サプライチェーンを支えるIBM Blockchain Solution (Tradelens / IBM Food Trust) | 日本アイ・ビー・エム株式会社北山浩秀

⽇本アイ・ビー・エム株式会社
Global Business Services
製造 & 流通サービス事業本部
Industry Platform & Blockchain
北⼭浩透（技術理事）
サプライチェーンを⽀える
IBM Blockchain Solution (TradeLens / IBM Food Trust)
2021年 3⽉ 23⽇（⽕）
Blockchain EXE

© 2021 IBM Corporation
1
GBS, 製造 & 流通サービス事業本部、Industry Platform & Blockchain
⽬次
TradeLensのご紹介
IBM Food Trustのご紹介

2
1-1. TradeLensとは
• 既に多くの船社、港湾・ターミナルと接続し情報を受信している為、SaaS契約後直ぐにデータ活⽤が図れます
• 物流の可視化、請求業務の効率化、会計計上判断、洋上在庫の⾒える化、リードタイム予測に使えます
現在
① 貿易書類を、各社間で、紙で共有
② 輸送ステータス把握が困難
輸出者船社保険
税関
規制
当局
貨物
取扱
陸運
荷受⼈
規制
当局
港湾
船荷証券の空輸
TradeLens活⽤後
輸出者船社保険
税関
規制
当局
貨物
取扱
陸運
荷受
⼈
港湾
TradeLensプラットフォーム
① 貿易書類を、デジタルで共有＜=ペーパーレス化＞
② 画⾯上でステータス把握＜=ステータス可視化＞
①貿易書類（ドキュメント）の共有
• ⾮構造（PDF）, 構造（JSON）形式
• 20種類以上の貿易ドキュメント
• Blockchainによる真正性保証のVerifier
機能を実装
②イベントの共有（200種類）
• 輸送イベント（計画・変更・実績）
• 通関イベント
• IoTイベント
• ドキュメント・イベントなど

3
1-2. 開発経緯とエコシステム
TradeLensとは、IBMと⼤⼿船会社Maersk社が共同開発した国際コンテナ物流プラットフォームです
貨物コンテナ
（20フィート）
リーファーコンテナ
タンクコンテナ
コンテナ船
ESTELLE Maersk（398m）
コンテナ
トラックコンテナ貨物
ターミナル
（横浜本牧埠頭）
ガントレー
クレーン
Long Beachターミナル
(Los Angels)
港湾とターミナル
船社 3PLとフォワーダー税関当局
エコシステム・ネットワーク・メンバー
今⽇までの歩み
• 2018年01⽉ βサービス開始
• 2018年09⽉限定版サービス開始
• 2018年12⽉商⽤サービス開始
• 2019年 CMA, MSC, Hapag,
ONEが参加表明
• Seaboard Marine, ZIM, SPILが
TradeLensの本番環境へ移⾏
基礎数字
• 17船社をカバー（5社/Top6社）
• 世界コンテナ輸送 60%カバー
• 世界港湾・ﾀｰﾐﾅﾙ600箇所接続
• 1⽇500万イベント（2020/2Q）
• SaaS費⽤は、コンテナ数課⾦

4
1-3. 2つの主機能
①
イベント
可視化
機能
②
ドキュメント
シェア機能
荷主 3PL ドレージ税関当局港湾・
ターミナル
船社港湾・
ターミナル
税関当局ドレージ 3PL 荷主
輸出から輸⼊の全⼯程にわたる荷動き・貿易⼿続きの可視化
TRADELENS ブロックチェーン・ビジネス・ネットワーク
貿易書類のデジタル化
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所
到
着
パッキング
リスト
輸出書類
船荷証券(B/L) 出荷指⽰書
送り状
（インボイス)
原産地証明書危険物申告書
事前申告書通関許可書
原産地証明書貨物特有の証明書輸⼊書類
⽀払済
インボイス
TradeLensで最適化される業務プロセスです。現在TradeLensには、①イベント可視化機能と②ドキュメントシェア機能があります

5
1-4. TradeLensで図れる課題解決（例）
作業効率化（⼈件費の削減、スピードUP）
デマレージ（ターミナル延滞⾦）の削減
ディテンション・チャージ（コンテナ追加使⽤料⾦）の削減
コンテナ内の移動在庫把握（⽋品対応）
輸送遅延への対応
Labor Costs
（⼈件費）
Delivery Time
（輸送時間）
Cost
（輸送費⽤、延滞⾦）
Speed UP
（作業スピードUP）
Out of Stock
（在庫不⾜）
コンテナ輸送請求額の検証
コンテナのパフォーマンス表⽰（状況・遅延・予定変更・予測など）
不⾜ドキュメント表⽰・アラート通知
ルート・パフォーマンス（計画と実績の違い分析到着予測の精度向上）
正確性の⾼い船社・ターミナルを確認
ルート、中継港、ターミナル、通関の平均リードタイムを把握
コンテナの遅延発⽣時のアラート通知
ロール・コンテナ・リスクの発⾒と通知
コンテナの通関にかかる時間分析
デマレージの⾃動計算
ディテンション・チャージの⾃動計算
災害や緊急（ストなど）時のコンテナ状況把握
顧客への輸送状況の⾒える化
顧客へのサービス向上
CX
（顧客サービス向上）
TradeLensデータ活⽤パターン Key Performance Indicator(KPI)
請求額の検証（過剰請求の防⽌）
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

6
⽬次
TradeLensのご紹介
IBM Food Trustのご紹介

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GBS, 製造&流通サービス、Industry Platform & Blockchain
2-1. IBM Food Trustの概要
• ウォルマートとの取組みから発展した⾷の信頼構築を⽬指す業界プラットフォーム
• サプライチェーン全体に渡る情報をデジタルに可視化し関係者間で共有
追跡証明書管理鮮度管理
消費者向け
モバイルアプリ
機能
ブロック
チェーン
技術基盤
IBM Food Trust
⽣産者加⼯業者認証機関物流業者⼩売店消費者
倉庫業者第三者機関
• ⾷品汚染や⾷品媒介
疾患の蔓延を削減
• ⾷品詐欺(偽装)への
抑⽌⼒を提供
解消される
課題
関係者
• 第三者認証や原産地
証明などの⾷品由来
データを効率的かつ
即座に収集・開⽰
• 鮮度の証明
• フードロス削減
• 消費者からの信頼性
向上
• 消費者への付加価値
提供

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2. IBM Food Trust活⽤事例 ①ウォルマート
★ ʻ18年10⽉商⽤化
• 参加事業者 250+
• トレース数 50万+
• 登録商品数 22,000
• 取引記録数 3,000万+
• 出荷パレット数 200万+
Dole Driscoll’s gsf
Kroger mc McLANE
Nestle Tyson
Unilever Walmart
課題
– 葉物野菜において、過去に⾷中毒が発⽣していました。
ウォルマートは、発⽣した場合に最適な対応を確実にするた
めに事前対策を講じる必要がありました。
解決策
– ウォルマートは、IBM Food Trustでのパイロットを実施して
エンドツーエンドのトレーサビリティを実証した後、1年以内
にすべてのサプライヤーが⽣鮮葉物野菜のIBM Food Trustに
データを提供する取り組みを開始しました。
効果
– ウォルマートは、トレース時間を数週間から数秒に短縮し、
⼤幅な効率向上を実現しました。
– このイニシアチブにより、ウォルマートは、2018年のロメイ
ンレタスの⾷中毒事件の発⽣後にFDAより勧告された最新リ
アルタイムトレース技術の採⽤に先⾏することができました。

9
2. IBM Food Trust活⽤事例 ②カルフール
課題
– 消費者はこれまで以上に⾷品に関するより多くの情報を要求
するようになりました。
– ⼩売業者は求められる情報に簡単にアクセスできず、消費者
と共有する⽅法がありませんでした。
解決策
– カルフールはIBM Food Trustを利⽤して、特定のプライペー
トブランド製品をトレースしています。例えば、鶏⾁製品に
QRコードを実装し、消費者はQRコードをスキャンすること
により鶏⾁製品の出⾃と品質を知ることができます。
効果
– 売り上げの向上を実現
https://www.reuters.com/article/us-carrefour-blockchain-idUSKCN1T42A5
– ブランドの信頼向上と消費者との関係強化を実現
Connecting
consumers with
information about
their food

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2. IBM Food Trust活⽤事例 ③ゴールデンステートフーズ
課題
– ⾷の品質と消費期限の管理に最適化できてないコールド・
チェーン
– 鮮度を競うレストランの増加
解決策
– Blockchain X RFIDラベル／温度センサーで、
温度とものの動きを即座に可視化
効果
– 効率性の向上
– インベントリ管理の強化と品質管理の改善
– トレーサビリティとリコール対応の強化
BlockchainとIoT
を組合せ
コールドチェーン
を改善

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2. IBM Food Trust活⽤事例 ④⾃然漁ホタテのトレース（アメリカ）
NONCE: 11111
DATA:
• 船名
• 船⻑
• 漁獲⽇
• 漁獲場所 (緯度/経度)
• サイズ
• 映像
PREV: 00000…
HASH: 00W305H3K…
NONCE: 28637
DATA:
• 受取⽇
• サイズ
• 包装⽇
• パツクサイズ
• LIC#
• 出荷⽇
PREV: 00W305H3K…
HASH: 009BL8H67…
NONCE: 35990
DATA:
• 所在地
• 受⼊⽇
• サイズ
• 売り出し⽇
• レシピ／ビデオ
• 売り出し情報
• SNS リンク
PREV: 775K2H33
HASH: 00CF89C68…
卸事業者
Santa Monica Seafoods
加⼯業者
Raw Seafoods
レストラン
TAPS
漁業者
NORDIC
消費者

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2. IBM Food Trust活⽤事例 ④⾃然漁ホタテのトレース（アメリカ）

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（参考）⾷品トレーサビリティの⽬的（例）
サプライチェーン効率化
• プロセスの⾮効率性を特定
• エコシステム全体で、より効率的な
プロセスを運⽤
• データ分析を活⽤して、需要予
測・⾃動化による拡張・最適化
• 継続的成⻑のための事業に展開
ü フードロス削減廃棄物の削減
ü 効率化・⽣産ロスの削減
ü 鮮度を向上
ü ⾮効率性の特定
ブランドの向上
• 可視化を実現︓
消費者、⼩売業者、製造業者、
供給業者、⽣産者に権限を与え
て、信頼性を向上
• ⾷品「由来」の証明︓
デジタル化された「不変」の⾷品由
来データを効率的かつ即座に収集
して開⽰
• 持続可能性の証明︓
SDGｓ、ESG、等
⾷の安全
• ⾷品汚染、⾷品媒介による疾患
の蔓延を削減
• ⾷品詐欺（偽装）への抑⽌⼒を
提供
• ブロックチェーンにより、⾷べ物に関
わる不正を削減
IBMはトレーサビリティ実現へのフレームワークを有するとともに、IFTを活⽤した商品トレーサビリティプロジェクトを数多くデリバ
リーした実績があります。貴社のDXパートナーとして最適なスキルを有します。

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