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NWざっくり入門

2022/9/4

@dobuzora

ie身内勉強会資料

アジェンダ

1. イントロダクション

2. OSI参照モデル

3. 通信の仕組み

4. まとめ

アジェンダ

1. イントロダクション

2. OSI参照モデル

3. 通信の仕組み

4. まとめ

ネットワークの役割とは?
相手が世界中のどこにいても、
特定しパケットを届ける
持ち帰ってほしいこと!

時間都合でガッツリ削ってます。その上で以下はざっくりと押さえてほしい。
● L2とL3の違い
● NWの冗長化技術の概要
● L3までの通信の仕組み
ネットワーク学習の壁

ネットワーク学習の課題

● 通信のイメージが難しい

○ 実機が見えない

○ 理論だけでは難しい

● 試すハードルが高い

○ NW機器は高価

○ 学習には複数台必要

○ 個人レベルでは不必要



Cisco Modeling Labs 2

Cisco機器でシミュレーションが可能

● 仮想機器を繋ぐことで、イメージしやすい

● トライアンドエラーで学習可能

アジェンダ

1. イントロダクション

2. OSI参照モデル

3. 通信の仕組み

4. NWの冗長化技術

5. まとめ

OSI参照モデル

層名称
 実際
 NW機器

アプリケーション層

プレゼンテーション層

セッション層

HTTP/HTTPS など
 ロードバランサー

SSLアクセラレータ

トランスポート層
 TCP/UDP
 ファイアウォール

ネットワーク層
 IP パケット
 L3スイッチ、ルータ

データリンク層
 Ethernet フレーム
 L2スイッチ

物理層
 電気信号、光信号
 光ケーブル、UTPケーブル、ハブ

L1(物理層)の世界

繋がっていて、光/電気信号がやりとりできるか
● 繋がっていないと通信できない
● 障害時
○ ケーブルがダメになってる
○ ハードウェア故障
L2(データリンク層)の世界

MACアドレスの世界

● NICに一意に付与されているアドレス(48bit)

○ 理論的にはユニーク(例外あり)

○ 上位24bit が OUI、下位24bitがUAA

● L2の役割は、目的の相手(MAC)を特定し届けること

○ Ethernetフレーム



L2(データリンク層)の世界

MACアドレスでベンダーを特定

1. MacOSでMACアドレスを確認 

ifconfig en0 

2. 上位24bitのOUIコードを検索 

https://uic.jp/mac/



自宅ルータのベンダをMACアドレスから確認する 

% netstat -f inet -nr | grep default # デフォルトゲートウェイのIPアドレスを確認 

% arp 192.168.x.x # IPのMACアドレスを確認 

MACアドレスの前半部分(OUIコード)を検索 

※ ただし、あくまでNICのベンダー 

L3(ネットワーク層)の世界

IPの世界

● 膨大な数のMACから相手を特定するのは困難

● 階層構造を持つ論理的なアドレスを使う

● L3はL2の世界を抽象化する

○ ネットワーク内のMACアドレスにIPアドレスを対応させる

● IPはコネクションレス

L3(ネットワーク層)の世界

IPアドレス

● 32bitの長さ

● 8bitごとに10進数に直して表記されることが多い

● ネットワーク部とホスト部とサブネットマスクがセット



192.168.1.10 / 24
サブネットマスク
ネットワーク部 ホスト部
L3(ネットワーク層)の世界

ネットワークアドレスとブロードキャストアドレス

● ホスト部の内、最初と最後は予約済み

● ネットワークアドレス

○ ネットワークを表す

○ 192.168.1.0/24

● ブロードキャストアドレス

○ ネットワーク内の全てのホスト

○ 192.168.1.255/24

192.168.1.10 / 24
→ 192.168.1.0/24 のネットワークにいる 10番目の人
L3(ネットワーク層)の世界

グローバルIPとローカルIP

● グローバルIP

○ 世界で重複なく利用されているIP

● ローカルIP

○ LAN内で使用されるIP

クラスA
 10.0.0.0
 10.255.255.255

クラスB
 172.16.0.0
 172.31.255.255

クラスC
 192.168.0.0
 192.168.255.255

L3(ネットワーク層)の世界

自分のLAN内のIPを確認する

% ifconfig eth0



特定のサイトのIPを調べる

% dig FQDN





L4(トランスポート層)の世界

TCP/UDP

● L3(IP)はあくまで届けるのみ

● 再送処理などをサポート

● ポート番号からサーバ内の宛先特定

● 範囲外のため詳細は割愛



アジェンダ

1. ネットワークの意義

2. OSI参照モデル

3. 通信の仕組み

4. まとめ

L2の通信

目的の相手(MACアドレス)に届ける

● PC1はPC3に通信をしたい

● Ethernetフレームを送る

● 宛先をPC3のMACアドレス、送信元を自身のMACアドレス

L2スイッチ
PC1 PC2 PC3
L2の通信

MACアドレステーブル

● L2スイッチはMACアドレステーブルを持っている

● 該当MACアドレスがどこにいるか把握、そのポートに転送する

● 把握していない場合はフラッディングする

L2スイッチ
PC1 PC2 PC3
L3の通信

ネットワークとネットワークを繋ぐ

● Ethernetフレーム(L2)の世界は、同じネットワーク内の話

● 別のネットワークにいる誰かに送信する時は、IPプロトコルの出番

● IPパケット

○ 宛先が相手のIP

○ 送信元が自分のIP

ネットワークB
192.168.2.0/24
ネットワークA
192.168.1.0/24
ルータ ネットワークC
172.16.0.0/16
ルータ
L3の通信

デフォルトゲートウェイ

● 宛先IPが自身のネットワークではない場合の出口

● この仕組みにより、管理外のネットワーク以外と通信が可能

L2とL3を繋ぐARP



L2とL3をどうやって紐づけるのか?

● 通信をするためには必ず相手のMACアドレスが必要

● 送信前に宛先IPアドレスから、宛先MACアドレスを特定する

● ARPで解決する



確認コマンド(MacOS)

% arp -a

● デフォルトゲートウェイの場合は、そのMACアドレスをセットする

● これらの仕組みで、所属ネットワーク以外のMACアドレスを管理不要

アジェンダ

1. ネットワークの意義

2. OSI参照モデル

3. 通信の仕組み

4. まとめ

まとめ

L2とL3の違い
● L2はOSI参照モデルのデータリンク層のこと
○ EthernetフレームとMACアドレスの世界
● L3はOSI参照モデルのネットワーク層のこと
○ IPパケットとIPアドレスの世界
L3までの通信の仕組み
● 物理的に繋がっている状態で、L2とL3の技術があればパケットは届く
● L2はMACアドレステーブルで転送
● L3はルーティングテーブルで転送
● L2とL3を繋ぐ役割はARPがになっている
参考図書

『マスタリングTCP/IP』
● 大学時の教科書
● 今日の内容はこの本により詳しく記載
● ガッツリ理論
『パケットキャプチャの教科書』
● 仕組み重視の本
● イメージが掴みやすい

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