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改憲問題×政権交代――弁護士がみる日本の今日と明日、そして未来(坂本修弁護士講演)
- 1. 2009 年駒場祭講演会
改憲問題×政権交代
弁護士がみる日本の今日と明日、そして未来
講師 : 坂本修さん (弁護士)
■改憲問題とはなにか?――今まで、どこで、どうせめぎ合っていたのか
今日はお呼びいただきありがとうございます。いま本当に大事な時期に来ていると思って
います。今日の講演は「改憲問題×政権交代」というテーマですが、なかなかいい位置づ
けだと思います。
2005年に自民党が新憲法草案を出してから、改憲情勢が目の前に迫る勢いで来たが、
安倍元首相のときに向こうが大失敗して、私たちの反対運動の成果によっていったん改憲
策動を挫折をさせた。そして、戦後史上はじめて選挙によって政権交代をした。そういう
今、憲法問題はどの方向に向かおうとしているのか。真面目に検討しないといけない時期
に来ていると思います。
まず、改憲問題とは何か、ということから入りたい。
自民党は新憲法草案というものを発表している。「新憲法草案」で、「憲法改正草案」と
は書いていない。自民党は意識をしている。日本国憲法の改正は、改正手続きがあって国
民投票によってできるとされている。「壊憲手続き法」(=国民投票法)を作る時に、手
続き法がないのだからそれを作らなければ憲法違反だという意見もずいぶん聞いたと思い
ます。しかし、日本国憲法が予定しているのは時代が経っていく中で、ここはもっとカッ
チリ書いた方がいいとか、欠けているものを補強した方がいいとかというレベルで、憲法
をいわば modify(修正)しながら発展させていくというものです。日本国憲法の中心の