Specialityplus

1. 確定申告の基礎知識

2. 講師紹介
加賀 光義
一般社団法人SPECIALITY PLUS代表(※)
税理士法人大和パートナーズ 代表社員
2003年税理士登録。大手税理士事務所、東証1部上場のIT企業での
勤務を経て、現在は税理士法人大和パートナーズの代表社員と
一般社団法人SPECIALITY PLUS代表を兼務。
国内最大手不動産鑑定会社の大和不動産鑑定（株）と全面提携のもと、
不動産、相続などの資産税に関する税務コンサルティング、
IT企業での経験を活かした法人に対する税務コンサルティング、
スタートアップ企業支援を実施。
(※)一般社団法人SPECIALITY PLUS
URL : https://speciality-p.com/ e-mail : contact-us@speciality-p.com
弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、社会保険労務などの各分野のスペシャリストが
集まったプロフェッショナルチーム

3. 本日のセミナーのポイント
◆なぜ確定申告をするの？
◆副業会社員が確定申告をするのはどんな時？
◆副業の所得は何所得？ 事業所得と雑所得の違い
◆青色申告と白色申告の違い
〈参考〉青色申告特別控除の改正
◆確定申告のスケジュール/提出する申告書
◆確定申告をする時に準備する書類
◆事業所得の考え方
◆賢く確定申告する方法／経費を増やす
◆賢く確定申告する方法／所得控除を増やす

4. なぜ確定申告をするの？
年末調整
確定申告
1年間(1/1～12/31)の所得に対する所得税を
正しく計算して申告する手続き
申告納税制度
納税者が自ら税額を計算し、国に「申告」し「納税」する制度
会社員については、確定申告の代わりに会社で
年末調整を行い正しく所得税を計算
※2カ所以上から給料をもらっている場合は確定申告が必要

5. 副業している会社員が確定申告をするのはどんな時?
副業をしていますか？
副業の所得金額が20万円を
超えますか？
確定申告 年末調整 確定申告
給与が2,000万円を超えますか？
2カ所以上から給与を
もらっていますか
確定申告 年末調整
YES
YES
YES
YES
NO
NO
NO
NO

6. 事業所得と雑所得
▶相当程度継続して収入が得られる
▶儲かる可能性が十分にある
▶相当な時間を割いて取り組んでいる
▶人的、物的設備が整っている
▶副業の収入がなくなると生活に影響が出る
▶職業として認知されている
事業所得 雑所得
副業について、以下の要件に該当するか総合的に判断
該当する 該当しない
◎他の所得との損益通算可
◎青色申告の選択可
×他の所得との損益通算不可
×青色申告の選択不可
1,000
△300
△300
700
給与所得 事業所得
(副業)
【損益通算】
課税

7. 青色申告と白色申告の違い
青色申告 白色申告
対象者
事業所得、不動産所得、山林所得があ
り、青色申告の承認を受けた人
青色申告の承認を受けていない人
手続き 青色申告承認申請書の提出(※1) 不要
記帳方法 複式簿記 単式簿記
特別控除(※2)
最高65万円の控除
(青色申告特別控除)
なし
純損失の繰越し 赤字を3年間繰越し なし
親族に対する給与
金額の制限なし
(青色専従者控除)
配偶者86万円
その他50万円まで
※１ 青色申告で申告する場合は、申告しようとする年の3/15まで
(申告する年の1/16以後に事業を開始した場合は、事業開始日から
2ヶ月以内)に「青色申告承認申請書」を提出
※2 令和2年より改正

8. (参考)青色申告特別控除の改正
＜これまでの最大65万円の
青色申告特別控除の要件＞
(1)その年分の事業にかかる仕訳帳及び
総勘定元帳について、電子帳簿保存を
行っていること
(2)その年分の所得税の確定申告書、
貸借対照表及び損益計算書の提出を、
確定申告書の提出期限までにe-Taxを
使用して行うこと

9. 本日のセミナーのポイント
2月16日 4月15日
3月15日
コロナによる延長
確定申告のスケジュール/提出する申告書
4/15までに確定申告書を提出し、4/15までに納税
提出書類
提出書類
青色申告
(65万円/55万円控除)
青色申告
(10万円控除)
赤字で申告 白色申告
確定申告書B
(第一表、二表) ○ ○ ○ ○
青色申告決算書
(貸借対照表・損益計算書) ○
青色申告決算書
（損益計算書） ○ ○
収支内訳書
○
確定申告書
(第四表) ○

10. 確定申告で準備する書類
現金出納帳、通帳の写し、伝票など
売上関係資料資料(請求書控え、売上日報、売掛金明細、支払調書など）
経費関係資料(領収書、請求書、買掛金明細、カード明細)
固定資産台帳、棚卸表など
給与所得 給与の源泉徴収票
扶養控除 氏名、続柄、生年月日、同居・別居の別、障害者に該当するか
生命保険料控除 生命保険料控除明書
小規模企業共済
掛金等控除
小規模企業共済等掛金等控除証明書
地震保険控除 地震保険料控除証明書
医療費控除 医療費の領収書、保険金などで補填された金額を確認する資料
寄付金控除 寄付金(ふるさと納税)の領収書、証明書
住宅借入金等控除 借入金の年末残高証明書
所得の計算に必要な資料
所得控除に必要な資料
事業所得

11. 課税対象となる所得金額の考え方
売上
■副業・兼業、フリーランス
必要経費
所得金額
課税所得 所得控除
■会社員
給与
給与所得控除
所得金額
課税所得 所得控除
必要経費と所得控除を増やすことで節税が可能
給与の金額に決まるため、増やすことは出来ない。

12. 賢く申告をする方法 －経費を増やす－
経費は仕入れや事務経費だけではなく、自宅家賃、光熱費、交通費
交際費、家族への給料なども計上することができます。
経費として認められる範囲はかなり広く、一般に考えられているよりも
経費の線引きは緩くなっています。
例えば、接待交際費は取引先を接待した場合だけではなく、実際に
仕事に少しでも関係のある人、少しでも仕事に役立ちそうな情報を
もっている人を接待した場合でも計上することが出来ます。
売上/給与
必要経費
所得金額
課税所得 所得控除

13. 家賃
仕入 光熱費 通信費
交通費
交際費
給料賃金 広告宣伝費 消耗品費
新聞図書費
◆家事関連費等、事業に関連するものを経費として計上
◆専従者給与や青色専従者控除の活用
・専従者控除(白色) 配偶86万円、その他50万円、届出なし
・青色専従者控除 金額制限なし、届出必要
◆交際費、備品の取得(30万円未満)、旅費交通費等
賢く申告をする方法 －経費を増やす－

14. 売上/給与
必要経費/給与所得控除
所得金額
課税所得 所得控除
1. 基礎控除
2. 配偶者控除
3. 配偶者特別控除
4. 扶養控除
5. 医療費控除
6. 社会保険料控除
7. 生命保険料控除
所得控除 15種類
8. 地震保険料控除
9. 寄付金控除
10. 寡婦、寡夫控除
11. 勤労学生控除
12. 障害者控除
13. 雑損控除
14. 小規模企業共済等掛金控除
15. ひとり親控除
賢く申告をする方法 －所得控除を増やす－

15. とう
扶養控除
売上/給与
必要経費/給与所得控除
所得金額
課税所得 扶養控除
◆扶養控除は6親等内の血族、もしくは3親等内の姻族が対象
いとこの子供や祖父母の
兄弟も対象となる
配偶者の祖父母も対象となる
◆「扶養している」、「生計を一にしている」家族がいる人が対象
・年齢制限なし
・同居していなくてもOK
・年金をもらっている親でも扶養控除の対象になる
控除額 一般 38万円 19歳～22歳 63万円
70歳以上(同居) 58万円 70歳以上(非同居) 48万円

16. 社会保険料控除
売上
必要経費
所得金額
課税所得 社会保険料控除
◆自分の社会保険料だけではなく、支払った家族の社会保険料も
社会保険料控除の対象になる。
→ 親の社会保険料、フリーターの子供の社会保険料も対象となる。
◆未納分の社会保険料は支払った年の社会保険料控除の対象となる
→ 所得が多い年に未納の社会保険料を支払えば節税となる。

17. • 控除額 最高200万円
確定申告の基礎知識
ご清聴ありがとうございました