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1
共和分ランクに依存した確率制御アプローチによる
多資産間のダイナミックトレーディング;
ビットコイン取引所間に存在する裁定機会の問題
東出 卓朗 1,2
藤田 岳彦 2
1
三井住友アセットマネジメント株式会社
2
中央大学大学院理工学研究科
概要
本稿は, 裁定機会の存在有無を Error Correction(EC)モデルの枠組みで Johansen 検定を用いて検証
するとともに, EC モデルから得られる共和分関係を含めた形で代表的個人の富過程を定義し,
ベルマンの最適原理に基づいた確率制御アプローチを用いてダイナミックペアトレーディング
のシミュレーションを行う. 金融市場ではスマートβという言葉が出来ているほどファクター
リターンへの関心は高まってきているものの, これまでのアプローチではファクターリターン
の概念を取り組んだモデルにはなっていない. そこで本稿はファクターリターンを取り組んだ
形でモデルの定式化をする一連の流れを提示するとともに, ビットコインを題材に取引所間に
裁定機会が存在することを示し, 裁定機会を利用したダイナミックトレーディングのシミュレ
ーションを行う.
キーワード: ビットコイン, HJB 方程式, 誤差修正 (Error Correction) モデル, カルマンフィルタ
1. はじめに
12
ペアトレーディングは実運用で馴染み深い投資戦
略の一つであるが故に, これまで多くの研究がなさ
れてきた. ペアトレーディングのエッセンスについ
て簡単に述べると, 共和分関係下にある 2 つの危険
資産を, 共和分ベクトル単位でロング・ショートす
ることから生成されるスプレッドの平均回帰性に着
目した投資戦略である. スプレッドが十分に拡大し
たらば, 縮小する方向にポジションをベットする.
“十分に拡大”の定義については, 例えば Gatev et
1
ひがしで たくお
三井住友アセットマネジメント株式会社グローバル戦略運用グループ
にクオンツ, ファンドマネージャーとして所属するとともに,
中央大学大学院理工学研究科 藤田岳彦研究室に在籍.
本稿の中で示された内容は三井住友アセットマネジメント株式会社の
公式見解を示すものではない.
〒105-6228 東京都港区愛宕 2-5-1 愛宕グリーンヒルズ MORI タワー28 階
E-mail: takuo0823@gmail.com
2
ふじた たかひこ
中央大学理工学部・理工学研究科
〒112-8551 東京都文京区春日 1-13-27
E-mail: rankstatistics@gmail.com
al.(2006)[5]は, 過去のスプレッド過程から推定され
る平均値から±2σ以上の水準までスプレッドが乖
離した時点をベットするタイミングとした.
ところでダイナミックペアトレーディングとは,
ペアトレーディングの概念に, ベルマンの最適原理
に軸足を置き, 各時点における最適投資割合を算出
する投資戦略である. 先に見た戦略では, 投資機会
はスプレッドが±2σ以上の水準に限定される一方
で, ダイナミックペアトレーディングは代表的個人
の最終時点における富を最大化する形で, 各時点の
最 適 な ポ ジ シ ョ ン 量 を 提 示 す る . Tourin and
Yan(2013)[13]はリスク中立確率測度 Q メジャーの下
で議論を展開した Duan and Pliska(2004)[3]を応用し,
実確率測度 P メジャーの下で共和分関係にある 2 つ
の危険資産の平均回帰性を富過程のドリフト項の中
に埋め込み, 確率制御アプローチを用いて代表的個
人の期待効用最大化問題を解き, Closed Form な形で
最適投資割合を導出した. また Nakamura(2015)[10],
Lintilhac and Tourin(2017)[9] は , 誤 差 修 正 (Error
Correction)モデルの枠組みで, N 個の危険資産間に存
2
在する M 個の共和分関係( (n , m)-EC モデル) まで問
題を扱えるように拡張した. また代表的個人の効用
関 数 は 指 数 関 数 型 と し て お り , Benth and
Karlsen(2005)[1]に見るように, 多くの場合, この種
の問題は Closed Form Solution の導出は難しいが, 指
数関数型を採用すると目的関数の系は Schwartz
mean-reversion model となり, コールホップ変換等の
Ansatz を用いることで, 2 次元非線形放物型 Hamilton
Jacobi Bellman(HJB)-PDE 方程式は 1 次元の線形放物
型 PDE となり, Closed Form Solution の導出が可能と
なる.
このようにダイナミックトレーディングは実運用
で馴染み深い運用手法の一つであるペアトレーディ
ングのエッセンスに根付いた投資戦略であり, 実運
用でも十分応用可能である. ところで金融市場では
昨今スマートβという概念が定着してきているほど,
ますますファクターリターンに対する意識は高まっ
てきており重要な概念であるが, ダイナミックトレ
ーディングの先行研究の中では取扱いが少ない.
そこで本稿ではファクターリターンの概念をダイ
ナミックトレーディングの枠組みに取り組んだ形の
モデル定式化を提示するとともに, 話題に事欠かな
いビットコインを題材に実証を行う. 本稿の構成は
以下の通りである. 2 章では, 本稿で提示するモデル
の定式化を行い, 3 章でビットコイン市場について
言及し, 実証を行った後, 4 章で結論と今後の課題を
述べる.
2. モデルの定式化
2.1 共和分ランクの推定
本小節では, N 個の危険資産間に存在する M 個の共
和分関係を誤差修正モデル((n, m)-EC モデル)の枠組
みで推定する. 手法は Johansen(1988)[6], Engle and
Granger(1987)[4], Johansen(1992)[7]を用いた. N 個の
危険資産価格 𝐒𝐭 = (S1,t, … , Sn,t)が非定常 VAR(n)モ
デルによって記述されるとすると, グレンジャー表
現定理より以下の( n, m)-EC モデルに書き下せる.
∆𝐒𝐭 = ∑ 𝛏𝐢∆𝐒𝐭−𝐢
n−1
i=1
+ 𝛂 − 𝐁𝐀′
𝐒𝐭−𝟏 + 𝛜𝐭 (2.1) .
ここで A, B は n×m 行列, 𝐀′
𝐒𝐭−𝟏~𝐈(𝟎)は m 個の共
和分関係を表し, 共和分ランク m は行列−𝐁𝐀′ のラ
ンクによって決まり, 最大で n-1 となる. −𝐁𝐀′
𝐒𝐭−𝟏
は誤差修正項と呼ばれ, 𝐀′ は次小節で用いられる
共和分ベクトルであることに注意するとともに, 共
和分ランクに依存するモデルとなる.
2.2 確率制御アプローチ
(n, m)-EC モデルを考える. 投資のホライズンは有
限を仮定し, T < ∞とする. 共和分関係にある危険
資産の価格𝐒𝐢 = (S1,t, … , Sn,t )は次の確率微分方程式
に従うとする.
dlog𝐒𝐢,𝐭 = (𝛍𝐢 + 𝛃′𝐢 𝐳𝐭 −
1
2
𝚺 𝐬) dt + 𝐆𝐋d𝐁t (2.2) .
ただし, i = 1, … , n, 𝐆 = diag(σs1
, … , σsn
), L は相関
行列 R のコレスキー分解から導出される下三角行列,
𝚺 𝐬 = GRG′, 𝐁𝐭 = (B𝑖,𝑡)は Ft = σ (Bs: 0 ≤ s ≤ t)のフ
ィルター付確率空間(Ω, F, P) 上で定義される n 次元
ブラウン運動, 𝐳𝐥,𝐭 = 𝜸𝒍,𝟎 + ∑ 𝛄𝐥,𝐢 ln 𝐒𝐢,𝐭
n
i=1 , l = 1, … , m
とする. ここで 𝛄𝐥,𝟎と𝛄𝐥,𝐢はそれぞれ, (2.1)式のα, A’
であることに注意する.
ここで, 危険資産 i の価格Siはファクターリターン
時系列 Smに対して,
Si,t = αi,t + βi,tSm,t + ϵi,t, ϵi,t~𝑖. 𝑖. 𝑑. 𝑁(0, σi
2
),
βi,t = 𝛽𝑖,𝑡−1 + 𝑣𝑖,𝑡, 𝑣𝑖,𝑡~𝑁(0, 𝜏𝑖
2
),
αi,t = 𝛼𝑖,𝑡−1 + 𝜂𝑖,𝑡, 𝜂𝑖,𝑡~𝑁(0, 𝜅𝑖
2
),
の線形ガウス状態空間モデルの枠組みで取扱い,
カルマンフィルタアルゴリズム3
を用いて, αi,t, βi,tを
計算し, ダイナミックなファクターリターンとアル
ファを除去した数値とする. すなわち Si,t − αi,t −
βi,tSm,t をSi として(2.2) 式で用いることとする. こ
の処理により実質的にファクターリターンの概念に
取り込んだ形となった.
簡便化のためにリスクフリーレートを 0, 時点tに
おける危険資産iの保有割合を 𝛑𝐭 = (πi,t)として,
Self-financing を許さない条件のもと, 富過程を次で
定義する.
dWt = ∑ 𝝅𝒊,𝒕 𝒅𝑺𝒊,𝒕
𝑛
𝑖=1
(2.3) .
ところで, 代表的個人は(2.3) 式が累積して出来る
最終時点における富を最大化するように各時点にお
ける最適投資を決める問題に直面しているので,
3
カルマンフィルタアルゴリズムの内容については,例えば Petris and
Campagnoli(2009)[12]を参照されたい.
3
u(t, w, s) = sup
πt∈At
Et [U(WT)], Wt = w, St = s (2.4)
と価値関数を定義する. (2.4)式では可積分性の条件
E [∫ (𝝅 𝒖 𝑺 𝒖)2
𝑑𝑢
𝑇
𝑡
] < ∞ を満たすものとし, Atを投資
可能集合とする. また効用関数は先行研究と同様,
次の通り指数関数型とした.
U(w) = −e−λw (2.5) .
ただしリスク回避係数 λはλ > 0.
以上(2.2)から(2.4)を纏めると以下の問題設定となる.
supπt∈At
Et [U(WT)]
s. t. dlog𝐒𝐢,𝐭 = (𝛍𝐢 + 𝛃′𝐢 𝐳𝐭 −
1
2
𝚺 𝐬) dt + 𝐆𝐋d𝐁t
dWt = ∑ 𝝅𝒊,𝒕 𝒅𝑺𝒊,𝒕
𝑛
𝑖=1
U(w) = −e−λw
この問題に対して Bellman の最適原理に基づき,
確率的テイラー展開と伊藤の公式を用いると, 以下
(2.6)の HJB-PDE 方程式が導出でき, ダイナミックプ
ログラミングは静学的なプログラミング問題として
扱うことが可能となる.
ut + sup
𝜋 𝑡∈𝐴 𝑡
[𝑺𝝅(𝝁 + 𝜷𝒛)𝑢 𝑊 + (𝝁 + 𝜷𝒛)𝑺𝑢 𝑆
+𝑺𝝅𝚺 𝐒 𝑺𝑢 𝑊,𝑆 + 𝑺𝝅𝚺 𝐒 𝑺𝑢 𝑊,𝑆 +
1
2
𝑺𝝅𝚺 𝑺 𝝅𝑺𝑢 𝑊𝑊
+
1
2
𝑺𝚺 𝑺 𝑺𝑢 𝑆,𝑆] = 0 (2.6) .
ただし, 終端条件をu(T, w, s) = U(w),
∂u( ∙ , w ,∙ )/ ∂w = uw と 表 記 す る . xi = 𝑙𝑜𝑔𝑆𝑖, 𝑖 =
1, … , 𝑛 とし, u(t, w, x1, … , xn) = U(w)g(t, x1, … , xn)
とする Ansatz を用いるとともに, 非線形性を取り除
くためコールホップ変換などの変数変換を行うと4
,
最終的に以下の形で最適投資戦略が導出できる.
πi 𝑆𝑖 =
1
𝜆
((𝑮𝑮′)−1(𝝁 + 𝜷𝒛) + 𝜸(−2𝑎(𝑡)𝑧 − 𝑏(𝑡)′) ) .
(2.7).
ただし, i = 1, … , n とし,
a(t) =
1
2
𝜷′(𝑮𝑮′)−1
𝜷(𝑇 − 𝑡).
4
式展開の詳細は東出(2016)で 3 資産のケースを行っているので
そちらを基本として参照されたい.
b(t) = μ′(𝐆𝐆′)−1
𝜷(𝑇 − 𝑡)
+ (−
1
2
((𝐆𝐆′)′
𝛄 )) 𝜷′(𝑮𝑮′)−1
𝜷
(𝑇 − 𝑡)2
2
.
Verification については Lintilhac and Tourin(2017)[9]を
参照されたい.
3. 実証
3.1 ビットコイン市場について
本節では前節までで定式化したモデルを用いて,
仮想通貨の一つであるビットコインに対して, 実証
を行う. 実証に入る前に, 本小節で簡単にビットコ
イン市場について触れるとともに問題意識について
述べる. ビットコインは仮想通貨の一つであり, こ
の数年で資産価値が 20 倍ほどになったことで関心
を集めた. 当初, 仮想通貨のうちビットコインのシ
ェア率は, 1400 を超える種類がある仮想通貨のうち,
9 割を超えるほどであったが, 2017 年の後半から, 2
度に渡る ICO (Initial Coin Offering)ブームにより, イ
ーサリウムとの二強となり, シェア率は 4 割弱へと
低下している. またリップルを含めれば三つ巴とも
なる. 勿論, 仮想通貨市場全体で見れば時価総額は
増加傾向にあり, 投資家は次のビットコインとなる
仮想通貨の探索に忙しい. 自国通貨の安定性が低い
新興国の一部では決済通貨としてビットコインを使
用するなど, 対象は企業・個人のみならず国も注目
するまで急速に成長した. しかし問題点もあり, 例
えば安全性については, ビットコインのみならず,
巨額の仮想通貨が盗難されるといったニュースが報
じられることを目にする機会も増えてきた.
かかる中, 本稿で取り上げる問題点は裁定機会が
存在する可能性についてである . 先行研究では
Ciaian et al.(2016)[2]も同様の問題を指摘している.
国が発行する通貨は, FX 業者などを通じた個人投資
家による売買も盛んであるが, どこの業者を使おう
ともプライシングの違いは高々数銭の違いである.
一方でビットコインは取引所間により数千円~万円
もの違いが生じる場合がある. 流動性の問題等は背
景にあろうが, プライシングの違いがあまりにも大
きい場合では投資家やビットコインを従来型の通貨
の代替として使用しようと考えている経済主体にと
って, いささか不都合である.
ところで, 共和分関係に着目して裁定機会を検知
する際, どのような時系列データに探索を行うかは
重要である. 具体的に言うと, ファクターリターン
を取り除いた後に残る残差リターンに対して行うべ
4
きであり, 生データに対して直接行うのでは結果が
異なる場合がある. 小節 2.2 でファクターリターン
を取り除いたが背景はこの点にある.
ここで付随する問題の一つに, ビットコインはフ
ァンダメンタルズが明確でないため, ファクターの
定義が難しい. 例えば, Kristoufek(2013)[8]は検索エ
ンジン Google や Wikipedia によってビットコインに
関 連 す る 検 索 が 行 わ れ た 回 数 , Stenqvist and
Lönnö(2017)[12]はビットコインに関連する twitter で
のツイート情報がファンダメンタルズの一つとなり
得ることを示した.
そこで本稿では, Kristoufek(2013)[8]に倣い, Google
での検索回数をファクターとするシングルファクタ
ーモデルにてファクターリターンを取り除いた.
3.2 実証
本小節では 2 章で提示したモデルに基づき, 実証を
行う. シミュレーションはすべて統計ソフト R 言語
を用いて行った. 各種取引所における対円における
ビ ッ ト コ イ ン 価 格 (BTC/JPY) の 2017/7/26 か ら
2017/12/13 の日次時系列データは, Investing.com5
か
ら取得した. 本稿で使用する取引所は, 十分なサン
プル数を取得可能とする ANXPRO Bitcoin Exchange,
xBTCe, Kranken の 3 つとした. 図 1 は小節 3.1 で紹介
した手法でファクター除去を行ったもので, 以降で
用いる時系列データである.
図 1: ビットコイン価格 取引所毎の時系列推移
各時系列データは単位根過程であることを ADF 検
定で確認したのち, Johansen 検定を用いて共和分ラ
ンクが 2 であることを確認した. 検定結果は表 1 の
通り. また図 2 は, ビットコイン価格の取引所毎の
スプレッド価格の推移である.
5
URL: https://jp.investing.com/currencies/btc-jpy-historical-data
表 1: Johansen 検定による共和分ランク推定結果
図 2: ビットコイン価格 取引所毎のスプレッド時系列推移
(注) 軸足を ANXPRO Bitcoin Exchange に置き, 各取引所における
ビットコイン価格とのスプレッドをプロットしたもの.
これより, 小節 2.2 の(2.7)式を用いて共和分ランク 2
でシミュレーションを行った結果, 富過程の推移は
図 3, 最適投資単位は図 4 の通りになった. また代表
的個人のリスク回避度を表すハイパーパラメータλ
は 0.01 とした.
図 3: 富過程の推移
図 4: 最適投資枚数
5
以上より, ビットコインの取引所間には, 共和分ラ
ンクが 2 であるといった統計的に担保された裁定機
会の存在が肯定され, また確率制御に基づいたシミ
ュレーションにおいても当該期間ではプラスのリタ
ーンとなった.
4.結論と今後の課題
本稿では, 仮想通貨の 1 つであるビットコインを題
材とし, ファクターリターンを勘案したうえで, (n,
m) - EC モデルに基づくダイナミックトレーディン
グ投資戦略を実行するためのモデルの定式化を与え
た. 実証では示した通り, ビットコイン取引所間に
は裁定機会が存在することが示唆された. 今後, ビ
ットコインをはじめとする仮想通貨に対するデリバ
ティブ商品の研究が進んでいく可能性もあろうが,
先ずファンダメンタルズ価格の精緻な定式化と, 仮
想通貨の価格変動と親和性の高い確率過程でモデル
構築を行う必要があると考え, 今後の課題である.
また現在, 規制などの見直しが行われている最中で
あるが, 売買コストや送金コストなどにも見直しが
入る可能性もあろうが, 少なくとも裁定機会が存在
しないようなコスト勘案後のプライシングが重要で
あると考える.
参考文献
[1] Benth, F. E., & Karlsen, K. H. (2005). A note on Merton's
portfolio selection problem for the Schwartz mean-reversion
model. Stochastic analysis and applications, 23(4), 687-704.
[2] Ciaian, P., Rajcaniova, M., & Kancs, D. A. (2016). The
economics of BitCoin price formation. Applied Economics,
48(19), 1799-1815.
[3] Duan, J. C., & Pliska, S. R. (2004). Option valuation with
co-integrated asset prices. Journal of Economic Dynamics
and Control, 28(4), 727-754.
[4] Engle, R. F., & Granger, C. W. (1987). Co-integration and
error correction: representation, estimation, and testing.
Econometrica: journal of the Econometric Society,
251-276.
[5] Gatev, E., Goetzmann, W. N., & Rouwenhorst, K. G.(2006).
Pairs trading: Performance of a relative-value arbitrage rule.
The Review of Financial Studies, 19(3), 797-827.
[6] Johansen, S. (1988). Statistical analysis of cointegration
vectors. Journal of economic dynamics and control, 12(2-3),
231-254.
[7] Johansen, S. (1992). Cointegration in partial systems and
the efficiency of single-equation analysis. Journal of
econometrics, 52(3), 389-402.
[8] Kristoufek, L. (2013). BitCoin meets Google Trends and
Wikipedia: Quantifying the relationship between
phenomena of the Internet era. Scientific reports, 3, 3415.
[9] Lintilhac, P. S., & Tourin, A. (2017). Model-based pairs
trading in the bitcoin markets. Quantitative Finance,
17(5),703-716.
[10] Nakamura, N.(2015)”Dynamic Trading with Multiple
Cointegrating Relationships”, Proceedings of the 44-th
JAFEE meeting,(2015:Winter),pp.109-120
[11] Petris,G.;Petrone,S.&Campagnoli,P.(2009),Dynamic linear
models' Dynamic Linear Models with R’.
,Springer,,pp.31--84.
[12] Stenqvist, E., & Lönnö, J. (2017). Predicting Bitcoin price
fluctuation with Twitter sentiment analysis.
[13] Tourin, A., & Yan, R. (2013). Dynamic pairs trading using
the stochastic control approach. Journal of Economic
Dynamics and Control, 37(10), 1972-1981.
[14] 東出(2016) “3 資産のダイナミックペアトレーディン
グ投資戦略-共和分関係探索の変化からみる富過程
と頑健性の関係-, ” 日本ファイナンス学会第 25 回大
会.
6

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共和分ランクに依存した確率制御アプローチによる多資産間のダイナミックトレーディング

  • 1. 1 共和分ランクに依存した確率制御アプローチによる 多資産間のダイナミックトレーディング; ビットコイン取引所間に存在する裁定機会の問題 東出 卓朗 1,2 藤田 岳彦 2 1 三井住友アセットマネジメント株式会社 2 中央大学大学院理工学研究科 概要 本稿は, 裁定機会の存在有無を Error Correction(EC)モデルの枠組みで Johansen 検定を用いて検証 するとともに, EC モデルから得られる共和分関係を含めた形で代表的個人の富過程を定義し, ベルマンの最適原理に基づいた確率制御アプローチを用いてダイナミックペアトレーディング のシミュレーションを行う. 金融市場ではスマートβという言葉が出来ているほどファクター リターンへの関心は高まってきているものの, これまでのアプローチではファクターリターン の概念を取り組んだモデルにはなっていない. そこで本稿はファクターリターンを取り組んだ 形でモデルの定式化をする一連の流れを提示するとともに, ビットコインを題材に取引所間に 裁定機会が存在することを示し, 裁定機会を利用したダイナミックトレーディングのシミュレ ーションを行う. キーワード: ビットコイン, HJB 方程式, 誤差修正 (Error Correction) モデル, カルマンフィルタ 1. はじめに 12 ペアトレーディングは実運用で馴染み深い投資戦 略の一つであるが故に, これまで多くの研究がなさ れてきた. ペアトレーディングのエッセンスについ て簡単に述べると, 共和分関係下にある 2 つの危険 資産を, 共和分ベクトル単位でロング・ショートす ることから生成されるスプレッドの平均回帰性に着 目した投資戦略である. スプレッドが十分に拡大し たらば, 縮小する方向にポジションをベットする. “十分に拡大”の定義については, 例えば Gatev et 1 ひがしで たくお 三井住友アセットマネジメント株式会社グローバル戦略運用グループ にクオンツ, ファンドマネージャーとして所属するとともに, 中央大学大学院理工学研究科 藤田岳彦研究室に在籍. 本稿の中で示された内容は三井住友アセットマネジメント株式会社の 公式見解を示すものではない. 〒105-6228 東京都港区愛宕 2-5-1 愛宕グリーンヒルズ MORI タワー28 階 E-mail: takuo0823@gmail.com 2 ふじた たかひこ 中央大学理工学部・理工学研究科 〒112-8551 東京都文京区春日 1-13-27 E-mail: rankstatistics@gmail.com al.(2006)[5]は, 過去のスプレッド過程から推定され る平均値から±2σ以上の水準までスプレッドが乖 離した時点をベットするタイミングとした. ところでダイナミックペアトレーディングとは, ペアトレーディングの概念に, ベルマンの最適原理 に軸足を置き, 各時点における最適投資割合を算出 する投資戦略である. 先に見た戦略では, 投資機会 はスプレッドが±2σ以上の水準に限定される一方 で, ダイナミックペアトレーディングは代表的個人 の最終時点における富を最大化する形で, 各時点の 最 適 な ポ ジ シ ョ ン 量 を 提 示 す る . Tourin and Yan(2013)[13]はリスク中立確率測度 Q メジャーの下 で議論を展開した Duan and Pliska(2004)[3]を応用し, 実確率測度 P メジャーの下で共和分関係にある 2 つ の危険資産の平均回帰性を富過程のドリフト項の中 に埋め込み, 確率制御アプローチを用いて代表的個 人の期待効用最大化問題を解き, Closed Form な形で 最適投資割合を導出した. また Nakamura(2015)[10], Lintilhac and Tourin(2017)[9] は , 誤 差 修 正 (Error Correction)モデルの枠組みで, N 個の危険資産間に存
  • 2. 2 在する M 個の共和分関係( (n , m)-EC モデル) まで問 題を扱えるように拡張した. また代表的個人の効用 関 数 は 指 数 関 数 型 と し て お り , Benth and Karlsen(2005)[1]に見るように, 多くの場合, この種 の問題は Closed Form Solution の導出は難しいが, 指 数関数型を採用すると目的関数の系は Schwartz mean-reversion model となり, コールホップ変換等の Ansatz を用いることで, 2 次元非線形放物型 Hamilton Jacobi Bellman(HJB)-PDE 方程式は 1 次元の線形放物 型 PDE となり, Closed Form Solution の導出が可能と なる. このようにダイナミックトレーディングは実運用 で馴染み深い運用手法の一つであるペアトレーディ ングのエッセンスに根付いた投資戦略であり, 実運 用でも十分応用可能である. ところで金融市場では 昨今スマートβという概念が定着してきているほど, ますますファクターリターンに対する意識は高まっ てきており重要な概念であるが, ダイナミックトレ ーディングの先行研究の中では取扱いが少ない. そこで本稿ではファクターリターンの概念をダイ ナミックトレーディングの枠組みに取り組んだ形の モデル定式化を提示するとともに, 話題に事欠かな いビットコインを題材に実証を行う. 本稿の構成は 以下の通りである. 2 章では, 本稿で提示するモデル の定式化を行い, 3 章でビットコイン市場について 言及し, 実証を行った後, 4 章で結論と今後の課題を 述べる. 2. モデルの定式化 2.1 共和分ランクの推定 本小節では, N 個の危険資産間に存在する M 個の共 和分関係を誤差修正モデル((n, m)-EC モデル)の枠組 みで推定する. 手法は Johansen(1988)[6], Engle and Granger(1987)[4], Johansen(1992)[7]を用いた. N 個の 危険資産価格 𝐒𝐭 = (S1,t, … , Sn,t)が非定常 VAR(n)モ デルによって記述されるとすると, グレンジャー表 現定理より以下の( n, m)-EC モデルに書き下せる. ∆𝐒𝐭 = ∑ 𝛏𝐢∆𝐒𝐭−𝐢 n−1 i=1 + 𝛂 − 𝐁𝐀′ 𝐒𝐭−𝟏 + 𝛜𝐭 (2.1) . ここで A, B は n×m 行列, 𝐀′ 𝐒𝐭−𝟏~𝐈(𝟎)は m 個の共 和分関係を表し, 共和分ランク m は行列−𝐁𝐀′ のラ ンクによって決まり, 最大で n-1 となる. −𝐁𝐀′ 𝐒𝐭−𝟏 は誤差修正項と呼ばれ, 𝐀′ は次小節で用いられる 共和分ベクトルであることに注意するとともに, 共 和分ランクに依存するモデルとなる. 2.2 確率制御アプローチ (n, m)-EC モデルを考える. 投資のホライズンは有 限を仮定し, T < ∞とする. 共和分関係にある危険 資産の価格𝐒𝐢 = (S1,t, … , Sn,t )は次の確率微分方程式 に従うとする. dlog𝐒𝐢,𝐭 = (𝛍𝐢 + 𝛃′𝐢 𝐳𝐭 − 1 2 𝚺 𝐬) dt + 𝐆𝐋d𝐁t (2.2) . ただし, i = 1, … , n, 𝐆 = diag(σs1 , … , σsn ), L は相関 行列 R のコレスキー分解から導出される下三角行列, 𝚺 𝐬 = GRG′, 𝐁𝐭 = (B𝑖,𝑡)は Ft = σ (Bs: 0 ≤ s ≤ t)のフ ィルター付確率空間(Ω, F, P) 上で定義される n 次元 ブラウン運動, 𝐳𝐥,𝐭 = 𝜸𝒍,𝟎 + ∑ 𝛄𝐥,𝐢 ln 𝐒𝐢,𝐭 n i=1 , l = 1, … , m とする. ここで 𝛄𝐥,𝟎と𝛄𝐥,𝐢はそれぞれ, (2.1)式のα, A’ であることに注意する. ここで, 危険資産 i の価格Siはファクターリターン 時系列 Smに対して, Si,t = αi,t + βi,tSm,t + ϵi,t, ϵi,t~𝑖. 𝑖. 𝑑. 𝑁(0, σi 2 ), βi,t = 𝛽𝑖,𝑡−1 + 𝑣𝑖,𝑡, 𝑣𝑖,𝑡~𝑁(0, 𝜏𝑖 2 ), αi,t = 𝛼𝑖,𝑡−1 + 𝜂𝑖,𝑡, 𝜂𝑖,𝑡~𝑁(0, 𝜅𝑖 2 ), の線形ガウス状態空間モデルの枠組みで取扱い, カルマンフィルタアルゴリズム3 を用いて, αi,t, βi,tを 計算し, ダイナミックなファクターリターンとアル ファを除去した数値とする. すなわち Si,t − αi,t − βi,tSm,t をSi として(2.2) 式で用いることとする. こ の処理により実質的にファクターリターンの概念に 取り込んだ形となった. 簡便化のためにリスクフリーレートを 0, 時点tに おける危険資産iの保有割合を 𝛑𝐭 = (πi,t)として, Self-financing を許さない条件のもと, 富過程を次で 定義する. dWt = ∑ 𝝅𝒊,𝒕 𝒅𝑺𝒊,𝒕 𝑛 𝑖=1 (2.3) . ところで, 代表的個人は(2.3) 式が累積して出来る 最終時点における富を最大化するように各時点にお ける最適投資を決める問題に直面しているので, 3 カルマンフィルタアルゴリズムの内容については,例えば Petris and Campagnoli(2009)[12]を参照されたい.
  • 3. 3 u(t, w, s) = sup πt∈At Et [U(WT)], Wt = w, St = s (2.4) と価値関数を定義する. (2.4)式では可積分性の条件 E [∫ (𝝅 𝒖 𝑺 𝒖)2 𝑑𝑢 𝑇 𝑡 ] < ∞ を満たすものとし, Atを投資 可能集合とする. また効用関数は先行研究と同様, 次の通り指数関数型とした. U(w) = −e−λw (2.5) . ただしリスク回避係数 λはλ > 0. 以上(2.2)から(2.4)を纏めると以下の問題設定となる. supπt∈At Et [U(WT)] s. t. dlog𝐒𝐢,𝐭 = (𝛍𝐢 + 𝛃′𝐢 𝐳𝐭 − 1 2 𝚺 𝐬) dt + 𝐆𝐋d𝐁t dWt = ∑ 𝝅𝒊,𝒕 𝒅𝑺𝒊,𝒕 𝑛 𝑖=1 U(w) = −e−λw この問題に対して Bellman の最適原理に基づき, 確率的テイラー展開と伊藤の公式を用いると, 以下 (2.6)の HJB-PDE 方程式が導出でき, ダイナミックプ ログラミングは静学的なプログラミング問題として 扱うことが可能となる. ut + sup 𝜋 𝑡∈𝐴 𝑡 [𝑺𝝅(𝝁 + 𝜷𝒛)𝑢 𝑊 + (𝝁 + 𝜷𝒛)𝑺𝑢 𝑆 +𝑺𝝅𝚺 𝐒 𝑺𝑢 𝑊,𝑆 + 𝑺𝝅𝚺 𝐒 𝑺𝑢 𝑊,𝑆 + 1 2 𝑺𝝅𝚺 𝑺 𝝅𝑺𝑢 𝑊𝑊 + 1 2 𝑺𝚺 𝑺 𝑺𝑢 𝑆,𝑆] = 0 (2.6) . ただし, 終端条件をu(T, w, s) = U(w), ∂u( ∙ , w ,∙ )/ ∂w = uw と 表 記 す る . xi = 𝑙𝑜𝑔𝑆𝑖, 𝑖 = 1, … , 𝑛 とし, u(t, w, x1, … , xn) = U(w)g(t, x1, … , xn) とする Ansatz を用いるとともに, 非線形性を取り除 くためコールホップ変換などの変数変換を行うと4 , 最終的に以下の形で最適投資戦略が導出できる. πi 𝑆𝑖 = 1 𝜆 ((𝑮𝑮′)−1(𝝁 + 𝜷𝒛) + 𝜸(−2𝑎(𝑡)𝑧 − 𝑏(𝑡)′) ) . (2.7). ただし, i = 1, … , n とし, a(t) = 1 2 𝜷′(𝑮𝑮′)−1 𝜷(𝑇 − 𝑡). 4 式展開の詳細は東出(2016)で 3 資産のケースを行っているので そちらを基本として参照されたい. b(t) = μ′(𝐆𝐆′)−1 𝜷(𝑇 − 𝑡) + (− 1 2 ((𝐆𝐆′)′ 𝛄 )) 𝜷′(𝑮𝑮′)−1 𝜷 (𝑇 − 𝑡)2 2 . Verification については Lintilhac and Tourin(2017)[9]を 参照されたい. 3. 実証 3.1 ビットコイン市場について 本節では前節までで定式化したモデルを用いて, 仮想通貨の一つであるビットコインに対して, 実証 を行う. 実証に入る前に, 本小節で簡単にビットコ イン市場について触れるとともに問題意識について 述べる. ビットコインは仮想通貨の一つであり, こ の数年で資産価値が 20 倍ほどになったことで関心 を集めた. 当初, 仮想通貨のうちビットコインのシ ェア率は, 1400 を超える種類がある仮想通貨のうち, 9 割を超えるほどであったが, 2017 年の後半から, 2 度に渡る ICO (Initial Coin Offering)ブームにより, イ ーサリウムとの二強となり, シェア率は 4 割弱へと 低下している. またリップルを含めれば三つ巴とも なる. 勿論, 仮想通貨市場全体で見れば時価総額は 増加傾向にあり, 投資家は次のビットコインとなる 仮想通貨の探索に忙しい. 自国通貨の安定性が低い 新興国の一部では決済通貨としてビットコインを使 用するなど, 対象は企業・個人のみならず国も注目 するまで急速に成長した. しかし問題点もあり, 例 えば安全性については, ビットコインのみならず, 巨額の仮想通貨が盗難されるといったニュースが報 じられることを目にする機会も増えてきた. かかる中, 本稿で取り上げる問題点は裁定機会が 存在する可能性についてである . 先行研究では Ciaian et al.(2016)[2]も同様の問題を指摘している. 国が発行する通貨は, FX 業者などを通じた個人投資 家による売買も盛んであるが, どこの業者を使おう ともプライシングの違いは高々数銭の違いである. 一方でビットコインは取引所間により数千円~万円 もの違いが生じる場合がある. 流動性の問題等は背 景にあろうが, プライシングの違いがあまりにも大 きい場合では投資家やビットコインを従来型の通貨 の代替として使用しようと考えている経済主体にと って, いささか不都合である. ところで, 共和分関係に着目して裁定機会を検知 する際, どのような時系列データに探索を行うかは 重要である. 具体的に言うと, ファクターリターン を取り除いた後に残る残差リターンに対して行うべ
  • 4. 4 きであり, 生データに対して直接行うのでは結果が 異なる場合がある. 小節 2.2 でファクターリターン を取り除いたが背景はこの点にある. ここで付随する問題の一つに, ビットコインはフ ァンダメンタルズが明確でないため, ファクターの 定義が難しい. 例えば, Kristoufek(2013)[8]は検索エ ンジン Google や Wikipedia によってビットコインに 関 連 す る 検 索 が 行 わ れ た 回 数 , Stenqvist and Lönnö(2017)[12]はビットコインに関連する twitter で のツイート情報がファンダメンタルズの一つとなり 得ることを示した. そこで本稿では, Kristoufek(2013)[8]に倣い, Google での検索回数をファクターとするシングルファクタ ーモデルにてファクターリターンを取り除いた. 3.2 実証 本小節では 2 章で提示したモデルに基づき, 実証を 行う. シミュレーションはすべて統計ソフト R 言語 を用いて行った. 各種取引所における対円における ビ ッ ト コ イ ン 価 格 (BTC/JPY) の 2017/7/26 か ら 2017/12/13 の日次時系列データは, Investing.com5 か ら取得した. 本稿で使用する取引所は, 十分なサン プル数を取得可能とする ANXPRO Bitcoin Exchange, xBTCe, Kranken の 3 つとした. 図 1 は小節 3.1 で紹介 した手法でファクター除去を行ったもので, 以降で 用いる時系列データである. 図 1: ビットコイン価格 取引所毎の時系列推移 各時系列データは単位根過程であることを ADF 検 定で確認したのち, Johansen 検定を用いて共和分ラ ンクが 2 であることを確認した. 検定結果は表 1 の 通り. また図 2 は, ビットコイン価格の取引所毎の スプレッド価格の推移である. 5 URL: https://jp.investing.com/currencies/btc-jpy-historical-data 表 1: Johansen 検定による共和分ランク推定結果 図 2: ビットコイン価格 取引所毎のスプレッド時系列推移 (注) 軸足を ANXPRO Bitcoin Exchange に置き, 各取引所における ビットコイン価格とのスプレッドをプロットしたもの. これより, 小節 2.2 の(2.7)式を用いて共和分ランク 2 でシミュレーションを行った結果, 富過程の推移は 図 3, 最適投資単位は図 4 の通りになった. また代表 的個人のリスク回避度を表すハイパーパラメータλ は 0.01 とした. 図 3: 富過程の推移 図 4: 最適投資枚数
  • 5. 5 以上より, ビットコインの取引所間には, 共和分ラ ンクが 2 であるといった統計的に担保された裁定機 会の存在が肯定され, また確率制御に基づいたシミ ュレーションにおいても当該期間ではプラスのリタ ーンとなった. 4.結論と今後の課題 本稿では, 仮想通貨の 1 つであるビットコインを題 材とし, ファクターリターンを勘案したうえで, (n, m) - EC モデルに基づくダイナミックトレーディン グ投資戦略を実行するためのモデルの定式化を与え た. 実証では示した通り, ビットコイン取引所間に は裁定機会が存在することが示唆された. 今後, ビ ットコインをはじめとする仮想通貨に対するデリバ ティブ商品の研究が進んでいく可能性もあろうが, 先ずファンダメンタルズ価格の精緻な定式化と, 仮 想通貨の価格変動と親和性の高い確率過程でモデル 構築を行う必要があると考え, 今後の課題である. また現在, 規制などの見直しが行われている最中で あるが, 売買コストや送金コストなどにも見直しが 入る可能性もあろうが, 少なくとも裁定機会が存在 しないようなコスト勘案後のプライシングが重要で あると考える. 参考文献 [1] Benth, F. E., & Karlsen, K. H. (2005). A note on Merton's portfolio selection problem for the Schwartz mean-reversion model. Stochastic analysis and applications, 23(4), 687-704. [2] Ciaian, P., Rajcaniova, M., & Kancs, D. A. (2016). The economics of BitCoin price formation. Applied Economics, 48(19), 1799-1815. [3] Duan, J. C., & Pliska, S. R. (2004). Option valuation with co-integrated asset prices. Journal of Economic Dynamics and Control, 28(4), 727-754. [4] Engle, R. F., & Granger, C. W. (1987). Co-integration and error correction: representation, estimation, and testing. Econometrica: journal of the Econometric Society, 251-276. [5] Gatev, E., Goetzmann, W. N., & Rouwenhorst, K. G.(2006). Pairs trading: Performance of a relative-value arbitrage rule. The Review of Financial Studies, 19(3), 797-827. [6] Johansen, S. (1988). Statistical analysis of cointegration vectors. Journal of economic dynamics and control, 12(2-3), 231-254. [7] Johansen, S. (1992). Cointegration in partial systems and the efficiency of single-equation analysis. Journal of econometrics, 52(3), 389-402. [8] Kristoufek, L. (2013). BitCoin meets Google Trends and Wikipedia: Quantifying the relationship between phenomena of the Internet era. Scientific reports, 3, 3415. [9] Lintilhac, P. S., & Tourin, A. (2017). Model-based pairs trading in the bitcoin markets. Quantitative Finance, 17(5),703-716. [10] Nakamura, N.(2015)”Dynamic Trading with Multiple Cointegrating Relationships”, Proceedings of the 44-th JAFEE meeting,(2015:Winter),pp.109-120 [11] Petris,G.;Petrone,S.&Campagnoli,P.(2009),Dynamic linear models' Dynamic Linear Models with R’. ,Springer,,pp.31--84. [12] Stenqvist, E., & Lönnö, J. (2017). Predicting Bitcoin price fluctuation with Twitter sentiment analysis. [13] Tourin, A., & Yan, R. (2013). Dynamic pairs trading using the stochastic control approach. Journal of Economic Dynamics and Control, 37(10), 1972-1981. [14] 東出(2016) “3 資産のダイナミックペアトレーディン グ投資戦略-共和分関係探索の変化からみる富過程 と頑健性の関係-, ” 日本ファイナンス学会第 25 回大 会.
  • 6. 6