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2015/04/25
新しい広報論について
―ジャック・エリュール「プロパガンダ」
論を起点に
鈴木幹久
■著作
Propaganda: The Formation of Men's Attitudes
(Propagandes; original French edition: 1962)
Paperback – January 12, 1973
Translator: Konrad Kellen, Jean Lerner
1. はじめに
2. ジャック・エリュール「プロパガンダ論」
3. 新しい広報論について
■人となり
ジャック・エリュール(Jacques Ellul、1912年- 1994年)
ボルドーを拠点に活動したプロテスタント知識人・思想家。
ボルドーで誕生。終生ボルドーに止まり、その地を活動の拠点とした。ボル
ドー大学で1936年に博士号を取得。一時行政職に就くもすぐにアカデミアに
戻る。ボルドー大学法学部教授として教鞭を取り、47年からボルドー政治学
研究所の社会学史講座を担当。以後、94年に死去するまで、ボルドー大学を
拠点(80年に退官)に教育と著述活動に捧げた。
「グローバルに思考し、ローカルに行動する」(Think Globally, Act Locally /
Penser globalement, agir localement)という言葉を造った人物として知られて
いる。
人口約25万人(1962年時点)
同国において8番目に人口が多い都市
■時代背景
1956年 フルシチョフが第20回党大会の秘密報告でいわゆる「スターリン批判」
1957年 スプートニク1号打ち上げ
1958年 大躍進政策
ド・ゴール大統領就任
1959年 キューバ革命
1960年 カメルーンがフランスから独立。「アフリカの年」での独立第一号
フランスがサハラ砂漠で初の原爆実験。第4の核保有国となる
ジョン・F・ケネディとリチャード・ニクソンの大統領選挙
史上初のテレビ討論
池田首相、所得倍増計画を発表
1961年 米大統領に、ジョン・F・ケネディ就任。
ユーリイ・ガガーリン飛行士を乗せたソ連宇宙船ボストーク1号が
地球一周に成功、人類初の有人衛星
1962.年 毛沢東党主席が大躍進政策の失敗を認める
キューバ危機
フランスからアルジェリアが独立
日本のテレビ受信契約者が1000万突破(普及率48.5%)
・本著論理の複雑さ
・時事(事実)に基づく批評
・鋭い洞察
イデオロギーとプロパガンダ
情報受容者の共犯性
大衆社会の巨大さと孤独さ
・プロパガンダに対する決定的な警鐘
広いプロパガンダ
新しい民主主義
・心の温かさ
デストピア的不気味な悲観論ではない、将来に対する温かい励まし
≠オーウェル (ビッグブラザーによる全体主義国家と監視の関係)
≠カフカ (官僚組織による情報管理に対する個人の脆弱性)
≠ハクスリー (娯楽と快楽による環境管理型)
・短くも含蓄のある豊かな比喩
特徴
・対策の提示がない
・キリスト教に関する言及
・二項対立
限界
■空間的に広い
米国もアルジェリアも、ヒトラーのドイツも、毛沢東の中国も同
じ視点から論じる
■時間的に広い
アウグストゥスなどの時代から連綿と続くもの
■科学的に発展するものとしてのプロパガンダ
属人的な職人芸の技法としてではなく、新たな科学の発展、特に
心理学や社会学の発展の応用によって為される科学的手法
(物理学が原子力という応用を生み出している)
視点の深遠さ
プロパガンダとは、
「心理学的操作を通して結合し、ある組織に組み込まれた人々
の集団的行動において、積極的或いは受動的な参加を引き起こ
そうとする組織化された集団が用いる一連の手法」
定義
プロパガンダの目的は、その影響力にある
機能主義
■政治学的プロパガンダ
権力の機能としてプロパガンダを捉え、それを政治学的プロパガンダと
呼ぶ
■社会学的プロパガンダ
社会的文脈という手段によるイデオロギーの浸透
(社会学的プロパガンダは土地を耕す作業として、
政治学的プロパガンダは種を撒く作業
収穫を得るにはいずれも不可欠)
• ニュースの流れと社会の基礎的変化を波と海の関係
多くの人がプロパガンダ研究において、波に関心を向け過ぎ、
海を見ることや、波と海との関係性を見落としていると指摘
• エリュールは社会学的プロパガンダを自発的に湧き上がってくる
ものと考えている
• バーネイズの工学的アプローチは、両者の接続
■扇動のプロパガンダ
• 突然夢にも思わなかったような理想が目の前に広がり、その可能性と
それを実現するための行動が提示される。
• 爆発的な熱狂であり、短期間しか持続しない。
• この扇動のプロパガンダは憎しみを燃料に燃え上がり、
教育をあまり受けていない、知識の程度の低い人
• 扇動のプロパガンダには、マスメディアは必要がなく、自己増殖的な
かたちで人々を次々と巻き込んでいく
■統合のプロパガンダ
• 扇動のプロパガンダと相対する統合のプロパガンダが最も重要
• 扇動のプロパガンダとは逆に、知識人に向けられる。
• 扇動のプロパガンダは言ってみれば、暴動誘発のプロパガンダである
が、もしそれが成功したならばすぐさま統合のプロパガンダによって
秩序を取り戻す必要がある。
• ヒトラー、レーニン、毛は注意深く緊張と弛緩を組み合わせている。
■垂直的プロパガンダ
群衆を形成する個人を孤立させておく手法で
熱狂や暴動であり、個人間の対話などはまったくない。
ヒトラーやスターリンだけでなく、今日のフランス政府も米国政府も
この垂直的プロパガンダを徹底していると指摘
効果は陳腐化しやすく、その意味で垂直的プロパガンダは扇動のプロ
パガンダに相当する。
■水平的プロパガンダ
垂直的プロパガンダと比べてより高度な技法
機械的でない、自発的な支持を創出する必要がある
小集団が統率され、それぞれ自発的で活発な議論が行われている社会
垂直的プロパガンダはマスメディアを、水平的プロパガンダは組織化
をそれぞれ必要とする。水平的プロパガンダは成果を得ることは難し
いが、得られた場合の成果は大きい。小集団の形成にあたっては、家
族のような伝統的な集団は解体される。
■非理性的プロパガンダ
• 感情に訴えかけ、早急な行動に訴えかける。
■理性的プロパガンダ
• 統計や分析などを用いて理性的に働きかけ、短期的な爆発力は
ない者の持続力がある。
• 大量の情報で人々の判断力をむしろ失わせ、批判する力を減じ
る。
社会学的プロパガンダ → 政治学的プロパガンダ
(副プロパガンダ) 接続:工学的アプローチ (直接的プロパガンダ)
広い概念 一般的な概念
意図的でない 意図的
海 波
社会的潮流
⇔ 垂直的プロパガンダ
指導者がいない 短期
自律的 強制的
高度な手法
小集団の組織化が必要(伝統的な集団、家族などは破壊される) マスメディアが必要
教育との同質性
← 扇動のプロパガンダ
劇的に舵を切る必要がある
長期 短期
秩序 熱狂
協力と寛容 憎しみが糧
知識人が対象 農民など知識水準の低い人が対象
マスメディア不要
理性的プロパガンダ ⇔ 非理性的プロパガンダ
理性と経験に訴えかける 感情と情念に訴えかける
継続的な支持 早急な行動
大量の研究成果、統計、分析
判断力や意見を形成する力を失わせる
水平的プロパガンダ
統合のプロパガンダ
■機能主義が押し進められた結果
イデオロギーのプロパガンダの従属である
20世紀の決定的な転換:
目的と手段に関して、レーニンやヒトラーは、
手段が目的に優先すると考えた
• 目的はイデオロギーであり、手段がプロパガンダ
• かつてプロパガンダはイデオロギーを伝播する手段
• レーニンとヒトラーはプロパガンダのためにイデオロギーを用いた
• イデオロギーはプロパガンダの下位概念
• 事実が最上位の概念として強調され、価値観が事実の下位概念に
なっていることに疑問を呈す
• 事実と価値についてこのように疑義を唱える点、エリュールはプラ
グマティスト
• 宣言される事実があって、あとはその事実は信じられるかどうかで
あること、このことはエリュールにとって受け入れがたい現象
• 議論によって育まれる真理をエリュールは希求
• 問題や判断の複雑さ、意見の多様さ、微妙な差異、暫時的な移行を
大切に考える。
• 個人の考えはこの源泉であり、小集団による議論はこれを育むもの
• プロパガンダはマスメディアを通じて公的な意見として単純さ、分
かりやすさ、早急さでこれに挑んでくる
• マスメディアは表明できる個人の意見の数を劇的に減らす。公衆の
意見が個人の意見に優先されるようになる
• 公衆の意見とは、単純で早急な非理性的な意見であるにも関わらず
• 二大政党制を促進し、多党制を消失させると予言
機能主義批判
• 必要性と正統性はまったく区別して考える
• 「必要だからやらなければならないのであり、やってもよい」など
とは考えない
• 事実に基づき必要性を主張することを弱さと捉え、そのような世界
は人間を否定する世界と考える
• 必要性は権力が生むものであり、それが正統性という人間的な価値
に優先するなどということはないと考える
本著の主題である
プロパガンダと民主主義の共立不可能性の問題につながる
• 全人類への脅威としてプロパガンダを捉え、その現実を直視するこ
とを人々に求めている
• 大きな概念としてプロパガンダを捉えたうえで、その危険性を高度
に抽象的で原理的なレベルで詳述するという離れ業
プロパガンダ
• 効果を志向し、その効果は常に決定的であることが望まれる
• プロパガンダは議論を認めず、複雑さという世界の本質を認めない
• ゆえに、プロパガンダは民主的ではない
• その目的が観念の形成ではなく、行動の誘発にある
• 知的位相を標的としない(知的な道のりは長期的で不確実なため、
短期的で確実な行動には結びつかないから)
• プロパガンダは憎しみや空腹を愛や公平性に優先
• 歴史的な事実や形而上学的な課題よりも、今日的な出来事を重視す
る
• ニュースの表層に人々の関心を向けさせ、思想や熟考を許さない
• 結果として人々は歴史や時間を消失し、思考停止した虚ろな目で
日々のニュースを見て、一喜一憂することになる。
• 大量の情報を人々に浴びせ、情報の多さのためにそれらの情報につ
いて一貫性を見出すことができず、人は忘却という手段に至る
• 人は自分の連続性を否定し、日々の断片的な存在に陥ることになる。
個人主義社会と大衆社会という要件が求められる(この二つは相互に補完的)
プロセス
• 個人は家族、村などの共同体、教区、アソシエーションが解体される
• より個人的な存在になる
• あいまいな大衆、社会、人々といった概念にすり寄っていく
• プロパガンダを受けやすく、プロパガンダは不安や孤独をかき立てる
• その不安や孤独を解消する大きな理想やその実現のために努力の方法を提示さ
れ
• 無力感を感じていた人々はある種の英雄主義的な鼓舞によって勇気づけられな
がら、
• 結果として大衆という巨大な群れの一員に加わって行動していく
• 群衆は大きければ大きいほど個人の孤独は大きく、共同体に属したいという欲
求は大きくなる
• プロパガンダはこの欲求に応え、集団的イデオロギーを提供し、神話を語りか
ける
プロパガンダの成立要件1
大規模な社会で形成される世論は、かつて小集団が形成していた集団
的意見とは明確に異なる。
• 横のつながりや相互作用のない大衆社会の世論に対して、エリュー
ルは極めて否定的
• 大衆社会によって成立する世論というもの自体にまったく懐疑的
• 個人は家族的な意見と、社会的な意見の矛盾に直面して、社会的な
意見を採用するのである。崇高な理念のために死ねると言っている
人は、基礎的な知的分別を消失してしまっていると指摘
• プロパガンダが人に与える英雄主義は、家族よりも国家を優先する
よう働きかける
• 人は正義や平和といった大義のために行動したいが、そのやり方が
分からない。或いはないのかもしれない。プロパガンダはその方法
も提示する。そして人はそれに飛びつく。この提示は集団に対して
与えられるからその行動は集団的なものになる。プロパガンディス
トの勝利である。
情報発信者から受信者への線形モデルを採らず、両者の相互依存関係を鋭
く指摘
×
• 線形モデルは権威主義的支配者と受動的群衆という前提
• ある者が群衆を自由に操作できる
• プロパガンダは簡単に見破ることができ全く効果がない
情報受信者はプロパガンダの犠牲になる純朴な市民ではなく、大衆社会の
なかで自らプロパガンダを求めるプロパガンダ成立の共犯者
(馬を水辺に引いていくことはできても、水を飲ますことはできない)
邪悪なプロパガンディストの標的になる純粋な市民という市民像を否定
心からプロパガンダを求めるどうしようもない市民という市民像
プロパガンダの成立要件2
謎の魔法使いでも悪魔的権謀家でもない
情報受容者である市民の共犯者であり、より踏み込んで言い換えれば
市民の要求に応える執事
もちろん、市民が「プロパガンダが足りない」などと渇望の声を上げ
ることなどない
逆に、市民は自分を成熟した市民とみなし、にもかかわらず無自覚に
も自分の直面する緊張や混乱を和らげるべく、声を上げることなくプ
ロパガンダを求めている
エリュールの描くプロパガンディスト
大量の情報が散布されると、人は事実や分析よりも、価値判断やあ
るべき態度を、情報に求めるようになる
• 人は日々幾千もの光が輝く万華鏡のなかにいて、その変化と不規
則さに耐えられず、一貫性を求める
• 全く無秩序な情報の散乱のなかで、人はそれらを整理する考え方
の枠組みや、一貫性のある包括的な回答を必要とする
• この必要性に応えるかたちでプロパガンダは、起きているすべて
の事象を通底する大きな概念の体系を提供するのである。
• 人は結果として、内的矛盾、緊張、自信喪失が緩和される。
• 大衆のなかで、世論のなかで、人は安定した、秩序ある世界を手
に入れ、安心と満足を結果として感じることができる。
• 彼の世界は大幅に単純化されている。
• 人は安定と満足を求め、その源泉となる世界に固執するので、新
しい概念に対して閉鎖的になる。
• 単純化され整理された世界は、あいまいさや柔軟さがなく、非理
性的なものである。
• この世界への批判は受け入れがたく、そこへの攻撃を自分の人格
への攻撃と捉える。
アルコール中毒者が肝臓の痛みを紛らわすために酒を重ねるような
行為だとエリュールは喩える
この安定と満足の代償
• 今日の我々が、あまりにも長時間の労働、多大な義務、多額の税金
に圧迫されている
• 義務のためだけに働く奴隷ではなく、自由と尊厳をもって労働と向
き合う我々にはその労働の正当性が必要になる
• プロパガンダは我々の労働に対して、より高次の充足の源泉を与え
る
• 戦争に際しても、家族や自国の保護だけでは、兵士を鼓舞すること
ができず、大きな犠牲を得るにはこれまでと異なる必要性が与えら
れる必要がある
• 日々の生活においても、明確な陣営の目的の欠如や個人の匿名性を
受け入れるストレスといった個人的な困難や、騒音、住宅不足と
いった社会的な困難があり、こうした生活耐える心理的な支えが
人々には必要だと言っているのである。これらの必要性を充足する
ものがプロパガンダ
人がプロパガンダを求める別の理由
• 非理性的な多数派による世論は、理性によって行われる民主主義と
相容れない
• 世論は市民の権利を行使する能力がない人によって構成されている
から
• 批判的精神とは個人の宿るものであり、集団的な批判的精神などと
いうもの自体存在するわけがない
大きなジレンマ
• 政府は世論の動向を受け止め、政策に反映しようとする。
• しかし、その世論は流動的で理性的でない
• 世論は不適格な者たちの意見であるから、政府は従うわけには行か
ないが、逃げ出すこともできない
• 大衆がなければ政府は成立しないが、政府は大衆に従ってはその維
持は困難になる
• 国家はそのイデオロギーの如何に関わらず、プロパガンダを統治の
手段として用いなければならなくなっている
• 政府は、国家間のプロパガンダ競争もある
直視すべき現実
• エリュールの決定的な指摘は、「プロパガンダは人格や自由を破壊す
る」というもの
• 民主主義の価値と人格を尊重したプロパガンダなど有害な幻想
民主主義を普及するプロパガンダがあるのではないか
• 米国において広く流布
• 多くの報道関係者や時事解説者の前提になっている
• あまりに表面的で現実離れしていると取り合わない
• エリュールの民主主義は、微妙な意味合いや議論の展開における真理の
柔軟さが根底にあり、さらにその深層には人類への尊厳がある。唯一の
真実などなく、敵対する者にも多少の正しさ、正義、良識があるはずだ
という尊厳である。
• こうした尊厳は効果的なプロパガンダと決定的に相容れない
• 民主主義の基礎的部分はプロパガンダの効果を無効にするのであり、民
主的なプロパガンダなど成立し得ない
• プロパガンダを価値中立的に用いることができ、民主主義の伝播にも用
いることができるという意見に対しては、放射線学者はラジウムをその
影響を受けることなく扱うことができるだろうかと一蹴
直視しよう
• プロパガンダが民主主義と相容れないこと、
• そのプロパガンダは新しい技術を用いながらも現代人が求める
ことなしでは成立しないこと
• 現代国家はプロパガンダという統治手段を用いなければ成立し
ないこと
幻想を断ち切ろう
• 民主主義を広めるプロパガンダもある
• プロパガンダはする人が悪くけしからん
• 受ける人も悪いがそれは回避でき自分は回避している
エリュールの警鐘
■
・エリュールの指摘する機能主義の象徴、小山の主張、生き方
(実践者:バーネイズ、リップマン) ~戦後の流れ
・エリュールの指摘する技術進歩;マスメディアの登場、1943体制
■同時代の三木の協同主義
・協同主義は実践的で、実践の立場に立つ(唯物論と観念論の抽象性を止揚)
・協働主義は主観主義と客観主義との綜合
・弁証法は主体と主体、主体と客体と間にある
・個人的であるとともに社会的である(個人は社会からつくられたものでありながら、
独立なものとして逆に社会をつくっていくものである)
・個体の多は直ちに全体の一であり、全体の一は直ちに個体の多である。
・多元的対立と二元的対立
・全体主義(一の普遍、有機体説、部分は全体に対して機能する)を批判
・時間について
実践の立場は現在である。歴史は単に我々に与えられたものではなく、
我々自身が現在作ってゆくものである
過去にも未来にも現在から発展していく時間(発展段階説などあり得ない)
・人間は創造的社会の創造的要素である。
【関係性主義、中庸、多一論、流動的な真理、複数性、複雑、線形でない時間の流れ】
世界の本質、あるがままの世界⇔効率、必要性が要請する整然として固定的な偽りの世
界(機能主義という偏光)
■符合する営み
・実践思考のプラグマティズム(エリュールの民主主義)
・デューイの挑戦(パース、ジェームズ)~パトナム・ローティ
・ハイデガーの創造性
・コンテクストや対話の重視:フッサール(厳密さから間主観性へ)、シュッツ、
・ガーフィンケル、ハーバーマス、熟議型民主主義、社会構築主義
・多一論:すべての個は全体に影響を与える。かけがえのない個
・匿名→世論調査(近代主観主義の産物、客観性?)
■新しい市民社会論の萌芽
・ヘーゲル;家族ー市民社会ー国家
・マルクス的対立構造を前提とせず、中庸としての市民社会
アナーキズム、理想主義のように国家を否定しない
・最も尊い存在
権力を前提とし、権力を志向せず、権力を否定しない社会主義
個人主義と国家主義(全体主義)の間、市民社会という最も高貴な存在
市民社会は国家と闘争せずに、止揚する
脆弱にして最も尊い?
中間組織(トクヴィル、パトナム)
■プラグマティックな民主主義における新しいプロパガンダのかたち
/選挙・議会・マスメディアの変革(マスメディアによる大衆選挙民主主義)
・匿名でない世界
・選挙・投票では必ずしもない(多数決はNG)
・コンテクストを重視した合意形成
・新しい技術、通信手段を用いる
・必ずしも議会を介さない、ただし議会を否定しない。

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