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1  脱メール の夢は「Slack」で本当にかなうのか?
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「Slack」は本当にメールの代わりになるのか?
 コミュニケーションツールは企業の共同作業(コラボレーション)に欠かせない。中でも導入
が広がっているのが、「ビジネスチャット」とも呼ばれる企業向けのチャットツールだ。IT 製品の
購買支援を手掛ける Spiceworks が 2018 年、北米企業と欧州企業の IT 関連意思決定者 900
人以上を対象に実施した調査によると、あらゆる規模の組織において、以前よりもチャットツール
の導入が増加しているという。
 各チャットツールは、ビデオ会議やファイル共有といった企業向け機能の追加によってシェアを
争っている。今回の調査対象となったチャットツールは「Skype for Business」「Microsoft
Teams」「Slack」「Google Hangouts」「Workplace by Facebook」だ。「Cisco Webex
Teams」は含まれていない。この調査報告書を書いた Spiceworks のアナリスト、ピーター・
ツァイ氏によると、対象はチャット中心の製品/サービスに限定し、ビデオ会議やオンライン会議
などが中心の製品/サービスは除外した。
脱メール の夢は「Slack」で
本当にかなうのか?
組織のコミュニケーション手段として広がりを見せる「Slack」「Skype for Business」
「Microsoft Teams」などのコラボレーションツール。こうしたツールは、メールの代わ
りになるのだろうか。
2  脱メール の夢は「Slack」で本当にかなうのか?
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■ チャットツールの導入状況
 企業規模によって、よく導入されているチャットツールは異なる。今回の調査結果によると、大
規模な企業では Microsoft Teams や Skype for Business、小規模な企業では Slack の採用
が多い。MicrosoftはSkype for BusinessからMicrosoft Teamsへの移行を推進している。こ
うした取り組みは、Microsoft Teams のターゲット層拡大や導入増加につながる可能性が高い
と、ツァイ氏は語る。
 Google Hangouts は企業向け機能が比較的充実している割に、導入率がそれほど高くない。
調査会社 Frost & Sullivan のロバート・アーノルド氏は、Google は技術的な観点から市場の動
向を追っていないと指摘し、ビジネス向け分野に対する Google のコミットメントには「一貫性が
なかった」と主張する。ただし持続的にコミットメントをするようになれば「Google がこの市場
で破壊的な変革を起こす可能性は大いにある」とアーノルド氏は語る。
 Workplace by Facebook は今回の調査結果で、最も導入企業が少なかった。調査会社
Nemertes Research のアナリスト、アーウィン・ラザー氏によると、Workplace by Facebook
は企業向け機能を強化しているものの、多くの IT 担当者にとっては依然として、企業内ポータル
や企業内ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)というイメージがあるという。
 大規模な企業は、導入済みのユニファイドコミュニケーション(UC)製品と同じベンダーが提
供するチャットツールを採用する傾向がある。その方が相互に連携しやすく、一般的には追加コ
ストがかからないからだ。小規模な企業は特定のニーズを満たすチャットツールを選び、機能を評
価して採用を決める傾向がある。
■ メール vs. チャットツール
 チャットツールはコラボレーション機能をますます充実させており、メールの後継ツールの観を
呈している。スレッド(一連のやりとり)が無秩序になりがちなメールと比べて、コンテキスト(状
況)に応じたコミュニケーションを取りやすいことが、チャットツールの大きな強みだ。「チャット
ツールがコミュニケーションの中心になってきており、メールに取って代わりつつある。当社は、
チャットツールを導入してから社内メールを使わなくなった」とラザー氏は言う。
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 社内コミュニケーションではチャットツールの利用が拡大しているが、外部とのコミュニケー
ションでは依然としてメールが主流だ。今回の調査結果では、チャットツールがメールに取って代
わると考える IT 担当者は少なかった。チャットツールの方がメールより安価だと回答した IT 担当
者は 30%で、Spiceworks が 2016 年に調査した際の 39%から減少した。チャットツールのセ
キュリティに不安を抱く IT 担当者は少なくない。例えばチャットツールで情報を共有する場合に、
法規制の順守(コンプライアンス)が可能かどうかが懸念点となる。
■ セキュリティに関する懸念
 メールとの比較において IT 担当者の間には、チャットツールのセキュリティ、特に暗号化レベ
ルに関する不安がある。一般的なチャットツールは、伝送中のデータと保管時のデータの暗号化
が可能だ。ただし送信者と受信者の端末だけでデータを復号する「エンドツーエンド暗号化」を
提供しているのは、Skype や「WhatsApp」など一部のチャットツールに限られる。
 従業員が会社や IT 部門の許可なく、IT 製品/サービスを持ち込んで利用する「シャドー IT」
の心配もある。未承認のコミュニケーションツールを従業員が使えば、データ共有の集中管理が
できなくなる。今回の調査では、未承認のチャットツールを従業員が使用していると回答した IT
担当者は 25%で、2016 年の 36%から減少した。
 IT 担当者は「従業員が必要とし、使いたがるようなツールを提供すべきだ」と、アーノルド氏
は主張する。同氏によると、シャドー IT の問題はますます重要になっており、IT 担当者は未承認
ツールの使用にまつわる GRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)の問題を減らそうと苦
心している。一方でラザー氏によると、自社のセキュリティ管理ポリシーに準拠していることを条
件に、部署ごとに好きなツールを使うことを認めている企業は 3 分の 2 にも上るという。
脱メール依存 に本気なら「チームコラボレーションツール」を検討しよう
 従業員や顧客、パートナーなど各者間のコミュニケーションを合理化し、コラボレーションを促
進する手段として「チームコラボレーションツール」を採用している企業は少なくない。最近の
チームコラボレーションツールは、グループメッセージングからコンテンツ共有、相手と 1 対 1 で
向き合うミーティングに至るまで、幅広い分野の機能を備える。生産性の向上やプロジェクトの
追跡など、数多くのメリットをもたらす。
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■ 組織の規模は問わない
 かつてコミュニケーション手段といえば、ボイスメール(留守番電話)サービス付きの音声電
話といった標準的な手段ならともかく、高度な機能を持つシステムを導入するのは大規模なユー
ザー企業に限られていた。オンプレミス向けの複雑なユニファイドコミュニケーション(UC)製
品の場合、その購入、配備、管理に当たって費用が参入障壁となっていた。
 クラウドコンピューティングの普及によって、ユーザー企業間の競争の土台が平準化された。今
はごく小規模な企業でも、大企業が使っているものと全く同じチームコラボレーションツールを利
用できる。
 大規模企業向けチームコラボレーションツールは一般的に、複数組織の間でシームレスなコ
ミュニケーションを可能にするメッセージング機能を備える。小規模な新興企業であっても、大企
業の顧客と同一のチームコラボレーションツールを使用して、一貫した方法でコミュニケーション
ができる時代になった。規模の異なる企業間で関係を確立したり、コミュニケーションを強化し
たりする際に、チームコラボレーションツールは非常に大きな役割を果たす。
■ チームコラボレーションツールとメールとの違い
 従来のコミュニケーション手段と比較した場合に、チームコラボレーションツールの利点が特に
目立つ場面がある。例えば複数のチームメンバーが長期的なプロジェクトを受け持っているビジネ
スユニットにおいて、チームコラボレーションツールのメッセージング機能と、従来のメールを比
較するとしよう。
 チームコラボレーションツールのメッセージング機能を使うと、プロジェクトチームのメンバー
をいつでもチャットグループに追加したり削除したりできる。グループに追加したメンバーは、そ
のメンバーの参加前に共有されていた以前のメッセージやリンク、コンテンツなどにアクセスでき
る。メンバーやグループへの参加時期に関係なく、全員が確実にプロジェクトのコンテンツへアク
セスできるようになる。
 チームコラボレーションツールのほとんどは、コンテキスト検索機能を備えている。この機能が
あると、グループチャットの履歴に含まれているコンテンツを探しやすくなる。
 これまでプロジェクト内での情報共有手段として使われてきたメールでは、2 者間の会話に新し
い受信者を追加すると、メールスレッドが混乱する場合がある。特定の情報を検索する際に、重
複の山の中から探し出さなければならなかったり、逆に探しているコンテンツが欠落していたりす
ることもある。
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 添付ファイルについては、以前送信されたメールには含まれていない可能性がある。そうすると
送信者にファイルの再送を要求せざるを得ず、さらなる混乱を招く場合がある。グループメンバー
に対してメールを送信する場合、チームメンバーの誰かが「全員に返信」のつもりで 1 人のメン
バーへの「返信」をクリックすると、そのスレッドの輪から、不本意ながら他のメンバーの誰かが
外れてしまうこともある。
 複数のチームメンバーとプロジェクト情報をやりとりする場面では、1 つ 1 つの出来事はささい
なものでも、こうした要因が組み合わさると大きな障害となる。
■ チームコラボレーションアプリはコンプライアンスの要件もカバーする
 これまで医療、金融機関、政府機関など一部の業種では、データに関する各業界向けの法制
度に準拠していないため、チームコラボレーションツールを採用できない状況が発生していた。幸
いなことに、大企業向けのチームコラボレーションツールのベンダーは、データ処理関連の特殊
な法制度や仕様への準拠が求められる業種でも、問題なく利用可能にするための取り組みを始め
ている。
 従来のチームコラボレーションツールは、エンドツーエンドのメッセージ暗号化やデータの可視
化、レポート作成、オンプレミスの専用サーバを使った暗号 管理など、幾つかの機能が不足し
ていた。現在は、こうした高度なコンプライアンス機能を提供するチームコラボレーションツール
が幾つか販売されており、幅広い業種で安心して使用できるようになりつつある。
■ 別拠点のチームメンバーとのコミュニケーションに伴う課題もクラウドで軽減
 本社以外の広範囲に拠点が分散し、従業員が複数のタイムゾーンにまたがって勤務している企
業は、クラウドベースのチームコラボレーションツールが有効であることに気付いている。クラウ
ドベースのチームコラボレーションツールは、モバイルデバイスからの利用を中心に据えており、多
くの従業員が別拠点に常駐している企業やグローバル企業に適している。
 トラブル対応コールセンターを 24 時間年中無休で運営している企業を想定しよう。この企業
では「フォローザサン」(Follow the Sun)というモデルを採用しているとする。これは 24 時間
体勢で運用するコールセンターを 1 カ所だけ配置するのではなく、複数のコールセンターを世界
各地に点在させ、各コールセンターは通常の勤務時間で、次々と別拠点に引き継ぐことだ。ある
拠点の稼働時間が終了した際には、インフライト(仕掛かり中)の障害チケットを次の拠点へと
引き継ぐ。
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 クラウドベースのチームコラボレーションツールがあれば、障害の情報を受け付けたコールセン
ターの従業員が、次のシフトの勤務を開始しようとしている拠点のスタッフに、その障害チケット
に関する情報を引き継ぐことができる。障害チケットに関する情報は、地理的に分散したチーム
間で共有できる。
■ 単一ツールで真のUCを実現
 UC の最終的な目標は、あらゆるコミュニケーションニーズを満たす単一のシステムを組織全体
で使用することだ。チームコラボレーションツールは前述の通り、メッセージング、電話会議、ビ
デオ会議、ソーシャルネットワークなど、幅広い機能を含む。ユーザー企業としては、自社で必
要とするコミュニケーション手段を全て包含した製品を見つけることを目標にすべきだ。
 全エンドユーザーが使うチームコラボレーションツールを 1 種類に絞り込むと、組織は次の 2
つの主要な効果を実感できる。1 つは、会社や IT 部門の許可なく IT 製品/サービスを業務利用
する「シャドー IT」が、コラボレーションに与える影響を軽減できる点だ。基本機能を無料で利
用可能にしているチームコラボレーションツールが少なくないことから、各部署が IT 部門からの
情報提供や支援を受けずに、独自の決定に従ってチームコラボレーションツールを使用する例も
ある。この傾向は、重要なデータの損失を防ぐのが困難になるという、セキュリティ上の課題に
つながる。こうしたシャドー IT を統制できる見通しが立たない場合、機密情報や知的財産を紛失
したり盗まれたりする可能性が高まる。
 もう 1 つの利点は、全員が同じツールを使用することで、チームコラボレーションツールの効
果がますます増大するという事実だ。コミュニケーション手段の統一により、部門間の縦割り志向
(サイロ化)を打破し、社内の全員で情報を交換できるようになる。裏を返せば、各部門が独自
のチームコラボレーションツールを使用すると、コミュニケーションが分断されたり、データセキュ
リティの問題が即座に発生したりする可能性がある。企業は最終的に、単一のチームコラボレー
ションツールが大多数の従業員のニーズを満たすことを保証する必要がある。
 どのような規模の企業であっても、チームコラボレーションツールの購入を正当化する方法は
複数存在する。大企業向けツールの場合は一般的に、幅広い要件を満たすために微調整用のオ
プションを用意している。とはいえ競合よりも圧倒的に優れたチームコラボレーションツールは現
時点では存在しないので、今後の選択肢の充実に期待が集まる。
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脱メール の夢は「Slack」で本当にかなうのか?
2019 年 8 月 8 日
編集:TechTarget ジャパン
発行:アイティメディア株式会社
Copyright 2019 ITmedia,Inc. TechTarget,Inc. All Rights Reserved.

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  • 1. 1  脱メール の夢は「Slack」で本当にかなうのか? I T イ ン フ ラ 経 営 セ キ ュ リ テ ィ 業 務 ア プ リ イ ン ダ ス ト リ ー 「Slack」は本当にメールの代わりになるのか?  コミュニケーションツールは企業の共同作業(コラボレーション)に欠かせない。中でも導入 が広がっているのが、「ビジネスチャット」とも呼ばれる企業向けのチャットツールだ。IT 製品の 購買支援を手掛ける Spiceworks が 2018 年、北米企業と欧州企業の IT 関連意思決定者 900 人以上を対象に実施した調査によると、あらゆる規模の組織において、以前よりもチャットツール の導入が増加しているという。  各チャットツールは、ビデオ会議やファイル共有といった企業向け機能の追加によってシェアを 争っている。今回の調査対象となったチャットツールは「Skype for Business」「Microsoft Teams」「Slack」「Google Hangouts」「Workplace by Facebook」だ。「Cisco Webex Teams」は含まれていない。この調査報告書を書いた Spiceworks のアナリスト、ピーター・ ツァイ氏によると、対象はチャット中心の製品/サービスに限定し、ビデオ会議やオンライン会議 などが中心の製品/サービスは除外した。 脱メール の夢は「Slack」で 本当にかなうのか? 組織のコミュニケーション手段として広がりを見せる「Slack」「Skype for Business」 「Microsoft Teams」などのコラボレーションツール。こうしたツールは、メールの代わ りになるのだろうか。
  • 2. 2  脱メール の夢は「Slack」で本当にかなうのか? I T イ ン フ ラ 経 営 セ キ ュ リ テ ィ 業 務 ア プ リ イ ン ダ ス ト リ ー ■ チャットツールの導入状況  企業規模によって、よく導入されているチャットツールは異なる。今回の調査結果によると、大 規模な企業では Microsoft Teams や Skype for Business、小規模な企業では Slack の採用 が多い。MicrosoftはSkype for BusinessからMicrosoft Teamsへの移行を推進している。こ うした取り組みは、Microsoft Teams のターゲット層拡大や導入増加につながる可能性が高い と、ツァイ氏は語る。  Google Hangouts は企業向け機能が比較的充実している割に、導入率がそれほど高くない。 調査会社 Frost & Sullivan のロバート・アーノルド氏は、Google は技術的な観点から市場の動 向を追っていないと指摘し、ビジネス向け分野に対する Google のコミットメントには「一貫性が なかった」と主張する。ただし持続的にコミットメントをするようになれば「Google がこの市場 で破壊的な変革を起こす可能性は大いにある」とアーノルド氏は語る。  Workplace by Facebook は今回の調査結果で、最も導入企業が少なかった。調査会社 Nemertes Research のアナリスト、アーウィン・ラザー氏によると、Workplace by Facebook は企業向け機能を強化しているものの、多くの IT 担当者にとっては依然として、企業内ポータル や企業内ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)というイメージがあるという。  大規模な企業は、導入済みのユニファイドコミュニケーション(UC)製品と同じベンダーが提 供するチャットツールを採用する傾向がある。その方が相互に連携しやすく、一般的には追加コ ストがかからないからだ。小規模な企業は特定のニーズを満たすチャットツールを選び、機能を評 価して採用を決める傾向がある。 ■ メール vs. チャットツール  チャットツールはコラボレーション機能をますます充実させており、メールの後継ツールの観を 呈している。スレッド(一連のやりとり)が無秩序になりがちなメールと比べて、コンテキスト(状 況)に応じたコミュニケーションを取りやすいことが、チャットツールの大きな強みだ。「チャット ツールがコミュニケーションの中心になってきており、メールに取って代わりつつある。当社は、 チャットツールを導入してから社内メールを使わなくなった」とラザー氏は言う。
  • 3. 3  脱メール の夢は「Slack」で本当にかなうのか? I T イ ン フ ラ 経 営 セ キ ュ リ テ ィ 業 務 ア プ リ イ ン ダ ス ト リ ー  社内コミュニケーションではチャットツールの利用が拡大しているが、外部とのコミュニケー ションでは依然としてメールが主流だ。今回の調査結果では、チャットツールがメールに取って代 わると考える IT 担当者は少なかった。チャットツールの方がメールより安価だと回答した IT 担当 者は 30%で、Spiceworks が 2016 年に調査した際の 39%から減少した。チャットツールのセ キュリティに不安を抱く IT 担当者は少なくない。例えばチャットツールで情報を共有する場合に、 法規制の順守(コンプライアンス)が可能かどうかが懸念点となる。 ■ セキュリティに関する懸念  メールとの比較において IT 担当者の間には、チャットツールのセキュリティ、特に暗号化レベ ルに関する不安がある。一般的なチャットツールは、伝送中のデータと保管時のデータの暗号化 が可能だ。ただし送信者と受信者の端末だけでデータを復号する「エンドツーエンド暗号化」を 提供しているのは、Skype や「WhatsApp」など一部のチャットツールに限られる。  従業員が会社や IT 部門の許可なく、IT 製品/サービスを持ち込んで利用する「シャドー IT」 の心配もある。未承認のコミュニケーションツールを従業員が使えば、データ共有の集中管理が できなくなる。今回の調査では、未承認のチャットツールを従業員が使用していると回答した IT 担当者は 25%で、2016 年の 36%から減少した。  IT 担当者は「従業員が必要とし、使いたがるようなツールを提供すべきだ」と、アーノルド氏 は主張する。同氏によると、シャドー IT の問題はますます重要になっており、IT 担当者は未承認 ツールの使用にまつわる GRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)の問題を減らそうと苦 心している。一方でラザー氏によると、自社のセキュリティ管理ポリシーに準拠していることを条 件に、部署ごとに好きなツールを使うことを認めている企業は 3 分の 2 にも上るという。 脱メール依存 に本気なら「チームコラボレーションツール」を検討しよう  従業員や顧客、パートナーなど各者間のコミュニケーションを合理化し、コラボレーションを促 進する手段として「チームコラボレーションツール」を採用している企業は少なくない。最近の チームコラボレーションツールは、グループメッセージングからコンテンツ共有、相手と 1 対 1 で 向き合うミーティングに至るまで、幅広い分野の機能を備える。生産性の向上やプロジェクトの 追跡など、数多くのメリットをもたらす。
  • 4. 4  脱メール の夢は「Slack」で本当にかなうのか? I T イ ン フ ラ 経 営 セ キ ュ リ テ ィ 業 務 ア プ リ イ ン ダ ス ト リ ー ■ 組織の規模は問わない  かつてコミュニケーション手段といえば、ボイスメール(留守番電話)サービス付きの音声電 話といった標準的な手段ならともかく、高度な機能を持つシステムを導入するのは大規模なユー ザー企業に限られていた。オンプレミス向けの複雑なユニファイドコミュニケーション(UC)製 品の場合、その購入、配備、管理に当たって費用が参入障壁となっていた。  クラウドコンピューティングの普及によって、ユーザー企業間の競争の土台が平準化された。今 はごく小規模な企業でも、大企業が使っているものと全く同じチームコラボレーションツールを利 用できる。  大規模企業向けチームコラボレーションツールは一般的に、複数組織の間でシームレスなコ ミュニケーションを可能にするメッセージング機能を備える。小規模な新興企業であっても、大企 業の顧客と同一のチームコラボレーションツールを使用して、一貫した方法でコミュニケーション ができる時代になった。規模の異なる企業間で関係を確立したり、コミュニケーションを強化し たりする際に、チームコラボレーションツールは非常に大きな役割を果たす。 ■ チームコラボレーションツールとメールとの違い  従来のコミュニケーション手段と比較した場合に、チームコラボレーションツールの利点が特に 目立つ場面がある。例えば複数のチームメンバーが長期的なプロジェクトを受け持っているビジネ スユニットにおいて、チームコラボレーションツールのメッセージング機能と、従来のメールを比 較するとしよう。  チームコラボレーションツールのメッセージング機能を使うと、プロジェクトチームのメンバー をいつでもチャットグループに追加したり削除したりできる。グループに追加したメンバーは、そ のメンバーの参加前に共有されていた以前のメッセージやリンク、コンテンツなどにアクセスでき る。メンバーやグループへの参加時期に関係なく、全員が確実にプロジェクトのコンテンツへアク セスできるようになる。  チームコラボレーションツールのほとんどは、コンテキスト検索機能を備えている。この機能が あると、グループチャットの履歴に含まれているコンテンツを探しやすくなる。  これまでプロジェクト内での情報共有手段として使われてきたメールでは、2 者間の会話に新し い受信者を追加すると、メールスレッドが混乱する場合がある。特定の情報を検索する際に、重 複の山の中から探し出さなければならなかったり、逆に探しているコンテンツが欠落していたりす ることもある。
  • 5. 5  脱メール の夢は「Slack」で本当にかなうのか? I T イ ン フ ラ 経 営 セ キ ュ リ テ ィ 業 務 ア プ リ イ ン ダ ス ト リ ー  添付ファイルについては、以前送信されたメールには含まれていない可能性がある。そうすると 送信者にファイルの再送を要求せざるを得ず、さらなる混乱を招く場合がある。グループメンバー に対してメールを送信する場合、チームメンバーの誰かが「全員に返信」のつもりで 1 人のメン バーへの「返信」をクリックすると、そのスレッドの輪から、不本意ながら他のメンバーの誰かが 外れてしまうこともある。  複数のチームメンバーとプロジェクト情報をやりとりする場面では、1 つ 1 つの出来事はささい なものでも、こうした要因が組み合わさると大きな障害となる。 ■ チームコラボレーションアプリはコンプライアンスの要件もカバーする  これまで医療、金融機関、政府機関など一部の業種では、データに関する各業界向けの法制 度に準拠していないため、チームコラボレーションツールを採用できない状況が発生していた。幸 いなことに、大企業向けのチームコラボレーションツールのベンダーは、データ処理関連の特殊 な法制度や仕様への準拠が求められる業種でも、問題なく利用可能にするための取り組みを始め ている。  従来のチームコラボレーションツールは、エンドツーエンドのメッセージ暗号化やデータの可視 化、レポート作成、オンプレミスの専用サーバを使った暗号 管理など、幾つかの機能が不足し ていた。現在は、こうした高度なコンプライアンス機能を提供するチームコラボレーションツール が幾つか販売されており、幅広い業種で安心して使用できるようになりつつある。 ■ 別拠点のチームメンバーとのコミュニケーションに伴う課題もクラウドで軽減  本社以外の広範囲に拠点が分散し、従業員が複数のタイムゾーンにまたがって勤務している企 業は、クラウドベースのチームコラボレーションツールが有効であることに気付いている。クラウ ドベースのチームコラボレーションツールは、モバイルデバイスからの利用を中心に据えており、多 くの従業員が別拠点に常駐している企業やグローバル企業に適している。  トラブル対応コールセンターを 24 時間年中無休で運営している企業を想定しよう。この企業 では「フォローザサン」(Follow the Sun)というモデルを採用しているとする。これは 24 時間 体勢で運用するコールセンターを 1 カ所だけ配置するのではなく、複数のコールセンターを世界 各地に点在させ、各コールセンターは通常の勤務時間で、次々と別拠点に引き継ぐことだ。ある 拠点の稼働時間が終了した際には、インフライト(仕掛かり中)の障害チケットを次の拠点へと 引き継ぐ。
  • 6. 6  脱メール の夢は「Slack」で本当にかなうのか? I T イ ン フ ラ 経 営 セ キ ュ リ テ ィ 業 務 ア プ リ イ ン ダ ス ト リ ー  クラウドベースのチームコラボレーションツールがあれば、障害の情報を受け付けたコールセン ターの従業員が、次のシフトの勤務を開始しようとしている拠点のスタッフに、その障害チケット に関する情報を引き継ぐことができる。障害チケットに関する情報は、地理的に分散したチーム 間で共有できる。 ■ 単一ツールで真のUCを実現  UC の最終的な目標は、あらゆるコミュニケーションニーズを満たす単一のシステムを組織全体 で使用することだ。チームコラボレーションツールは前述の通り、メッセージング、電話会議、ビ デオ会議、ソーシャルネットワークなど、幅広い機能を含む。ユーザー企業としては、自社で必 要とするコミュニケーション手段を全て包含した製品を見つけることを目標にすべきだ。  全エンドユーザーが使うチームコラボレーションツールを 1 種類に絞り込むと、組織は次の 2 つの主要な効果を実感できる。1 つは、会社や IT 部門の許可なく IT 製品/サービスを業務利用 する「シャドー IT」が、コラボレーションに与える影響を軽減できる点だ。基本機能を無料で利 用可能にしているチームコラボレーションツールが少なくないことから、各部署が IT 部門からの 情報提供や支援を受けずに、独自の決定に従ってチームコラボレーションツールを使用する例も ある。この傾向は、重要なデータの損失を防ぐのが困難になるという、セキュリティ上の課題に つながる。こうしたシャドー IT を統制できる見通しが立たない場合、機密情報や知的財産を紛失 したり盗まれたりする可能性が高まる。  もう 1 つの利点は、全員が同じツールを使用することで、チームコラボレーションツールの効 果がますます増大するという事実だ。コミュニケーション手段の統一により、部門間の縦割り志向 (サイロ化)を打破し、社内の全員で情報を交換できるようになる。裏を返せば、各部門が独自 のチームコラボレーションツールを使用すると、コミュニケーションが分断されたり、データセキュ リティの問題が即座に発生したりする可能性がある。企業は最終的に、単一のチームコラボレー ションツールが大多数の従業員のニーズを満たすことを保証する必要がある。  どのような規模の企業であっても、チームコラボレーションツールの購入を正当化する方法は 複数存在する。大企業向けツールの場合は一般的に、幅広い要件を満たすために微調整用のオ プションを用意している。とはいえ競合よりも圧倒的に優れたチームコラボレーションツールは現 時点では存在しないので、今後の選択肢の充実に期待が集まる。
  • 7. 7  脱メール の夢は「Slack」で本当にかなうのか? I T イ ン フ ラ 経 営 セ キ ュ リ テ ィ 業 務 ア プ リ イ ン ダ ス ト リ ー TechTarget ジャパン プレミアム 脱メール の夢は「Slack」で本当にかなうのか? 2019 年 8 月 8 日 編集:TechTarget ジャパン 発行:アイティメディア株式会社 Copyright 2019 ITmedia,Inc. TechTarget,Inc. All Rights Reserved.