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今日の沖縄の諸問題と琉球独立
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〇裁判権の対象
・軍人
・軍属
・業者
以上、三つに分けられる。
日本では「軍属」と「業者」の境界が曖昧であったが、2016 年 7 月 5 日、日米両政府は
「軍属」について「高度な技術や知識を持ち、米軍の任務に不可欠な者」と規定することで
合意した。ちなみにアフガニスタンと NATO との地位協定においては、「業者」は明確にア
フガニスタンが第一次裁判権を持つことになっている。さらに「業者」はアフガニスタンの
国内法によって登録される。
〇「運用」で是正
日本の場合、非互恵関係なので主導権が米側にあることから、「運用」によって是正する
にしても限界がある。さらに日米両政府はいわゆる「密約」を交わしている。これは、日本
は公務外の事件において重要事件以外は裁判権を不行使するというものである。地位協定
で定められている以上に米側が有利になるように運用のガイドラインが存在している。
◎あたかも日米地位協定の問題は、米=悪という図式によって議論が終始する傾向がある
が、「日米安保条約とは、日本が国益のために自ら選択し、締結したものなのだ。そうであ
るなら、日米安全保障条約の条文や日米地位協定の条文について、その内容が日本側に有利
になるような働きかけを、締結の日からアメリカに対して間断なく続けてこなければいけ
なかった。もし、日本側にそうした努力のプロセスがあったなら、不平等性が残っている地
位協定の条文やその内容は、これまでにかなり改善されていたはずである。(中略)しかし
現実には、そういった交渉を続ける努力は放棄されたに等しかった。この点だけをみても、
沖縄に対する日本の罪は大きい。」『ヤマトンチュの大罪』p26、27
といった日本政府の外交努力の怠慢がすべてを表しているのではないだろうか。
基地問題
・現在、沖縄には陸軍、海軍、空軍、海兵隊が駐留
・米軍基地の面積は沖縄県全体の約 10 パーセント
・沖縄に駐留する在日米軍の 6 割は海兵隊
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12 年自民党、辺野古移設手続き 仲井真知事容認
14 年翁長知事当選
15 年承認取り消しへ
〇普天間基地とは?
海兵隊のヘリ部隊基地
市街地にある
〇基地負担軽減のための移設?
住宅密集地に位置している普天間基地を住民がより少ない辺野古に移すことにより、危険
度が減り、基地負担が軽減されるとしているが、日米が合意した嘉手納より南の返還計画が
すべて実行されたとしても、在沖米軍基地の在日米軍基地に占める割合は、現在の 73,8 パ
ーセントから 73,1 パーセントに減少するにすぎない。
▼現存の普天間基地は航空基地であるのに対して、辺野古へ「移設」される基地には航空基
地に加え、軍港の機能も追加される。→分散した基地機能の辺野古への集約と軍港を含めた
複合施設の一体化
「移設」ではなく「新設」
〇ビジョン
「『軍隊のない、悲劇のない、平和な島を返してください』という言葉は、『基地をなくすだ
けじゃなく、基地をなくした後、〈本来あり得た沖縄を取り戻す〉べく、日本は責任を持っ
てサポートしてほしい』という風に受け止めるべきです。」『これが沖縄の生きる道』
琉球独立論
「琉球民族独立総合研究学会」とは?
設立趣意は「琉球人の琉球人による琉球人のための独立」
自由、平等、平和の理念に基づく「琉球連邦共和国」を目指し、主権回復こそが琉球の解放
につながる。
独立の是非を住民投票で問い、国連に働きかける
安全保障に関しては非武装中立を保つ
以下、『琉球独立宣言』より抜粋
「琉球人は日本政府に期待せず、保守や革新のイデオロギーの垣根をこえて、琉球人という