英語発表のススメその２：英語発表のちょっとしたコツ

©2018 日本血液浄化技術学会国際委員会
英語発表のススメその２
英語発表の
ちょっとしたコツ
小久保謙一
日本血液浄化技術学会国際委員会
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▌ 英語で発表というと、たいへんそう、とか
無理とか思う人が多いと思いますが。。。
 実は、ちょっとしたコツがあります。
 コツをつかめば、ある程度は負担なく発表でき
るようになります。そうすると自信がつきます。
 そこまで行くと、もっと上を目指したくなりま
す。
 好循環が始まります。
 まずは、初めのきっかけを、ぜひ掴んでくださ
い。
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▌ まずは、大切な３つのこと
1. 筋道の通った話し方をしましょう。
・聞いている相手が、こう来たら次にこう来るなということが予測
できるよう順を追った話し方をすると相手に伝わりやすいです。
・接続詞を上手く使うのもポイントです。
2. 大きな声で話しましょう。
・それだけで、ずいぶんと伝わりやすくなります。
3. しゃべりやすいスライドを作りましょう。
・聴衆を見ながら、あるいは話しているところのスライドを指しな
がらでしゃべるだけで、伝わりやすさが圧倒的に変わります。
・そのためには、原稿は読まないことが大切です。
・スライドに書いてないことはあまりしゃべらないようにするとい
うのもちょっとしてテクニックです。
・しゃべる内容については、すべての内容について、少なくとも
キーワード、キーフレーズをスライドに入れ込むとよいと思い
ます（そうすることで、記憶への負担を少なくできます）。
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▌ 英語でのコミュニケーションで大事な３つのこと
 Loud voice（大きい声）
 Eye contact（アイコンタクト）
 Passion （情熱）
• 発表でも同じです。
• 不思議に思うかもしれませんが、声を大きくしただ
けで、話が通じるようになります。
• どうしても日本語なまりの英語になるので、声が小さい
とさらに分かりにくくなるようです。
• 日本語なまりの英語でも、自信をもって、大きい声で話
すようにしましょう。必ず通じます。
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▌ 原稿は読まない。
 これは徹底したいです。
 原稿を読んでいると、いくら場数を踏んでも、なかな
か話せるようになりません。
 質疑のみのポスター発表でも同じです。
 できれば、プレゼンのあるポスターセッションがよいです。
 プレゼンがない場合も、2分ぐらいで、全体を説明できるよ
うにしておきましょう。
 スライドに書いてある文章を読むのと、手元の原稿を
読むのでは、聞いている人からは、分かりやすさが大
違いです。
 心配なときには、スライドの中に文章を書いて、それを読
みましょう。
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▌ Q: では、どういうスライドを作ればよいでしょうか。
Answer：
原稿を読まなくても、しゃべれるようなスラ
イドを作るとよいと思います。
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▌ このスライドでしゃべれますか？
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第44回日本血液浄化技術学会学術大会・総会, 東京 2017.4.22
▌ Number of dialysis patients in Japan
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116,000
330,000

▌ このスライドを使って、話したいことはこんな
内容でした。
 1st Clinical Engineers were certified in 1989.
 1989年に初めて臨床工学技士が国家資格として認められました。
 The first research meeting of JSTB is held in March of
1991.
 JSTBの第一回の研究会は、1991年の3月に開催されています。
 The number of dialysis patients at the end of 1991 was
about 116,000 people and the number of patients
increased by approximately 10,000 per year since then.
 当時の透析患者は、約116,00人、その後、年に10,000人ずつの
ペースで透析患者は増えていきました。
 Although the rate of increase has slowed in recent years,
at the end of 2016, approximately 330,000 patients are
undergoing dialysis treatment.
 その後、患者の増加速度はゆっくりになったものの、2016年末
の透析患者は、330,00人となっています。
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日本語だったら、しゃべれますよね。
でも、英語となると、かなり大変ではないでしょうか。

▌ ちょっとビジーなスライドだけど、こんな感じ
にしてはどうでしょうか。
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第45回日本血液浄化技術学会, 名古屋, 2018.4.21
▌ Number of dialysis patients in Japan
4
The first research meeting of
JSTB was held in March 1991
116,000
At the end of 2016, approximately 330,000
patients are undergoing dialysis treatment.
330,000
Number of patients
increased by approximately
10,000 per year since then.
1st Clinical Engineers were certified in 1989
Rate of increase has slowed in
recent years

▌ 字ばっかりだけど、こんな感じでもOKと思います。
 まずは、自分がしゃべりやすいを優先しましょう。
 内容を伝えることが一番大切ですから、大事なこ
とは、必ず、文章にしてスライド上に書いておく
ようにするとよいと思います。
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▌ スライドに文章が書いてあることのメリットは
他にもあります。
 実は、文章が書いてあるスライドの一番の
メリットは、自分の発音が悪くても、内容
を理解してもらえることにあります。
 特にノンネイティブ同士の場合、どちらも訛り
のある英語を使いますから、スライドに文字が
ある方が間違いなく伝わります。
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▌ 定型の表現は覚えておく
（1）タイトルスライド
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 Thank you Mr. Chairman (Prof. ○○ ).
 座長が男性の場合になります。
 座長の名前を直接言うのもありです。
 Thank you very much for your kind introduction
 結構ちゃんと紹介してくれた場合に「ご丁寧な紹介ありが
とうございます」と言いたいとき。
 Good morning, ladies and gentlemen.
 聴衆に向かって。
 My name is ○○ from △△ University.
 まずは、名前を。
 Today, I’d like to talk about “タイトル”.
 そして、発表のタイトルを読む。

（2）各スライドの初めのひとこと
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 Next, I would like to talk about the background of
this research.
 次に○○についてお話します。
 First, we measured ET level of several hospital in
○○.
 まず、○○を測定しました。
 This slide shows “the relationship between A and B
obtained by the experiment B.”
 このスライドは、○○の結果です（○○のところにはス
ライドのタイトルを読むとよいでしょう）
 This is a picture of immunostaining of C before and
after the dialysis treatment.
 この写真は、○○の結果です。

（3）グラフの説明
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 This figure shows the removal ratio of a1-MG
when we changed the ○○ in HDF.
 まずはグラフのタイトルを読む。
 The X axis is ○○, the Y axis is △△.
 軸を説明
 Blue bar indicates ○○, and red bar indicates △△.
 凡例を説明
 点だったら、blue plots, red plotsとなる。
 Removal ratio of A is significantly higher than that
of B when we selected pre-dilution mode.
 結果を説明。

▌ 英語で血液浄化技術について発表する場合、
候補となる学会
 ヨーロッパで開催
 ERA-EDTA (European Renal Association – European
Dialysis and Transplant Association)
 欧州腎臓学会ー欧州透析移植学会
 ESAO (European Society for artificial Organs)
 欧州人工臓器学会
 アメリカで開催
 ASN Kidney Week (American Society of Nephrology)
 アメリカ腎臓学会
 ADC (Annual Dialysis Conference)
 ダイアリシス・カンファレンス
 ASAIO（アメリカ人工内臓器学会）
 世界各国持ち回りで開催
 ISBP (International Society for Blood Purification)
 国際血液浄化学会
 ISHD (International Society for Hemodialysis)
 国際透析学会
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▌ 2010年6月25-28日にミュンヘンで行われた第47回
ERA-EDTA 学会に参加したときの準備のスケジュール
は以下のような感じでした。
 Feb 2 Abstract submission deadline （抄録締切）
 Mar 1 Early pre-registration deadline（事前登録締切）
 当日予約よりだいぶ安いです。
 当時は、発表者は採択後でも事前料金で登録できました。
 Apr 26 Notification of acceptance（採否通知）
 May 6 Flight reservation（飛行機の予約）
 飛行機の予約はアクセプトの返事が来てから。
 May 5 Hotel reservation（ホテルの予約）
 ホテルはキャンセルできるから、採択通知の前に取っておく方がよい
です。
 EDTAは2万人ぐらい参加者があるので、ホテルがすぐに埋まってしま
います。
 Jun 21 Application for insurance （旅行保険への加入）
 Jun 21 Posters for presentation completed（ポスター完成）
（ちょっとぎりぎりすぎです。もう少し早めに完成させましょう)
 Jun 24 Departure（出発）

▌ Poster sessionはこんな感じです。
隣のポスターの人には必ず話かける（質問する）ようにしましょう。

▌ ポスターセッションでの質問は、ハードルが
低いです。ここから始めましょう。
まずは、話しかける。そして名乗る。
 Is this your poster?
 分かり切ってるんだけど、会話のきっかけとして
 My name is ○○ from △△hospital. I’m a clinical engineer.
 My name is ○○ working △△ hospital as a clinical engineer.
ちょっと褒めてから質問に
 I’m very interesting in your research.
 I think your method is very useful for evaluating 〇〇.
 Could you explain your results (research), briefly?
 簡単に結果（研究）を説明してもらえますか？
 全部説明してもらっちゃう。省エネ質問(笑）。
あるいは、ポスターを前もって見ておいて、あらかじめ考えてい
た質問をぶつける。
 I’m interesting in the experimental methods.
 （最初に聞きたいところにフォーカスを当てるとよいと思います）
 Why did you select this condition ?とか
 Could you explain how you measured 〇〇 concentration?
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▌ もう一度、「英語でのコミュニケーションで
大事な３つのこと」を書きますね。
Loud voice（大きい声）
Eye contact（アイコンタクト）
Passion （情熱）
•ポスターセッションの発表では、こ
れが生きます。
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▌ 一通り説明してもらったら、
Interesting !!, Thank you very much.
と言って、握手をして別れましょう。
これで、完璧です（笑）。
そのあと、お前のポスターはどこだ、と言われるかもしれません。
そのときは、自分のポスターのところに連れて行って説明しましょう。
発表が明日だったら、演題番号を教えて、もしよかったら聞きに来て
ね、と言いましょう。
これで、海外の友達を新たにゲットです。
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▌ 英語発表のちょっとしたコツ（まとめ）
準備編
 しゃべりやすいスライドを作る。
 できるだけ、文字を入れ込んで、話を聞かなくても内容が理解
できるようなスライドがまずは良いと思います。
 筋道の通ったスライドを作る。
 論理構成を考えましょう。
 しっかり練習する。
本番編
 大きな声で話す。
 原稿は読まない。
番外編
 まずは、ポスターセッションで質問をする。
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英語発表のススメその２：英語発表のちょっとしたコツ

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