「グローバル・フード・ヒストリー」 大学の講座概要

1. Global Food History
グローバル・フード・ヒストリー
Lectured by
Aoi Nakakoji

2. Lecturer : 中小路葵Aoi Nakakoji
ボローニャ大学
歴史文化学部
Global Cultures専攻
Career:
2018 東京大学（国際関係論）卒業
クックパッド→三菱UFJリサーチ＆コンサルティング
複業でイタリア家庭料理研究家として活動

3. Learning Outcomes
1 歴史学の構造に対する真にグローバルなアプローチを学ぶ
2 食の切り口を通して文化の多面性を学ぶ
3 フード・スタディについて分野を横断した最新の知見を学ぶ

4. Contents
1. 「グローバル・ヒストリー」とは何か
2. 「フード・ヒストリー」の研究
3. 貴族料理と庶民料理
4. 国民料理と地方料理
5. 帝国主義と食文化
6. 移民と食文化
7. 「グローバル・ヒストリー」における日本料理
8. まとめ：「グローバル・フード・ヒストリー」とは何か

5. 1. 「グローバル・ヒストリー」とは何か
「ワールド・ヒストリー」と何が違うのか
時間、空間、構造
；インド洋の歴史
人が作る構造の歴史
；ブローデル「地中海」
日常の歴史（Banale History）
; 日常のナショナリズム、日常の文化
* work: 「グローバル・ヒストリー」のケースを見つけてプレゼン

6. 2. フード・ヒストリーの研究
フード・スタディの史学
フード・ヒストリーのアプローチ
重要な議論：研究者、議論、学術的貢献
分野横断的なホットトピック
なぜ、いま、フード・ヒストリーなのか

7. 3. 貴族料理と庶民料理
料理の「歴史」
貴族料理；16世紀イタリアルネサンス期の宮廷料理、料理人、外交背景
フェラーラの宮廷料理のケース・スタディ
庶民料理；研究の限界、近年のアプローチ、基礎的な知見
グラヴィーナにおける農民料理のケース・スタディ

8. 4. 国民料理と地方料理
国民料理の発展
；ナショナリズム運動、フランス料理の誕生、メキシコのタコス
日本における「和食」と「洋食」
地方料理の発展と発見
；イタリアの地方料理、中世以来のチーズの地方性、ローカリズム運動
地方の伝統料理とは何か

9. 5. 帝国主義と食文化
大英帝国の食の植民化
；大英インドのケース、クリスマス・プディング、砂糖入り紅茶
フランス植民地帝国の食
；ベトナムのケース、モロッコのケース
日本の植民地帝国の食
；台湾のケース
戦争と食文化

10. 6. 移民と食文化
20世紀アメリカにおけるイタリア料理
イギリス料理としてのチキン・ティッカ・マサラ
ベルリンのケバブ
コソボ難民レストラン
*work : 移民の料理とその歴史的背景のケース・スタディ

11. 7. グローバル・ヒストリーにおける日本料理
（再掲）「グローバル・ヒストリー」とは何か？
日本における貴族料理と庶民料理
明治以降の国家料理
日本における食の地方性
和食と洋食の誕生
異文化の影響と取り込み
：中国、スペイン・ポルトガル、アメリカ、フランス、イタリア

12. 8. まとめ
変わるものとしての「歴史」
異文化交流の結果としての食文化
「グローバル市民」であるために