NSTIの抗菌薬

1. 救急部勉強会 1/16
Sr.2 Hiroyuki Ote

2. 先日当院では珍しい壊死性筋膜炎
の症例が入室した際、
抗菌薬について議論となった。

4. MEPMの一択だろ
PIPC/TAZで充分！
なんならABPC/SBTでも

5. GASならPCGでよくね？
VCMは？
CLDMも入れといてよ

6. NSTI
(Necrotizing Soft-Tissue Infection)
の抗菌薬療法について
Today’s theme

7. 抗菌薬は
どの臓器の
どの菌か
によって決まる

9. N Engl. J. Med,Dec.7,2017
なんともタイムリーなNSTIについての最新のReview

10. こちらに日本語の
丁寧な解説があります

11. 壊死性筋膜炎
(Necrotizing Fasciitis)
壊死性軟部組織感染症
(NSTI:
Necrotizing Soft-Tissue Infection)

12. N Engl. J. Med,Dec.7,2017

13. 侵入門戸が明らかな場合

14. 侵入門戸がはっきりしない場合

15. 筋の遠心性収縮運動
の反復
筋挫傷
筋芽細胞の
活性化、増殖

16. 活性化した筋芽細胞
の表面にはVimentin
が表出している。
Vimentinは
GASのkey ligand

17. Vimentin
GAS
J Infect Dis 2006;193(12):1685-1692.

18. 外毒素の放出
血小板-白血球複合体
の形成、凝集

19. Clinical Microbiology Reviews, July 2003, p. 451–462

20. Clinical Microbiology Reviews, July 2003, p. 451–462

21. 外毒素の放出
血小板-白血球複合体
の形成、凝集
血管閉塞

22. J Infect Dis. 2000 Sep;182(3):
799-807. Epub 2000 Aug 17.
PLC
(clostridiumの外毒素)
筋注後２分後

23. J Infect Dis. 2000 Sep;182(3):
799-807. Epub 2000 Aug 17.
PLC
筋注後40分後

24. J Infect Dis. 2000 Sep;182(3):
799-807. Epub 2000 Aug 17.

25. J Infect Dis. 2000 Sep;182(3):
799-807. Epub 2000 Aug 17.

27. 血管閉塞⇨痛みが強い。
今回の症例も
当初は動脈閉塞が疑われ
造影CTが施行された。

28. 血管閉塞⇨出血しない
血栓により白血球の消費
⇨浸出液が膿性でない

29. 皮膚表層の変化は
遅れて出てくる

30. 感染症内科ただいま診断中(中外医学社)より

31. Necrotizing soft tissue infection:
principles of diagnosis and managemen

32. Scandinavian Journal of Trauma, Resuscitation
and Emergency Medicine 2009, 17:28

33. Typical intraoperative clinical signs are
a greyish-necrotic fascia
as well as
milky cloudy fluid (‘dishwater pus’)
Journal of Surgical Case Reports, 2017;11, 1–4

34. American Journal of Surgery, The, 2008-09-01,
Volume 196, Issue 3, Pages e19-e24
Dishwater

35. TypeⅠ TypeⅡ
混合感染 GASが主
DM、免疫不全など
がリスク
健常者にも生じる
緩徐進行 急速進行
侵入部位が
明らかなことが多い
侵入部位が
不明なことが多い
好発部位は
腹壁、鼠径部
下肢に好発
感染症内科ただいま診断中(中外医学社)
ER・救急９９９の謎（メディカルサイエンスインターナショナル）

36. 感染部位と起因菌を検討した文献

37. Necrotizing fasciitis in southeast Taiwan: clinical features, microbiology, and prognosis
International Journal of Infectious Diseases (2009) 13, 255—260

38. Necrotizing fasciitis in southeast Taiwan: clinical features, microbiology, and prognosis
International Journal of Infectious Diseases (2009) 13, 255—260 より抜粋

39. Necrotizing fasciitis in southeast Taiwan: clinical features, microbiology, and prognosis
International Journal of Infectious Diseases (2009) 13, 255—260

40. Necrotizing fasciitis in southeast Taiwan: clinical features, microbiology, and prognosis
International Journal of Infectious Diseases (2009) 13, 255—260

41. 感染症のトライアングルモデル
患者背景
感染臓器 微生物
トライアングルモデルで身につける感染症診療の考え「型」 羊土社

42. 患者背景
感染臓器
微生物
重症度
救急集中治療における
感染症のトライアングルモデル

43. 患者背景
感染臓器
微生物
重症度
NSTIにおける
感染症のトライアングルモデル

44. 患者背景
感染臓器
微生物
重症度
NSTIにおける
感染症のトライアングルモデル

45. 患者背景
感染臓器
微生物
重症度
NSTIにおける
感染症のトライアングルモデル
もれなくド重症！
broad抗菌薬は許容される

46. 患者背景
感染臓器
微生物
重症度
NSTIにおける
感染症のトライアングルモデル

47. 患者背景
感染臓器
微生物
重症度
NSTIにおける
感染症のトライアングルモデル
健常人？糖尿病？
免疫不全？肝硬変？
手術歴？外傷？PAD？
水環境への暴露？
CA-MRSAのリスク？

48. 患者背景
感染臓器
微生物
重症度
NSTIにおける
感染症のトライアングルモデル

49. 患者背景
感染臓器
微生物
重症度
NSTIにおける
感染症のトライアングルモデル
下肢？上肢？
体幹？鼠径？
傷との関係は？
手術との関係は？

50. 患者背景
感染臓器
微生物
重症度
NSTIにおける
感染症のトライアングルモデル
患者背景、感染部位、
症状の進行から
ある程度予想できる
かもしれない

51. 患者背景
感染臓器
微生物
重症度
NSTIにおける
感染症のトライアングルモデル
ただしnarrowに
攻めるのは
検査後が無難

52. 患者背景、感染部位から
起因菌を予想する
ドレナージに同席し
確実に検体を得る
グラム染色、GAS迅速キットで
迅速に菌を突き止める

53. これらをできる者のみが
narrowに攻める権利
を有する

54. とある救急集中治療医と
スーパー整形外科医(架空)の会話

55. デブリありがとう
NSTIって最重症感染症だし
抗菌薬はMEPM継続しとくね

56. デブリ時のdishwaterの
グラム染色と溶連菌迅速キットで
GASが確定的なんで
PCGで充分だと思いますよ