2022年6月14日、マレーシア投資開発庁は「MALAYSIA INVESTMENT PERFORMANCE (JANUARY – MARCH 2022)」を発表した。
同庁の報告書によると、マレーシアでは2022年第1四半期(1月~3月)の期間中、製造業とサービス業、第1次産業で910件のプロジェクトについて合計428億リンギットの投資が認可された。この内、海外直接投資が278億リンギットで65%を占め、国内投資は150億リンギットで35%を占めた。また、認可された投資によって2万4,906人の新規雇用創出が期待されている。
州別では、ケダ州とペナン州、セランゴール州、サバ州、ジョホール州が上位となり、5州合計金額は認可された投資総額の74%を占める318億リンギットとなった。
産業別では、製造業が引き続きマレーシア経済回復を牽引する重要な役割を担い、認可された投資総額の7割を占め、製造業向け投資額の内、海外直接投資は268億リンギットで89%を占めた。また、製造業における拡張・多角化プロジェクトは192億リンギットとなり、その内、91%にあたる174億リンギットは海外からの投資によるものとなっている。
製造業については184件のプロジェクトが認可され、1,086人の管理職と2,562人の技術職(電気・電子、機械、化学、その他の分野のエンジニア)を含む2万1,666人の新規雇用創出が期待されている。マレーシア人と外国人の雇用機会の比率は88:12となっており、マレーシア人の雇用機会が増加している。
次に、サービス業向け投資額は投資総額の3割弱となる127億リンギットで、720件のサービスプロジェクトが認可されている。サービス業では国内投資が最も大きな割合を占め、投資額の92%にあたる117億リンギットを記録、残りの8%の10億リンギットが海外からであった。
第1次産業では6件のプロジェクトが認可され、投資額は1.7億リンギットとなった。その内、国内投資が1億5,160万リンギットで89%を占め、海外からの投資は1,780万リンギットで11%であった。
【製造業】
サブセクター別では、電気・電子部品が186億リンギットで製造業全体の投資額の62%を占めた。投資先上位はケダ州(85億リンギット)とペナン州(63億リンギット)といったマレー半島北部に集中、この2州だけで製造業向け投資額の49%を占めた。また、海外直接投資についてはドイツが84億リンギットで最も多く、日本は30億リンギットで5番目の位置付けであった。
【サービス業】
サブセクター別では、不動産が59億リンギットでサービス業向け投資額の46%を占めた。また、ホテル・観光は15億リンギットを記録、前年同期比でプラス581.7%と投資額が大幅に増加しており、ホテルや観光産業の成長を促進する政府戦略に沿ったものとなっている。
【第1次産業】
サブセクター別では、農業が前年同期の1,150万リンギットから1,327.8%増となる1億6,420万と大きな伸びを示した。この増加は、国のサプライチェーンと食料安全保障の強化を目的として策定された「Securities Policy Action Plan Food 2021-2025」に沿ったものとなっている。