もっと自由に使いこなし！〜 Illustrator CC 既存機能おさらい＆気になる新機能〜

このスライドはAdobe MAX Japan 2017でのセッション「ベテラ
ンほど知らずに損してる Illustrator MAX Special」のフォローア
ップ資料です。復習などにお役立てください。
もっと自由に使いこなし！ 
Illustrator CC
&

hamkoと申します。普段はDTPやイラストのお仕事をしています。
今年はIllustratorの30周年企画「Illustrator30_30」でもユーザー
のひとりとしてご紹介いただきました。
hamko
DTP

まずはCC以降のIllustratorを簡単にふりかえってみましょう。

2013年に初代Illustrator CCがリリースされてから、これだけのバ
ージョンアップが重ねられてきました。先日もまた新しいバージョ
ンがリリースされ、あらたな機能が増えています。
NEW!
17 17.1 2014 2014.1 2015
20172015.2 2015.3 2015.3.1 2017.1
CC 
（2018）

では具体的にどれだけ機能が増えているのか？新機能の一覧ページ
を参考に数えてみました。

概算ではありますが、ここでわかるだけでも増えた機能はおよそ100
項目以上。細かな機能改変やバグフィックスなども加えると、おそ
らくこんな数では足りないはずです。
およそ100項目以上！
hamko

このように、たくさんの機能が増えているIllustrator CCですが、
これらをすべて紹介することはできないので…

今回は私が普段気に入って利用しているイチオシの機能をご紹介し
ていきます。
CCのここが好き！
イチオシ機能
17〜2017.1

まずは描画まわり。描画関連は新たに増えた機能やツールが多く、
CSのころと比較すると格段に使いやすくなっています。
描画まわりのアップデート
CCのここが好き！その１

こちらは新たに増えているツール、曲線ツールです。
曲線ツール新機能

このように、曲線ツールでアートボード上をクリックすると間を補
完するように適切なベジェ曲線を引いてくれます。ポイントは後か
ら動かしたり追加したり、削除することもできます。

一回で狙った見た目にするのは難しいので、だいたいのかたちでポ
イントを打った後に調整する使い方がおすすめです。
では、どんな時にこのツールが便利なのでしょうか？

例えば図のように不規則に曲線をつなげたい時。従来のペンツール
ではクリック、ドラッグと２つの操作の繰り返しが必要ですが、曲
線ツールの場合はクリックのみで作業が済みます。

もうひとつメリットがあります。曲線のスムーズポイントを曲線ツ
ールでダブルクリックすると…

コーナーポイントに切り替えることができます。これも従来のペンツ
ールの場合はアンカーポイントツールへの切り替えが必要ですが、
曲線ツールなら不要。片手だけで作業が完結します。

描画関連でもうひとつご紹介します。
セグメントからカーブを引き出す機能強化、セグメントのリシェイ
プです。
セグメントのリシェイプ
機能
強化

従来のIllustratorでセグメントを変形すると、場合によってはセグ
メントがよじれたり、自然なカーブにはなりません。これは、方向
線の角度が常に固定のままという仕様によるものです。
現在（CC 17.1〜）
 
従来

現在のCCでは、ドラッグした方向に応じて方向線の角度が自由に
変わる仕様に変更されています。これによってセグメントから直感
的にカーブを引き出すことができます。
現在（CC 17.1〜）
  
従来

セグメントが直線の場合、ダイレクト選択ツールでは単なる移動に
なってしまうため、確実にカーブを引き出したい場合はアンカーポ
イントツールでの操作がおすすめです。
現在（CC 17.1〜）
  
 
従来

例えばレースやフリルのようなモチーフを描く時に非常に便利な機
能です。これは直線で適当にセグメントをつないだ状態から、アン
カーポイントツールでカーブを引き出しています。

最終的にこのような状態に仕上がりました。レースやフリルの他、
雲やふきだしなどモコモコした形状を描きたい時におすすめです。

とは言え、従来の「方向線を固定する」仕様のほうが良いケースも
あるでしょう。その場合は環境設定を確認します。

選択範囲・アンカー表示の「セグメントをドラッグして固定パスを
リシェイプ」のチェックをONにすることで、従来仕様に戻すこと
ができます。

このように環境設定などで「使うか／使わないか」を選択できる新
機能もたくさんありますので、状況に応じ切り替えて利用するのが
良いでしょう。
ON

CCには欠かせなくなってきた、ライブラリもご紹介します。
CCのここが好き！その２
ライブラリ

ライブラリパネルを経由して、デバイス・アプリケーション間で素
材の共有ができます。
ライブラリ新機能

Illustrator CCのライブラリパネルではこんなものが扱えます。機
能搭載当初に比べていろいろな素材に対応できるようになりました。
Illustrator CCのライブラリパネルで扱えるもの

ちなみに、テキストは最新のCC2018であらたに扱えるようになっ
たものです。
Illustrator CCのライブラリパネルで扱えるもの
NEW!

ではこのライブラリパネルへ素材を追加するにはどうしたら良いで
しょうか？いくつかご紹介していきます。
Illustrator CC ＋ライブラリ

まずは基本、「自分で作って登録する」パターン。おそらくこれが一
番多いケースでしょう。
自分で作成して登録する

それから、デスクトップアプリケーションだけでなく、モバイルア
プリを利用して素材を作る、という選択肢もあります。
それでは自分で素材を作らない場合はどうでしょうか？
自分で作成して登録する

まずはAdobe Stock。他社ストックフォトサービスと異なり、購
入素材の保存先に自分のライブラリを指定できます。連携のスムー
ズさがメリットのひとつです。
別のサービスから素材をダウンロードする
Adobe Stock

それからCreative Cloudマーケット。Stockに比べて認知度が少し
低めかもしれませんが、こちらも自分のライブラリに素材を保存で
きる便利なサービスです。
別のサービスから素材をダウンロードする
Adobe Stock

Stockと違い、CCマーケットはIllustratorからアクセスすること
ができません。アプリケーションの更新などで利用する、CCデス
クトップアプリからアクセスします。
使っていますか？ Creative Cloudマーケット
CC

また、Stockは基本的に有償のサービスなのに対し、CCマーケッ
トの場合はCC有償メンバーであれば月500点まで無料で素材が利
用できます。
CC
月５００点まで無料  
CC

ダウンロードした素材は改変や商用利用も可能です。残念ながら素
材の更新頻度や豊富さはStockに劣りますが、高品質な素材が多数
揃っているうれしいサービスです。
CC
CC
 
OK

CCマーケットを利用するには、CCデスクトップアプリの「アセッ
ト」を選択します。
CC
CC
 
OK

さらにその下の「Market」をクリックするとこのような画面が表示
され、素材を探すことができます。
CC
CC
 
OK

カテゴリーを切り替えるほか、キーワード検索でも素材が探せます。
CC
CC
 
OK

Illustratorで扱いやすいsvg素材が豊富なのは「ベクター画像」「ア
イコン」カテゴリーです。他にもUIのモックアップやpsd専用ブラ
シなどが揃っています。
CC
CC
 
OK
svg

続いてモバイルアプリです。Illustratorと特に親和性の高いものを
2つ、概要のみご紹介します。
CCのここが好き！その３
モバイルアプリとの連携

まずはAdobe Capture CC。シェイプやブラシなど、Illustratorで
使える素材を画像から作れるアプリです。先日のアップデートで面
白い機能が加わったので、後半で改めてご紹介します。
Adobe Capture CC

Illustrator Drawはモバイル環境でベクター描画ができるお絵かきア
プリ。Illustratorの塗りブラシのような描き心地です。ApplePencil
があるとさらに快適に利用できます。
Adobe Illustrator Draw
iOS
Adobe Capture CC

CC2017までで使える機能をご紹介してきましたが、ここからはリ
リースされたばかりのCC2018で気になる新機能を見ていきます。
最新 Illustrator CC
気になる新機能 +α

まずはあらたに増えたパネル、プロパティパネルです。

選択されているツールやオブジェクトの種類など、状況に応じて表
示される機能が変わるパネルです。下側には必ず「クイック操作」
という項目が表示されます。

例えば画像を選択している時。「マスク」をクリックすると画像がク
リッピングマスク化され、クイック操作の内容も変わります。

かんたんな作業で活躍しそうなプロパティパネルですが、もう少し
複雑な処理をしたいときはどうしたらよいでしょうか？そんな場合
は各項目の右下にある詳細オプションボタンを使います。

たとえばライブシェイプ選択中に変形の詳細オプションボタンをク
リックすると、詳細パネルが表示されて細かな設定ができるように
なっています。

アピアランスの項目ではオブジェクトの色や線の太さを変えること
ができますが、塗りや線の順番を変える・増やす、効果を任意の項
目に適用する、といった処理ができません。

ボタンをクリックすると従来のアピアランスパネルが展開されます
ので、複雑な操作はこちらで行いましょう。

次に、CC2018の目玉機能とも言えるパペットワープです。ちなみ
に、Photoshopには同様の機能が既に搭載されています。

選択中のアートワークをパペットワープツールでクリックし、ピン
を打ちます。人物イラストの場合は上記のような部分に打つと制御
がしやすいです。
 
人物イラストなら…

パペットワープツールを選択し、ピンのまわりに点線が表示されて
いる状態でドラッグすると、ピンを中心に回転できます。

ピンをドラッグして伸ばすこともできます。ピンは追加や削除も可
能です。

パペットワープツール使用中にコントロールに表示されている「す
べてのピンを選択」をクリックし、Deleteキーでピンを削除すると
元の状態に戻せます。

このとき、一度でも選択を解除していると、ピンをすべて削除して
も変形前の状態には戻せなくなります。不安な場合は変形前の状態
でコピーをとっておいたほうが良さそうです。

人物のイラストに限らず、シルエット調整やバリエーションづくり
など、イラスト制作の様々な場面で活躍してくれそうです。

テキストオブジェクトに対してパペットワープを適用すると、ピン
を打った時に強制的にアウトラインがかかります。ロゴ作成などに
使う際は注意しましょう。

続いてCapture CCの新機能についてご紹介します。身の回りにあ
る印刷物などを見て「こんな書体おしゃれだな、自分も使ってみた
いな」と思った時に便利な機能です。
Adobe Capture CC

iPhoneなどでCapture CCを起動します。

起動したら、上の項目から「文字」をタップします。

新規作成したいので、下の「＋」ボタンをタップしましょう。

カメラが起動します。気になるフォントを直接撮影する場合は、青
いラインに文字が揃うように撮りましょう。

今回は右下の画像アイコンをタップして、カメラロールから画像を
読み込みます。
3

画像が読み込まれたら、フォントの部分を青いエリアで囲うように
して選択します。2行あったら1行選択するようにしましょう。

画像が読み込まれたら、フォントの部分を青いエリアで囲うように
して選択します。2行あったら1行選択するようにしましょう。でき
たら下のチェックボタンをタップします。

画像を解析して、Typekitから形や雰囲気の似ているフォントを探
してくれます。まったく同じフォントではないのですが、かなりの
精度で類似フォントがリストに並びます。

フォントを選んでそのまま保存もできますが、「編集」をタップする
とさらに詳細な設定が可能です。
3

サイズや行送りなどが変更できます。調整したら右上の「保存」を
タップします。
3

保存画面に切り替わります。名前や保存先ライブラリを指定して「保
存」をタップしましょう。

これで保存が完了しました。

キャプチャしたフォントはIllustrator CCのライブラリパネルの文
字スタイルの項目に保存されます。

Illustrator CCでテキストオブジェクトを選択し、ライブラリパネ
ルの文字スタイルをクリックすれば適用されます。

Adobe MAX Japan公式サイトでアーカイブ動画が公開予定です。
気になる方はぜひ御覧ください。
 
 
 
CC

もっと自由に使いこなし！〜 Illustrator CC 既存機能おさらい＆気になる新機能〜

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