現在の研究内容はサーミスタの校正をする装置を作成することです。サーミスタとは温度の変化によって抵抗値が変化する抵抗体の事であり、この抵抗値を測定することで温度がわかります。したがって、ここで気を付けなければならないことは、いかに正確に温度を変化させる装置を作成するかです。私は熱電対温度計をサーミスタに直接あてることで、サーミスタ自体の温度を測定できるようにしました。また、温度変化は正確性を重視したため、断熱材の中に90℃の水とサーミスタを入れ、徐々に下げていくようにしました。そして、抵抗値を測定するテスターと電流を流して電圧を測定して抵抗値を求める２つの方法で比較検討しています。

1. 3年 勝木 絹太

2. (温度が上昇すると抵抗値が減少する)NTCサーミスタ
• Mn、Ni、Co、Fe等の2～4成分系でできた遷移金属酸化物の混合焼結体(半導体抵抗
器)である。
• 電子体温計や冷蔵庫、エアコンによく使用されている。
(温度が上昇すると抵抗値が急激に増大する)PTCサーミスタ
• BaTiO3を主原料と微量の他元素(Mn、Sr、Pb等)やカーボンとNiの混合焼結
体である。
• ヒーターやコタツなどの過電流保護・加熱保護によく使用されている。
(温度が上昇すると抵抗値が急激に減少する)CTRサーミスタ
• VO系材料を主原料としている。
• 家庭用の電子体温計や温度計として使用されている。

3. 直接抵抗を測定 電流1 mAを流して電圧を測定
105 mm
95 mm
LakeShore
熱電対温度計
デジタルマルチメーター
NTCサーミスタ
17 mm
4 mm

4. 0
1
2
3
4
5
6
25 30 40 50 60 70 80 90
抵抗値(kΩ)
温度(℃)
データ表の値実測値
基準の温度計を熱電対として90 ℃から25 ℃まで抵抗値を計測
型 NTCサーミスタ502AT-2 B定数 3324 K 最大許容電力 10 mW at25 ℃
抵抗値が急激に変化する25 ℃から50 ℃の誤差が大きい

5. 基準の温度計を熱電対として90 ℃から25 ℃まで電流1 mAを流して抵抗値を計算
型 NTCサーミスタ502AT-2 B定数 3324 K 最大許容電力 10 mW at25 ℃
0
1
2
3
4
5
6
25 30 40 50 60 70 80 90
抵抗値(kΩ)
温度(℃)
実測値 データ表の値
最大で1.7 kΩの差が生じてしまった

6. 基準の温度計を熱電対として90 ℃から25 ℃まで抵抗値を誤差を加味して測定
型 NTCサーミスタ502AT-2 B定数 3324 K 最大許容電力 10 mW at25 ℃
0
1
2
3
4
5
6
25 30 40 50 60 70 80 90
抵抗値(kΩ)
温度(℃)
データ表の値
電流を流して測定した値
テスターのみで測定した値
テスターで抵抗値を直接測定した方が誤差が小さい

7. 1．全体を通した誤差の理由
・熱電対とサーミスタ間に数mmの距離があり、温度差があった。
・サーミスタを温度の変化が大きい水面付近の側面に設置していたた
め、正確な温度を測定することができなかった。
2．電流を流した時の誤差の理由
・水蒸気により側面が濡れてしまったことが原因で、正確に1 mAを流せ
なかった。
・電流を流すことでサーミスタ自体が自己発熱してしまった。
3．結果
許容差、精度が±1%であるため、測定の過程において生じた測定誤
差は2.5%であった。

8. タイトル：高精度サーミスタNTCサーミスタ
• URL：http://akizukidenshi.com/download/ds/semitec/at-thms.pdf#search='502AT2+
• 著者：秋月電子
• 更新日：2013年12月19日
• 閲覧日：2015年11月16日2：37
タイトル：PTCサーミスタPTCサーミスタ
• URL：http://www.ceramic.or.jp/museum/contents/pdf/2007_4_01.pdf#search='PTC
著者：三原賢二良 (株)村田製作所
更新日：2008年5月7日
閲覧日：2015年11月16日2：27
タイトル：電気・電子素子の製造方法CTRサーミスタ
• URL：http://astamuse.com/ja/published/JP/No/2008056803
著者：astamuse company
更新日：2015年11月15日
閲覧日：2015年11月16日3：09