株式会社行雲が目指す「心の豊かな暮らし」とその働き方についてのまとめスライドです。 2022年7月11日にノートルダム清心女子大学さんで行った講義に使用したスライドを再編集したものです。 株式会社行雲のコーポレートサイトはこちら。 https://ko-un.jp/

1. 2022/7/11
株式会社行雲 代表取締役 犬養 拓
僕とうちの会社が目指す
「心の豊かな暮らし」とその働き方

2. ※このスライドは、2022年7月11日に
ノートルダム清心女子大学さんで行った講義に
使用したものをベースにしています

3. 最初に質問を挙げてみます

4. 生きていて幸せですか？
毎日、楽しいですか？

5. 僕がこの質問をされたら、
こう答えると思います

6. 「はい、幸せだと思いますねえ」
「はい、毎日楽しいですねえ」

7. それは「暮らし」と「仕事」に
大きなストレスがなく、
どちらも充実しているからです

8. 今日はその「仕事」「働き方」の
部分にフォーカスして話します

9. 日本は特に「仕事」や「会社」に
ネガティブなイメージが多いから
（皆さんもそうじゃないですか？）

10. 本日の大きな流れ
• 自己紹介
• これまでの人生、経歴
• サラリーマン時代に感じていたこと
• 「心の豊かな暮らし」とは
• 行雲が気をつけていること
• VUCAの時代に求められる能力、人材
• 行雲が行っているアプローチ
• 僕の個人的な感覚
• 皆さんへのアドバイス

11. 最初に自己紹介をしておきます

12. 自己紹介
犬養 拓（いぬかい たく）
1979年生まれ 42歳
• 父方の曾祖父は犬養毅
→五・一五事件で暗殺された首相
• 母方は大原さんという家
→クラレや大原美術館を作った人
• 趣味の話は長くなりすぎるので割愛

13. 自己紹介
2年前まではこういう髪型でした

14. これまでの人生、経歴

15. これまでの人生と経歴
1998年3月 東京の小学〜高校を卒業
1998年4月 慶應義塾大学法学部に入学
メンタルの重い病だった彼女の看病ばかりの4年間
2002年 株式会社電通に新卒で入社
名古屋に配属になり、雑誌の営業に（クソつまらん）
ダイビングのインストラクターになる
2006年 東京に戻り、コピーライター/CMプランナーに
2010年 現場じゃない部署に異動
2011年 東日本大震災で海のチャリティプロジェクト立ち上げ
2012年 電通とは別に、海のメディア会社を設立
2014年 電通を退職、独立
2015年 行雲（の前身の会社）代表取締役に就任

16. 最初に「仕事も楽しめてます」と
書きましたが、
「仕事まじつまらん」と
思っていた時期もありました

17. これまでの人生と経歴
1998年3月 東京の小学〜高校を卒業
1998年4月 慶應義塾大学法学部に入学
メンタルの重い病だった彼女の看病ばかりの4年間
2002年 株式会社電通に新卒で入社
名古屋に配属になり、雑誌の営業に（クソつまらん）
ダイビングのインストラクターになる
2006年 東京に戻り、コピーライター/CMプランナーに
2010年 現場じゃない部署に異動
2011年 東日本大震災で海のチャリティプロジェクト立ち上げ
2012年 電通とは別に、海のメディア会社を設立
2014年 電通を退職、独立
2015年 行雲（の前身の会社）代表取締役に就任
このあたり

18. なぜ仕事がつまらなかったのか
• 自分の能力・経験不足
• 一緒に働きたくない先輩・上司がいた
• 仕事の広がりをもてなかった
• 「役に立てている感」がなかった
• 結局、サラリーマンは責任がとれない
→自分の自由がない

19. サラリーマン
時代の経験
幸福度の高い
一緒に働きたい
人＆チーム像
VUCA時代に
求められる
人物像
これらの経験と信念から
今の会社を設計してます

20. 行雲の企業理念は
「心の豊かな暮らしを創る」
としました

21. サラリーマン時代に
自社や他社を見て感じたこと

22. 「楽しく働いている人、
満ち足りた人生を送っている人が
まじで少ない」
（日本ってお金もモノもある先進国なのに）

23. 人口とGDPは減っていく国ですが、
でもお金とモノに依らずとも
幸福度の高い人生を送る国もあります

24. ポーランド、ラトヴィア、エストニア、
ルーマニア、ハンガリー、カンボジア
という国が並びます
「ウェルビーイング」度が向上している国
世界最大の調査会社・ギャラップ社の
データをもとに
国際連合が2012年から発行する
『World Happiness Report』より。

25. 高度経済成長期30年間で
GDPは急上昇しても
生活満足度は変わってない返答
翻って日本のデータ

26. その「幸福度の高い人生」を
私たちは「心の豊かな暮らし」と呼び
そうした人生を増やしたいと考える会社です

27. ※一つ注釈です
「幸福度調査」が示すもう一つの側面は、
幸福格差のある80%の人たちは一つの国にいる、という点。
つまり幸福度が高いとされる例えば北欧諸国の中にも
幸福度を全く高いと感じていない人も一定数います。
（でもそれは逆に言えば、日本の中でもたとえ一部であろうと
幸福度が高いと感じる集団を生むことはできる、と捉えられます）

28. では「心の豊かな暮らし」を
構成する要素とは？

29. 「心の豊かな暮らし」を構成する要素
• Career
 仕事、育児、家事、趣味など一日の多くを費やすもの
• Social
 量ではなく、信頼と愛情のある強い関係性
• Finance
 報酬と資産の管理・運用
• Physical
 身体だけでなくメンタルヘルスも
• Community
 地域、家族、企業など身近な関係性
※世界最大の調査会社・ギャラップ社の定義

30. 「心の豊かな暮らし」を構成する要素
• Career
 仕事、育児、家事、趣味など一日の多くを費やすもの
• Social
 量ではなく、信頼と愛情のある強い関係性
• Finance
 報酬と資産の管理・運用
• Physical
 身体だけでなくメンタルヘルスも
• Community
 地域、家族、企業など身近な関係性
※世界最大の調査会社・ギャラップ社の定義

31. 「心の豊かな暮らし」を構成する要素
• Career
 仕事、育児、家事、趣味など一日の多くを費やすもの
• Social
 量ではなく、信頼と愛情のある強い関係性
• Finance
 報酬と資産の管理・運用
• Physical
 身体だけでなくメンタルヘルスも
• Community
 地域、家族、企業など身近な関係性
※世界最大の調査会社・ギャラップ社の定義
会社って
すべてに関わりますよね

32. 行雲で働く人が
「心の豊かな暮らし」を送れる
絶対的な場所でありたい

33. 特に一日の多くを費やす会社が
「自分の場所」に思えるだけでも
幸福度はぜんぜん違うと思う

34. 「心の豊かな暮らし」のポイントを
別の言い方でいうと

35. • 身近な人を大事にすること
• 自分で選択して生きること

36. 身近な人を大事にする
• 家族、子ども
• 恋人
• 友人
• ペット
一個人でいえば

37. 身近な人を大事にする
• 従業員
• 美観地区の人たち
• 倉敷の人たち
• 岡山県内の人たち
会社でいえば

38. おそらく他の会社と比べて
身近な人を大事にしたがる
傾向が強い会社です

39. これは会社（僕）が
決めればいいことなので、
どっちかというと簡単です

40. 「自分で選択して生きること」
の方が難易度が高いです
正直、社会と教育が大きな原因だから

41. 自分で選択して生きる
• 誰かが作った価値観に囚われない
• 人がどう思うかを気にしない
• 仕事、住む場所などの自由度が高い
• 自分でやることを自分で決める

42. でも、この生き方のほうが
幸福度が高く生きられると思うので
行雲ではこの話もよくします
（もはやコーチングの領域ですが）

43. そういう「人を導く」という面では
会社という組織は
とても相性いいなとも感じています

44. 会社が「人を導く」のに適している点
• 育児や学校と同じく数年スパンでできる
• 一度伝えたぐらいでは何も変わらない
• 行動の習慣化を教えやすい
• 同じ志向をもった環境（社風）を作りやすい
• 上司、同僚を見て学べる
• 新しい仕事への出会い（セレンディピティ）がある

45. このへんから徐々に具体的に
「会社をどう設計しているか」
の話に入ります

46. サラリーマン時代に
「ここがイヤだな」と
思った点

47. 大きく二つに分けます
※アルバイトでも同じでしょうし、
部活やクラスでも同じだと思います

48. 働いてイヤになる要素
• 近くに怒っている、イライラしている人がいる
• 誰かを責める、否定する言動をする人がいる
• 大して仕事をしない上司がいる
人間関係

49. 働いてイヤになる要素
• 労働時間が過度に長い（しかも強制させられている）
• 自分の評価と給与が納得できない
• 先輩と上司の評価と給与が納得できない
待遇

50. 正直、これらをなくすだけでも
会社の居心地は全く違います

51. では具体的にどう排除しているか
やり方をご紹介します

52. 働いてイヤになる要素のなくし方
• そもそも一番大事なのは採用
• 採用の時点での見極め
• 入社後は、まず本人に直接指摘します
• そういう人は評価と給与も伸びません
• そのためにも試用期間中に厳格に見極めます
※試用期間を形骸化させずに契約を打ち切る
「怒る人、誰かを責める人」問題

53. 働いてイヤになる要素のなくし方

54. 働いてイヤになる要素のなくし方
• 年功序列型の給与体系を採っていません
• 半年間の役割と成果、行動で評価しています
※これは皆さんまだピンとこないかも（Windows2000）
※中堅企業〜大企業に多いです
※硬直化した給与・評価体系が原因だと思います
「大して仕事をしない上司」問題

55. 働いてイヤになる要素のなくし方
• 過度に長い労働時間ありきの予算設定が問題
※完全に経営者の責任
• 予算を立てる際の優先事項が違います
• 人件費を決めて、それで成り立つ形を考える
• 具体的には付加価値、生産性/効率性が大事
• 従業員は虐げてもいいみたいな考えは論外
「過度に長い労働時間」問題

56. 働いてイヤになる要素のなくし方

57. 働いてイヤになる要素のなくし方

58. 働いてイヤになる要素のなくし方

59. 働いてイヤになる要素のなくし方

60. 働いてイヤになる要素のなくし方

61. 働いてイヤになる要素のなくし方

62. 働いてイヤになる要素のなくし方
• 会社のお金・数字をすべて公開し、説明しています
• 評価の基準も明示して、説明しています
• 半年に一度の評価に応じて給与が決まります
• 他の人の評価・給与も見ることができます
• つまり全員の評価と給与の根拠を誰にでも説明できます
• 同時に毎年給与ベースを上げるよう努力をします
「評価と給与に納得できない」問題

63. ここまでは、
マイナスを排除する話でした

64. ここからは、
プラスをする話をします

65. サラリーマン
時代の経験
幸福度の高い
一緒に働きたい
人＆チーム像
VUCA時代に
求められる
人物像
ここの話

66. 「VUCAの時代」とは

67. 「VUCAの時代」とは
• Ｖ Volatility ：変動性
• Ｕ Uncertainty ：不確実性
• Ｃ Complexity ：複雑性
• Ａ Ambiguity ：曖昧性

68. 「VUCAの時代」とは
• とにかくスピードが加速する
• いま当たり前のものもすぐ変わる
• 新しい技術、価値観がすぐ出てくる
• 一つのセオリーが通用しない
• いろいろごちゃっとあやふやになる

69. 「安定」を求めるのが
大きなリスクになるのが
VUCAの時代

70. 「VUCAの時代」に
求められる能力、人材とは

71. VUCAの時代に求められる能力、人材
『雇用の未来』（2013年）『スキルの未来』（2017年）
の論文を執筆したオックスフォード大学
マイケル・オズボーン准教授による。
出典：NewsPicks『10年後に売れるスキル 廃れるスキル』

72. 大前提として、
最大のスキルは根本の人間力
いわば働くための「OS」
その「人間力」を分解して説明します
VUCAの時代に求められる能力、人材

73. スキルや資格は、OSの上に乗るもの
PCソフトやスマホアプリのようなもの
例）動画編集、菓子製造、会計士
VUCAの時代に求められる能力、人材

74. ではそのOSとなる「人間力」を
分解して説明します
VUCAの時代に求められる能力、人材

75. • 戦略を立てる力（知識と情報の量、経験）
• 人のことを理解する力
• 人を導き、動かす力
• 分かりやすく伝える力
• 周りに信用してもらう力
• 企画力、アイディアを出す力
• 自ら学べる力
VUCAの時代に求められる能力、人材

76. 行雲の評価制度の項目は
これらとほとんど合わせています
VUCAの時代に求められる能力、人材
※ただし一定ランク以上の人の評価項目です
まだ社会人のキャリアが少ない人は違う点で評価します

77. • 楽観的
 未知のものに対して否定から入らない、面白がれる
• 行動力
 行動の多さは学びと成功の多さ
• 素直さ
 言われたことはまず受け入れてやってみる
VUCAの時代に求められる能力、人材
もっと根本で大事な資質（やや余談です）

78. ここからは、そんな会社とチームを
創るために僕がしている
アプローチを具体的に紹介します

79. 「行雲っぽさ」を生んでいる例
• 月に一度、開催する全社ミーティング
• 社員は参加必須のほか、アルバイトさんも参加歓迎
• 会社の数字、今後の計画の共有
• 最近ハマってるもののシェア
• その時点の会社の状況に応じて内容は毎回企画
• 社員が読んだ本を発表する時間も
コミュニケーションミーティング

80. 「行雲っぽさ」を生んでいる例
• 人自体を否定しない
• 「違う」と伝えるのは行動と考え方に対して
• 僕の仕事の3割は、相談を受けること
• 相談内容は仕事以外に暮らし、体調、お金、何でも
• 全社員と定期的に面談を実施（多い人は週1回ペース）
心理的安全性

81. 「行雲っぽさ」を生んでいる例
• 半期に一度の面談で社員が目標を決める
• 出世や成長を求めない働き方もぜんぜんOK
• 「何を頑張るか」「なぜ頑張るか」は個人が決めること
• 自分で決めたことに対して会社がサポートする
• 「モチベーション」というのは自分がやる理由のこと
自分で決める

82. 「行雲っぽさ」を生んでいる例
• 全員があだ名で呼び合う
• 行動を否定しない、訊くことから始める
• 会社からの「報告」ではなく「共有」という意識
• トップやリーダーが偉ぶらないのが最も大事
組織をフラットに保つ

83. 「行雲っぽさ」を生んでいる例
• 西日本豪雨やコロナなど緊急時の速やかな意思決定
• 結婚や引っ越しなど暮らしの変化にあわせた働き方
• LGBTQ、もちろん関係ないです
しなやかな意思決定

84. 「行雲っぽさ」を生んでいる例
• 失敗は全く悪いことではない
• 失敗したことはアクションしたことの証
• アクションと失敗がないと学びも生まれない
• 何もしないことよりアクションしたことを評価
アクションと失敗を推奨する

85. 「行雲っぽさ」を生んでいる例
• 考えを伝える、説明する労力をいとわない
• 相手に応じたコミュニケーションを徹底する
• 社内向けにだいぶ長いテキストを打ってます
伝える、説明する

86. ざっくりキーワードをまとめると

87. 「行雲っぽさ」のキーワード
• 深い愛情
• 自立を促す
• しなやかさ
• コミュニケーション

88. ここまできて今さらですが、
実際に言われた言葉をもとに
僕の特徴も記しておきます
（結局、中小企業は会社＝代表だから）

89. 犬養がスタッフから実際に言われた言葉（笑）
• 自立の権化
• 中庸の権化
• メンタルが鬼安定
• 経営者っぽくない
• すごく大人で、すごく子ども
注：「権化」という言葉が似合うらしいです笑

90. これらが数年にわたって積み重なって、
「行雲っぽい」社風を生み、
「場所」として機能するのだと思います

91. ところで僕の悩みを
いきなり吐露していいですか

92. 私たちが目指す
「心の豊かな暮らし」を
最も阻んでいるもの

93. それはこれまでの
社会や親、大人が植え付けた
みんなの中にある既成の価値観です

94. 「心の豊かな暮らし」を阻むもの
• 「失敗してはいけない」
• 「人に迷惑をかけてはいけない」
• 自分の考えを伝えることが苦手
• 「●●とはこうあるべきもの」
• 自分を大事にしない

95. こういう価値観を植え付ける
社会、親、大人に
僕は昔からブチ切れてます
（大人になってからますますブチ切れてるかな）

96. だからそういう厨二病的な
社会への怒りが原動力なのかもね

97. その怒りからの反動で、
少なくとも自分が手の届くところでは
そうじゃない世界を創りたい

98. 最後に、僕の個人的な感覚

100. レゴ知ってます？
（マインクラフトでもよいです）

101. 小さい頃、
レゴで好きな街を作った感覚

102. それと全く同じ感覚で、
会社を創り上げることに
没頭しています

103. レゴで「こういう街がいいな」と
イメージして創るのと同じように

104. 「こういう会社がいいな」
「こういう働き方がいいな」と
とイメージして会社を創っています

105. ブロックと想像力があれば作れる
レゴと違って、会社は
一筋縄ではいかなさすぎですが

106. まだまだ道半ばながら、
自分はそれに没頭しています

107. そして没頭できるものがあると
人生はめっちゃ楽しいです

108. 僕がこれだけ没頭できるものに
出会ったのは、30代半ばです

109. 皆さんも
焦る必要はないと思います

110. ただ、誰かの価値観、
社会の価値観ではなく、
自分の価値観を大事にしてください

111. ほんとの最後の最後に、
人生を切り拓くための助言です
（時間が余ったら話すやつ）

112. 広い世界に触れ、
大人と話せ。
そして「人を見る目」を養え。

113. 「人を見る目」で
幸福度が左右されます。
恋人、友人、会社、上司。

114. 「人を見る目」との掛け合わせで
学びと幸福度が爆上がりします
• 行動力
• 素直さ
• 自分での選択

115. 今日は長々と聴いてくださり、
ありがとうございました。