2018年のマレーシアの自動車産業についてまとめています。 自動車販売台数は、前年から僅かですが増加を維持しており、特に政権交代後の3ヵ月間実施されたGST 0%が大きく貢献しました。国内市場はシェア38%のプロドゥアが強さを維持しており、新型Myviが好調を支えている構造になっています。 また、マレーシア国内ではSUVの成長が著しく、国民車メーカーであるプロトンとプロドゥアも新車種を投入しました。ただ、プロトンはこれまでの価格優位性をアピールした戦略から、高機能の車種を投入し、日系メーカーと同じ土俵での競争へと一転しています。 更に、マハティール首相は真国民車構想を発表、2020年の市場投入を目指しており、市場構造が大きく変わる可能性も内包しています。

1. マレーシア自動車産業
～2018年～

2. 2018年の新車販売台は598,714台
（2017年比で3.8%増加）
全盛期だった2015年（666,677台）
の約9割まで回復
乗用車新車販売台数は533,202台
（2017年比で3.6%増加）
商用車新車販売台数は65,512台
（2017年比で5.7%増加）
乗用車、商用車共に新車販売台数は
前年比で増加を記録
0
10
20
30
40
50
60
70
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
（万台）
商用車
乗用車

3. 0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
（台）
GST廃止/SST導入前
2018年は、新政権の公約によって、
6月～8月の期間中はGSTが0%に減
税され、この期間中は消費者の購入
意欲が高まった。

4. 598,714 600,000
612,000
624,850
638,600
653,290
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
2023年の国内自動車市場総需要量
（TIV）は653,290台で、2018年比
で9%増加の見通し。
（台）

5. 0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
0
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
300,000
350,000
400,000
2014年 2015年 2016年 2017年 2018年
EEV台数 占有率
モデル数 6 82 59 78 62
バリエーション 11 81 117 105 386
2018年のマレーシアのEEV発売台数
は33万9,978台で、2014年比で約
3.6倍。新車販売における占有率は
62%へ増加。
2018年末時点でEEVモデル数は62車
種、386バリエーションに拡大。
2019年の新車販売でのEEV占有率は
70%を見込む。
（台）

6. 2018年
533,232台
メーカー別では、プロドゥアが市場
シェア38%で首位を独走。特に、
2017年末にリリースした新型Myvi
が記録的ヒットに。
日系メーカーのホンダ（17%）と、
トヨタ（11%）が続く。
第一国民車で中国Geelyの傘下に
入ったプロトンの市場シェアは11%
で、国内第4位。
38%
17%
11%
11%
5%

7. 2018年
533,232台
394,511台
63,464台
72,019台
カテゴリー別では、乗用車が全体の
74%を占める394,511台、MPVが
12%（63,464台）、4WD/SUVが
14%（72,019台）であった。
マレーシア国内の売れ筋はBセグメン
トであるが、近年の傾向として、
SUVの販売台数が大きく伸びており、
新車販売台数シェアは2位に上昇。

8. SUV市場をけん引する日本メーカー

9. 1.8L DOHCターボ 1.5L DOHC
285Nm 133N/m
60L (12.3km/L) 45L (15.6km/L)
RM 99,800～123,800 RM 72,900～77,900
VS
現地メーカーもSUVへ参入

10. スマートフォンでの
コントロール
衝突被害軽減ブレーキ
低速走行・車間距離
制御システム
車線逸脱警告
TPMS
全方位モニター

11. Proton will be moving upmarket, and
will eventually compete with Japanese
marques such as Honda and Toyota,
and not market leader Perodua.”
“

12. 0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
販売台数 シェア
2018年
227,243台
36%
31%
22%
11%
月別市場シェアでは、5月の販売で51.1%を
記録。

13. 30万台
累積販売台数
（17年間）
30%
18年1月～8月
ホンダ総販売中
シェア
51%
18年1月～8月
同セグメント中
シェア

14. そして第3の国民車計画が…

15. 2020年より生産開始
公的資金は投入しない 2,000万リンギットの研究・
開発助成が起業家開発省から
半自律走行・先進安全機能で
手ごろな価格を実現

16. We need to revive them
because the whole idea
about investing in a
national car is not just
about building a national
car, it’s about becoming a
catalyst for growing
Malaysian engineering
capability,”
“

17. The cake is big enough for the
third national car to play a role.
Of course, Proton and Perodua
will play their respective roles but
the third national car will be
another national car entity,”
“

18. マレーシア自動車研究所 マレーシア自動車・ロボティクス・IoT研究所

19. 自動車が好きな
93歳の首相

20. 国内自動車販売台数は回復基調。
特にSUVの成長が顕著となっており、プロドゥアと
プロトンも同市場に参入。
メーカ別ではシェア38%のプロドゥアが市場をけん引。
ホンダとトヨタの日本メーカーが続く。
プロトンは、ホンダとトヨタの市場へ方向転換。
つまり、価格優位戦略からの脱却。
マレーシア政府は第3の国民車計画を推進。
ただ、国民からの評判は芳しくない。

21. eijimurakoso@gmail.com
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