ナゴルノカラバフとクルド人の状況についての視察報告

1. もうひとつのアルメニア
ナゴルノカラバフとクルド人の状況についての視察報告
報告者：並木宜史（ TOSMOS 会員、日本クルド友好協会研究員）

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アルメニアとは？
国名：ハイスタン共和国
※アルメニア人の自称は「ハイ」
人口：約 300 万人
首都：エレバン
宗教：キリスト教♰
※アルメニア正教会
備考：
・旧ソ連の構成国
・同国最大の少数民族はクルド人
・トルコの火事場泥棒的侵略により
領土が東アルメニアの一部だけに
なってしまった！

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アルメニアの歴史的領土
Black Sea Caspian Sea
Lake
Lake
Van
Urmia
Lake
Sevan
PARTHIAN EMPIRE
Commagene
Edessa
Artsakh
Vaspurakan
0 200(km)
0 120(mi)
Cappadocia
IBERIA
Ayrarat
Korjayak
AghdznikDsopk
Upper
Armenia
Gugark
Utik
Paytakaran
Carrhhae
Nisibis
Arshamashat
Rhandeia Artishat
Artashat
Vagharshapat
Tigranakert
GREATER ARMENIA
Taron

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セーブル条約で想定されていたアルメニアの領域

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教会建築
独特なフォルムのアルメニア正教会の建築様式

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教会建築
エジーディの寺院と似てる？

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料理
エレバンの肉屋に売ってた豚の頭
トルコの代表料理として知られる
「ドルマ（画像右上）」もアルメニア料理
麺料理もある

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ナゴルノ・カラバフとは？
・歴史的にはアルメニア人居住地
・国際的にはアゼルバイジャン領
・実質的にアルメニアの一部
・唯一アルメニアから入域できる
国名：アルツァフ共和国
※アルメニア語で自由の意味
首都：ステペナケルト
※アゼリー語ではハンカンディ
人口：約 15 万人
通貨：アルメニア・ドラム

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カラバフ前近代小史
・古代ウラルトゥ帝国時代からアルメニアの一部
→アルメニア文字を考案したメロプ・マシュトゥツの出身地
・ 1064 年トルコ系セルジューク勢力の支配下へ
→この時初めてトルコ化政策を経験する
・オスマン帝国とサファヴィー・ペルシャの支配下へ
→大幅な自治が許される
・「南下政策」を進める帝政ロシアの支配下へ
→ロシアはアルメニア寄りなので自由を謳歌
18 世紀トルコ軍に対する
レジスタンスを率いた
ダヴィッド・ベク

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カラバフ現代小史
・第一大戦でトルコが敗戦しアルメニア独立
・イギリスやソ連の背信行為によって
アゼルバイジャン領に編入される
・ソ連崩壊を期に独立宣言
→日本でも「アルメニア騒動」として報道
ソ連崩壊後独立宣言。
・アルメニア軍の支援を受けアゼルバイジャンに
勝利
・ 2016 年には独立戦争以来最大の衝突発生
→トルコ大統領エルドアンはアゼルバイジャンを支持

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チェックポイント

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トルコ製品持ち込み厳禁
アルメニア本土とカラバフをつなぐチェックポイント
の建物内にあったトルコ製品持ち込み禁止の張り紙

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首都ステパナケルト
アルツァフ国立大学 政府機関

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ステパナケルト トルコ化策謀に抵抗する最前線
数 10 ㌔先にはアゼルバイジャンとの
最前線があるため市内には軍属は多い
そこかしこにアゼルバイジャンとの
戦勝を称えるプロパガンダ

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ステパナケルト 市民生活
中央市場内 標準的アパート
アルメニアの支援に感謝を示す記念碑

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カラバフの歴史的首都シュシ
独立戦争の激戦地だったため銃弾の跡が残る建物多数

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シュシ ペルシャ支配の名残
イラン風モスクの廃墟
「オリエント遺跡保護プログラム」の対象

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アルメニアのクルド人
・アルメニア最大の少数民族
→アルメニア人の感情は良好で逆も同じ ※トルコは大嫌い！
→・ムスリム・クルドよりエジーディに対して好感をもっている
・アルメニア政府はムスリムとエジーディを別の民族と扱う
・世界初のクルド語新聞が発行された
・サラディンの親の出身地がある
人口：約 3 万人
言語：クルマンジ系方言

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居住地
Wikipedia に乗ってる分布図は誤り！

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居住地 確認できたところ①
・エレバン北方 50 ㌔の都市アパラン
北方の数カ村
→アラギャズ村
→レヤタザ村
→シパン村
・現地クルド人によるとアラギャズ
付近に 10 数の村がある
・アパランにもコミュニティが
あるという情報があるが現地民
は否定

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居住地 確認できたところ②
・エレバン近郊
→ソービュニー村
・アルメニアのニュースサイトに
カナケラバン（上記村の直ぐ近く）
のエジーディに関する記事あり
→恐らく上記の村のこと
・エレバン西方の観光地アルマヴィルにエジーディの総本山あり
→いい加減な事前調査で把握できず…

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居住地 エレバン
エジーディ、ムスリム・クルドとも多数居住しているのは間違いない
ブルーモスクを訪れたがムスリム・クルドには会えず…

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居住地 ナゴルノ・カラバフ？
・歴史的には居住していたことは間違いない
・居住するとされる地域（左図赤丸内）は
アルツァフ共和国の領域外
→ アルメニア軍管理下なので特別な許可がないと入れない！
・ステパナケルト、シュシで聞き込みした
限りではこれといった居住地はない模様

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レヤタザ（クルド語”新たなる道”）
エジーディの墓にある石造

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レヤタザ
村を案内してくれた子供たち
クルマンジで会話をした

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レヤタザ
牧畜が主要産業の模様

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アラギャズ
岡の上から眺めた村の全景

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アラギャズ
牧畜業を営む人がほとんど

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アラギャズ
エジーディもクルド人と主張するおじいさん（真ん中）

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アラギャズ
エジーディの墓地

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シパン
アラギャズから横道に入ったところにある小村

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シパン
Çonî( 中央クルド語で「元気？」 ) と言っていた村民

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シパン
牧畜業が盛ん

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ソービュニー
エレバン首都圏にあるエジーディ集落
幹線道路沿いはアルメニア人集落、丘のほうがエジーディ集落

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ソービュニー
村の羊肉店はエジーディが経営

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ソービュニー
邸宅に太陽の紋章

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アルズニ
一般的にはスパリゾートとして有名な場所

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アルズニ
19 世紀にイランから移住してきたアッシリア人が住む村

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アルズニ
村役場にシリア文字表記あり

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アルズニ
独ソ戦記念碑