リスクの抑えながらの、企業の駅から会社間の
送迎
⑤ 社会福祉協議会とタイアップして⾼齢者の買物⽀援(⾃宅から⼤⼿スーパー間)
を複数で利⽤するシェアリングサービス(⼀⼈当たりの負担の軽減)
人の移動だけではなく「生活総合支援事業」としての役割
17. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 福祉有償運送・たすけあいの交通 17
お聞きすること
清⽔弘⼦ 認定NPO法⼈かながわ福祉移動サービスネットワーク
2000年⾼齢者・障がい児者の外出⽀援活動を地域の仲間と始める。2003年かなが
わ福祉移動サービスネットワークの設⽴に関わり、2008年より理事⻑。その後、交
通不便地域における住⺠主体の地域交通づくりを県内外で⽀援すると共に、タク
シー乗務員研修にも講師として協⼒し、広くくらしの⾜の確保に取り組む。関東運
輸局地域公共交通マイスター。http://www.kanagawa-ido.net/
福祉有償・たすけあい交通への影響とこれからの対応
事業の継続・⾼齢者の体⼒維持の双⽅の視点から今後⼼配されること
18. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 福祉有償・たすけあい交通への影響 18
福祉有償運送<横浜市・らら・むーぶ港北>
前年⽐3割減。特にサロン,映画(シネマ歌舞伎),お稽古事などの余暇⽀援が減少
障がい者作業所、⾼齢者デイサービスは変わりなく実施
有料⽼⼈ホームは、外出を⼀切認めないところもある(フロアの移動も不可)
地域の美術館、図書館、植物園などの閉鎖により、外出したくても⾏くことが出
来ない
終息後に「出かけたい!」と思ってもらえる取り組みを!
対策︓マスク、⾞の消毒、窓開け。病院内
での付添については回避したいが…
利⽤減の⼀⽅で「体⼒的に不安だから」と
いう理由で新規問い合わせも少なくない
19. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 福祉有償・たすけあい交通への影響 19
住⺠がつくるたすけあい交通 <横浜市・菊名おでかけバス>
緊急事態宣⾔が発令されるまでは、全員が
マスク、窓開け、⾞の触れるところの消毒、
体温の確認、⼿の消毒=減少を予想したが
3⽉の利⽤は、ほぼ減らなかった
現在休⽌中、再開の⾒通しを発信しないと、
利⽤会員の不安が⼤きくなる
予約制で1運⾏2名までの乗⾞や買い物代
⾏の⽀援などを検討
より、地域に密着した活動へ
20. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 今後、心配されること 20
外出⾃粛、感染予防で在宅の⽣活。終息したころには、フレイル︕介護保険を使わざ
るを得ない⼈が急増の恐れ。
⾃⽴から、介護保険対応の必要な要介護状態への体⼒の低下が⼼配される。
地域のたすけあいのレベルで買い物などに⾏けていた⼈たちが出かけられなくなり、
コミュニティからの乖離
活動に参加するために受講を義務付けられている「国交省の認定運転者講習」を開催
したいが、「3密」になるため実施できない。
ボランタリーな参加がストップしてしまっている。
担い⼿不⾜
⾼齢者の体⼒の低下
3⽉、外出を控えていたら、歩⾏に⾃信がなくなった。
今までタクシーで外出できていたが、
⽞関の数段の階段を下りるのに、誰かに付き添ってもらいたい。
21. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加
まとめ
21
22. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 交通事業者は二重苦 22
飲⾷店 スーパー 交通事業者
売上 激減 維持 減少
感染
リスク 激減 増加 増加
走り続けるように要請されているけれど
公共交通は使うなとも言われる二重苦
ご意見はこちら⇒
#savetrans
23. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 今も苦しいけれど、まだまだ長期戦 23
マスク・消毒薬、防護シートなどの確保
利⽤者への周知(安全確保やダイヤ変更など)
運⾏計画変更の柔軟な対応
何よりも資⾦的な⽀援
くらしの足を「安全」に走らせ続けるために
これをやるために、もう一歩踏み込んで
コミュニケーションを取らせてください
ご意見はこちら⇒
#savetrans
24. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 自治体単位での支援の取り組み(沼津市) 24
「新型コロナウイルス感染症の感染拡⼤防⽌を図るため、バス・タクシー事業者に対する⽀援施策」
自治体から主体的に事業者に対して情報収集し
今を乗り越えるための支援施策を構築
補正予算額 600 万円
⑴ ⽀援補助⾦
市⺠の⽇常⽣活に必要不可⽋なバス・タクシーの運⾏において、新型コロナウイルス感染症の感染
拡⼤の防⽌に向け、⾞内の衛⽣環境確保に係る費⽤を、市内の路線バス事業者及びタクシー事業者
に対し補助⾦として交付します。
① 対象者
・沼津バス協会に加盟する路線バス事業者(⼀般乗合旅客⾃動⾞運送事業者)
・市内に営業所を置くタクシー事業者(⼀般乗⽤旅客⾃動⾞運送事業者)
② 補助額
・路線バス事業者が保有する⾞両のうち、沼津市内を運⾏する路線バス⾞両1台につき2万円
・市内に営業所を置くタクシー事業者が、その営業所で保有する⾞両1台につき1万円
https://www.city.numazu.shizuoka.jp/shisei/pr/interview/pdf/202004_6.pdf
25. Research Institute of Electric‐driven Vehicles, WASEDA University
ご意見はsli.doから
#savetransで参加 緊急事態を支えるくらしの足 25
今の困難な状況下で踏ん張るくらしの足
これを支えて「交通崩壊」を止めよう