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1. 複数センサを用いた
胎児心音検出の精度向上の研究
所属 音メディア処理研究室
発表者 1758244 破良 朱音
指導教員 古家 賢一 教授

2. 目次
•背景
•目的
•従来研究
•提案手法
•実験
•まとめ
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3. 背景
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胎児心拍数（fHR）の観察は、妊娠期間中の
適切な胎児の健康評価に重要である。
現在の診療では、ドップラー聴診器などの
超音波を用いた装置によって行われている。
より安全、簡単に観察するための方法として
「聴診」がある。
母体への影響
使用の複雑さ
ドップラー聴診器の例
(AngelSounds)
https://www.clinicalguard.com/jumper-angelsounds-100s-fetal-baby-doppler-heartbeat-monitor-p-695.html

4. 目的
3
しかし、聴診音は多くの雑音を含んでいる
聴診の音から胎児の心音を抽出する
目的：
低コスト、容易である
→在宅医療への応用
→胎児の成熟や異常などへの継続的な観察
→妊婦の安全
展望
母体の心音
羊水の音
環境音

5. 従来研究
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ウェーブレット変換とフラクタル次元解析を用いた
胎児心音検出の精度向上の研究 (2020) 田中真央
概要 ・SS法を適用した模擬fPCG(胎児心音)に
ウェーブレット変換(WT)ベースのフラクタル次元(FD)解析を
組み合わせた手法を適用する
SS法(スペクトルサブトラクション法)
雑音を含んだ信号データの
パワースペクトルから、雑音の
パワースペクトルの平均値を引く
雑音除去の手法
所望信号を全て
取り除くまでループする

6. ウェーブレット変換
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WT: 低周波では周波数の正確さを、高周波では
分析区間の短さを優先し、どの様な波が
音に含まれているか調べることができる
正弦波でない、心音のような波形に適している
Ⅰ音「ドッ」
Ⅱ音「クン」
https://www.kango-roo.com/learning/5227/

7. フラクタル次元解析の心音抽出
6
FD: 時間領域での信号の「複雑さ」を表す
波に変化が起こっていると数値が上昇する
心音らしさを見つけるために利用する
雑音：ランダム
心音：急激な変化
(Hz)
(Hz)
(振幅)
(振幅)

8. 従来研究結果・課題
7
・胎児の健康状態を把握する精度に達していない
特に心音のⅡ音の検出率が低く、また心音以外が
混じっている可能性がある
SS法適用後の音源
WTFD法適用後
・実際に録音した音源に適用したことがない
(振幅)
(振幅)
(Hz)
(Hz)

9. 提案手法
・雑音に合わせたしきい値設定
従来研究は模擬胎児心音に対する実験結果が出ているのみ
実際に録音した胎児心音にしきい値を最適化させる
・先行研究
従来研究と同様にWTFD法を実行
ノイズどころか、胎児心音まで
削られている可能性
(振幅)
(振幅)
(Hz)
(Hz)

10. 雑音に合わせたしきい値設定
9
9
・合成したノイズ信号のループ条件であるしきい値
大きい：ノイズが目的信号に含まれる
小さい：心音を十分に抽出できない
・FD解析において目的信号の探索の際のしきい値
大きい：ノイズを心音と誤判定
小さい：心音が探索によって削られる
・雑音除去のパワースペクトル
大きい：心音まで除去される
小さい：雑音を含む

11. 雑音抑圧のための複数センサー利用
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聴診箇所を増やす
・よりよく心音を抽出できている音源を選ぶ
https://www.kango-roo.com/kokushi/kako/detail/3232/1
下腹部に直線上に4つ配置、録音
4つの音源にWTFD法を実行し、
SBTH=1となった回数が多い結果を出力

12. 音源の選択
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よりよく心音が取れている
||
SBTH=1となった回数が多い
SBTH：目的信号を表す、0もしくは1の値
例 上は抽出信号、下はSBTH
１
→ 1に達している部分は”心音である”という判定
(Hz)
(Hz)
(振幅)
(SBTH)

13. 胎児心音の測定環境
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使用ソフト:Audacity
対象:20代女性 3名
サンプリング周波数:1000Hz
モノラル
測定場所:産婦人科医協力のもと、一番胎児に近い腹部の点
模擬胎児心音を実際に録音した音に変更してみる試みのため、
センサ1つで録音
マイク入力
この面を
腹部に当てる
Bluetoothで
接続
ヘッドホンで
音を確認しながら
録音

14. 実録音への最適化の結果
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・ループ条件
・従来研究の設定
・FD目的信号探索
・雑音のパワースペクトル
↓削られすぎていた点を改善
↓細かなノイズが入る点を改善
↓変化なし
(Hz)
(振幅)

15. 複数音源入力時の結果
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SN比(dB)
-26.3
・4つの音源の実行結果
-26.2
-17.2
・SBTHの回数
・結果
最後に左のグラフが表示された。
これは-17.2dB単体で実行した結果と
同様である。
4つの音源の中で
雑音が少ない音源を選べている。
-26.7
本研究ではPhysioBankのSNが異なる4つの模擬胎児心音を利用
2243
2236
2142
2411
(Hz)
(振幅)

16. 結論・考察
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録音データへの最適化
・精度の向上に成功
・模擬胎児心音とはノイズの入り方や量が異なる
・しきい値の調整が必要
・心音探索のしきい値以前の段階で検討が必要
複数入力
・よりよく心音を検出した音源の選択に成功
・SBTHに誤ってノイズが含まれている場合、必ず
雑音が少ない音源を選べるとは限らない
・録音したデータで試行する必要がある

17. まとめ
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・目的
・提案手法
・結論
・課題
聴診による胎児心音抽出精度の向上
録音データへの最適化、複数センサ利用
従来設定よりも良い精度の実現、複数の入力から
よりよく心音を抽出しているデータの選択に成功
FD解析時のパラメータの変更、複数センサでの
録音・実行