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当事者のための
                                       明日葉ワークショップ 資料

                                        2011年2月26日

                                        asayume001




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1 私の病歴

                                                    ■高次脳の主な症状(現在も残っています)
                                                    •過去の記憶喪失
                                                    •新しいことが覚えづらい(5回復唱)
                                                    •同時作業苦手
                                                    •うるさいところ苦手
                                                    •意欲・発動性の低下
                                                    •途中で何処まで作業していたか分からなくなる
        39歳♂ 広告代理店勤務
             プランナー

        37歳の時、お盆で帰省していた実
        家で心筋梗塞による突然の心配
        停止。家族の蘇生と救急搬送と緊
        急手術により助命。意識不明4日                              こんな状況で4ヵ月後に復職。
        間を経て戻ってきました。                                 簡単に戻れると当初は思ってました。。。
        ごく一般的な3児のパパです。
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2 受傷から現在までの経過
                 高                           フラッシュバック
                    主                                         悶々とした
                                                              状況続く     フラッシュバック   業務役割の
                    観                                                             変更依頼
                                                         膠着
                    的                   できない
                                                         状態
                                        自分に気
                    な                   づく                                                できる自分を
                    「                                                 改めてで                探し始める
                    不                                                 きない自
                    安                      通常業務           やる気がない
                        障害認知                              だけと勘違い      分に気づく
                    ・
                    つ   (理解して                             する
                    ら   いない)
                    さ
                    」                                         退社
                                                                      転職

               発症
                 低                                  復職
                              あしたば                       1年                2年         現在
                               開始
                  受傷後、一年二年も経っているのに、改めて自分の障害に遭遇したときの精神的な
                  ショックが辛かった。復帰すればするほど湯水のごとく出てくる。高次脳、どこまで追い
                  かけてくるのか?
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3 つらい最大の理由



                                障害                          仕事        金銭

                            先が「見えない」から不安に陥る
                                 高次脳は復帰すればするほど「湯水のごとく出てくる障害」。
                               5年後、10年後の自分や家族の姿がイメージできない状況になる。
                                 単に周囲から「見えない」だけではなく自分でも「見えない」。
                  病気                                                       ローン




                                                    家族・養育        老後
Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved.                                4
4 「先が見えるようにする」そのために
                                自分も周囲も共通の「復帰の道しるべ」を持つ。
    1.過去の自分の確認
    自分がそもそもどういう人間だったかを振り返る。
    仕事資料、写真、旧友に会う、ビデオ、アルバム、メール、手紙、年賀状、音楽、
    購入したもの、幼稚園のものまで・・・・。

    2.今の自分の確認
    「再体験」によって、現在の自分を確認する。
    障害の認知・受容。高次脳単独の場合ここが一番難しい。過去で経験していた
    ことにも再トライ。やる気が起きないので好きなことから始める。趣味、遊び、買い
    物、仕事、転職・・・

    3.未来の自分を見つける
    代替手段を活用しながら新しい自分づくりをする。
    同じ障害者の方々の経験談も参考に。患者会、家族会、ブログ、mixi、TW・・・・
    代替手段と新しい生き方をシェアする場を活用して時間をかけて創っていく。

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5 まとめ


   復職にあたって、周囲への病気や障害の説明も重要ですが、一番重要なの
   は、「新しい自分・君を一緒に創っていこう」という自身と家族・周囲のコミット
   (意志の合意)だと思ってます。


   軽いから復職できたのではなく、自分も周囲も共通の「復帰の道しるべ」
   を持つと同時に、「新しい自分を創ることが必要なこと」を、自分も受け入れ
   るし、家族・周囲も理解してくれたからこそ、復職(中)できたと思ってます。



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高次脳機能障害 あしたば講演会 110225

  • 1. 当事者のための 明日葉ワークショップ 資料 2011年2月26日 asayume001 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved.
  • 2. 1 私の病歴 ■高次脳の主な症状(現在も残っています) •過去の記憶喪失 •新しいことが覚えづらい(5回復唱) •同時作業苦手 •うるさいところ苦手 •意欲・発動性の低下 •途中で何処まで作業していたか分からなくなる 39歳♂ 広告代理店勤務 プランナー 37歳の時、お盆で帰省していた実 家で心筋梗塞による突然の心配 停止。家族の蘇生と救急搬送と緊 急手術により助命。意識不明4日 こんな状況で4ヵ月後に復職。 間を経て戻ってきました。 簡単に戻れると当初は思ってました。。。 ごく一般的な3児のパパです。 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved. 2
  • 3. 2 受傷から現在までの経過 高 フラッシュバック 主 悶々とした 状況続く フラッシュバック 業務役割の 観 変更依頼 膠着 的 できない 状態 自分に気 な づく できる自分を 「 改めてで 探し始める 不 きない自 安 通常業務 やる気がない 障害認知 だけと勘違い 分に気づく ・ つ (理解して する ら いない) さ 」 退社 転職 発症 低 復職 あしたば 1年 2年 現在 開始 受傷後、一年二年も経っているのに、改めて自分の障害に遭遇したときの精神的な ショックが辛かった。復帰すればするほど湯水のごとく出てくる。高次脳、どこまで追い かけてくるのか? Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved. 3
  • 4. 3 つらい最大の理由 障害 仕事 金銭 先が「見えない」から不安に陥る 高次脳は復帰すればするほど「湯水のごとく出てくる障害」。 5年後、10年後の自分や家族の姿がイメージできない状況になる。 単に周囲から「見えない」だけではなく自分でも「見えない」。 病気 ローン 家族・養育 老後 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved. 4
  • 5. 4 「先が見えるようにする」そのために 自分も周囲も共通の「復帰の道しるべ」を持つ。 1.過去の自分の確認 自分がそもそもどういう人間だったかを振り返る。 仕事資料、写真、旧友に会う、ビデオ、アルバム、メール、手紙、年賀状、音楽、 購入したもの、幼稚園のものまで・・・・。 2.今の自分の確認 「再体験」によって、現在の自分を確認する。 障害の認知・受容。高次脳単独の場合ここが一番難しい。過去で経験していた ことにも再トライ。やる気が起きないので好きなことから始める。趣味、遊び、買い 物、仕事、転職・・・ 3.未来の自分を見つける 代替手段を活用しながら新しい自分づくりをする。 同じ障害者の方々の経験談も参考に。患者会、家族会、ブログ、mixi、TW・・・・ 代替手段と新しい生き方をシェアする場を活用して時間をかけて創っていく。 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved. 5
  • 6. 5 まとめ 復職にあたって、周囲への病気や障害の説明も重要ですが、一番重要なの は、「新しい自分・君を一緒に創っていこう」という自身と家族・周囲のコミット (意志の合意)だと思ってます。 軽いから復職できたのではなく、自分も周囲も共通の「復帰の道しるべ」 を持つと同時に、「新しい自分を創ることが必要なこと」を、自分も受け入れ るし、家族・周囲も理解してくれたからこそ、復職(中)できたと思ってます。 Copyright © 2011 asayume001. All Rights Reserved. 6