第17回データビジネス創造コンテスト未来創造賞「KIM」の本選スライド

1. – エシカルな選択を価格から –
神戸電子専門学校
チーム K I M
勝間田駿作 川口航摩
遠山瞬 森元大翔
未来コスト
背景画像 : MIcrosoft Designerで生成後、加工したものを使用
1

2. 0-1.提案の概要
エシカル消費実現のための提案
2
省エネ性能の高い家電の購買行動を促す
価格の新指標
未来コスト

3. 0-2.プレゼンテーションの概要
アジェンダ
3
議題
1 現状と課題
2 未来コストについて
3 未来コストの効果
4 将来価格の入れ替わり
5 終わりに

4. 第Ⅰ章 - 現状と課題
4

5. 1-1.現状と課題
私たちの考えるエシカル消費
5
消費者 省エネ
机上の空論で終わらない
実現性の高い提案をしたい

6. 1-2.現状と課題
対象にした家電
6
年間電気代の家電別割合
30,362円
※1
※1 2人暮らしの年間平均電気代をもとに算出
27,084円
17,248円
13,399円
15,965円
9,835円
7,554円
18,673円
年間電気代割合から
エアコン・冷蔵庫・テレビの3つに絞り、分析を行った
平成 30 年度電力需給対策広報調査事業|経済産業省エネルギー庁から抜粋
給湯機は買い替え頻度が10~15年と
他の家電と比べて長い
照明はLEDの普及率が9割強
インテリア要素が強い
炊事はIHや電気ケトルなど
様々なものが含まれている
家庭によって利用しているものが違う

7. 消費者の省エネに対する意識
7
※2 ネットリサーチDIMSDRIVE「生活家電に関するアンケート」、※3 au電気「家電に関する調査」から抜粋
※2 生活家電を買い替える際に重視すること
家電購入時、省エネを考慮している人は多い
1-3.現状と課題
※3 省エネ・節電に関するアンケート

8. 省エネラベルの課題
8
省エネ性能の具体的な指標まで意識できていない
総合資源エネルギー調査会、省エネルギー・新エネルギー分科会、省エネルギー小委員会、小売事業者表示判断基準ワーキンググループ
「消費者対象の省エネラベルに関するアンケート調査」
認知度 省エネラベルを確認すれば
省エネ性能の高い製品を選択することができる
20%
0%
100%
1-4.現状と課題
消費者にとって尺度や桁が異なる複数の変数を
同時に考慮することは難しいのではないか
省エネを意識している人は
約6割いるにもかかわらず、認知度が低い
画像引用元：経済産業省資源エネルギー省

9. 口コミレビュー
9
株式会社カカクコム様提供データ review.csv をもとに作成
1-5.現状と課題
冷蔵庫 エアコン テレビ
主要単語の出現数

10. 1-6.現状と課題
課題を解決する提案
10
機能性やデザイン等に関係する単語に比べ
「省エネ」「電気代」の単語の出現率は10%程
消費者は省エネを本当に意識して
購買をしているだろうか？

11. 現状と問題
11
1-7.現状と課題
消費者に省エネ性能の高い家電の購買行動を促す
現状：家電を選ぶ際、省エネかどうかを意識している
問題：省エネ性能の定量的な意識ができていない
解決策：
● 約60%が省エネを意識して家電を購入する
● 省エネラベルの認知度が約20%と低く、表記が分かりずらいのではないか？
● 機能性やデザイン性に比べると省エネ性の注目度は低く、
消費者は省エネを本当に意識しているのだろうか？

12. 1-8.現状と課題
課題を解決する提案
12
未来コスト
価格で省エネ性能を選ぶ

13. 第Ⅱ章 - 未来コストについて
13

14. 2-1.未来コストについて
未来コストとは？
14
製品の購入価格だけでなく、
ランニングコストも含まれた価格のこと

15. 2-2.未来コストについて
未来コストの目的
15
将来的な支出の総額を知る
購入価格だけ
ランニングコスト
込みの価格
||
「未来コスト」
現状 提案
省エネ性能の高い家電を買ってもらうこと
コスト
将来こんなに
払うのか

16. 2-3.未来コストについて
未来コストの計算方法
16
未来コスト
||
ランニングコストには電気代・水道代・ガス代、さらには固定費が含まれる
製品の本体額 + ランニングコスト × 使用期間

17. 2-4.未来コストについて
17
比較のイメージ
本体価格は、左側の製品が
17,000円高い
将来的には、左側の製品が
13,000円も安くなる

18. 2-5.未来コストについて
未来コストにより、将来性のある価格で選べる
18
家電Aの
未来コスト
購入時価格
家電Bの
未来コスト
省エネ性能の高い商品は、ランニングコストを含めると安くなることがある
省エネ性能の差を価格で認識 省エネ製品を買う意欲が沸く
コスト
使用期間までの
ランニングコストを含んだコスト
家電Aの方が総
支出額が
少ない
家電Aの
購入価格 家電Bの
購入価格
家電Aの方が購
入価格が
高い
将来的には？

19. 第Ⅲ章 - 未来コストのメリット
19

20. 3-1.未来コストの効果
20
未来コスト導入のメリット
消費者
価格.com
環境
KAKAKU.com
三者にメリットがある

21. 3-2.未来コストの効果
価格.comの強みをより良いものに
21
株式会社カカクコム様、価格.com 2023 年10 月 -12 月 媒体資料 より引用
現状、将来的な支出の総額は一目で確認できない
価格.comに未来コストを併記する
顧客の納得感をグレードアップ
発見 関心 共有
比較 検討
購入
検索

22. 3-3.未来コストの効果
22
高い省エネ性能を選べる消費者
省エネ性能の高さまでは考えて購入していない
未来コストを見ることで、
将来的な支出の総額を考えて購入できる
結果的に省エネ性能の高い家電を選びやすくなる

23. 3-4.未来コストの効果
23
環境・社会へ与える影響
消費者が省エネ性能の高い家電を選ぶ
家電メーカーはもっと省エネ性能の高い家電を製造する
省エネ性能の高い家電が世の中にあふれる
エシカルな生活に近づく

24. 3-5.未来コストの効果
24
未来コスト導入のメリット
消費者 価格.com 環境
KAKAKU.com
省エネ性能の高い
家電の選択を容易に
省エネ性能の高い
家電が普及
顧客の納得感が
グレードアップ

25. 第Ⅳ章 - 将来価格の入れ替わり
25

26. 未来コストの有効性
26
未来コストで見たときに
「価格」の順位が変動することを確認
4-1.将来価格の入れ替わり

27. 4-2.将来価格の入れ替わり
27
販売価格の順位と未来コストの順位
27
冷蔵庫 テレビ
エアコン
提供データをもとに作成(カカクコム様、提供データのプロダクトIDから、価格.comウェブサイトをスクレイピング)
スピアマンの順位相関係数：0.991
ケンドールの順位相関係数：0.934
スピアマンの順位相関係数：0.682
ケンドールの順位相関係数：0.510
スピアマンの順位相関係数：0.983
ケンドールの順位相関係数：0.917

28. 4-3.将来価格の入れ替わり
28
順位変動の分布
28
冷蔵庫 テレビ
エアコン
提供データをもとに作成(カカクコム様、提供データのプロダクトIDから、価格.comウェブサイトをスクレイピング)

29. 4-4.将来価格の入れ替わり
29
多段階評価と順位変動値との相関
29
冷蔵庫 テレビ
エアコン
提供データをもとに作成(カカクコム様、提供データのプロダクトIDから、価格.comウェブサイトをスクレイピング)

30. 4-5.将来価格の入れ替わり
30
メーカーごとの順位変動
30
冷蔵庫 テレビ
エアコン
会社名 製品数 順位変動
多段階
評価
会社名 製品数 順位変動
多段階
評価
会社名 製品数 順位変動
多段階
評価
a社 8 0.2 2 a社 5 23 1 a社 30 -1 1.8
b社 19 -1 2.1 b社 42 4.5 2 b社 24 -1.5 2.1
c社 19 -2 3.5 c社 60 3 1.6 c社 40 -2.8 1.8
d社 24 -3 3.8 d社 26 -3 2 d社 14 -3.5 3
順位変動と多段階評価は中央値を表示
提供データをもとに作成(カカクコム様、提供データのプロダクトIDから、価格.comウェブサイトをスクレイピング)

31. 未来コストの有用性の証明と手順
31
4-6.将来価格の入れ替わり
電気代の高い
グループ
電気代の安い
グループ と に分割
サイズと価格が近い商品群を取る
時間の経過とともに、未来コストの差をグラフ化し確認

32. 4-7.将来価格の入れ替わり
32
家電ごとの価格をシュミレーションした範囲
冷蔵庫 テレビ
エアコン
サ
イ
ズ
*
1
価
格
*1 冷蔵庫は容量、エアコンの場合は畳数目安、テレビは画面サイズのこと。
提供データをもとに作成(カカクコム様、提供データのプロダクトIDから、価格.comウェブサイトをスクレイピング)

33. 33
冷蔵庫の将来価格の入れ替わり
4-8..将来価格の入れ替わり
5年後に交わる
電気代が安いグループ y=8x+184(単位：千円)
電気代が高いグループ y=9x+179(単位：千円)
ランニング
コスト
購入価格
トータル
未来コスト
7年後
安いグループ
184,000 240,203 +56,203
高いグループ
179,000 242,147 +63,147
差額 + 5,000 - 1,944 - 6,944
提供データをもとに作成(カカクコム様、提供データのプロダクトIDから、価格.comウェブサイトをスクレイピング)

34. 34
エアコンの将来価格の入れ替わり
4-9..将来価格の入れ替わり
6年3ヵ月後に交わる
電気代が安いグループ y=26x+123(単位：千円)
電気代が高いグループ y=32x+89(単位：千円)
ランニング
コスト
購入価格
トータル
未来コスト
9年後
安いグループ
123,225 357,864 +231,639
高いグループ
88,869 372,891 +284,022
差額 + 34,356 - 15,027 - 49,383
提供データをもとに作成(カカクコム様、提供データのプロダクトIDから、価格.comウェブサイトをスクレイピング)

35. 35
テレビの将来価格の入れ替わり
4-10..将来価格の入れ替わり
1年7ヵ月後に交わる
電気代が安いグループ y=27x+70(単位：千円)
電気代が高いグループ y=29x+67(単位：千円)
ランニング
コスト
購入価格
トータル
未来コスト
8年後
安いグループ 69,800 286,984 +217184
高いグループ 67,150 297,726 +230576
差額 + 2,650 - 10,742 - 13,392
提供データをもとに作成(カカクコム様、提供データのプロダクトIDから、価格.comウェブサイトをスクレイピング)

36. 第Ⅴ章 - 終わりに
36

37. 5-1.終わりに
37
価格.comの強みを活かす戦略でエシカルな生活を目指す
消費者 価格.com 環境
KAKAKU.com
実現可能性の高い提案で、
価格.comの強みを活かし、
エシカルな生活を目指す。

38. 5-2.終わりに
ご清聴ありがとうございました！
38
未来コストで
エシカルに

39. Appendix.
39

40. 40
6-1.使用期間に残された課題
課題と解決策
課題：使用期間の保証を表示している家電以外は
完璧な計算とは断言できない
解決策：家電ごとに使用期間を保証する情報また
は確実に使用可能な期間を示す情報を得る

41. 6-2.Appendix.
年間未来コストの計算方法
41
年間未来コスト
||
ランニングコストには電気代・水道代・ガス代、さらには固定費が含まれる
製品の本体額 + ランニングコスト × 使用期間
使用期間

42. 参考文献
42
・平成 30 年度電力需給対策広報調査事業 経済産業省エネルギー庁 https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/H30FY/000385.pd
・ネットリサーチDIMSDRIVE 「生活家電に関するアンケート」 https://www.dims.ne.jp/timelyresearch/2018/180320/
・au電気 「家電に関する調査」 https://kyodonewsprwire.jp/release/201802201095
・総合資源エネルギー調査会、省エネルギー・新エネルギー分科会、省エネルギー小委員会、小売事業者表示判断基準ワーキンググループ
「消費者対象の省エネラベルに関するアンケート調査」https://www.meti.go.jp/press/2020/09/20200901002/20200901002-2.pdf
・経済産業省資源エネルギー省 https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/retail/touitsu_shoenelabel/
・ASMARQ 家電に関するアンケート調査（生活家電・季節家電編） https://www.asmarq.co.jp/data/mr201303appliances/
・省エネ型製品情報サイト https://seihinjyoho.go.jp/
・電気事業連合会 省エネ家電の選び方 https://www.fepc.or.jp/sp/powersaving/label.html
・一般財団法人家電製品協会 家電製品の選び方（暮らしに合わせて選ぶ） https://aeha.or.jp/safety/choose/
・Rakuten Insight 家電に関する調査 https://insight.rakuten.co.jp/report/20210929/
・消費者省 平成30年版消費者白書/第1部 第1章 第6節 (3)商品やサービスを選ぶ際の消費者としての行動や意識
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/2018/white_paper_121.html
・株式会社カカクコム様 価格.com https://kakaku.com/
・東京環境省「行動科学を活用した家庭部門における 省エネルギー対策検討会報告書」
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/climate/home/cat8690/index.files/houkokusyo-gaiyou.pdf
・東京環境省 https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/climate/home/cat8690/cat2.files/69b3ac651c3c9f3ca792198ab8dba83e.pdf
・世帯属性別の電力需要の再現モデルの開発 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscejer/70/5/70_I_147/_pdf/-char/ja
・消費者WEBアンケート https://www.meti.go.jp/product_safety/policy/e-tag_add.pdf
・冷蔵庫・エアコンの実際の電力消費量推定法 http://tkkankyo.eng.niigata-u.ac.jp/hp/HP/sympo4/sato.pd
・製品購入の意思決定段階と情報収集の流れに着目した環境情報提供の提案 https://www.jstage.jst.go.jp/article/sesj/31/5/31_310504/_pdf
・World Digital Competitiveness Ranking https://www.imd.org/centers/wcc/world-competitiveness-center/rankings/world-digital-competitiveness-ranking/
・目的環境を実現する複数家電の最適状態決定法について Soc. Env. Sci., Jpn. 31(5): 217-226 (2018) (jst.go.jp)
・令和3年版情報通信白書 関係情報：情報通信関連：情報通信白書令和3年版 (soumu.go.jp)
・冷蔵庫における利用者の無駄行動を反映した省資源行動促進システムの提案 情報学広場：情報処理学会電子図書館 (nii.ac.jp)
・気象予報を活用した家庭用エアコン IoT 省エネ制御 「COCORO AIR サービス」 気象予報を活用した家庭用エアコンIoT省エネ制御「COCORO AIR サービス」
(jst.go.jp)
・内閣府「消費動向調査」データによる家電製品使用年数調査報告書 https://aeha.or.jp/about/pdf/naikakucyousa_1809.
・製品購入の意思決定段階と情報収集の流れに着目した環境情報提供の提案—家電製品の消費者を対象に—https://www.jstage.jst.go.jp/article/sesj/31/5/31_310504/_pdf
・調査A：消費者WEBアンケート調査 - 経済産業省https://www.meti.go.jp/product_safety/policy/e-tag_add.pdf
・株式会社カカクコム様 価格.com 2023 年10 月 -12 月 媒体資料 https://kakaku.com/help/archive/202308_kakaku_ad.pdf