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Don't leave
before you leave.
子育てとキャリアアップの両立
2014.11.15@某中高一貫校
C. T
自己紹介
名前:Chihiro. T
2000年3月卒業、32歳
もうみなさんの倍の年齢ですね…
学歴:某地方私立中学校→同高等学校→東京大学教養学
部文科I類→東京大学法学部第2類(公法コース)
自己紹介
職歴:
某新聞社編集内勤
→同社知財部門
→某IT企業法務部門
→コンサルティングファーム
この間に24歳で結婚、
27歳で出産しました 5歳の娘がいます
↑イマココ
Display only
今日の話題
東京大学での生活について
やりたい仕事と家庭を両立することについて
ここで質問
「私は高校生のとき、どんな職業
を選ぼうと思っていたでしょう
か?」
「東大出て専業主婦になって何
が悪いの?」って言ってました。。
世界は広かった
精神的に「東大生」になるのに時間がかかった
入学式前の合宿で、都会のみんなは塾が一緒で
既に知り合いだったり…
ただ、持ち前の世話焼きな性格のおかげでうっ
かり学級委員みたいなものを引き受け、そのつ
ながりもあって何とか過ごしました
大学に入ってから必要なもの:
地頭と努力と
頭の作り自体が違う天才がやはり存在する
大学入試終了の時点で伸びきったゴムになって
はならない
努力では越えられないものがある。しかし努力
しないと行けない場所もある
どういう学生生活を送ると
いいか(失敗を踏まえて)
もし高校卒業時点で、何をやるか決められてい
なくても、まったく問題ない
やりたいことを当初やれたとしても、続けられ
るかどうかが課題
途中でやりたいことが変わっても何とかなる
「天才」ではなかった
私の生存戦略
そのときの直感を信じてやりたいことをするた
めには努力を惜しまない
継続しなければできないことと、やり直しがき
くこととを見分ける
何があろうとも、学ぼうとする意思と、その結
果として身についた教養は、何人たりとも私か
ら剥ぎ取ることはできない
もうひとつ、質問
「私は、晴れて東京大学に入学し
て、サークルの勧誘を受けたとき、
とあることに衝撃を受け、未だに
引きずっています。さて何でしょ
う?」
「うちのサークルは東大女子も入れるよ!と勧誘された」
(東大女子の入ることができるテニスサークルは4つ(今
は3つ)しかない)
思った以上に男女は同権ではなかった
合コン市場における東大女子の価値の低さ
自称「東女(トンジョ)」を使ってみたクラ
スメートの話
「名誉男性」としての東大女子
ここで統計
東京大学に入学する女子は、2013年度でも18.8%(出所:東京大
学男女共同参画室)
女性一般が、優秀でないと評価すべきなのか?
そんなことはないと、皆さんなら分かるのではないか?
むしろ、社会や環境の問題で、女性が高学歴を目指さない、と捉え
るべきではないか?
ex.)「嫁のもらい手がなくなる問題」
「キャリア」女性の直面するもの
大学、就職を仮にくぐり抜けても…
結婚、出産で、最も大きな壁にぶち当たる
「ケアワークは女性が中心に引き受ける」という社会通念
結婚する前は「男と同格の仕事」、結婚したら「女のする家
事」を当然引き受けて両方やらなければならない
制度があっても、変わらない(かも)
育休や時短は、キャリアには明確に不利益(私見)
3年休んで、戻ってすぐに元の仕事ができるようにはできない
子育てや家事労働が大事であることと、仕事の能力が向上す
ることとは別
結局女性ばかりが子育ても家事もやる、という環境が変わらない
限り、キャリアという点では不利
男性の育休取得率:2.03%(2013年)
例)マミートラック
両立はできても昇進はしない「お母さん向け」の仕
事
勤続年数による人事評価と、終身雇用を前提とした
硬直したキャリアパスを描いている組織である限り、
いったん「降りる」と戻れない
子育てをしている期間を人格形成等で「活かす」
事はできても、仕事から長く離れた時点でコース
に戻れない
では、どうすればいい?
両方向からのアプローチ
ミクロ的アプローチ:まずは自分が生き抜く
マクロ的アプローチ:あるべき方へ世界を変え
る
具体例がないとわかりにくいと思うので…
まずは私自身の、「まずは自分が生き抜く」やり方をお
話しします
子どもがいても転職した理由
(しかも2回)
やりたいことができなかった(1回
目)
著作権法のプロを目指していたの
に、育休から復帰したら、部署が
なくなっていた
違う視点で仕事がしてみたかった(2
回目)
法律を「適用する」より、法律以
前の「社会の仕組みを作る」立場
の人を支援したい 2回目の転職前、娘と香港旅行に
Display only
「働きやすさ」と「やりがい」
「両立のための仕事」をしたいかどうか、考えた方がいい
「キャリア」形成のための「やりがい」は、「両立のための
仕事」からはなかなか出てこない
困難ではあっても、「働きやすさ」は、創りあげることがで
きる
テレワークで子どもが寝た後に仕事をしたり
「やりがい」ある仕事は、やっぱりいつどこでやっても
楽しい
まずは自分が生き抜く:
やりたいことはやってみる
子どもがいてもいなくてもやりたいことがあれ
ば、まずやってみる
その仕事と子育ての両立が難しいと感じたとき
に、対処すればいい
その業界自体に問題提起して働きやすくする
転職する
まずは自分が生き抜く:
仕事と家庭を「半分こ」しよう
教育も変わってきている
麻布の校長発言「昔はお嬢さん学校と言われた学校も、今はどんどんキャリアウーマン
を育てる方向にシフトしています。大学を出て、社会に出て、共働きで働くと、女子校
は中高からそういう意識で育てているわけです。(中略)技術と家庭を中学1年から学
んで、ちゃんとした社会人であり、家庭人であってほしいと考えています。」(日経
DUAL「御三家校長が語る、今の男子に欠けていること」2014.7.30)
夫婦二人でやれば、(少なくとも子どもが幼児のうちは)生
き抜ける
仕事も子育てもやりたい、という男性は、周囲を見ると増え
ている
まずは自分が生き抜く:
「働く母」と配偶者
「輝く女性」を作るのは、政府でも会社でも企業でもなく、
共に生きる男性
意外とこれは、女性側も認識できていない
自分の配偶者を変えることを諦めてしまう人は多い
男性側も、能力ややる気が同じであって、これまで一緒に
成長してきた女性と、職業人としても一緒に生きてほしい
少しずつだけれど、そういう男性も増えています
あるべき方に世界を変える:
どういう世界が良いかを考える
あくまで個人の意見として
シェリル・サンドバーグ「なぜ女性のリーダーは少ないのか」
I have a five-year-old son and a two-year-old
daughter. I want my son to have a choice to contribute
fully in the workforce or at home, and I want my
daughter to have the choice to not just succeed, but to
be liked for her accomplishments.(私には2人の子どもがい
ます。5歳の息子と2歳の娘です。息子には職場や家庭で 十分に貢献
できる自由を持ってほしいですし、 娘には成功するだけでは無く、 自
身の業績により 人から好かれる自由を持てるようになってほしい)
唯一無二の解はない
答えは誰も出してくれないので、自分でやって
みるしかない。
ただ、やっぱり、やってみる前に諦めるのだけ
は、やめよう。
“Don’t leave before you leave”
Thank you for your
attention!

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