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とある男性の訴
え
2012年、イギリスで
ニックリンソン氏とい
う中年男性が、
Change.org.com という
署名サイトで
英国政府に、
彼に安楽死を
受けさせるよ
う、
呼びかけた。
ニックリンソン氏は、
「閉じ込め症候群」と言わ
れる
全身の麻痺で苦しんでいた。
30000人分の署名が集まった。
しかし、

その主張は認められなかった
要するに、
「死ぬまでしっかり苦
しみなさい」と言われ
たのだ。
彼は安楽死を受けられ
ず

苦しみに堪えかねて、
食事を絶ち亡くなった
他の人の事例も紹介さ
せてもらう
事例2.フランスの
老年女性の例
彼女は頭に腫瘍ができ、
大変な苦痛を味わって
いた。
臭覚、味覚、視力も失
う。
事例2.フランスの
老年女性の例
さらには、この腫瘍の
せいで、上品だった彼
女の容貌は原型をとど
めないほど変貌してし
まった。
安楽死の訴えは認めら
れず、ニックリンソン
氏のように自殺した。
事例3.フランスの
青年男性の例
交通事故のため、親指
以外は動かなくなって
しまった。
「安楽死したい」との願
いを出し、当時の大統領
シラク大統領も同意する
が
大統領に安楽死を許可す
る権限は無し。
結局母親が彼の願いを聞
いて自殺を施した。
死を願う人には三種類ある。
現在の日本では、安楽死を認められ
るには、以下の条件を満たしていな
ければならない


1.死期が間近であるこ
と
2.肉体的な苦痛がある
こと
まず、1.の条件について考えてみ
よう。
たとえば、先に紹介した3名は死期
が間近に迫った、いわゆる
       ではない。
抵抗感と自己決定権。どちらを重視するべきか?
考えてみてほしい。

もし、
彼らの命が
あと半年 だったら
「安楽死したい」とな
んて
考えただろうか?
短い残りの人生を惜し
んでいたことだろうと
思う。
短い人生をさらに短く
するわけはない。
増して、
貴重な時間を
裁判やら
署名集めに
費やすはずが
ない。
ニックリンソン氏は、
苦痛が「これからずっ
と」続くことに絶望し、
安楽死を希望したのだ
ろう。
つまり、安楽死の対象
を死期が迫っている人
のみにするという考え
は・・・
無意味というより、完
全に誤っていると言わ
ざるを得ない。
むしろ逆。
死を願う人には三種類ある。
死を願う人には三種類ある。




この場合は、誰にでも受け入
れられやすいだろう。
たとえば、冒頭のニックリン
ソン氏も含まれる。
では、残りの二つはどうか?
では、残りの二つはどうか?




①の場合に比べ、この両者は中々死んでもいいという
同意を得にくい。
それは、②や③の人の苦しみが、
ニックリンソン氏などの
①の人の苦しみより小さいからだろう
か?
死を願う人には三種類ある。




ただ単に、身体的な苦痛は
「目に見えるから」認められ、
それ以外は「目に見えないか
ら」
却下されているに過ぎない。
どこに「一線」を引くべきか?




例え体がニックリンソン氏と同
じくらい不自由でも生きること
を願う人はいるだろう。
どこに「一線」を引くべきか?




逆に、たとえ肉体的に不自由が
なくてもニックリンソン氏と同
じように、それ以上に苦しんで
いる人もいるかもしれない。
主観で人の不幸を決められるのか?




あんたは不幸に見えるから死ぬのを許してやろう




あんたは不幸に見えないから死ぬのは許さない
精神の病気と肉体の病気に差はあるか?




では、精神の病気の例を見ていこう
うつ病の患者であるA氏の事例
  A氏の場合

小学校低学年の時から発
症、10年間苦しみ続ける
うつ病の患者であるA氏の事例




カゼのような症状が続き、
悪化した時には立つこと
   もできない
主観で人の不幸を決められるのか?

    B氏の場合
数年間、重いうつ病に苦し
      む
当然、薬を飲むことになる
     が、
その薬の副作用がまた、重
     い。
主観で人の不幸を決められるのか?
主な副作用としては・・・

眠気、めまい、吐き気、悪
寒、耳鳴り・・・
体重も10キロ以上増加。

薬を強くするたびに副作用
も強くなってしまう。
主観で人の不幸を決められるのか?

       C氏の場合
  十数年間、重いうつ病に苦し
あんたは不幸に見えるから死ぬのを許してやろう

             む
  医者からは、「あなたの病気
あんたは不幸に見えないから死ぬのは許さない
  は一生治らないうまくあきら
  めて生きていきなさい」と宣
          告される
精神の病気に対する偏見




「きちがい病」などと言わ
れ、激しい差別の対象に
   なっていた。
精神の病気に対する偏見




「うつ病は心のかぜ」など
として、理解が進む・・・

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