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STM32マイコンのオーディオ信号処理能力
堀江誠一
内容
• 自己紹介
• 評価の動機
• 評価プラットフォーム
• オーバーヘッド
• 諸関数の性能
• 性能向上の可能性
• まとめ
自己紹介
評価の動機
• 足掛け3年かけて作ってきたSDRのプ
ラットフォームの機能実装が終わり、安
定動作するようになった。
• マイコンでどの程度の性能が出るか、測
定すべきタイミング。
評価プラットフォーム
• STM32G431RB
• ARM CORTEX-M4Fコア
• 170MHz動作
• 128kB Flash ROM
• 32kB RAM
• USART
• I2C
• SPI
• I2S/SAI
• STM32F722ZE
• ARM CORTEX-M7コア
• 216MHz動作
• 512kB Flash
• 272kB SRAM
• USART
• I2C
• SPI
• I2S/SAI
『紫』ライブラリ
• STM32マイコン用のクラスライブラリ
• RTOS対応
• オーディオIOがある
• https://github.com/suikan4gi
thub/murasaki
STM32 MCU
Cube HAL
Uart
class SpiMaster
class
I2cMaster
class
Adc
class
Murasaki
Platform
Application
オーバーヘッドの考え方
• SDRに使いたいので、オーディオDMA区間でのオーバーヘッドを考える
• DMA割込みごとに発生するオーバーヘッド
DMA周期
オーバーヘッド 余剰時間
時間
信号処理
DMA割込み DMA割込み DMA割込み
DMA割込みオーバーヘッド
• DMA終了割込みが発生して、DMA終了待ちしていたタス
クに制御が移るまでの時間
オーバーヘッドの測定結果
• システムの割込みハンドラの入り口から
• 割込み待ちタスクが動き出すまで
• 48サンプル(1mS)周期
• STM32G431RB, 170MHz, Murasaki v3
Build Config Optimization SYSLOG Overhead[uS]
Debug -O0 Yes 182
Release -O3 Yes 79
Release -O3 No 73
Release -Ofast Yes 49
コア・アーキテクチャによるオーバーヘッドの違い
Core Build Config Optimization SYSLOG Overhead[uS]
CORTEX-M4F Debug -O0 Yes 182
CORTEX-M4F Release -O3 Yes 79
CORTEX-M7F Debug -O0 Yes 142
CORTEX-M7F Release -O3 Yes 33
• 48サンプル(1mS)周期
• STM32G431RB / STM32F722ZE
• 170MHz, Murasaki v3
浮動小数点MAC演算
• CMSIS-DSPのarm_fir_f32() 関数
• taps = 100taps
• block size = 100
CORE Optimization Cycle / tap
CORTEX-M4F -Ofast 4
CORTEX-M7F Binary 2.5
CORTEX-M7F -Ofast 2
基本演算
• CORTEX-M4
• -Ofastで測定
Function Cycles
arm_sin_f32() 250
arm_sin_cos_f32() 393
fatan2f() 775
ざっくりとした演算時間推定
• 同期AM復調器を想定
• SINCOS/ATAN/FIR
の計が1470cycle
• CORTEX-M4F
• 1Sample = 20uS =
3400cycle
• 170MHz
• 残りの演算を
1500cycleくらいで片付
ければよい
atan
I
Q
Audio100taps FIR
IIR
IIR
IIR
SINCOS
最適化について
• 受信機を作るうえでCORTEX-M4Fでも問題はない
• 追加機能でサイクル数が厳しくなる
• ビートキャンセラ(アダプティブ・フィルタ)
• パラメトリック・イコライザ
• 方策
• CORTEX-M7 ( Up to 400MHz )
• フィルタ・アクセラレータ(AGC後)
• CORDICアクセラレータ
• なるべくならアクセラレータは使いたくない
まとめ
• なんとかなりそう

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STM32マイコンのオーディオ信号処理能力

Editor's Notes

  1. サンプル数対オーバーヘッド 24 : 10 [%] 48 : 8 96 : 7 192 : 6