SlideShare a Scribd company logo
1 of 29
Download to read offline
マジックとITの可能性 
2014/08/31 
第1回マジックマーケット 
K5(@K5_sem)
自己紹介[1/2] 
● 名前→Keigo 
● HN→K5, K5_sem 
● 職業→情報系技術者 
● ソフトウェアエンジニア?サポートエンジニア?セールスエンジニア? 
● 経歴@情報系技術者 
● 以前→人工知能 
– データマイニング、機械学習 
● 現在→ソフトウェア工学 
– 商用ミドルウェアの設計・開発、 
評価・検証 
– 商用OS(UNIX)のサポート 
– OSSの評価・検証・サポートなど 
– インフラ関連のサービスの拡販
自己紹介[2/2] 
● 経歴@奇術師 
● ディーラー(テ○ヨー) 
● 中距離・サロン 
– フランチャイズ・マジシャン? 
● ストリート・パフォーマンス 
● テーブル・ホッピング 
● バーマジシャン 
● コンテスタント 
– カーディシャン?フラリッシャー? 
● マジック全般の愛好家 
● 斜め方向から奇術と関わる?(TMS)
はじめに 
● 本講演は、2012/09/17のTMSの集いにて、本イ 
ベントの主催者であるtozakipと私が行った対 
談「手品とOSS」での議論をとっかかりに、再 
考した見解となります。 
● IT業界と手品業界の両方にいる/いたという経 
歴を踏まえて、今後、ITとマジックがお互いに 
どのような影響を与えていくのかを真面目に考 
えてみた結果をお話しします。 
● 明確な結論は出ていません。(抽象的な結論です) 
● 一緒に考えましょう!!
本日の流れ 
●1.奇術とは?ITとは? 
●2.奇術業界とIT業界の 
比較 
●3.奇術とITのあるべき 
関係について
<第1部> 
奇術とは? 
ITとは?
<第1部> 
奇術とは? 
ITとは? 
相補的!!
奇術とは何か? 
● 宗教・まじない・魔法・魔術 
● 人身掌握のツール 
権力者の信頼獲得(安倍晴明、道鏡) 
民衆の信頼獲得(卑弥呼、天草四郎) 
● 先進国のナレッジ 
当時最先端の知見(密教etc)の知見を日本へ(弘法大師/空海) 
現代風にいえば国費留学でアイビーリーグの研究業績を、社費留学でシリコン 
バレーのリーンスタートアップの視察で様々な知見を大学or企業に持ち帰る!? 
● エンターテイメント 
ロベール・ウーダン「マジシャンとは魔法使い 
を演じる役者のことである」 
● 富裕層の娯楽 
– 見世物小屋、劇場、ホール、バー 
● 大衆娯楽 
– レストラン、デパート、地域イベント、Webサービス
ITとは何か? 
● 科学技術(Technology)の中の一分野(one of them) 
● 急成長の産業&有望な投資先 
● 電気・ガス・水道と同様、なくては困る(社会 
インフラ) 
● 先進国も新興国も着手 
● 国籍・人種ではなく優れたコードをかけるかどうか 
(そのような能力を有しているか否か)が重要という 
点では、とてもフェアな競争 
● その分、競争は激化。ガチンコ勝負はハード
科学技術とは何か? 
● 宗教 
● 科学技術万能主義もある種の宗教 
● ゴールが真理の探究である点は共通 
● 国力の源 
● 魔法/奇跡と認識されているものの正体 
● 燃える水(石油)、燃えない布(アスベスト) 
● データサイエンティスト、フルスタックエンジニア 
● 発明のきっかけ 
– SF由来の発明はやり尽くされてる 
– 発想の源泉はファンタジーしか残ってない!? 
● Magical User Interfaces 
アーサー・C・クラーク「高度に発達した科学 
技術は魔法と区別がつかない」
どれも似たようなもの 
● 宗教 
● まじない 
● 魔法 
● 魔術 
● 科学技術 
● IT 
● エレクトロニクス 
● 自動車
どれも似たようなもの 
● 宗教 
● まじない 
● 魔法 
● 魔術 
● 科学技術 
● IT 
● エレクトロニクス 
● 自動車 
相補的である!!
<第2部> 
奇術業界と 
IT業界の比較
<第2部> 
奇術業界と 
IT業界の比較 
類似した問題を抱えている!!
共通するトピック 
● 1.社会における定義や位置づけの変化 
● 2.スキルセットの変化 
● 3.非営利団体への依存度 
● 4.顧客/オーディエンスのニーズの変化
1.社会における定義や位置づけの変化 
● IT業界 
(大型計算機)→ソフトウェア開発→パッケージ/ラ 
イブラリ開発→ソリューション提供/サポートサー 
ビス→付加価値(複数レイヤーにまたがった価値創 
造) 
● 手品業界 
(宗教・まじない)→ステージ(イリュージョン) 
→クロースアップ(バー、ホッピング) 
→繰り返し視聴(Webサービス連携?) 
→新しい価値(複数レイヤー→単独ライブ?、演技の 
コンサル)
1.社会における定義や位置づけの変化 
● IT業界 
● More is different(フィリップ・アンダーソン博士) 
– レイヤーの優劣(すごい/偉い)はない(1972年の 
Scienceにて)→「○○を作るのが花形」のような認識は違う!! 
● ハードを持つ意味の変化(まつもとゆきひろ(Rubyのパパ)) 
– マシンを持つことが資産ではなく負債になる 
● 水平分業で勝てるほど、世界は単純じゃない(中央 
大学竹内教授) 
– ハードからソフト、サービスまで垂直統合した知見
1.社会における定義や位置づけの変化 
● 手品業界 
● 宗教・まじないと共に発展 
– 卑弥呼、安倍晴明、空海(弘法大師) 
– 魔女狩り 
● エンターテイメント/ショービジネス 
– 見世物小屋(室町時代~) 
– ホール・劇場(近代) 
– バー・レストラン 
– Webサービス(←今ここ) 
– →これからどうする?
2.スキルセットの変化 
● IT業界 
● 要素技術 
– 優秀なエンジニアの定義の変化 
優れたコードを書く人→ITを使いこなす人 
– what(原理探求)よりhow(問題解決)の時代 
– コモディティ化によるハード単体の差別化の難化 
● 付加価値が必須 
● クラウドサービス+ハード?(最近のWebサービス、シリコンバ 
レー) 
● マーケティング 
– インターネットが中抜き業者の価値を失くした!? 
– 営業に任せる→技術営業ができるエンジニア 
(ex.名刺に書くのはgithubへ公開しているOSS)
2.スキルセットの変化 
● 手品業界 
● 要素技術 
– 手品以外の知識が必要になってきてる? 
● タネと技術だけでは無理 
● 皆でネタを作る時代!?(個人からチーム) 
– ex.シルクドソレイユ、シェークスピア? 
– 演じる場の増加 
● テレビ、インターネット 
● マーケティング 
– ファンへの公開情報の変化 
● 受賞歴、出演歴etc 
→演技動画、Webサービスとの連携(ex.TwitterなどSNS)
3.非営利団体への依存度 
● IT業界 
● 企業 
– カンファレンスへの出展→Noblesse oblige(位高ければ 
徳高きを要す) or CSR(企業の社会的責任) 
● 個人 
– コミュニティ運営、OSSという文化振興 
→ボランティア。彼らは勝手に好きでやっている? 
● 手品業界 
● 企業 
– パトロン/スポンサーいない。むしろ探すべき? 
● 個人:アマチュアの功績 
– 創作(作品、技術) →彼らのバックアップは誰がやるの 
– 運営(コンテスト)  か?勝手に好きでやってる?
4.顧客/オーディエンスのニーズの変化 
● IT業界 
● インフラ 
● Webサービス(皆が使うもの) 
● 誤った認識 
● ソフトウェア=タダ、誰かが実装してくれる 
– 電気ガス水道と同じでタダで普通にあるものではない 
● タダなのに、なんで金を使う? 
– 使いこなすには知識・技術が必要 
● 良い食材と調理器具があっても、調理人がダメなら美味しいも 
のは作れない、ということが伝わってない!?
4.顧客/オーディエンスのニーズの変化 
● 手品業界 
● 劇場で見る 
● テレビで見る 
● バー/レストランで見る 
● ネットで見る 
● 懸念事項 
● 金払ったのになんで騙されないとだめ? 
● タネを知ってるからわざわざ見にいかなくていい? 
→演者が頑張ればすむ問題?そもそもネット等の認 
識を変えないと演者が頑張っても無駄? 
⇒演者が頑張ることで認識を変えられるもの?
<第3部> 
奇術とITのあるべ 
き関係について
<第3部> 
奇術とITのあるべ 
き関係について 
切磋琢磨
切磋琢磨[1/2] 
マジシャンがすべきこと 
● 不思議の意味を自問自答 
● テクノロジにアンテナを張る 
● マジックでなくなるかもしれない現象 
– 移動現象? 
– テレパシー? 
● テクノロジの恩恵を積極的に受ける 
● 最新ガジェット 
● 暗黙知の言語化 
– 技能習得/継承、学習支援 
– 認知科学、学習心理学、スポーツ科学、スキル科学 
● 技術(technology)-技能(skill)-技(art) 
技能や技への昇華の支援/補助
切磋琢磨[2/2] 
エンジニアがすべきこと 
● 起きて欲しい現象を考える 
● SF作品に登場する現象の多くは実現できた。 
● ファンタジー(ハリポタ、ドラクエ、FF)の世界に 
登場する現象を実現する。 
– 発想の源泉として活用 
● アートに触れる 
● 既知の技術でできるトップの現象 
– 絵の具で書いた絵>最新ディスプレイ上の画像 
– 熟練ドライバの選択するコースが最新のアルゴリズムを 
利用した経路選択より最短 
・・・etc
まとめ 
● 奇術とは?ITとは? 
→(歴史的に/本質的に)相補的である 
● 奇術業界とIT業界の比較 
→類似した問題を抱えている 
● 奇術とITのあるべき関係について 
→切磋琢磨
おわりに 
● 日常生活へのITの浸透は止められない。奇術を 
とりまく環境はどんどん変化している 
● どんどん変わっていかないとダメ 
● 強い者が生き残ったわけではない。賢い者が生き残ったわ 
けでもない。変化に対応した者が生き残ったのだ(チャール 
ズ・ダーウィン『種の起源』) 
● お互いを切磋琢磨すべき 
● コアな技術の習得、プレゼンスキルの向上 
● 専門書(含 理論書)の輪読・勉強会 
それぞれの使える文化(考え方)を活用しあうこと 
で、お互いがHappyになれるはず!! 
以上。

More Related Content

Similar to マジックとITの可能性

新時代のITインフラ -技術トレンドとユーザー企業の構え- (20100512)
新時代のITインフラ -技術トレンドとユーザー企業の構え- (20100512)新時代のITインフラ -技術トレンドとユーザー企業の構え- (20100512)
新時代のITインフラ -技術トレンドとユーザー企業の構え- (20100512)Jun Kawahara
 
再出発するリモートワーク ワークスタイルチェンジから見えた課題と2021年に向けた展望
再出発するリモートワーク ワークスタイルチェンジから見えた課題と2021年に向けた展望再出発するリモートワーク ワークスタイルチェンジから見えた課題と2021年に向けた展望
再出発するリモートワーク ワークスタイルチェンジから見えた課題と2021年に向けた展望aslead
 
(続)Itプロジェクトマネジメント成功のための勘どころ 20140318
(続)Itプロジェクトマネジメント成功のための勘どころ 20140318(続)Itプロジェクトマネジメント成功のための勘どころ 20140318
(続)Itプロジェクトマネジメント成功のための勘どころ 20140318ITinnovation
 
20141101 大田区民大学での講演「実際にロボットを動かす方法」
20141101 大田区民大学での講演「実際にロボットを動かす方法」20141101 大田区民大学での講演「実際にロボットを動かす方法」
20141101 大田区民大学での講演「実際にロボットを動かす方法」Ryuichi Ueda
 
経済を理解する数字の見方、上司が見たい数字の見せ方
経済を理解する数字の見方、上司が見たい数字の見せ方経済を理解する数字の見方、上司が見たい数字の見せ方
経済を理解する数字の見方、上司が見たい数字の見せ方MKT International Inc.
 
コンピュータビジョン技術の実応用とビジネス
コンピュータビジョン技術の実応用とビジネスコンピュータビジョン技術の実応用とビジネス
コンピュータビジョン技術の実応用とビジネスYusuke Uchida
 
ブロックチェーンと仮想通貨 -- 新しいビジネスに挑戦
ブロックチェーンと仮想通貨 -- 新しいビジネスに挑戦ブロックチェーンと仮想通貨 -- 新しいビジネスに挑戦
ブロックチェーンと仮想通貨 -- 新しいビジネスに挑戦Yuto Takei
 
スマートエスイー: 超スマート社会&DX時代のAI・IoT×ビジネスの人材育成と調査研究
スマートエスイー: 超スマート社会&DX時代のAI・IoT×ビジネスの人材育成と調査研究スマートエスイー: 超スマート社会&DX時代のAI・IoT×ビジネスの人材育成と調査研究
スマートエスイー: 超スマート社会&DX時代のAI・IoT×ビジネスの人材育成と調査研究Hironori Washizaki
 
Mirai carved out by innovations
Mirai carved out by innovationsMirai carved out by innovations
Mirai carved out by innovationsOsaka University
 
20131213 itサービスに求められる人材像
20131213 itサービスに求められる人材像20131213 itサービスに求められる人材像
20131213 itサービスに求められる人材像jun_suto
 
立教大学MBA:AIの最先端技術によるこれからの価値創造
立教大学MBA:AIの最先端技術によるこれからの価値創造立教大学MBA:AIの最先端技術によるこれからの価値創造
立教大学MBA:AIの最先端技術によるこれからの価値創造Osaka University
 
SIにおけるプロジェクトとプロマネ
SIにおけるプロジェクトとプロマネSIにおけるプロジェクトとプロマネ
SIにおけるプロジェクトとプロマネTakesato Nigorikawa
 
サーバーサイドにおけるOSSセキュリティ市場動向について
サーバーサイドにおけるOSSセキュリティ市場動向についてサーバーサイドにおけるOSSセキュリティ市場動向について
サーバーサイドにおけるOSSセキュリティ市場動向についてMKT International Inc.
 
Saga Smart Center: デジタル変革が及ぼす企業が考慮すべき未来の姿
Saga Smart Center: デジタル変革が及ぼす企業が考慮すべき未来の姿Saga Smart Center: デジタル変革が及ぼす企業が考慮すべき未来の姿
Saga Smart Center: デジタル変革が及ぼす企業が考慮すべき未来の姿Daiyu Hatakeyama
 
自己紹介にかえて-変化する企業ITと“ワクワク感” 桑原里恵
自己紹介にかえて-変化する企業ITと“ワクワク感” 桑原里恵自己紹介にかえて-変化する企業ITと“ワクワク感” 桑原里恵
自己紹介にかえて-変化する企業ITと“ワクワク感” 桑原里恵Sapporo Sparkle k.k.
 
コミュニティと価値観縁
コミュニティと価値観縁コミュニティと価値観縁
コミュニティと価値観縁Tomohiro Igarashi
 
I and T study 3rd session
I and T study 3rd sessionI and T study 3rd session
I and T study 3rd sessionkoichi ikeda
 
ラボラトリーオートメーションのためのソフトウェア思想教育(非プログラマ―が知っておくべきプログラミングの本質)
ラボラトリーオートメーションのためのソフトウェア思想教育(非プログラマ―が知っておくべきプログラミングの本質)ラボラトリーオートメーションのためのソフトウェア思想教育(非プログラマ―が知っておくべきプログラミングの本質)
ラボラトリーオートメーションのためのソフトウェア思想教育(非プログラマ―が知っておくべきプログラミングの本質)Tokoroten Nakayama
 
法政大学 MBA 中小企業向けITとの付き合うコツ
法政大学 MBA 中小企業向けITとの付き合うコツ法政大学 MBA 中小企業向けITとの付き合うコツ
法政大学 MBA 中小企業向けITとの付き合うコツDaiyu Hatakeyama
 

Similar to マジックとITの可能性 (20)

新時代のITインフラ -技術トレンドとユーザー企業の構え- (20100512)
新時代のITインフラ -技術トレンドとユーザー企業の構え- (20100512)新時代のITインフラ -技術トレンドとユーザー企業の構え- (20100512)
新時代のITインフラ -技術トレンドとユーザー企業の構え- (20100512)
 
再出発するリモートワーク ワークスタイルチェンジから見えた課題と2021年に向けた展望
再出発するリモートワーク ワークスタイルチェンジから見えた課題と2021年に向けた展望再出発するリモートワーク ワークスタイルチェンジから見えた課題と2021年に向けた展望
再出発するリモートワーク ワークスタイルチェンジから見えた課題と2021年に向けた展望
 
(続)Itプロジェクトマネジメント成功のための勘どころ 20140318
(続)Itプロジェクトマネジメント成功のための勘どころ 20140318(続)Itプロジェクトマネジメント成功のための勘どころ 20140318
(続)Itプロジェクトマネジメント成功のための勘どころ 20140318
 
20141101 大田区民大学での講演「実際にロボットを動かす方法」
20141101 大田区民大学での講演「実際にロボットを動かす方法」20141101 大田区民大学での講演「実際にロボットを動かす方法」
20141101 大田区民大学での講演「実際にロボットを動かす方法」
 
経済を理解する数字の見方、上司が見たい数字の見せ方
経済を理解する数字の見方、上司が見たい数字の見せ方経済を理解する数字の見方、上司が見たい数字の見せ方
経済を理解する数字の見方、上司が見たい数字の見せ方
 
コンピュータビジョン技術の実応用とビジネス
コンピュータビジョン技術の実応用とビジネスコンピュータビジョン技術の実応用とビジネス
コンピュータビジョン技術の実応用とビジネス
 
ブロックチェーンと仮想通貨 -- 新しいビジネスに挑戦
ブロックチェーンと仮想通貨 -- 新しいビジネスに挑戦ブロックチェーンと仮想通貨 -- 新しいビジネスに挑戦
ブロックチェーンと仮想通貨 -- 新しいビジネスに挑戦
 
スマートエスイー: 超スマート社会&DX時代のAI・IoT×ビジネスの人材育成と調査研究
スマートエスイー: 超スマート社会&DX時代のAI・IoT×ビジネスの人材育成と調査研究スマートエスイー: 超スマート社会&DX時代のAI・IoT×ビジネスの人材育成と調査研究
スマートエスイー: 超スマート社会&DX時代のAI・IoT×ビジネスの人材育成と調査研究
 
Mirai carved out by innovations
Mirai carved out by innovationsMirai carved out by innovations
Mirai carved out by innovations
 
20131213 itサービスに求められる人材像
20131213 itサービスに求められる人材像20131213 itサービスに求められる人材像
20131213 itサービスに求められる人材像
 
mlabforum2012_okanohara
mlabforum2012_okanoharamlabforum2012_okanohara
mlabforum2012_okanohara
 
立教大学MBA:AIの最先端技術によるこれからの価値創造
立教大学MBA:AIの最先端技術によるこれからの価値創造立教大学MBA:AIの最先端技術によるこれからの価値創造
立教大学MBA:AIの最先端技術によるこれからの価値創造
 
SIにおけるプロジェクトとプロマネ
SIにおけるプロジェクトとプロマネSIにおけるプロジェクトとプロマネ
SIにおけるプロジェクトとプロマネ
 
サーバーサイドにおけるOSSセキュリティ市場動向について
サーバーサイドにおけるOSSセキュリティ市場動向についてサーバーサイドにおけるOSSセキュリティ市場動向について
サーバーサイドにおけるOSSセキュリティ市場動向について
 
Saga Smart Center: デジタル変革が及ぼす企業が考慮すべき未来の姿
Saga Smart Center: デジタル変革が及ぼす企業が考慮すべき未来の姿Saga Smart Center: デジタル変革が及ぼす企業が考慮すべき未来の姿
Saga Smart Center: デジタル変革が及ぼす企業が考慮すべき未来の姿
 
自己紹介にかえて-変化する企業ITと“ワクワク感” 桑原里恵
自己紹介にかえて-変化する企業ITと“ワクワク感” 桑原里恵自己紹介にかえて-変化する企業ITと“ワクワク感” 桑原里恵
自己紹介にかえて-変化する企業ITと“ワクワク感” 桑原里恵
 
コミュニティと価値観縁
コミュニティと価値観縁コミュニティと価値観縁
コミュニティと価値観縁
 
I and T study 3rd session
I and T study 3rd sessionI and T study 3rd session
I and T study 3rd session
 
ラボラトリーオートメーションのためのソフトウェア思想教育(非プログラマ―が知っておくべきプログラミングの本質)
ラボラトリーオートメーションのためのソフトウェア思想教育(非プログラマ―が知っておくべきプログラミングの本質)ラボラトリーオートメーションのためのソフトウェア思想教育(非プログラマ―が知っておくべきプログラミングの本質)
ラボラトリーオートメーションのためのソフトウェア思想教育(非プログラマ―が知っておくべきプログラミングの本質)
 
法政大学 MBA 中小企業向けITとの付き合うコツ
法政大学 MBA 中小企業向けITとの付き合うコツ法政大学 MBA 中小企業向けITとの付き合うコツ
法政大学 MBA 中小企業向けITとの付き合うコツ
 

More from K5_sem

Ryogoku performance meeting4
Ryogoku performance meeting4Ryogoku performance meeting4
Ryogoku performance meeting4K5_sem
 
Tmp20130824
Tmp20130824Tmp20130824
Tmp20130824K5_sem
 
Tmp20130822
Tmp20130822Tmp20130822
Tmp20130822K5_sem
 
Prml7 2
Prml7 2Prml7 2
Prml7 2K5_sem
 
Bsd5.12.3
Bsd5.12.3Bsd5.12.3
Bsd5.12.3K5_sem
 
Bsd5.10.1
Bsd5.10.1Bsd5.10.1
Bsd5.10.1K5_sem
 
Prml5 6
Prml5 6Prml5 6
Prml5 6K5_sem
 
Prml3 4
Prml3 4Prml3 4
Prml3 4K5_sem
 
Prml3 4
Prml3 4Prml3 4
Prml3 4K5_sem
 
Technologyand region
Technologyand regionTechnologyand region
Technologyand regionK5_sem
 

More from K5_sem (10)

Ryogoku performance meeting4
Ryogoku performance meeting4Ryogoku performance meeting4
Ryogoku performance meeting4
 
Tmp20130824
Tmp20130824Tmp20130824
Tmp20130824
 
Tmp20130822
Tmp20130822Tmp20130822
Tmp20130822
 
Prml7 2
Prml7 2Prml7 2
Prml7 2
 
Bsd5.12.3
Bsd5.12.3Bsd5.12.3
Bsd5.12.3
 
Bsd5.10.1
Bsd5.10.1Bsd5.10.1
Bsd5.10.1
 
Prml5 6
Prml5 6Prml5 6
Prml5 6
 
Prml3 4
Prml3 4Prml3 4
Prml3 4
 
Prml3 4
Prml3 4Prml3 4
Prml3 4
 
Technologyand region
Technologyand regionTechnologyand region
Technologyand region
 

マジックとITの可能性

  • 2. 自己紹介[1/2] ● 名前→Keigo ● HN→K5, K5_sem ● 職業→情報系技術者 ● ソフトウェアエンジニア?サポートエンジニア?セールスエンジニア? ● 経歴@情報系技術者 ● 以前→人工知能 – データマイニング、機械学習 ● 現在→ソフトウェア工学 – 商用ミドルウェアの設計・開発、 評価・検証 – 商用OS(UNIX)のサポート – OSSの評価・検証・サポートなど – インフラ関連のサービスの拡販
  • 3. 自己紹介[2/2] ● 経歴@奇術師 ● ディーラー(テ○ヨー) ● 中距離・サロン – フランチャイズ・マジシャン? ● ストリート・パフォーマンス ● テーブル・ホッピング ● バーマジシャン ● コンテスタント – カーディシャン?フラリッシャー? ● マジック全般の愛好家 ● 斜め方向から奇術と関わる?(TMS)
  • 4. はじめに ● 本講演は、2012/09/17のTMSの集いにて、本イ ベントの主催者であるtozakipと私が行った対 談「手品とOSS」での議論をとっかかりに、再 考した見解となります。 ● IT業界と手品業界の両方にいる/いたという経 歴を踏まえて、今後、ITとマジックがお互いに どのような影響を与えていくのかを真面目に考 えてみた結果をお話しします。 ● 明確な結論は出ていません。(抽象的な結論です) ● 一緒に考えましょう!!
  • 5. 本日の流れ ●1.奇術とは?ITとは? ●2.奇術業界とIT業界の 比較 ●3.奇術とITのあるべき 関係について
  • 8. 奇術とは何か? ● 宗教・まじない・魔法・魔術 ● 人身掌握のツール 権力者の信頼獲得(安倍晴明、道鏡) 民衆の信頼獲得(卑弥呼、天草四郎) ● 先進国のナレッジ 当時最先端の知見(密教etc)の知見を日本へ(弘法大師/空海) 現代風にいえば国費留学でアイビーリーグの研究業績を、社費留学でシリコン バレーのリーンスタートアップの視察で様々な知見を大学or企業に持ち帰る!? ● エンターテイメント ロベール・ウーダン「マジシャンとは魔法使い を演じる役者のことである」 ● 富裕層の娯楽 – 見世物小屋、劇場、ホール、バー ● 大衆娯楽 – レストラン、デパート、地域イベント、Webサービス
  • 9. ITとは何か? ● 科学技術(Technology)の中の一分野(one of them) ● 急成長の産業&有望な投資先 ● 電気・ガス・水道と同様、なくては困る(社会 インフラ) ● 先進国も新興国も着手 ● 国籍・人種ではなく優れたコードをかけるかどうか (そのような能力を有しているか否か)が重要という 点では、とてもフェアな競争 ● その分、競争は激化。ガチンコ勝負はハード
  • 10. 科学技術とは何か? ● 宗教 ● 科学技術万能主義もある種の宗教 ● ゴールが真理の探究である点は共通 ● 国力の源 ● 魔法/奇跡と認識されているものの正体 ● 燃える水(石油)、燃えない布(アスベスト) ● データサイエンティスト、フルスタックエンジニア ● 発明のきっかけ – SF由来の発明はやり尽くされてる – 発想の源泉はファンタジーしか残ってない!? ● Magical User Interfaces アーサー・C・クラーク「高度に発達した科学 技術は魔法と区別がつかない」
  • 11. どれも似たようなもの ● 宗教 ● まじない ● 魔法 ● 魔術 ● 科学技術 ● IT ● エレクトロニクス ● 自動車
  • 12. どれも似たようなもの ● 宗教 ● まじない ● 魔法 ● 魔術 ● 科学技術 ● IT ● エレクトロニクス ● 自動車 相補的である!!
  • 14. <第2部> 奇術業界と IT業界の比較 類似した問題を抱えている!!
  • 15. 共通するトピック ● 1.社会における定義や位置づけの変化 ● 2.スキルセットの変化 ● 3.非営利団体への依存度 ● 4.顧客/オーディエンスのニーズの変化
  • 16. 1.社会における定義や位置づけの変化 ● IT業界 (大型計算機)→ソフトウェア開発→パッケージ/ラ イブラリ開発→ソリューション提供/サポートサー ビス→付加価値(複数レイヤーにまたがった価値創 造) ● 手品業界 (宗教・まじない)→ステージ(イリュージョン) →クロースアップ(バー、ホッピング) →繰り返し視聴(Webサービス連携?) →新しい価値(複数レイヤー→単独ライブ?、演技の コンサル)
  • 17. 1.社会における定義や位置づけの変化 ● IT業界 ● More is different(フィリップ・アンダーソン博士) – レイヤーの優劣(すごい/偉い)はない(1972年の Scienceにて)→「○○を作るのが花形」のような認識は違う!! ● ハードを持つ意味の変化(まつもとゆきひろ(Rubyのパパ)) – マシンを持つことが資産ではなく負債になる ● 水平分業で勝てるほど、世界は単純じゃない(中央 大学竹内教授) – ハードからソフト、サービスまで垂直統合した知見
  • 18. 1.社会における定義や位置づけの変化 ● 手品業界 ● 宗教・まじないと共に発展 – 卑弥呼、安倍晴明、空海(弘法大師) – 魔女狩り ● エンターテイメント/ショービジネス – 見世物小屋(室町時代~) – ホール・劇場(近代) – バー・レストラン – Webサービス(←今ここ) – →これからどうする?
  • 19. 2.スキルセットの変化 ● IT業界 ● 要素技術 – 優秀なエンジニアの定義の変化 優れたコードを書く人→ITを使いこなす人 – what(原理探求)よりhow(問題解決)の時代 – コモディティ化によるハード単体の差別化の難化 ● 付加価値が必須 ● クラウドサービス+ハード?(最近のWebサービス、シリコンバ レー) ● マーケティング – インターネットが中抜き業者の価値を失くした!? – 営業に任せる→技術営業ができるエンジニア (ex.名刺に書くのはgithubへ公開しているOSS)
  • 20. 2.スキルセットの変化 ● 手品業界 ● 要素技術 – 手品以外の知識が必要になってきてる? ● タネと技術だけでは無理 ● 皆でネタを作る時代!?(個人からチーム) – ex.シルクドソレイユ、シェークスピア? – 演じる場の増加 ● テレビ、インターネット ● マーケティング – ファンへの公開情報の変化 ● 受賞歴、出演歴etc →演技動画、Webサービスとの連携(ex.TwitterなどSNS)
  • 21. 3.非営利団体への依存度 ● IT業界 ● 企業 – カンファレンスへの出展→Noblesse oblige(位高ければ 徳高きを要す) or CSR(企業の社会的責任) ● 個人 – コミュニティ運営、OSSという文化振興 →ボランティア。彼らは勝手に好きでやっている? ● 手品業界 ● 企業 – パトロン/スポンサーいない。むしろ探すべき? ● 個人:アマチュアの功績 – 創作(作品、技術) →彼らのバックアップは誰がやるの – 運営(コンテスト)  か?勝手に好きでやってる?
  • 22. 4.顧客/オーディエンスのニーズの変化 ● IT業界 ● インフラ ● Webサービス(皆が使うもの) ● 誤った認識 ● ソフトウェア=タダ、誰かが実装してくれる – 電気ガス水道と同じでタダで普通にあるものではない ● タダなのに、なんで金を使う? – 使いこなすには知識・技術が必要 ● 良い食材と調理器具があっても、調理人がダメなら美味しいも のは作れない、ということが伝わってない!?
  • 23. 4.顧客/オーディエンスのニーズの変化 ● 手品業界 ● 劇場で見る ● テレビで見る ● バー/レストランで見る ● ネットで見る ● 懸念事項 ● 金払ったのになんで騙されないとだめ? ● タネを知ってるからわざわざ見にいかなくていい? →演者が頑張ればすむ問題?そもそもネット等の認 識を変えないと演者が頑張っても無駄? ⇒演者が頑張ることで認識を変えられるもの?
  • 26. 切磋琢磨[1/2] マジシャンがすべきこと ● 不思議の意味を自問自答 ● テクノロジにアンテナを張る ● マジックでなくなるかもしれない現象 – 移動現象? – テレパシー? ● テクノロジの恩恵を積極的に受ける ● 最新ガジェット ● 暗黙知の言語化 – 技能習得/継承、学習支援 – 認知科学、学習心理学、スポーツ科学、スキル科学 ● 技術(technology)-技能(skill)-技(art) 技能や技への昇華の支援/補助
  • 27. 切磋琢磨[2/2] エンジニアがすべきこと ● 起きて欲しい現象を考える ● SF作品に登場する現象の多くは実現できた。 ● ファンタジー(ハリポタ、ドラクエ、FF)の世界に 登場する現象を実現する。 – 発想の源泉として活用 ● アートに触れる ● 既知の技術でできるトップの現象 – 絵の具で書いた絵>最新ディスプレイ上の画像 – 熟練ドライバの選択するコースが最新のアルゴリズムを 利用した経路選択より最短 ・・・etc
  • 28. まとめ ● 奇術とは?ITとは? →(歴史的に/本質的に)相補的である ● 奇術業界とIT業界の比較 →類似した問題を抱えている ● 奇術とITのあるべき関係について →切磋琢磨
  • 29. おわりに ● 日常生活へのITの浸透は止められない。奇術を とりまく環境はどんどん変化している ● どんどん変わっていかないとダメ ● 強い者が生き残ったわけではない。賢い者が生き残ったわ けでもない。変化に対応した者が生き残ったのだ(チャール ズ・ダーウィン『種の起源』) ● お互いを切磋琢磨すべき ● コアな技術の習得、プレゼンスキルの向上 ● 専門書(含 理論書)の輪読・勉強会 それぞれの使える文化(考え方)を活用しあうこと で、お互いがHappyになれるはず!! 以上。