4. • イギリス変異株(VUI-202012/01, VOC-202012/01, 20B/501Y.V1, lineage
B.1.1.7など複数の名称がある)は従来型ウイルスに対して”growth
rateが1.7倍”とされている*1 。これは感染者の増加を指数曲線(正
確にはロジスティック曲線)で近似した際の指標*1なので、指数増
加モデルで推定を行った。前の資料で示したモデル(SEIRモデル)よ
り急激に変異型ウイルスの感染者が増加している。
指数増加モデル
<60日時点で、
従来型(青)新規感染者300人、
変異型(赤)新規感染者100人
とした場合>
注:実際は指数増加ではなく、全市民
の何割かがすでに感染し免疫ができた
時点で増加の程度が鈍ってくる。
*1) “New evidence on VUI-202012/01 and
review of the public health risk assessment".
Novel Variant Incident Management Team,
Public Health England, p10
(このモデルはシンプルすぎる
ので以降用いないが参考まで)
5. • 前の資料で用いたSEIRモデルは感染を受けてから人にうつす感染性
をもつまでの時期(≒潜伏期, “Exposed”)を設定しているが、
COVID-19の場合にはこの期間が極めて短いことが示唆されている。
• 人からうつされてから人にうつすまでの期間を発症間隔(Serial
interval)といい、この分布についていくつかの推定がある。よく用
いられているBiらの推定*2を用い、SIR確率モデルによりシミュレー
ションを行った。実効再生産数を1.16とすることで、東京都の
11/29~12/28の増加率とほぼ同じ増加率が得られる。
SIRモデル
使用した発症間隔関数
(平均=6.3, 偏差=4.2) *2
実効再生産数を1.16として予想される
従来型ウイルス感染の推移
*2) Bi et al. “Epidemiology and
transmission of COVID-19 in
391 cases and 1286 of their
close contacts in Shenzhen,
China: a retrospective cohort
study”
https://www.thelancet.com/jo
urnals/laninf/article/PIIS1473-
3099(20)30287-5/fulltext
(以下、SIR確率モデル
によるシミュレー
ションを用いる)